NHKBSプレミアムで放送された「ゴジラ(第1作)」の60周年記念デジタルリマスター版を視聴しました。
既に劇場公開されてはいたものの、さすがにあの状況では見に行くことも出来ず・・・
冒頭で「デジタルリマスター版」が、元の映像とどのように違うのかが比較されていました。画面のブレや白い点や線がなくなったりと、最新の技術の凄さを改めて思い知らされました。元の映像も時代を感じさせてくれるので好きですけどね(苦笑。と映し出されていたりと、最近の技術は凄いものですね。
開始間もなく、「ゴジラ」のロゴと共に、まだ見ぬゴジラの鳴き声とゴジラのテーマ曲が聞こえてきました。先日の伊福部昭さんの特番でもこのテーマ曲が紹介されていました。ゴジラと自分を重ねた伊福部さんが、製作途中の映像を見せようとしなかった円谷英二さんに頼み込んでゴジラの曲が生まれたとのことでした。
目に見えぬ恐怖に怯え、その正体が見たことも無いような身長50mの怪獣だと発覚。大戸島の伝説にならって「ゴジラ」と名づけられた怪獣には、人類の攻撃も策も一切通用しない。そんな圧倒的な力を持つゴジラを葬ることが出来る可能性があったのは、芹沢博士が開発してしまった「オキシジェン・デストロイヤー」。芹沢博士は為政者に利用されるのを防ぐためにも、自分の命と引き換えにその使用を決意し、ゴジラと共に海中に消える。しかし水爆実験が続く限り、新たなゴジラが生まれてくるのではないか・・・
第1作目のゴジラは、恐怖と強さの塊のような存在だと思います。自分が何をされたのか、分からぬままに死んでいく。その正体を知って攻撃をしても、何一つとして有効な攻撃はありませんでした。電車がぶつかっても平然としており、5万ボルトの鉄条網すら簡単に引きちぎり、戦車の攻撃が全く通じない。海の中に引き返した際も、戦闘機の攻撃が通用したわけではなく、ひとしきり破壊したために休息に戻ったようにしか思えません。
それほどまでに強さを人類に見せつけたゴジラではありましたが、オキシジェン・デストロイヤーの前には無力。悲痛な叫び声と共に海中に没し、骨すら見えなくなりました。水爆にすら耐えたゴジラをも葬り去るオキシジェン・デストロイヤー。それがもし、芹沢博士の懸念したとおり為政者の手に渡ってしまえばどうなるか。以前よりも酷い争いが始まってしまうでしょう。そんなことをするほど、人間は愚かではないと思う一方で、芹沢博士が指摘する「人間の弱さ」というもありますから、他国を牽制するために手に入れようとする国も出てくるのでしょう。
なすすべが無い人々は「ちくしょう」と呟いていました。しかしそれは、ゴジラも同じ気持ちだったのではないかと思います。町や人々の惨状を見て、人間がそう思うのは当然です。しかし、ゴジラも水爆さえなければ街を襲うことも無く、今でも自分たちの世界で平和に暮らしていたことでしょう。荒れ果てた世界を見て、ゴジラも同じように悔しさを味わったと思います。ゴジラが光に反応するのは人間への復讐ではなく、あの時見た光そのものへの復讐のように見えました。
ラストは新たなゴジラの出現可能性が指摘され、悲しげな音楽で幕を閉じます。ゴジラを倒してハッピーエンドの映画ではありませんでした。ゴジラを倒したところで、それ決して人類の勝利ではないと思います。とりあえず現状、これ以上のゴジラ被害が出ないとはいえ、あれだけ人や街が犠牲になった今の状況を果たして勝利と言って良いのかどうか。ゴジラは街を破壊したところで、元の生活が戻るわけではなく、人間もゴジラがいなくなったから全てが元通りになるわけではない。勝利者なんていません。今後も水爆実験が続けられれば、同じような出来事が繰り返される。それもまた、血を吐きながら続ける悲しいマラソンなのでしょう。
他のシリーズと比べると、第1作はゴジラによる被害が随所に描かれているように感じます。以後のシリーズでは他の怪獣もいますから、被害そのものよりも、ゴジラとその怪獣をどうするか?が注目されがちではないかと。第1作は、やはり制作背景からして、強大な力によって引き起こされる甚大な被害というメッセージを伝えたかったのではと思います。
特撮シーンでは、ゴジラの恐ろしさと同時に、ゴジラの大きさも随所に描かれていました。初めて人々の前に出現するシーンはもちろん、大戸島の家を壊したシーンでも、その巨大な足がチラッと映っていることに、今回初めて気がつきました。足の付け根付近が大きく写ったシーンでも、その奥で逃げ惑う人々との対比で、如何にゴジラが大きいものかを映像を見るだけで伝わってきました。まさに「大怪獣」の名に相応しい迫力です。
後のシリーズを見た今となっては、ゴジラの身長も低く、熱線の威力も高いとは言えません。ですが、後のシリーズに負けないくらいのゴジラの迫力がありました。大きく、派手なだけが迫力を感じさせるとは限らないと、改めて思い知らされました。
今なお、決して色あせることの無い「ゴジラ」。来週は「ゴジラ」が放送されます!・・・それだけ表示すると、「再放送かな?」と思われそうですね(笑。来週7月15日(火)夜9時からは、1984年に制作された「ゴジラ(84)」が放送されます。
既に劇場公開されてはいたものの、さすがにあの状況では見に行くことも出来ず・・・
冒頭で「デジタルリマスター版」が、元の映像とどのように違うのかが比較されていました。画面のブレや白い点や線がなくなったりと、最新の技術の凄さを改めて思い知らされました。元の映像も時代を感じさせてくれるので好きですけどね(苦笑。と映し出されていたりと、最近の技術は凄いものですね。
開始間もなく、「ゴジラ」のロゴと共に、まだ見ぬゴジラの鳴き声とゴジラのテーマ曲が聞こえてきました。先日の伊福部昭さんの特番でもこのテーマ曲が紹介されていました。ゴジラと自分を重ねた伊福部さんが、製作途中の映像を見せようとしなかった円谷英二さんに頼み込んでゴジラの曲が生まれたとのことでした。
目に見えぬ恐怖に怯え、その正体が見たことも無いような身長50mの怪獣だと発覚。大戸島の伝説にならって「ゴジラ」と名づけられた怪獣には、人類の攻撃も策も一切通用しない。そんな圧倒的な力を持つゴジラを葬ることが出来る可能性があったのは、芹沢博士が開発してしまった「オキシジェン・デストロイヤー」。芹沢博士は為政者に利用されるのを防ぐためにも、自分の命と引き換えにその使用を決意し、ゴジラと共に海中に消える。しかし水爆実験が続く限り、新たなゴジラが生まれてくるのではないか・・・
第1作目のゴジラは、恐怖と強さの塊のような存在だと思います。自分が何をされたのか、分からぬままに死んでいく。その正体を知って攻撃をしても、何一つとして有効な攻撃はありませんでした。電車がぶつかっても平然としており、5万ボルトの鉄条網すら簡単に引きちぎり、戦車の攻撃が全く通じない。海の中に引き返した際も、戦闘機の攻撃が通用したわけではなく、ひとしきり破壊したために休息に戻ったようにしか思えません。
それほどまでに強さを人類に見せつけたゴジラではありましたが、オキシジェン・デストロイヤーの前には無力。悲痛な叫び声と共に海中に没し、骨すら見えなくなりました。水爆にすら耐えたゴジラをも葬り去るオキシジェン・デストロイヤー。それがもし、芹沢博士の懸念したとおり為政者の手に渡ってしまえばどうなるか。以前よりも酷い争いが始まってしまうでしょう。そんなことをするほど、人間は愚かではないと思う一方で、芹沢博士が指摘する「人間の弱さ」というもありますから、他国を牽制するために手に入れようとする国も出てくるのでしょう。
なすすべが無い人々は「ちくしょう」と呟いていました。しかしそれは、ゴジラも同じ気持ちだったのではないかと思います。町や人々の惨状を見て、人間がそう思うのは当然です。しかし、ゴジラも水爆さえなければ街を襲うことも無く、今でも自分たちの世界で平和に暮らしていたことでしょう。荒れ果てた世界を見て、ゴジラも同じように悔しさを味わったと思います。ゴジラが光に反応するのは人間への復讐ではなく、あの時見た光そのものへの復讐のように見えました。
ラストは新たなゴジラの出現可能性が指摘され、悲しげな音楽で幕を閉じます。ゴジラを倒してハッピーエンドの映画ではありませんでした。ゴジラを倒したところで、それ決して人類の勝利ではないと思います。とりあえず現状、これ以上のゴジラ被害が出ないとはいえ、あれだけ人や街が犠牲になった今の状況を果たして勝利と言って良いのかどうか。ゴジラは街を破壊したところで、元の生活が戻るわけではなく、人間もゴジラがいなくなったから全てが元通りになるわけではない。勝利者なんていません。今後も水爆実験が続けられれば、同じような出来事が繰り返される。それもまた、血を吐きながら続ける悲しいマラソンなのでしょう。
他のシリーズと比べると、第1作はゴジラによる被害が随所に描かれているように感じます。以後のシリーズでは他の怪獣もいますから、被害そのものよりも、ゴジラとその怪獣をどうするか?が注目されがちではないかと。第1作は、やはり制作背景からして、強大な力によって引き起こされる甚大な被害というメッセージを伝えたかったのではと思います。
特撮シーンでは、ゴジラの恐ろしさと同時に、ゴジラの大きさも随所に描かれていました。初めて人々の前に出現するシーンはもちろん、大戸島の家を壊したシーンでも、その巨大な足がチラッと映っていることに、今回初めて気がつきました。足の付け根付近が大きく写ったシーンでも、その奥で逃げ惑う人々との対比で、如何にゴジラが大きいものかを映像を見るだけで伝わってきました。まさに「大怪獣」の名に相応しい迫力です。
後のシリーズを見た今となっては、ゴジラの身長も低く、熱線の威力も高いとは言えません。ですが、後のシリーズに負けないくらいのゴジラの迫力がありました。大きく、派手なだけが迫力を感じさせるとは限らないと、改めて思い知らされました。
今なお、決して色あせることの無い「ゴジラ」。来週は「ゴジラ」が放送されます!・・・それだけ表示すると、「再放送かな?」と思われそうですね(笑。来週7月15日(火)夜9時からは、1984年に制作された「ゴジラ(84)」が放送されます。