鈴木亮平君、宮本氷魚君、阿川佐和子さんの演技がめちゃくちゃ素晴らしい!
めちゃくちゃリアル!!
だけど、映画としては、後半の展開からモヤモヤ感が最後まで拭い切れなかったから、う〜んって感じ…。
ということで、YouTubeで予告編を見た時に亮平君のあまりにもリアルな表情にノックアウトされ、その予告編でほんの数秒だけスッピンのドリアン・ロロブリジーダさんを見つけた時からめちゃくちゃ観たくなったので、安い映画料金の日に観てきました。
ちなみに、You Tubeでドリアンさんが歌う♪ボン・ボヤージュ♪を見て頂きたい!素晴らしい表現力で語り歌われています。
てっきりドリアンさんのリアルな物語だと思って聴いていたら、松坂慶子さんがオリジナルでした。ドリアンさんも松坂さんもリアルすぎ!
ドリアンさんは、その時から注目しているドラッグクイーンさんです。スッピンがお化粧する必要がある??と言いたいくらいめちゃイケメン!
それはさておき、話を映画に戻すと…、
映画の前半、ある衝撃的展開まではめちゃくちゃ良かったんですよ。
亮平君演じる浩輔、氷魚君演じる龍太、そして阿川さん演じる龍太のお母さんの描写がめちゃくちゃリアル!
浩輔と龍太の恋する乙男(オトメン)のピュアな眼差しや関係性にリアリティがあり、龍太が浩輔に真実を打ち明けたあとの二人の演技が更にリアリティが増していて、特に龍太の真実を打ち明ける前と後の眼差しに変化があってめちゃくちゃリアル。
浩輔は浩輔で葛藤があって、そこもめちゃくちゃリアルに表現されていてめちゃくちゃ良かった。
浩輔に関しては、亮平君のアプローチがめちゃくちゃ素晴らしくて、確かに新宿2丁目の方々が本家なのでこれ以上のリアルさはないし、亮平君の演技はぶっちゃけ誇張した感は否めないけど、目の表情がリアル。
仕草はマネできても、眼差しは例え本家であったとしてもそう簡単には作れないよ。
そうそう、浩輔の、ちあきなおみさんの隠れ名曲を歌うシーンが最高に好き!
しのぶさんのコンサートで初めて聞いて、You Tubeで何度もちあきなおみさん御本人が歌っているのを視聴してド嵌りした。めちゃくちゃ憑依して素晴らしい!これも必見!
ドリアンさん含む2丁目の方々とのシーンが、これアドリブちゃうの??と言いたいくらいあまりにもリアルさがあって、ぶっちゃけめちゃくちゃ笑った。
氷魚君も、あまりにもピュアな立ち振る舞いが年齢を忘れさせる。実年齢は知らないけど…。二十代前半ではないはず。
ほんと、真実を打ち明けた後と前の目の輝きが全然違うのがめちゃくちゃ素晴らしい!
これまたぶっちゃけ書いて申し訳ないが、亮平君も氷魚君もイケメンの部類に入っても美少年ではないから、セックスシーンは美しくなかったのが違う意味でリアリティがあったm(__)m
それも含めて、前半は、カメラもいかにも手持ちカメラです!といわんばかりの手ぶれ感があってドキュメンタリーを見てるかのようなリアルさがあったの良かったし、
何より、浩輔と龍太と龍太ママとの関係性がめちゃくちゃ和む。
これから3人のどういった関係性を見せてくれるかなと期待してたら、時間的にも肌感覚としてはまだまだ物語の半ばだというのに、唐突なあの展開に正直唖然とした。
確かに、2年前に亡くなられた高山真さんの自伝的小説だから原作通りだと思うけど、そこからの後半の展開にモヤモヤ感しかなくて、結局スッキリせぬままエンドロールを迎えたって感じ。
あくまで私が感じたことなので悪しからず。そして、ここからは、ワタクシの偏見とひねくれ人間の戯言だと思ってお読み下さい。
ぶっちゃけ書いて、後半の展開があまにも綺麗事にしか思えなくて、穿った見方でしか龍太と龍太ママを見れなくてぶっちゃけオチを期待してました。
浩輔は、やはり高山さん自身だから、御本人も原作もあのままだと思うんですよ。
ただ、龍太と龍太ママは、浩輔が見たまま聞いたまま、高山さんが見たまま聞いたの描写だから、龍太も龍太ママの言葉も生活ぶりも映画のままなのは百も承知。高山さんの主観だからね。
でも、現実としては、龍太にも龍太ママにも浩輔が知らない人生があるから、知らないのに勝手に想像で描写したらフィクションになってしまうのは重々承知なんだけど、その割には映像的に含みを持たせた、私からしたら故意としか思えない、余白がある描写しているのでスッキリしないんよね。
例えば、アパートだったり、植木鉢の花が枯れていたり、浩輔と龍太ママとの封筒の押し問答とか、この余白の時間に、龍太と龍太ママの生活臭やバッググラウンドを無意識に想像させるんよね。
でも実際に返ってくる、映像で映し出されるのは、浩輔にとって幸せな言葉や景色なんよね。
だから、
なんだよ!あの勿体つけた余白は!?と言いたくなる。
だからめちゃくちゃモヤッとする。
ぶっちゃけ書くと、
人間って確かに産まれた時から大人になってもピュアな人間はいる。だけど、100%ピュアな人間はいない。無意識に内なる悪魔はいる。本当にピュアなら少なくとも牛の肉と分かってて焼肉は食べない。
どんな人間でも天使と悪魔は表裏一体で内に潜んでいると思うんよね。
ただ意識下でそれらをどの比重で表出させるのかが問題になってくると思うんよ。
それに、人間って美しいものに焦点を絞って見たくないものに蓋をする傾向があるから、表(面)でしか付き合ってなくて、ちゃんと裏(面)も理解して付き合ってる人って少なかったりすんよね。だから誤解が生じて喧嘩になることは多々ある。
ぶっちゃけ書くと、これはあくまで私の見解ですが、本当に真からのピュアで家族想いの人間だったらウリ専はしない。出来ない。そもそも、ウリ専なんてきっかけがなければ選択肢に入らないと思うんよね。
私は、浩輔の描写は全く疑ってません。真実だと思ってます。胡散臭さも感じていません。一方的な愛情表現ではあるが、浩輔の龍太や龍太ママへの愛は偽りだとは微塵も思ってない。これは真実の高山さんの姿を描写している作品だと断言できます。
だだ、龍太と龍太ママの描写が綺麗過ぎるんよね。
3人とも亡くなられているから綺麗でいいやん!思い出は綺麗でいいやん!醜い部分を描いて観て楽しいか?と言いたい気持ちも分かるけど、
本当に愛していたのなら、たとえ愛が何か分かっていなくても、その人の丸ごとを理解と受容しなければ真の愛とは言えないと思う。
それくらい、後半は穿った見解でしか観てなかった。
高山さんて、ご友人のお話しを聞く限りでは(YouTubeにて)、神も仏も天国も信じない、目に見えるものしか信じない方らしいですが、
私に言わせれば、信じないと口に出している時点で信じていると同じだと思うんよね。
意識の中に神や仏や天国の概念があるから、否定できるわけだし。
本当に信じていないなら、そもそも概念がないはず。天国って何?意味が分からないんよね…。なんで信じるの?と答えるのが自然だと思う。
愛が分からないのも、愛は与えられるもとだと思いこんでいるからだと思う。
高山さん自身、惜しみなく愛を与えてきた方だというのは、映画や友人の方のお話しから理解できました。そして、亡くなられるまでピュアな方だったのも伝わってきました。そして孤独だったということも。
そういう意味では、高山さんの人となりを知ることができる作品であることは間違いないです。
亮平君、氷魚君、阿川さんの演技は必見!
ドリアンさん含む2丁目の方々のシーンは本当に愉快でほのぼのする。