18歳からオーディオの趣味に憑かれて、雑誌を穴のあくほど読んで、先達たちの所有している高級な機器に憧れたものである。雑誌も定期的に購入して100冊も読んでくると、25年も経過していた。その間に、消えたメーカーのなんと多い事。1980年前後のオーディオ機器を紹介した雑誌を今も保有しているが、ソース機器の変遷も大きな変化だ。
オーディオ雑誌を沢山読んで来て思うのは、「オーディオの常識とは何だろう?」と云う事。「音質アップ」の為に機器の入れ替えやケーブル材の入れ替え等をして来たが、科学的な見地から追及されたものが少ない。
仕事上(大手電子部品のメーカー)で「改善」は「4M」で考える事を学んで来た。「音質改善」も即ち「4M」で考える様にして対策を考えて来た。材料が変われば「別物」になる。「方法が変わっても別物」になる。「作る人」が変わればさらに大きく変化する。「機器」も使い方や性能の出し方が違えば、また別のモノクラスに変化する。特に「基礎的項目」に着眼して、「半田材」や「ケーブル材」の「伝送ロス」に着目して、色々なメーカーの部材を試してきた。その結果は「機器の交換」よりも激しい音質変化をすると云う事だった。
電力会社も発電所からユーザー宅に送電する時に発生する「伝送ロス」に注意を払って、複雑な送電線を考案しており、それもまだ最良の物にしようと奮闘している最中だ。そう云う最先端のケーブル技術をオーディオに取り入れたらどうなるであろうかとも思う。