現在RCA箱システムでは 「WE 310A プリ」を使用しています。内部配線、RCAソケット、XLRソケットをTrail仕様にして使っています。
今まで予備球は WE310Aの「スモールパンチ」2本を持っていましたが、今回「ラージパンチ」の4本を購入しました。
WE310Aでは「スモールパンチ」の方が評価が高く、価格も「ラージパンチ」に比べ割高になっています。自分が使った印象では「スモールパンチ」は「繊細」なサウンドで「力感」に欠けるように感じました。もっとも十分に「馴染ませて聴く」まではしていませんので、早とちりかもしれませんが・・・。
簡単な比較試聴をした段階では「ラージパンチ」の方が「力感」を含めた「自然なバランス」では良かったので、今回予備に4本購入しました。
「音出し確認」も無事に済み、一安心と云ったところです。WE310Aも随分と数が減って来ているように思います。ここらで無理してでも予備を確保したかったので購入しました。
このWE310Aはさすがにウエスタンの球だけの事は有ると思います。「音質が良い」はもちろんの事「長寿命」なのです。既に使い続けて3年になりますがまだまだ十分なゲッターを保持しています。
昨年、この「WE310Aラインプリ」(Trail仕様)とご近所のマニアの方のマッキン C22(復刻)との「音質比較」をした事が有りますが、圧倒的にこちらの「WE310Aラインプリ」のサウンドの方が良かった。C22(復刻)の方は球をテスラやムラードの高価な球に交換してありましたが、それでも歯が立たないほど差が有りました。
その原因は、RCAソケットとXLRソケットと内部の「半田材」の質がまったく違う点だと思います。試しに、C22の半田付け部の半田を吸い取り、当方が使用している「半田材」に入れ替えると「音数」や「音の鮮度」が随分と良くなりました。最後はRCAソケットとXLRソケットの質の差が残ります。
昨日は「オーディオ道場」に管球パワーアンプの修理依頼品を受け取りに云っていました。当該のアンプは6L6ppステレオアンプ(約20W/ch)のアンプで、モニタールームのEC-138用のアンプです。内部配線をTrail仕様にしていますが、最初期のTrail仕様なので「配線技術」が未熟な所が有って、時々配線が半田付け部で外れる様で「ノイズ」が出て来ました。そこでもう一度配線の確認とノイズの原因修理をお願いしていました。
硬い単線の配線になりますので、チョッとした曲げ具合で半田付け部の端子を引っ張ります。この応力がかかりっ放しになると半田付け部でルーズコンタクトが発生します。この不具合個所を探すのが大変です。
他のTrail仕様のアンプはどれも1年以上無事故ですので、この1台のみが何回も手直しになっています。今日はこのアンプの手直し配線(普通の配線でされている)をTrail仕様の配線に交換しています。たいへん手間と根気が必要です。
6セットのシステムもほぼ出来上がり、「鳴らし込み」に毎日励んでいます。どのシステムも毎日一定時間以上(約2時間)鳴らす様に心がけています。
電源系の「音質アップ」をしようと考えてはいるのだけど、作業室の気温が10度前後になるとストーブや温風ヒーターを入れないといけませんし、入れても1時間以上は持ちません。長い時間集中して作業出来ませんので冬場の間は、簡単な事ぐらいしか作業をしたくありません。
電源トランスの実験や117Vの水平展開を予定していますが、まだ予算の捻出が出来ませんのでしばらくは静観と思っています。
先週から「予備真空管」の蓄積を考えていまして、こちらに予算が回りますと他には手を出せません。自宅のメインアンプには珍しい球を使っていますので見つけた時に購入しないと手に入りにくいのです。そうやってもう20年分くらいは保有していますが、同規格品で古い型番の球を発見すると試してみたくなります。
管球パワーアンプでは「パワー管」のみが重要視されがちですが、整流管や初段管もパワー管と同じぐらい「音質変化」をします。電気が流れる事についてはパワー管も初段管も変わりは有りません。整流管は「電源ケーブル」の質に良く似ています。良い整流管は「音質」を「激変」させます。
アンプを購入する時はTR型・管球を問わず「別箱式電源」(本体と電源部が分かれている物)の付いた物は絶対に購入しません。以前ワディア2000SやDBシステムのアンプ、デジタルアンプで「別箱式電源」の「音質アップ」を実験したのですが、電源部と本体部を接続する「ケーブル」がネックとなってしまうのです。
機器の性能は「電源ケーブル」のグレードを上げれば、別物クラスに改善できますが、この電源部と本体を接続する「ケーブル」が「ネック」となり、大きな「音質アップ」が出来ません。その為、「別箱式電源」の付いた機器は避けるようにしています。一体型の方がシンプルで「音質アップ」効果が直ぐに判ります。
他に気を配るのは「インレット式電源ソケット」が付いているか?もしくは付けられるか?を次に確認します。
その次は「入出力端子」に「XLR」(キャノン端子)になっているかです。古いアンプではRCA端子(ソケット)の裏で「渡り配線」でXLRに配線されている機器が多いので要注意です。
XLRソケットを備えていれば「バランス伝送回路」が付いているとは云えません。アンプのカバーを開いて中の配線の状況を見ないと判らないから始末に終えません。中にはXLRは飾りぐらいの扱いしかされていない物が多々有ります。
管球アンプでは自作・メーカー製共に「XLRソケット」(バランス伝送回路)を持った物が非常に少ないです。私の場合は自分で「バランス回路」を作ってXLRを設置します。管球アンプの場合「インプットトランス」や「アウトプットトランス」を使うだけで「バランス回路」になります。
電源のインレットやXLRに拘るのは「音質」の為です。良いケーブル、プラグが使えるからです。
あと、気を付けるのは「音の厚み」の有無を確認します。「音の厚み」は潜在的に「性能」を現します。TR型のアンプでこの「音の厚み」を求めるとフラッグシップの機器になりますが、管球アンプでは意外と簡単に手にする事ができます。
20才頃、山水AD-9500やケンソニックP-300のサウンドを聴いてから、LUXのMB88のサウンドを聴いたら「音の厚み」の違いに愕然とした事を思い出します。その頃の管球アンプでは周波数レンジや、SN比に不満が有りましたが、Trail仕様の管球アンプではそれらをTR型のフラッグシップ機並みに高めて使っています。
「メインシステム」と「サブシステム」を所有している方は少なくないと思います。私も今まで必ず「メイン」と「サブ」を持っていました。
JBL L100がメインSPの時はサンスイ SP-100を、JBL#4343の時は#4425を・・・。最近でもSP707JシステムににBC-Ⅱシステムを使っていました。
メインSP は「本格的に音楽と対峙して聴く時」に必要であり、BGM的にさりげなく音楽を楽しみたい時はサブで・・・また、メインシステムが故障の時にサブシステムで・・・、音色の異なるサウンドを持っていたい(聴きたい)・・・等、色々なニーズが有ってサブシステムを持っていると思います。
メインシステムを追い込んで行くと「サブシステムが使えない・聴くのが辛い」と思うようになりました。私の場合、自宅で聴く時間帯が22時~1時ぐらいの「真夜中」ですので、本来は20cmクラスのSPシステムでないと使えないと思われると思います。私もそう思っていました。だからBC-ⅡのシステムをメインSPの横に並べていました。
「伝送ロスの極小化」でロスを段々極小化して行くと、(サブシステムも同じ対策・同じグレードにして)メインシステムの「ボリュームコントロール」だけで今までサブシステムの独壇場で有った「深夜オーディオ」がメインシステムで可能になるのです。私の場合、D130を低域に使っているからかもしれませんが・・・。
情報量や音場感・表現力がメインSPとサブのSPでは違いすぎるのが原因と思います。SPの「性能差」が歴然としてしまいした。この為自宅からBC-Ⅱが締め出されたのです。
事務所の方でもRCAシステム(メイン)を聴いてからはEC-138システムでは物足りなくなります。オリンパスとBC-Ⅱシステムでも同じ事が云えます。メインシステムは大音量でも小音量でもサブシステムを寄せ付けなくなってしまいました。その為、次に購入予定だったSP達が陳腐に思えてまだ手を出せずにいます。もっとも置き場所の問題も有りますので、よほどインパクトの有るSPでないと購入できない理由も有ります。
SPユニットの「潜在能力」を引き出すと云う事は、良いSPユニットほど計り知れない「潜在力」を見せつけてくれるものだと思います。
今まで「ワーグナーの楽劇」は意図的に避けていました。ブルックナーを20歳頃に聴きはじめていますのでオーケストラの編成は苦になりませんが、オペラと同じく「言葉の判らない劇」に対する「とっつきにくさ」で避けていました。
また装置自体がオペラや楽劇を楽しめるだけの「音質」になっていなかったことも一因として上げる事が出来ます。特にソプラノの「甲高い声」が普通の再生装置では「錐で耳を突かれる」様な痛みを伴いました。
これが現在では「目の前のステージ」を眺める様な聴き方で楽しめるようになって来ました。残るは「時間」との間合いだと思います。
現在聴いているのは「ニーベルングの指輪」の中の「ラインの黄金」です。CDを購入したのではなく、LPをCDにダビングしたものです。これを本を読みながら聴いています。真剣に音楽と向き合って聴くにはこの楽劇は長すぎます。まして一連の「リング」を通して聴く事は至難の業です。そこで、サンプル的な聴き方でとにかく全曲通して聴いて見る事にしたのです。
近々、CDも購入しようと思っています。STREOの音質がアップして来ますと、どんな音楽も苦も無く聴けるようになるから良いです。クラシック向きとかJAZZ向きとか云っているのはまだまだ装置の追い込みが不足しているのだと思います。
昨年12月に「アンプはどれくらいの情報を伝送しているか?」の素朴な疑問を持ち実験をしています。
市販のSPケーブルでパイオニア製やベルデン、WEの単線、撚り線、モンスターケーブル、フジクラやオルトフォンの7.6N、8N等色々試して見ました。しかしどれも「どんぐりの背比べ」の様で今一ピンと来ません。
スーナーのケーブルも最初はφ6mmのブラックスーナーからφ6mmのブルースーナーにして初めて「グレード」の違いと「自然なバランスとサウンド」に近づいた様な気がしました。ただこのφ6mmのブラックもブルーも芯線が「単線」で扱いにくい事この上ありません。もっと良いものはないかと探したのが同じスーナーのφ11mmのブラックスーナーと呼ばれるケーブルです。
φ11mmのブラックスーナーには見かけはほとんど同じで中身が全く違う兄弟ケーブルが沢山あります。この中から本当に素晴らしい「音質」を持ったものを探し出し、SPケーブルにする事から始めました。
この時点で従来のオーディオの常識を越えた線径と重さになりましたので、オーディオテクニカのアダプターを介して使用しましたが音が荒く、良さは認めつつも試行錯誤の毎日でした。
同じケーブルを使ってRCAケーブルを作ると「粗さ」がほとんど感じない事に着目して、オーディオテクニカ製のアダプターに疑問を持ち、アダプターを外して直接SPターミナルに接続して見ました。するとどうでしょう!!音の粗さがなくなり、今まで使ってきたSPケーブルが「陳腐」に聴こえるほど素晴らしい音質が獲得できました。そうして生まれたのがSPケーブル SCS-33 です。
SCS-33でも一般のSPケーブルの常識からはかけ離れた「硬さ」と「重さ」です。このケーブルも1年ほど使って来ますともう少し「柔らかさ」が欲しいと願望がわいて来まして、SCS-34(ルシファー)の制作に突き進みました。
SCS-34は今までのケーブルの作り方の「常識」を根底から覆す「思考」を入れています。「発明」の領域と云っても良いと考えています。「オンの音」と「オフの音」の双方を同時に出す事を意図的に作っています。結果としてこちらが「より自然」な事だと認識するようになりました。と云う事は今まで一般的にオーディオの常識の様に作られているSPケーブルは「大きな欠陥」を持ったSPケーブルで有ったと認識させられました。
SCS-34は2種のケーブルを組み併せて3本仕様で1本のケーブルに仕立てています。これでSCS-33の約2倍の伝送容量を持っています。このSCS-34を作る時も配線の組み合わせを何種類か作成し、ヒヤリングで現在の仕様に決めました。
そして昨年末に更にこの上のSPケーブルを開発しています。「アンプからどれくらい情報が出ているのだろう?」、「SCS-34(ルシファー)で十分なのか?」が素朴な疑問です。
実際にSCS-34×2倍のケーブルを作り、SCS-34単体と比較をしましたが、「音数はさらに増える」事を確認しています。SCS-34×2倍のケーブルをSCS-Xと呼んで、自宅のSP-707JシステムとRCA箱システムで使い続けてようやく1年が経ちました。1本のケーブルが6本のφ11mmのケーブルで出来ていますので、もうこれは「きちがい」の領域でしょう。それがネットワーク方式のSPで4本必要ですから、φ11mmのケーブルが24本有る事になります。これが3ウェイマルチだと72本になりますので、オリンパスシステムには物理的に使えない状況だと判断しました。
でもこのSCS-Xの世界はまた格別な世界でも有ります。うるささを感じず、音がその場で鳴っている(演奏している)雰囲気を絶妙に再現します。
この事例からも判る様に「CDからの情報量」はとてつもなく多いのです。これの何%の情報をSPから出しているか・・・を考えると、まだまだ改善の余地が有ると思うのです。
ただ難しいのが1本のケーブルでは断面積を大きくするには限界が有ります。束ねてもまたバランスを壊します。音のバランスと断面積の拡大を両立できるケーブルに仕上げる事が重要です。