Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

「ベールを剥ぎ取る」事

2012年02月19日 | ピュアオーディオ

40年前にオーディオを始め、更に良い音質を求めてグレードアップを繰り返してきました。そのキーワードは「ベールを被った音からベールを剥ぎ取る事」。サラリーマン時代はとうとう「ベールを剥ぎ取る」事が出来ませんでした。

私の行って来た機器の買い替えだけでは「ベール」はなくならない様だと感じます。「原因が別に有るのでは?」と考え直しました。もしかしたら「ケーブル」の「伝送に原因が有るのでは?」と思い実験を繰り返して、ケーブルの重要性に辿り着きました。ケーブルの種類やサイズ(断面積・長さ)・抵抗値で「伝送ロス」の違いが有る事を掴んでいます。

「伝送ロスの極小化」の対策の為、ケーブル類の開発と全交換をして「ベールを剥ぎ取れる」事を実感しました。「ベールを剥ぎ取る」と「見通しの良い音」になります。全体の音場が「透けて」聴こえる様です。「音場」そのものの透明感が出てくると言った方が判りやすいかも知れません。SPケーブル、ラインケーブル、電源ケーブルと交換して、最後にコンセントを交換して大幅に改善しました。まだまだ他にも対策する箇所があります。

「ベールを剥ぐ」と音数の増加や質感のリアルさが出てきます。こうなりますと「音質アップ」を実感し始めます。ベールを剥いでいくと「ハッキリ・クッキリ・スッキリ」傾向のサウンドになってきます。この「ハッキリ・クッキリ・スッキリ」のサウンドで有りながら、プラスαで「艶やかさ」や「しなやかさ」が出てくれば申し分ありません。

この「ハッキリ・クッキリ・スッキリ」は出てくる「音」についてであり、「音場」や「音像」はまた別の事の様です。立体的な表現は「機器の性能」や「組み合わせ」、「SPのセッティング」、「音変換ロス対策」等で対策する事になります。

いずれにしても「ベールを剥ぎ取る」事から始まります。これは大事な事だと思っています。


各システムのサウンドチェック

2012年02月18日 | ピュアオーディオ

Sayuri_isikawa
各オーディオシステムのサウンドを最終的に確認する時は、「日本語のボーカル」を使います。日本語で有れば、言葉の意味や発音・質感も良く判っています。個人的には上の写真に有る「石川さゆり」さんの「演歌」を使うのも面白いと思っています。

上のCDでオリンパスシステム、RCA箱システム、612Aシステムのサウンドチェックを久しぶりにして見ました。私のシステムはコロコロアンプが変わったり、音のバランスを変えたり、機器のセッティングを変えたりしていますので、1回/月くらいの頻度で、「サウンドチェック」をしています。「サ行」の発音に気を付けます。

612a

このCDを使ってRCA箱システムをチェックしましたが、「サ行」が少し強調されています。「まだまだ・・・」の感触です。F-15Lの活性化度がまだ合格点に達していないようです。特に中域の質感・バランスがまだまだの状況。

同じCDを使って612Aシステムで聴きますと、「ほほー!!これは良い感じ!!」と「サ行」が殆ど気になりません。非常に良いバランスで鳴ってくれます。ALTECは元々「ボーカル」が良いとは思っていましたが、やはり良いです。歌いあげる歌手の思いが伝わってくるかのようにしっとりと歌ってくれます。管球アンプのプリ・パワーを合わせているのが効いているようです。

SPシステムとしてはRCA箱システムの音数の多さやスケール感の大きさ等、グレードの違い等を612Aシステム対してに感じてしまいますが、ボーカルに限って聴けば、こちらの方がバランスも良く質感も良い様に感じます。不思議な事です。


40年前のオーディオトレンド

2012年02月17日 | ピュアオーディオ

1971年、18才の時にオーディオを始めました。ステレオサウンドはNo13号辺りから購入し、113号までの100冊ほどは連続して購入して、毎夜穴のあくほど読んでいました。

1971年当時は国内各社の「4チャンネルステレオ」全盛時代で私も「CD-4」のビクターシステムステレオから始めました。その頃「コンポーネントオーディオ」が広がり始め、ご多分に漏れず、自分も1年で、コンポーネントステレオの世界に入って行き4チャンネルから卒業しました。

当時のステレオサウンド誌(SS誌)では、超価格帯のオーディオ商品が紹介されていて、手の届かない商品へのあこがれが芽生えて行ったと思います。

当時のSPの有名どころは、タンノイ、JBL(サンスイ)、ALTEC、EV等の大型SPや、ARの3Aの様な「ブックシェルフタイプ」SPが多かった様に思います。

JBLからプロ用シリーズ#4320が1973年から出て、その後「34シリーズ」が出て来ました。当時のオーディオの先輩達が(パトリシアン、ハートレー、パラゴン、ハーツフィールド、オリンパス等をお使いの方達)が「プロ用ユニット」に疑問符をつけておられたのを記憶しています。

当時のアンプで人気が高かったのが、マランツ#7.#8B、#9やマッキントッシュのC22、MC275の真空管アンプ。トランジスターアンプはまだ出始めたばかりでしたが、マッキンからC26,27,28等が時系列的に出て来ます。パワーアンプもMC2105等に人気が有りました。アキュフェーズは当時「ケンソニック」と云う社名で、C200とP300が発売されたばかりの時期にあたります。

SP関係は「SPユニット」を自分で組んでシステムを作るのが、ハイアマチュアの方達のやり方だった様に思います。(当時はSPユニットが単品で数多く販売されていました) 自分もステレオを始めたばかりで、自分で組み上げるスキルなどなく、メーカーでの完成品を買うのがやっとだったと記憶しています。

あれから40年も経つと、随分とオーディオ業界も変化して来ました。SPをアセンブルして作る事等殆ど廃れて、メーカー製の完製品ばかりになって来ています。その分、ユーザーが楽を出来るのかも知れません。


A730への音質対策のその後

2012年02月16日 | ピュアオーディオ

一昨日オリンパスシステムのA730 CDPのD-クロック部分へ対策を実施しました。その直後の状況では「音数が若干増えて・・・」ぐらいの変化でしたが、2日経ち、鳴らし込んで行きますと音数が更に増えています。何処まで増えて行くのか判りませんが非常に楽しみです。以前よく聴いたCDをかけますと、新鮮な感覚になります。また聴き直したい気持ちになります。

A730は1980年代のCDPですが、そのサウンドはアナログサウンド的で個人的には非常に気に入っています。ただノーマルでは「時代遅れな音」は否めません。お客様の処で聴かせていただいたTAD-D600の音数の多さには非常にビックリさせられました。その要因は直観的に「クロック精度」が非常に高いと感じました。何故そう感じたかと云うと、A730やA727にサウンドデンさんのD-クロックを導入した時のサウンドに似ていたからです。

昨年オーディオ道場で行われた「インフラノイズ社 GPS-777」の試聴会の時も感じました。CDPやDACの音質アップには「クロック精度」が非常に重要であると認識しています。GPS-777は直ぐにも欲しい気持ちは有りますが、使える環境が有りません。(難しいと云うべきか?) 使える環境(対応させる機器)を準備してからと思っています。

今回のA730への対策はD-クロック化した直後に、「ここも対策すれば更に良くなるだろう?」と考えていた処です。もっと早くやれば良かったと・・・ そうすればもっと良いサウンドで楽しめたはずです。


WE101Dppアンプのその後

2012年02月15日 | ピュアオーディオ

2月11日に自宅で使い出したWE101Dppアンプ。今日で4日目。毎日2時間程度鳴らしています。使い込むほどに艶やかな質感が増しています。期待以上のサウンドに満足しています。  

C40_we101dpp

前回の写真と違うのは、横にあった3B252Bアンプがなくなっただけ。鳴らしこむに付けて音質は段々上がっているようです。

昨年9月1日にWE101Dppアンプを3B252Bアンプに交替させていました。その交換後にWE101Dppアンプに不具合部分を見つけて対策し、そのまま眠らせていました。

今回復帰に当たり、C40のヒューズ交換とWE101Dppアンプへの音質対策効果が出て来ている為に、良いサウンドになったのだと思います。これで自宅システムのアンプは当分固定できそうです。まだまだ良くなっていくと感じます。

出力1W程度のパワーアンプが自宅システムのメインに納まるとは予期しなかった事です。現代オーディオから考えれば逆行したような形ですが、アンプの進化とは何だろうか?と自問してしまいます。過去に300W、500W、600W等の重量級のハイパワーアンプを使っていた事を考えるとうそみたいな話です。


A730への音質対策

2012年02月14日 | ピュアオーディオ

現在オリンパスシステムにはA730(D-クロック)を使用しています。

A730box6

水平にする事を昨年末に実施してそのまま使用していましたが、まだやり残した「音質対策」が有る事を思い出し、本日対策をしました。

A7302

上の写真はA730の中身を開いた状態です。左側がトレー側、右側がDAC回路側になります。

A7306

この個体にはサウンドデンさんのD-クロックを積んでいます。この部分への対策が未完でしたので、本日対策を実施しました。

対策後は予想していた通り、音数が増えて、リアルさが増しています。音のなめらかさも改善されている様で、更に聴き易くなりました。激変レベルではなく、若干の向上程度です。

しばらく鳴らし続けて見ないと本当の効果は見えてこないと思いますので、楽しみながら成果を待ちたいと思っています。(対策内容は・・・)


シルバースターRCAケーブル「ベガ」のインプレ

2012年02月13日 | ピュアオーディオ

昨年10月に販売した、シルバースターシリーズRCAケーブル「ベガ」の、使用後の感想をいただきましたのでご紹介します。(約3ヵ月半後)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シルバースター「ベガ」のインプレです。

  実は、最近になってラックのキャスターをスパイクに変えたところ解像度が大幅にアップして、ベガのよさが際立ってきました。しかも、アナログより上を行くものに変化し、最近はCD主体になっています。

アンプの38FDはもう3ヶ月近く鳴らしこんでいるので活性化がかな り進んでいまして、音質も安定してきています。聴くCDもあまり選ばずどのCDでも楽しめるようになって、今まで聴かなかったCDもこんなに良い音質だっ たのかと感心することが多くなっています。反面、普通の盤質のものはつまらないので、SHM、HQ、ブルーノートRVG盤グレートを多く購入するようにな りました。
 
 以前使っていた化け物シリーズと比較すると解像度がはるかに高く、情報量が多い、周波数帯域が高低ともに伸びていおり、しなやかな質感表現も特徴です。低音の重心も下がりました。
 
 私が一番大切にしているジャ ズ黄金期の50年代の録音もの、マイルスのラウンドアバウトミッドナイト(1955年録音)では、さすが、ノイマンのカッティングマシーンとして最高の SX45による、当時の密度の濃い中域の音の輝きと厚みが最高で、マイルスのミュートトランペットの艶やかでまばゆい輝きを放つ音色が出色です。チェン バースのベースも中域の解像度が向上したためか味わい深い、なんともいえない趣のある響きで、両スピーカーの間で各楽器の音色がハーモニーを奏で、空間再 現が豊かに奥行き間を伴って50年代ジャズを楽しむのに充分な質感になりました。クォリティーのランクが数段向上です。

比較的最近のデジタル録音盤、「JazzBer2009」では、各楽曲共にピアノの音がリアルで生々しく鮮度を非常に高く感じます。シンバルの中心部を叩く「カキーン」と云うパルシブな音など最高の再現力で、LE85コンプレッションドライバーの持ち味を存分に引き出していて、これは、50 年代の録音でミルトジャクソンのバイブの割鐘のように部屋中に響き渡り、過度特性のすばらしさを共通して実感できるものです、出色なのは、ミルトジャクソ ンのバイブは名器リンガフォンを使っていて、他のバイブ奏者の音色とは明らかに違う、その音色の違いが判別できるほど解像度が高い。またシンバルの響きの 後の消え行くかすかな尾を引くような余韻もなんともいえません。

 さらに、以前は苦手だったクラッシックの再生、ボーカルも得意科目 になり、たまには、バッハ無伴奏バイオリンソナタ&パルティータ「シゲティ」なども楽しむことができるようになったこともうれしい点です。シルバースター 「ベガ」はジャンルを選ばないオールラウンダーでもあります。簡単ですが以上がインプレです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ご使用のシステムは
SP: サンスイ EC138 (JBLD130+LE85+HL91+#2402)・・・Trail仕様
アンプ: LUX SQ38FD
CDP: アキュフェーズ DP-500
アナログ: Berg sound BP Model 4s
      アーム グレースG-540+SPU-GE

をお使いです。

オリンパスシステムに3B252Bシングルアンプ

2012年02月12日 | ピュアオーディオ

眠っていたWE101Dppアンプを鳴らし運転のつもりで、自宅のシステムに繋いだ処思いの他の音質で、そのまま居座ってしまう事になりました。その関係で3B252Bシングルアンプが眠ってしまう事になりますので、オリンパスシステムの中域に使う事にしました。

Orinpus_3

レビンソンのMo431Lの横に有るのが中域用のGE6550シングルアンプ1号です。このアンプを入れ替えます。

3b252b

この様な感じになりました。3B252Bアンプは以前からオリンパスの中域に使って見て、その高音質ぶりに感心していました。ただ中域だけに使うにはもったいない程の完成度で、今までに使ったアンプの中では最高の出来映えのアンプだと思っていました。(今回WE101Dppが最高の出来と思いました) そこで念願かなってオリンパスの中域に使う事にしました。

中域のアンプを入れ替えて見て、「生演奏」に近くなりました。音数の増加もすごいのですが、質感がやはり素晴らしいと思います。空気感がガラリと変わりました。見通しの良さが違うと云う方が良いかもしれません。生々しくなりました。3B252Bアンプの音がシステムの音を支配している様に感じます。

このオリンパスシステムは、来週にもまた別の部位で「音質対策」を実施する予定で、更に音数が増えると予想しています。


WE101Dppアンプを使ってみる

2012年02月11日 | ピュアオーディオ

We101dpp2

先日引っ張り出したWE101Dppアンプを自宅に持ち帰り、3B252Bアンプと入れ替えてシステムに繋いで見ました。

We101dpp1 (3B252Bアンプは横で眠らせます)

昨年繋いだ時より遥かに良いサウンドが出ています。C40のヒューズ交換前だったので、本領が見えていなかったようです。3B252BシングルアンプのサウンドからWE101Dpアンプに繋いでの印象は、低域の力感・音の厚みはプッシュプルの凄さかも知れません。3B252Bアンプのサウンドと同等かそれ以上の印象に聴こえます。予想以上の音質に驚いています。

低域の質感・ドライブ力は完全にWE101Dppの方が良いですね。下の方にも伸びています。中音も高音も音の厚みが有り、レンジの不足感は有りません。WE101Dの球の威力と云うか、この音色は3B252B(STC4033L)の音色よりも深い音色です。余韻も多くピアノのタッチ辺りのコロコロと転がるようなメロディにはうっとりさせられます。

まだ今回は2時間ほどしか聴いていませんが、もう馴染んだかのような鳴り方です。出力はプッシュプルなので1.4Wくらいでしょうが、入力トランスを使ってXLR化していますので半分の0.7Wぐらいしか出てないように思います。プリアンプのボリュームは12時~1時の方向まで上げています。(3B252Bの場合は9時の方向)

この感じならづっと使い続けられると思います。わずか0.7Wぐらいの出力で使えるのはD130ウーハーならではかも知れません。


ケーブル交換直後の反応と変化

2012年02月10日 | ピュアオーディオ

先日オーディオ歴の古いお客様がお見えになり、『高価なケーブルを買ったが「ふん詰まり」するので元の安物を使っている』とのお話が有りました。こう云った話は良く耳にします。実際に経験した方も多いのではないかと思います。

この件については「もっと長く使っていればヌケて来ますよ」とお答えしました。ケーブルの評価を何度もして来ますと、この辺のステップが理解出来るようになります。

従来使っていたケーブルより性能が高ければ高い程、「ふん詰まり」感は大きくなります。またその期間も長くなります。これは「ケーブル」が悪いのではなく、ケーブルによって伝送される「情報量」が非常に多くなっている為に、機器(アンプ・SP)の方が直ぐに対応できていないからです。そのまま使い続けていれば、機器の方が対応できる様になって来ます。

問題は「その期間を予め判っていれば」判断ミスは避けられると思います。1日2時間聴いての前提で云えば、

1)接続して連続5時間はプラグ・ソケットの馴染みに必要な時間です。
2)3~4週間程は「ふん詰まったり」、「バランスを壊したり」を繰り返しながら、大きなブレから小さなブレに移行して行きます。
3)約1ヶ月(4週間)以降は「右肩上がりに」段々良くなって行きます。(ふん詰まり・ヌケ感)
4)ケーブルの程度(情報量)にも依りますが、半年~1年後には完全にふん詰まりやバランスが取れて来ます。(ある日突然、別次元のサウンドに変化する事も有ります・・・活性化)

上の1)~4)までの変化の仕方を覚えていれば、落ち着いてケーブルの評価が出来ると思います。