くまちゃん＠神保町 「みそチャンポン」

ラーメンは
えてして
若い人の食い物であるはずだけど




僕はこの店で




若い人に出会ったことがない


少なくとも
僕より若い人間に



たしかに
このラーメンブーム
国民総ラーメン評論家時代




カオスが
若者をはじいているとも


それにしても




この盛りは
もっと若さを呼んでいいはずなのだけれど


ワンゲルな若者が
入りびたってもいいはずなのだけれど




いつも見るのは
子供の二人もいそうな
ガテンなオヤジ


濃紺のつなぎがくたびれて
水色が入ったような


強そうで
実は疲れたオヤジ達




そんな彼らが
羽を安めに来る場所なのかもしれないけれど




僕は結構
ここが好きだったり




そんな僕を客観視してみると




僕もそろそろ
どこかに水色が入ってきているとも
いえなくないかもしんまい


それが死ぬほど嫌だった年頃を
抜けてしまったとも
いえなくないかもしんまい




でも




ラーメンの画の違うサービス券


替え玉なんか無いはずなのに




わけのわかめなこのカード


これに笑える若さは
まだあるつもりです



いつまでも
バカを笑える若さは必要です

某お店＠都内某所 「私の秘密」

あなた
また来たの？


どうだった？
AKには会えた？





そうなの


会えなかったの・・・


今はどうやら
違う組織の諜報員として
どこかに潜入しているようね


あなたのことだから
これからも追うんでしょ？
彼女のこと


くれぐれも
気をつけてネ・・・



で
今日はいったい
何？


私からまた
何かを聞き出しに来たというの？


え？


何を手に入れたの？




これは・・・


あなた
いったいどこでこれを・・・


私の秘密まで・・・
いったいどこで・・・




私はみんなの幸せのため
自分の土地まで売ったの


もう
自分のために生きたいの
話したくないのよ


私を脅すつもり？


なんだってすればいいじゃない




私は
激熱の豆腐を当てられても
口を割らないわ


どこかの上島とは違うのヨ




牡蠣のように口を閉じるわ
たとえ6個で450円を積まれてもネ




そんなものを出したってダメよ




この店では揚げ物なの




揚げて揚げられ
かけてかけられ
飲まれて飲んで


飲んで
飲みつぶれて
眠るまで・・・




もう無駄だって
なぜわからないの？


これがもしヒレだったら
あなた死ぬことになるけど
覚悟はよろしくて？




どんなにかけても
ダメなのよ


問題は
ヒレかロースなのか

そこなのよ




ああ
あなた命拾いはしたわね


でも
そんな色仕掛けで私が動くと思うの？


色仕掛けは
女の仕事だって
昔から決まっているんだから




郷愁で誘ってもダメ・・・





でも・・・


あなたと話していると


ホントに苦しくなってきちゃうの・・・




カレーが400円なんて
信じられなくなってしまうのよ




はい
ア～～～～ン　って





ア～～～～～～ン


あら
私ったら・・・



でも
言わないわ
絶対言わない


もう
土地も失った私


これ以上
私のものを取らないで


お願いだから




ひとつだけ
道を残すとするならば


もしあなたが
あなたの秘密を明かすというなら


そのときは
私も考えるかもしれないワ



でも
とっておきの秘密


それが条件だということを
忘れないでネ・・・