令和4年8月21日
新潟コシ概算金1500円高 22年産米 千葉も上げる動き
米主要産地で2022年産米の概算金や買い取り価格の提示が始まった。
JA全農にいがたは17日、JAへの仮渡金(JA概算金)を県内JAに提示。
主力の一般「コシヒカリ」は1等60キロ1万3700円で、前年産当初比で1500円上げた。
千葉県のJAでも生産者への概算金などを前年より上げる動きがある。
需給改善への期待や生産費の高騰が背景にあるとみられる。
全農にいがたの一般以外の「コシヒカリ」は岩船地区、佐渡地区ともに、1万4000円で同1400円上げ。
高級ブランドの魚沼地区「コシヒカリ」は1万7500円で1000円上げた。
県内全地区の「コシヒカリ」は21年産米で、作柄の低下を背景として昨秋に60キロ当たり500円の追加払いがあった。
それ以外の銘柄では、業務用への仕向けも多い「こしいぶき」は1万300円で同500円上げた。
「新之助」は1万5200円で据え置いた。
概算金引き上げは、21年産米で県内の作況指数が96と不足感があったこと、
資材高騰を受けた農家手取りの確保が求められていることなどが要因とみられる。
今回示したのはJA概算金。
各JAはこれを基に検査料や手数料を踏まえ、生産者に支払う生産者概算金を決める。
千葉県では「ふさおとめ」などを中心に、生産者への仮渡金(概算金)や生産者からの買い取り価格を上げるJAがある。
あるJAは、16日時点の「ふさおとめ」の生産者からの買い取り価格を、
前年産より1200円高い1等60キロ当たり9200円としている。
JAの担当者は「民間在庫量などを見て判断した」とし、需給が改善へ向かうとみる。
別のJAは今年産米について、生産者への仮渡金を「ふさこがね」「ふさおとめ」で1等60キロで前年産当初比2000円以上、
「コシヒカリ」で同1000円以上高く設定した。
このJAは21年産では、品種・等級を問わず、数百円の追加払いをした。
[解説]背景に生産費高騰
主産地が概算金を上げる背景には生産費高騰がある。
低迷した前年水準では稲作経営の維持が困難として危機感が広がっていた。
需給改善の見通しも上げ設定の判断材料になった。
22年産の作付けで産地は、国が需給改善に必要とする水準まで主食用米を減らした。
今後、後続する産地が前年を上回る水準で概算金を設定するケースが想定される。
ただ上げ幅は前年産価格や古米在庫、作付け状況で産地・銘柄ごとに異なるとみられる。