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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「手天童子」 永井豪

2006-05-10 09:57:21 | 

久々に部屋の掃除をしていたら、食器棚の上の箱から漫画本が何冊も出てきた。おそらく犯人は昔同居していた妹だと思われる。上の妹なら私にばれないよう、しっかり元の場所に戻すので、多分下の妹であろう。こいつは厚かましく自分のものにしてしまう傾向があったからなあ~

で、出てきた本は大半が永井豪の漫画だった。ここにあったとは・・・「いやはや南友」「おもらい君」「手天童子」「無頼・ザ・キッド」etc。分かる人は分かるように、永井豪である。なんといっても、その魅力は時々出てくるHなシーンにこそある。

私が小学生の頃、内心買いたいのに買えなかったのが週刊少年ジャンプ。読みたかったのに、家族の目を気にして読めなかった。何が、って「ハレンチ学園」。仕方ないので、馴染みの床屋で読んでいた。大人になって復刻版が出た時は、大喜びで買ったものだ。

当時は学校関係者の間で極めて評判が悪く、PTAのうるさがたの槍玉に上がる筆頭が永井豪だった。しかし、今にして読み返すと、そのHなシーンもカワイイものである。昨今の一部の本屋に売られている、Hマンガと比べれると、微笑ましいくらいだ。なんであの頃、あれほど恥ずかしかったのだろう・・・

それにしても永井豪は、息の長い漫画家だ。絵柄こそ上手くなったが、Hシーンにこだわるその姿勢は変わらない。TV化された長編ものも多いが、短編にも佳作は多い。長編は案外尻切れトンボというか、中途半端なケースも多い。そのあたりは、本人も自覚があるようで、半端に終わったマンガを、新たに書き直したりしている。(TVの監修と、マンガの同時進行はきつかったご様子)

あまりに作品数が多く、代表作を決めにくいが、完成度の高さで「手天童子」を挙げたい。作者本人も、厄払いに行ったりと、かなり苦労したようだが、物語の完結の見事さでこれを推したい。伝奇、SF、歴史、超能力とてんこ盛りだが、エンターテイメントの部分とシリアスな部分のバランスの良さも魅力。

もう初老といえる年だと思うが、最近読んだ永井豪本人のインタビューでは、まだまだ血気盛んな永遠の少年の気持ちを持ち続けているようです。これからの楽しませて頂きたいものですね。

コメント (3)
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