なんか甘ったれている気がして嫌。
なにがって、最近なにかと話題のブラック企業という奴だ。別にブラック企業と噂される企業が好きなわけでもなく、肩を持ちたい訳でもない。むしろ被害者ぶって告発する側の姿勢が嫌。
たしかに世の中には労働基準法なんて存在しないが如き過酷な労働を負わせる企業はあると思う。また会社の肩書をいいことに威張り散らし、セクハラ、パワハラしまくりの大馬鹿上司もいると思う。
それは実感として分かる。第一私自身が、過酷な労働の末に身体を壊し、長きにわたる療養生活を送ったことがある。身体を壊すほどの厳しい労働環境ならば、我が身をもって体験している。
でも、私はあの時務めていた会社がブラック企業だなんて考えたことはなかった。はっきり言えば、20代の若い世代が会社にこき使われるのは当然だと思っていた。会社がまだ能力の低い若い社員に期待するのは、体力と頑張りであり、厳しい実務を通じて経験値を高め、やがて会社の中核を担う人材に成長することだ。
若い時でないと出来ないことって沢山あると思う。あの体力あってこそ出来ることは沢山ある。沢山仕事をやってこそ身に付くことも沢山ある。そりゃ失敗して叱れれることも少なくない。でも失敗なんて若さゆえ、未熟さゆえの肥やしであり、その失敗から学んでこその成長だと思う。
もっといえば、若い時に激務を経験しておかないと、年齢を重ねた時に無理がくる。言葉は悪いが、若い時の激務の経験から学んだことの一つに、手の抜き方、さぼり方もある。
若い時は怠惰の顕われ以外のなにものでもないが、体力が落ちた中高年になると貴重なノウハウとなる。これはいくら教科書やノウハウ本を読んでも身に付かない。身体で覚えたからこそのテクニックなのだ。
現在、居酒屋チェーン店のワタミが叩かれているようだが、あれだけの繁盛店である。そこで働く人たちが激務なのは当然であり、若い社員ほど激務を任されるのは当然だと思う。更に付け加えるなら、今どきの若い者は、飲食店での労働を厭う。いくら募集しても十分な人員が揃わない。それでもメニューなどワタミ系のお店は魅力的であり、客は集まる。ある意味、激務は勲章でさえある。
逆に客が来ない不人気店で、仕事がなくて暇な仕事だったら未来を心配するべきだ。過酷な仕事のなかでしか学びえないこともある。若くて体力がある時にこそ経験しておくべきだと私は考える。
でも、ブラック企業告発の風潮は、若い者に楽に稼げることを推奨しているように思えて仕方ない。それが私は嫌だ。
ただ、職場での暴力とか暴言など明らかに反社会的なことをするブラック企業は別であり、これはマスコミが叩くべき存在なのは確かだ。というか、刑事告発するべきだろう。この手の本物の暴力企業には、労働基準監督署では力足らずだしね。
大事なことを一つ加えておくと、20代は仕方ないが、30過ぎたら給与は積極的に上げていくべきだ。小泉・竹中の構造改革以来、30代から40代の給与が低く抑えられてきたのは確かだと思う。その癖、役員クラスの給与は高止まり。
企業を支える中間層をリストラの名のもとに抑圧したがゆえに、企業活力は大幅に減退し、今や国際競争力は落ちる一方だ。何度か書いているが、リストラの目玉に人件費抑制を上げるなら、まずトップが範を示すべき。
それなのに、日本のリストラは弱い立場のものから給与を削り、退職に追いやった。これこそ、日本経済の衰退を招いた大きな要因だと思いますね