ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

蕎麦屋の流行り廃り

2018-02-27 12:37:00 | 健康・病気・薬・食事

誰に教わったか忘れたが、蕎麦屋のカレーは美味いという。

良く煮込まれた和風カレーであることが多く、私も美味しいと思っている。

以前、ある食材の卸問屋の旦那さんから伺った話なのだが、ラーメン屋はすぐに潰れるが、蕎麦屋は簡単には潰れないと聞かされた。同時に、ラーメン屋を開業するには3カ月の修行で足りるが、蕎麦屋を開業するのは10年は修行が必要だとも聞かされた。

これはある程度、経験によるもので、私も納得できる。実際、飲食店を開業しようと思ったら、一番手早く出来るのがラーメン屋なのは確かだ。そして潰れるのが早いのもラーメン屋である。

飲食店としてみると、ラーメン屋の厨房はシンプルだ。基本、煮ると炒めるの二通りであり、三か月で習得できると思われるのも無理はない。もっとも経営者としては、3カ月では足りないと思います。

ところが蕎麦屋は料理方法が多様だ。基本、煮るだけでなく焼く、炒める、揚げる、蒸すなど料理の基本がすべて要求される。刺身定食などを出す店だと、生魚の調理も必要となる。修行に時間がかかるのも当然だろう。

だからこそ、蕎麦屋は簡単には潰れないと云われていた。

だが、時代は変わる。変っていることを認識せざるを得ない。私が銀座の街で働き出して、かれこれ四半世紀になるが、よく通った蕎麦屋さんで、今も営業している店はない。どの店も、老舗として知られたはずで、馴染みの客がかなり居たはずだった。

師匠の佐藤先生もそうだったが、仕事の後、軽く蕎麦でも頂きながら、美味しい日本酒を軽く呑んで帰宅する人は少なくなかった。私も何度となくご同伴させて頂いたものである。

しかし、あの頃蕎麦屋で夜、一献傾けていた同業の先輩たちは引退したか故人となり、私も足が遠ざかってしまった。そして気が付いたら、蕎麦屋さん自体が閉店してしまった。

もちろん今も銀座には、蕎麦屋は何店もある。だが私のみたところ二極化しているように思う。蕎麦屋というよりも蕎麦懐石料理を出す高級店か、昼時のサラリーマン相手の安いお蕎麦屋さんである。

高級店は気軽に行く訳にもいかないし、安い店は出汁の匂いがキツ過ぎてあまり好きではない。そば粉の香りたつような獅「蕎麦は、もはやそうそう気軽に食べられなくなったのかと、少し残念に思う。

いや、本当に残念なのは、蕎麦屋のメニューにあった、あの美味しいカレーが食べられないことかもしれない。高級店があってもイイと思うし、安い蕎麦屋さんだって必要だ。

でも、かつて気軽に足を運び、美味しい蕎麦と獅「日本酒、そして肴を提供してくれた伝統的な蕎麦屋さんが減ってしまったことを寂しく思います。

コメント (2)
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