久々の寝たきり正月だった。
あまりの寒さに体がついていかず、正月三が日はひたすら家でゴロゴロしていた。お雑煮は作ったが、後は手抜き料理のオンパレードで、冬眠中のクマよろしく布団にくるまって寝転んでいた。
これではイカンと、のそのそと動き出したのは4日で、事務所に出て仕事をすることでナマケグマを追い出した。いや、怠け癖だわな。
帰宅して、ようやく大掃除に取り掛かる。この10年近く、大掃除は正月の行事と化している。忙しくて年内なんかに出来る訳がない。もっとも今年は体調がイマイチ芳しくないので、軽い掃除に留めて、週明けの仕事初めに備えて静養に努めていた。
寝っころがっての読書は、私にとっては至福の時間でもある。だが如何せん体力が落ちているので、寝ながらでもせいぜい2時間が限度だ。身体が飽きてきてしまう。
さりとて外出したり、掃除を始める気力はない。だから、PCを起動してネットであれこれ閲覧したり、CS放送を流し見したりしていた。放送で見るのは、もっぱらドキュネンタリーとかニュースである。
特にBBCとCNNの同時通訳付の放送は、意識して視るようにしていた。時々、TBSやTV朝日のニュースと比較すると、世界との意識の違いが呂実に現れて興味深い。
日本とは異なり、徴用工問題やレーザー照射事件などは全く報じられていなかった。まァ、欧米視点からすれば、取り上げるに値しない屑ニュースなのだろう。
やはりニュースの中心はアメリカであり、トランプ大統領関連のもので占められていた。相変わらずというか、欧米のマスコミは反トランプであることが良く分かるものでした。
とはいえ、私は日本人であり、日本で暮らす以上、やはりニュースの視点は日本中心。でも、その報道を客観視する意味で、欧米の報道と対比することは意味あることだと考えています。
だから休日などには、欧米のメディアであるBBCやCNNを視るように心がけている。でも最近、少し不満というか不安を感じます。現代文明が、欧米を中心としていることには納得しています。でも、過度に欧米視点でありすぎると思うことが多々あります。
例えば日本人が大好きな食材の一つにタコがあります。もちろん日本近海でも獲れるのですが、輸入物が多いのも事実。その輸入元はアフリカのモロッコとモーリタニアで7割を占めます。
もっと分かりやすくいえば西サハラです。現代史に詳しい方なら、すぐにピンと来るはずです。西サハラ独立問題は表向き沈静化していますが、水面下では沸騰している民族独立問題の火薬庫です。
でも欧米では無視されがち。なにせ西サハラは欧米の観光客を惹きつける高級リゾートでもあり、アフリカの複雑な民族問題になんか首を突っ込みたくない欧米のメディアは消極的。
もちろんタコの主要な輸入先としてしかみていない日本では、この問題を知らない人のほうが多いのが実情です。でも西サハラの人たちは知っているのですよ、このタコの輸出先が豊かで平和な国、日本であることを。
いくらタコを獲っても、その利益は地元に還元されずに、支配者であるモロッコに吸い上げられてしまう不満が、西サハラでは蓄積されている。その不満の矛先が、金満日本に向けられても不思議ではないはずです。でも、日本のマスコミ様は無関心ですね。
経済がグローバル化されて世界中にネットワークが広がっている現在、欧米のマスコミに情報が偏ることは、致し方ない反面、不満を感じざるを得ません。TVや新聞だけでは、決して必要な情報は手にできないことは知っておいたほうが良いと思います。