昨年12月のビックニュースは、日産のカルロス・ゴーン会長の逮捕であった。
あれから一か月になるが、未だゴーン氏は東京・小菅の拘置所に勾留されている。勾留期間は最大でも20日くらいのはずだが、別件での逮捕が加わったので、未だに勾留されたままである。
保釈請求は却下されているから、拘置所で年を越し、二か月を超える束縛となっている。これでは代用監獄だとの批判も無理はない。
その高額報酬に対する僻みからか、ゴーン容疑者は今や日産を食いつぶした悪役扱いであるが、私はどうも違和感が禁じ得ない。
以前より識者から指摘されているが、日本の場合、逮捕=有罪すなわち犯罪者である。言っておくが、有罪か否かは、裁判所で決まること。だからこそ容疑者なのであり、無罪となる可能性もある。
つまり現時点では、容疑者として勾留されているに過ぎない。で、なんで、こんなに長期間、勾留されているのだ?保釈請求が棄却されているが、その理由が証拠隠し、国外逃亡の恐れとは笑わせる。
要するに長期間勾留して、ゴーン容疑者を弱らせて有罪を認めさせようとしているだけでしょう。日本の警察、検事は、自白をもってして有罪だとする傾向が非常に強い。そのせいで、犯罪の証拠固めなどがいい加減になっている。
まず有罪ありきでの逮捕であり、後は自白に追い込むだけ。それが日本の司法がこれまでやってきたこと。そのせいで、これまで幾人の無実の犯人が作られてきたことか。冤罪がなくならない下地として、この自白偏重があることは、多くの司法関係者から指摘されていることだ。
どう考えても、今回の逮捕劇は意図的なものであり、国策(司法取引もあるしね)逮捕である可能性が高い。いい気になってゴーン叩きをしているマスコミも同罪だ。
私はゴーン容疑者が有価証券報告書への不実記載については確実に有罪だと思うけど、これは決して重罪とは成りえない。だからこそ、再逮捕などして、もっと重い罪を認めさせようとしているのだろう。
ってことは、警察は自白に頼らないと、ゴーン容疑者を有罪に出来ないとでも思っているのか?ゴーン容疑者のやったことが、背任等の罪に値すると考えているのなら、地道な資料調査で証拠固めをするのが王道であろう。
それを自白で済まそうとする。長期間の勾留は、一種の拷問のようなものだ。楽になりたかったら、早く自白してしまえ!ってか。まったく何時の時代の取り調べなのだ?
そんな安直な捜査をしている以上、この逮捕劇は相当に長引くでしょうね。