誰だって年をとる。
年をとれば体力は落ちる。若い時ほど身体は動かなくなるし、咄嗟の判断力も鈍くなる。個人差はあれども、誰にでも訪れるのが老化である。
高齢化社会は既に到来しており、元気な老人が社会で活躍している姿は珍しいものではない。だが、その一方で不幸な事故も散見されるようになった。
その代表が、高齢者ドライバーによる交通事故であろう。高速道路の逆走は、そのほとんどが高齢者の勘違いによるものだ。判断力の衰えが主たる原因だと思われる。逆走に気づくのも遅いことが、殊更事故を大きくさせてしまう。
でも一番多いのは、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故ではないだろうか。先だっての池袋の事故も、おそらくこのパターンだと思われる。この事件だけではないが、このような高齢者の運転ミスによる事故で家族を失った方々の悲憤を思うと、ある種の怒りを禁じえない。
だが、だからといって高齢者の運転を禁じろとまでは言いだせない。体力の落ちている高齢者にとって、日常の買い物や、病院通いなどで車を使えるメリットは大きい。
特に地方へ行けば、電車はもちろんバスも十分にない地域は珍しくないので、車が頼りとなる。免許証だけを高齢者から取り上げれば良いといった問題ではないと思う。
一部の自治体では既に実施していると聞くが、免許証を自主返戻した高齢者には、タクシー利用補助券を自治体が配付するなどして、生活に不便さを感じさせないような仕組みがあっても良いように思う。これは是非とも国策で、全国で実施して欲しい。
更に付け加えるのならが、そろそろ日本でも家政婦制度というか、家事手伝い業の外国人労働者の参入を認める時期ではないかと思う。実は要望は長年上がっていたのだが、法務省及び日本家政婦協会などが強硬に反対していた。
仕事を奪われると反対する日本家政婦協会だが、既にダスキンなど大企業がこの事業に乗り出しており、もはや反対は無意味だと思う。またこの先、人口が減少する日本にあって、家事手伝いなどのサービス業を日本人だけでやるのは、ほぼ不可能に近いと思う。
実際のところ、外資系企業の役員クラスの方や、在日大使館の人たちは、既に外国人家政婦を家庭で使用している。日本でも海外暮らしの経験の長い人は、密かに外国人家政婦を使っている現実がある。
私は安易な外国人労働者の流入につながることには反対なのだが、その一方で高所得者が既に内々でやっているようなことは、条件を定めて開放したほうが現実的だと考えている。
もっとも、この業務に参入してくるのは、国策として家政婦派遣を推奨しているフィリピンやヴェトナム、インドネシアなど東南アジアの国々に限られる気がする。実際、これが近いうちに実現することを見込んで、日本での家政婦業務対応の準備をしている企業も既に実在している。
運転こそ難があるが、まだまだ社会で活躍する能力を持っている高齢者は少なくない。彼らを活かすためにも、外国人運転手や外国人家政婦の導入は十分検討する余地があると思います。