ヌマンタの書斎

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サッカーU17世界大会の敗退

2019-11-11 12:30:00 | スポーツ

やはり日本のサッカー担当記者のレベルは低いと思う。

現在ブラジルで開催されているU17世界大会で、我がヤング日本は予選リーグで大活躍していた。一位でリーグを突破しての決勝トーナメントに勝ち上がり、マスコミは浮かれて調子の良い記事を乱発していた。

私はそれを苦々しく思っていた。

初戦のオランダ戦は、予想を覆しての3―0の勝利である。優勝候補筆頭とも云われたオランダに大勝したのだから、浮かれるのも分からないではない。でも長年サッカーを観ている人ならば知っているはずだ。

オランダやブラジルなど強豪国は初戦にピークを持ってきたりはしない。優勝が目的なのだから、序盤はスロースターターであるほうが普通だ。ただ、日本に3失点は予想外であったとは思う。でも、いずれ勝ち上がってくると思っていた。

一方、浮かれた日本はアメリカとは引き分け。体格に勝るアメリカの肉弾戦に負けて、かろうじての引き分けである。よく失点せずに済んだものだと、私はDF陣の頑張りをほめたい。

そしてアンゴラとの三戦目だが、これに勝利しての決勝トーナメント進出である。もう日本のマスコミ様は舞い上がる、舞い上がる。私だって嬉しいのは事実だが、ベスト8を賭けての対戦相手はメキシコである。これは悲観的に為らざるを得ない。

メキシコは中米では断トツの強豪であり、ブラジルやアルゼンチンにも勝ちうるチームである。体格こそ日本人とそう大差はないが、球際の厳しさは、スマートな日本サッカーとは別物。だから一対一に強く、上手さと狡さを持ち、使い分けてくる。

そのため、A代表でさえメキシコとは負け越している。勝つのは難しいだろうと予想していたのだが、残念なことにその予想は当たってしまった。一応、U17ではベスト16であるが、これって30年前とそう変わっていない。

負けたU17日本代表には興味を失ったのか、その後日本のサッカーメディアはほとんど報道していない。

これだから、日本のサッカー担当記者のレベルは低いのだと云わざるを得ない。

Jリーグ開幕以降、日本のサッカーは格段に進歩した。それは確かだと思う。しかし、まだまだ問題は残っている。その代表がサッカーを報じるマスコミの能力不足である。

勝てば騒ぐ癖に、負けると知らん顔で済ませている。負けて、そこから学ぶ姿勢が欠落している。今回の大会を見ていて思ったのだが、やはり日本は上手くなった。これは海外の記者たちも認めている。

その一方でダメなのは、戦い方である。これは国民性かもしれないが、日本のサッカーは奇麗すぎる。汚さ、激しさに欠ける。だから反則ギリギリの上手いサッカーをしてくるチームと対戦すると、勝ち目が薄くなる。

海外から優秀なコーチを導入し、高校でもユースでも格段に選手指導のレベルは上がっている。それなのにダメなのは、審判の問題である。はっきり言って、日本人の審判は、汚いプレー、激し過ぎるプレーを嫌がる。非常に厳しく笛を吹く。

これは日本人の特性でもあるのだろうけど、世界基準のサッカーは、もっと汚くて、激しくて、狡賢い。これはJリーグでも認識している問題であり、海外から審判を導入して、審判の技量向上を進めている。

しかし、若い世代の試合を担当する審判はアマチュア中心であり、まだまだ世界基準とは程遠いい。だからアンダー世代は、もう半世紀近く世界大会での上位入賞が難しくなっている。唯一の例外は、トルシェが黄金世代を率いていた時だけだ。

日本サッカー協会でも、この問題はとっくに認識している。ただ、若い世代の育成の中心は学校であるため、審判の技量向上が思うようにいっていない。はっきり言いますが、学校教育の一環としてのサッカーでは世界と戦えない。こんな時こそ、マスコミによる適切な批判が必要なのだ。

ところが、サッカーを担当するマスコミの能力が低い。だから肝心の問題も気が付けないし、気づいても報道する気概に欠ける。未来のスター選手を厳しく叱るのを嫌がる記者さえいる始末である。

ロシア大会でのA代表の活躍を覚えていて、次も期待している方々には申し訳ないが、私はけっこう悲観的に見ています。日本人監督の経験値上昇を目指すサッカー協会の意向は分かるけど、若手の試合を裁く審判が世界基準に程遠い現実を忘れて欲しくないですね。

コメント
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