マスコミの報道に違和感を感じる。
韓国とのGSOMIA失効を今週末に控えている。マスコミの報道だと、元々は日本が韓国を貿易上の優遇措置であるホワイト国指定を外したことへの報復が、GSOMIA失効だとされてしまっている。
馬鹿なのか?
元々3年前から、日本は韓国に対してフッ化水素の使途に関する報告書を提出するように要請しており、それをひたすらに無視していたが故のホワイト国除外措置であったはず。
高純度のフッ化水素は半導体製造に欠かせないものであるから、半導体輸出を稼ぎ頭とする韓国企業が慌てて政府に泣きついた・・・?!
少し違うでしょう。フッ化水素は核兵器製造に必要なウラン濃縮における必要なものであり、また毒ガス製造にも使われる。日本政府が韓国に、フッ化水素の用途の報告を求めたのは、北朝鮮やイランにフッ化水素を横流ししている疑いが濃厚であったからだ。
日本政府は黙っているが、これはアメリカからの要請を受けてのものである可能性が高い。アメリカは韓国が、国連で禁じられた物資を北朝鮮に密かに輸出している可能性が高いと考えている。
だからこそ、イギリス、フランス、オーストラリアなどの協力を得て、日本海及び東シナ海に瀬取り監視の船団を送り込んでいる。当然のように、日本から輸出されてきた高純度フッ化水素の横流しも、その監視の目的になっているはずだ。
ただ、イラン及び北朝鮮両方を刺激するリスクを避けるため、アメリカは沈黙しつつも、監視の手を緩めない。それは日本政府も同様で、横流しの証拠も既に握っているとされている。
高純度フッ化水素は極めて毒性が強いだけでなく、腐食性も強く普通の容器では運べない。この容器も日本がほぼ独占的に製造しているため、横流しの把握もさほど難しくない。
しかし、韓国としては、横流しの事実を認める訳にはいかない。それどころか、今後も横流しを継続したい。だからこそホワイト国指定の復活を求めている。文政権としては、日本を説得する手段としてのGSOMIA解除であったはずだ。
ところが、これは完全な読み違い。GSOMIA締結前から、フッ化水素の横流しの疑惑はあった。だからこそ、厳格な報告書の提出を韓国に求めていたはずだ。
当然だが、アメリカが韓国の要請を蹴るのも当然である。核拡散に警戒をみせるアメリカが、日本の対韓国貿易の厳格化に好意的なのは必然である。GSOMIAを人質にとってアメリカの威光で日本を説得するプランが上手くいくわけがない。
元を質せば、フッ化水素の横流しこそが最大の問題なのだから。日本としては、適切な報告書さえ提出してくれれば、審査次第で輸出を認めている。それだけのこと。実際、適切な報告書さえ出ていれば輸出は認可されているしね。
私はこのように、GSOMIAの問題を捉えていたのだが、どうも日本のマスコミの報道の仕方に違和感を禁じ得ない。私の認識が間違っているのか?それとも、日本のマスコミがおかしいのか。
敢えて横流し問題をスルーしている韓国内のマスコミ報道も問題だが、それはあちらの問題。でも、私には日本のマスコミ様が韓国マスコミに合わせているように思えて仕方ない。
どうも国際問題の認識は難しいと言わざるを得ません。