トップダウンは上手く行くとは限らない。
昨今、会社の総務部や経理部などで話題になっているのが電子帳簿の導入だと思う。
広告、もしくは宣伝なのだろうが、やたらと強気の電子帳簿導入の勧めが多い。でも、先に私の結論を云わせてもらうと、全ての企業、店舗、自営業者が電子帳簿を導入するのは無理です。当然に罰則なんて適用できるはずがない。
電子帳簿そのものを否定はしません。その利便性は一応、承知しています。実際、私の事務所でもほぼ9割がたコンピューターソフトを使って会計業務をしているわけですし。
でも全ての業務過程を電子化することには反対というか、意味がないとも思っています。仕事をしていれば、膨大な数の請求書、領収書、見積書などが手許に残ります。それを全て電子化する暇はありません。物理的、時間的に無理です。
おそらく業務の大半をコンピューターによる電子化されているような特殊な企業以外では、紙の領収証等を電子ファイル化する手間なんて時間の無駄でしょう。
では、何故にこれほどまでに広告宣伝があふれているのか。
その広告をよくみれば、ほとんどが事務機器企業が主体であることが分ると思います。彼らにとっては絶好なビジネスチャンスですから、飛びつくのは当然です。まして、電子帳簿の導入は政府の肝煎り事業です。
既に飽和事業と化している事務機器業界としては、新たに生まれた新市場なのですから熱心なのは当然です。
でもね、この電子化を言いだしたのは菅内閣の頃の河野大臣です。印鑑廃止を声だかに叫んで、各省庁に押し付けていた御仁です。電子化もIT化推進の目玉として政策に盛り込まれています。
冒頭に書いたように、私は電子帳簿の導入推進自体に反対している訳ではありません。それを全ての事業者に強要することに反対なのです。だって現実的に無理ですから。
街の商店街のお店の経理や、近郊農家の若手経営者には電子帳簿を既に導入しているところがあります。でも、後継者のいない小さな店舗や、高齢化の進む農家では、今も帳簿は手書きです。そして、ここが重要なのですが、後者が経営的に劣っているわけではないのです。梼Yや廃業などは、むしろ前者のほうが多いくらいですから。
つまり電子帳簿の導入や、業務のIT化の推進自体は、実は経営を強化することへの貢献はさほどありません。ここを勘違いしている識者は多いです。IT化以前に、その基となる仕事の良し悪しは、その経営者次第であり、この基盤がしっかりすることが一番重要です。IT化が出来れば経営改善されるかもしれませんが、経営そのものが出来てこその話なのです。
元を糺せば、日本はIT化に遅れていることを警告したどこぞのお偉いさんの発言から始まっています。ですが、私は言いたい。IT化が進んだ社会が進んだ社会ですか?と。
いや、IT化に対応していけなければ時代に取り残さる、そう主張する識者は多い。その基本路線に反対はしませんが、IT化が全てだとは思いません。むしろ全業務においてIT化を進めることは弊害が多いとさえ考えています。
特に問題とすべきなのは、IT機器はすべて電気で動くことです。つまり電気が供給されなければ、まったく機能しないのがIT機器です。東日本大震災の時はまださほどIT化が進んでいなかった上、電気の復旧が早かったので、さほど問題は起きませんでした。
しかし数年前の北海道での地震では、札幌市内の電気供給が途絶えました。その結果、コンビニやスーパーで電子決済システムが機能不全となり、現金払いだけが頼りでした。しかも銀行ATMも使えず、銀行自身がオンライン機能が止まっているので、全て手書きでの作業となり、出金業務でさえ大幅に遅延する有り様。
当然ですが、その間の商取引は電子帳簿に記載されず、すべて手書きです。これを偶発的で回避不能な地震という天災ゆえの固有の事故だと思ってはいけません。
ITにより社会システムが動くようになった結果、その大元であるサーバーはハッカーなどの目標となっているのが現実です。アメリカを始めロシア、シナなどは軍または諜報機関に専門のハッカー部隊を創設しているのは周知の事実。
経済難にあえぐ某半島国家の独裁国では、軍のハッカー部隊に銀行の電子取引をハッキングして多額の資金を横取りしている有様です。これが核兵器や弾道ミサイルの開発資金になっているのは、知る人ぞ知る現実です。
IT化は利便性が確かに高まります。その一方で電気機器ゆえの脆弱性も有しています。またIT化は高齢化社会に優しくない一面もあります。
別にIT化の利便性を否定しているのではありません。実際、便利な機能だと思うからこそ自分でも使っているのですから。でもIT化はもろ刃の剣だとも思っています。
ちなみに電子帳簿の推進を強制しようとした国税庁は、今年に入って適用期限を延期しました。どうやら相当な苦情が入ったようです。当然でしょう、国税庁を始め各官庁でも電子帳簿をすべて実現できていないのですからね。
昨今、会社の総務部や経理部などで話題になっているのが電子帳簿の導入だと思う。
広告、もしくは宣伝なのだろうが、やたらと強気の電子帳簿導入の勧めが多い。でも、先に私の結論を云わせてもらうと、全ての企業、店舗、自営業者が電子帳簿を導入するのは無理です。当然に罰則なんて適用できるはずがない。
電子帳簿そのものを否定はしません。その利便性は一応、承知しています。実際、私の事務所でもほぼ9割がたコンピューターソフトを使って会計業務をしているわけですし。
でも全ての業務過程を電子化することには反対というか、意味がないとも思っています。仕事をしていれば、膨大な数の請求書、領収書、見積書などが手許に残ります。それを全て電子化する暇はありません。物理的、時間的に無理です。
おそらく業務の大半をコンピューターによる電子化されているような特殊な企業以外では、紙の領収証等を電子ファイル化する手間なんて時間の無駄でしょう。
では、何故にこれほどまでに広告宣伝があふれているのか。
その広告をよくみれば、ほとんどが事務機器企業が主体であることが分ると思います。彼らにとっては絶好なビジネスチャンスですから、飛びつくのは当然です。まして、電子帳簿の導入は政府の肝煎り事業です。
既に飽和事業と化している事務機器業界としては、新たに生まれた新市場なのですから熱心なのは当然です。
でもね、この電子化を言いだしたのは菅内閣の頃の河野大臣です。印鑑廃止を声だかに叫んで、各省庁に押し付けていた御仁です。電子化もIT化推進の目玉として政策に盛り込まれています。
冒頭に書いたように、私は電子帳簿の導入推進自体に反対している訳ではありません。それを全ての事業者に強要することに反対なのです。だって現実的に無理ですから。
街の商店街のお店の経理や、近郊農家の若手経営者には電子帳簿を既に導入しているところがあります。でも、後継者のいない小さな店舗や、高齢化の進む農家では、今も帳簿は手書きです。そして、ここが重要なのですが、後者が経営的に劣っているわけではないのです。梼Yや廃業などは、むしろ前者のほうが多いくらいですから。
つまり電子帳簿の導入や、業務のIT化の推進自体は、実は経営を強化することへの貢献はさほどありません。ここを勘違いしている識者は多いです。IT化以前に、その基となる仕事の良し悪しは、その経営者次第であり、この基盤がしっかりすることが一番重要です。IT化が出来れば経営改善されるかもしれませんが、経営そのものが出来てこその話なのです。
元を糺せば、日本はIT化に遅れていることを警告したどこぞのお偉いさんの発言から始まっています。ですが、私は言いたい。IT化が進んだ社会が進んだ社会ですか?と。
いや、IT化に対応していけなければ時代に取り残さる、そう主張する識者は多い。その基本路線に反対はしませんが、IT化が全てだとは思いません。むしろ全業務においてIT化を進めることは弊害が多いとさえ考えています。
特に問題とすべきなのは、IT機器はすべて電気で動くことです。つまり電気が供給されなければ、まったく機能しないのがIT機器です。東日本大震災の時はまださほどIT化が進んでいなかった上、電気の復旧が早かったので、さほど問題は起きませんでした。
しかし数年前の北海道での地震では、札幌市内の電気供給が途絶えました。その結果、コンビニやスーパーで電子決済システムが機能不全となり、現金払いだけが頼りでした。しかも銀行ATMも使えず、銀行自身がオンライン機能が止まっているので、全て手書きでの作業となり、出金業務でさえ大幅に遅延する有り様。
当然ですが、その間の商取引は電子帳簿に記載されず、すべて手書きです。これを偶発的で回避不能な地震という天災ゆえの固有の事故だと思ってはいけません。
ITにより社会システムが動くようになった結果、その大元であるサーバーはハッカーなどの目標となっているのが現実です。アメリカを始めロシア、シナなどは軍または諜報機関に専門のハッカー部隊を創設しているのは周知の事実。
経済難にあえぐ某半島国家の独裁国では、軍のハッカー部隊に銀行の電子取引をハッキングして多額の資金を横取りしている有様です。これが核兵器や弾道ミサイルの開発資金になっているのは、知る人ぞ知る現実です。
IT化は利便性が確かに高まります。その一方で電気機器ゆえの脆弱性も有しています。またIT化は高齢化社会に優しくない一面もあります。
別にIT化の利便性を否定しているのではありません。実際、便利な機能だと思うからこそ自分でも使っているのですから。でもIT化はもろ刃の剣だとも思っています。
ちなみに電子帳簿の推進を強制しようとした国税庁は、今年に入って適用期限を延期しました。どうやら相当な苦情が入ったようです。当然でしょう、国税庁を始め各官庁でも電子帳簿をすべて実現できていないのですからね。