ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

再度ウクライナ危機

2022-02-04 11:09:00 | 社会・政治・一般

以前にも書いたが、日本は西側陣営に属する。

だからもしロシアがウクライナに侵攻した場合は、当然に西側陣営としての立場から行動せねばならない。

しかしながら言論の自由がある以上、反対の論陣を張ることは許されるはず。

今回のウクライナ危機は、1960年代のキューバ危機に例えると分かり易い。アメリカの下腹部といってよいカリブ海の島国キューバにソ連が核ミサイルを搬入しようとし、それを阻止せんと世界戦争覚悟で抗ったアメリカのケネディ大統領。フルシチョフ書記長はアメリカの覚悟に折れて、核ミサイル搭載の船を引き返して世界戦争は回避されたあの事件です。

今回は攻守を変えてのキューバ危機に近い様相なのです。実際ロシア国内の報道では、ロシア軍を歓迎するウクライナ在住のロシア人たちの場面や、最新の武器をウクライナに運び込もうとする西側諸国の映像を流して危機感を煽っています。ロシアにとっては、西側がウクライナを拠点としてのロシア侵攻という認識なのでしょう。

ロシアは今も昔も常に侵略され続けてきた被害者意識が強い国だ。だからこそワルシャワ防衛機構の国々がNATOに加入したことに危機感を募らせる。ポーランドは仕方ないが、バルト三国の離反は痛かった。なんとか白ロシア(ベラルーシ)は親ロシアとして残っているが、クリミア半島がらみで遺恨が残るウクライナが西側になびくのは絶対に許せない。

だからこそ、ウクライナ国境近辺でロシア軍の演習を繰り返し、軍事的威圧をかけて引き留めにかかり、場合によっては侵攻も辞さずの覚悟をみせる。

実はそれだけではない。日本のマスコミはあまり報じないが、ウクライナ在住のロシア人たちの悲痛な想いもある。かつては旧ソ連邦の一地方に過ぎなかったウクライナは、ソ連内でも温暖な地域だけにロシア人も多数住んでいる。ウクライナ人とは人種的にほぼ同じであり、言語も文化も共通であるがゆえに、親戚関係にあるケースも非常に多い。

そのウクライナ在住のロシア人たちにとって、ウクライナが西側に編入されるかもしれない可能性について、非常に恐怖感を覚えている。彼らからすれば、ヨーロッパ側の侵略に怯えざるを得ない。

そのあたりの事情は、日本語で番組を制作しているロシア人ユーチューバーが少数ではあるが、本音を語っている。日本のマスコミが報じないロシア人の本音が聞ける貴重な情報源である。興味がある方は、以前にも紹介した日本育ちのロシア人コンビのピロシキーズの番組がお薦めです。

私はロシア軍がウクライナ領内に侵攻する可能性は高いと思います。そしてアメリカもNATOも抗議はすれども、決して軍事行動で対抗はしないと予測しています。国土防衛意識に燃えるロシア兵と戦い、血を流してまで犠牲を厭わない西側の兵士は少ないと思いますから。

コメント
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