あくまで私の周囲に限ったことだが、大卒の友人、知人で子供が居ない夫婦が多数派で、居たとしても2人が精一杯だ。もちろん一人っ子が一番多い。
ところが高卒、もしくは高校中退の友人知人となると、未婚者は少数派で結婚して子供を複数抱えた家族持ちが多数派となる。なかには結婚と離婚を繰り返している猛者もいる。
偏見だと誹謗されるかもしれないが、私見では教育水準の低い家庭ほど子供の数は多いように思う。同時に高学歴で高収入な家庭では夫婦のみ、もしくは子供は一人といったケースが多い。
これは西側先進国全般に見られる傾向である。文明が高度化すると、子供の教育が重要になるため、どうしても学費の負担が多くなる。現代はある程度、避妊が可能なため、子供の数を意図的に調整できる。
また核家族化によりシングルマザーは概ね困窮化することが多い。昔のように親に子(孫なのだが)を預けて働くケースは少ない以上、子を持つことを避ける風潮が出るのは当然だろう。
しかし、この少子化という現象は確実に社会を衰退させる。それが分かっているからこそ政府は異次元なんて言葉を駆使して対策に躍起になるのだろう。
でも、その中身がお粗末すぎる。私なんざ異次元どころか違和感ありありである。
私自身は別個の理由から独身、子なしを自ら選択している。別に隠すことではないが、若い頃の難病歴から、自分が満足に家庭を築ける自信がなかったことが最大の理由となっている。なにせ生命保険にも満足に入れない身なので、家族を持てても途中で投げ出す(死ぬ)可能性が高く、それは無責任に過ぎると思っていたからだ。
還暦まで生きてきたが、この先は危ういことも承知している。それなりに稼ぎはあるが、不安定な自由業なので、自分が無事に生きて来れただけでも満足である。
そんな私でも、身体が健康であったのならば結婚は考えただろう。でも子供は精々一人かな・・・と思う。生活レベルを大幅に落とせば二人以上も可能だろうけど、やはり躊躇うと思う。
そこで岸田政権の異次元の少子化対策をみると、既存の思考法から抜け出ていない。一言でいえば金を今までより大目に払えば良い、ただそれだけだ。
アホじゃないかと思う。既成の法制度の枠にはまり切った官僚の作文であることが明白なダメ政策である。まったく異次元ではなく、小手先改革に過ぎない。
そりゃお金は大事だ。しかし、お金だけで子育ては出来ない。具体的に異次元の対策というのならば
1 外国人家政婦を認める。ただしその管理は民間ではなく、政府(地方自治体移管)で責任をもってやる。
2 誕生から4歳までの育児休暇を強要する。そのための生活費補てんは国が出せ。
3 公立に関する限り、義務教育は無償化。
個々に説明すると煩雑になるので割愛するが、この程度はやらないと安心して子育てなんて出来ない。違和感を感じるとしたら、それは過去の高度成長時代の常識、多人数の家族、親族による助け合いが普通だったころの常識に縛られているからだ。
時代が変わっており、家族、親族の関係も希薄になっている現代に過去の常識は役に立たない。ちなみに霞が関のエリート役人様は既成の法制度の枠内でしか思考が出来ない。変わってしまった社会情勢に対応する新たな法制度は、役人には作れない。今の役人はそのように育てられているから、これはどうしようもない。だから異次元なんていう字面だけで対応しようとする。
変えるには立法府の人間が、すなわち国会議員が立ち上がるしかない。それなのに有権者が投票するのは既存の法制度の下では役立つベテラン議員とか、反対するしか能がないボンクラ議員ばかり。
民主主義の悪いところは、代表者を選ぶ有権者がアホである場合、当然に選ばれるのはアホな議員であることだ。それを加速化させるのが、これまた反対することが正義だと思っている新聞、TVであるから、アホが重層的に積み重なっている。
怖いね、このような間抜けな状況が続くと、有権者は次第に強権力者を望むようになる。独裁が生み出されるのは、いつだって我儘な市民が不満を貯め込んだ時です。歴史をしっかりと学んで欲しいものです。