久々に笑った、それもモンスターパニック映画である。
ジョーズ以来、サメ映画はいくつも製作されてきたが、これほど大真面目に馬鹿らしい映画は初めてだ。なにせ双頭のサメだぞ、サメを通り越してモンスターそのものである。いや怪獣のほうが相応しいかも。
ちなみに続編ではトリプルヘッドシャーク、四はなく、ファイブヘッドシャークと続き、遂にはシックスヘッドシャークである。これだけ続編が製作されているのだから、けっこう人気があるのだろう。
キングギドラを超越し、遂には八岐大蛇に迫る勢いである。いやギリシャ神話のヒュドラに進化する日も近いかもしれない。
正直、首が幾つもあるサメなんてあるわけない。サメはある意味、進化の頂点であり流線型の体躯は高速泳法に必須のものだ。それなのに首が複数あったら水の抵抗で遅くなるではないか。
そんな理屈を通り越して、この映画では多頭サメが海を疾駆して、人間たちを食い荒らす。私が気に入っているのは、その造形の見事さ。本来ふざけた映画になりかねないが、このサメはSFXと模型を駆使して見事に映写されている。
そしてサメに食い殺される人間たちに余計なドラマを加味しないおかげで、よりリアリティに溢れた映像となっている。現実にはありないサメの大活躍(?)は、まさにB級映画の良きお手本である。
是非ともこのおバカな映画で笑って欲しい。ただ一点注意、サメが人を食い殺す場面に手抜きはないのでR指定が入ってますぞ。