国際政治の世界は無慈悲である。
ウクライナのゼレンスキー大統領だが、この人そのうち暗殺されるのではないかと思う。本来ならばロシアの圧勝で終わるのが普通であった。しかし、ウクライナはナチスの大攻勢をも撥ね退けた強兵の国である。しかも、西側の支援を受けている。
それゆえにウクライナ戦争は想定以上に長引いた。ろくな支援国を持たぬロシアと異なり、西側先進国の豊富な資金と兵站の支援を受けたウクライナは、悪い意味でも支援を受け慣れてしまった。これはウクライナだけではないが、多くの国にとって外国からの支援の一部は、その国の政治家、官僚などにより中抜きされる。
農産物こそ世界屈指の生産国家だが、決して経済的には豊かな国ではないウクライナである。だが西側からの援助でスイスの隠し口座には金が溜まる一方であろう。これだから戦争ビジネスは止められない。もちろんこれは物的証拠のない偏見に満ちたヌマンタの邪推である。
でも証拠があるとなかろうと、ゼレンスキー大統領の西側歴訪は、傍目には金乞いのたかり旅にしか思えない。実際、アメリカでさえいささか援助疲れして閉口気味である。EU諸国からも援助疲れの声は聞こえてくる始末である。
冷静に考えてみると、この戦争の幕引きはクリミア半島はロシアに、ウクライナ東部はウクライナに戻すあたりが妥協点だと思う。しかし両国ともそれを認める勇気がない。ここで国際政治の冷酷な面から判断すると、ユーラシア大陸の北部を抑えるロシアは、大陸の平和の重しである。
もしロシアが弱体化していることを自ら認めれば21世紀の火薬庫と称される中央アジアに戦乱の烽火が上がる可能性が高い。今やロシアに協力的なシナやインドのみならずトルコ、イランも黙ってはいない。それが分かるからこそアメリカもEUもロシアを徹底的に追い込めない。
しかしウクライナの重要性はそこまで高くない。中央部から黒海にかけての穀倉地帯さえ無事で、輸出港となるオデッサが確保されれば安定する。だが肝心のゼレンスキー大統領にはそれに応じる余裕はない。既にウクライナ国民の戦意は徐々に下がりつつある。もうウクライナ国民は疲弊し、これ以上の戦いを望まなくなっている。
しかい現行のウクライナ政府の要人にとって、西側からの援助こそが命綱である。援助に甘え切り、もう経済的に自立する自信さえなくなってきている。無償の援助は人を堕落させてしまう。
こうなると戦争を終わらせる唯一の方法は、ゼレンスキー大統領の退陣であろう。それが民主的な選挙に基づくならば良いが、最悪暗殺もあり得る。いや、もっとも即効性のある方法だとさえ思う。死んでも彼は救国の英雄として美名を残すだろうし、後継の政治家は平和をもたらした名政治家となれる。
嫌な予想だとは思うが、案外とこれが最も現実的な解決法だと私は考える。問題は誰が暗殺者を遣わすか、だけだと思います。