はじめに言っておくと、私はフリースクールには問題が多いと思っている。
しかし、そのフリースクールを生み出した土壌は、小・中学校や高校が時代の流れに合わせた教育を行えなくなっていたからだと理解している。この問題は非常に根深い。文部省と日教組の軋轢は、教育現場を荒れさす大きな原因なのだが、これは一教師に解決できる問題ではない。
また家庭の躾がなされていない子供が、横暴な親から学校に丸投げされて、教師たちをストレスの泥沼に落としている。また一人っ子育ちの教師たちも問題が多い。
以前から書いているが、子供たちを制御できない未熟な教師がとるのは、お友達戦略だ。子供たちと同じ土俵に下りてきて「ボク、友達だよ、なんでも相談してね。そのかわりボクの言う事を聞いてね~」と媚を売る。
いじめっ子と呼ばれる子供にとって、この似非友達教師くらい便利な道具はない。この自信なさげなダメ大人を味方につければ、気に食わない奴をいじめ放題である。そしていじめっ子の親は、元いじめっ子であることが多いから、いじめられた子供とその親なんて歯牙にもかけない。かくして学校ぐるみのいじめが成立する。
そして教育委員会は、教師を守る気はあるが、子供を守る気はない。各市町村の学校担当者は、日教組という労働組合と揉めるのを嫌がる。なにせ日本でも最大クラスの圧力団体なのだから。更に文部省は「いじめ問題」を気に掛けるが、しょせんデスクワークなので提出された報告書が形式に則っていれば、それで問題なしだと判断する。
ちなみに滋賀県の大津市のいじめ事件が日本中の話題に上がり、文部省がようやく(嫌々か・・・!?)重い腰を上げて、いじめの基準を現実に近いものと変えたら、たちまち全国から数万件のいじめがあることが判明しる始末である。
以来、山形のマット圧殺事件や、旭川の凍死事件など陰惨ないじめ事件が細々と報じられるようになったが、未だ解決には程遠いのが実情だ。
9月のことになるが、あの市ぐるみでいじめを隠蔽しようとした大津市のある滋賀県の東近江市の小椋市長が、偉そうにフリースクール批判をやらかした。
フリースクールには批判されても仕方ない部分があることは、私も認めざるを得ない。しかし、なぜにフリースクールが生まれ、フリースクールに通う子供が増えたかといえば、それは従来の教育現場が、いじめ被害者などに対して適切な対応が出来ていなかったからに他ならない。
本当に非難し、改善が必要なのは学校という教育現場であり、躾もできない馬鹿親であり、事なかれ主義に毒された役所である。教育を政治の道具としてしか考えない日教組と、それを問題視しないマスコミ様である。
ご存じの方もいると思うが、いじめ問題を最初に報じるのは決まって雑誌やネット媒体である。記者クラブでふんぞり返る新聞記者やTV局の記者が、いじめ問題に先鞭をつけることは、ほとんどない。その癖、プライドだけは高いので雑誌の後追い記事を書くのを嫌がる。
結局、政府がなにもしてくれない現実が、フリースクールを生み出した。それなのに本末転倒な主張をする人間が、首長になって賢しげにフリースクール批判をしているのだから、醜悪としか言いようがありませんね。