勝負の世界は結果が全て。
だから参加することに意義があるなんて甘えは許されない。どう言い訳しようと負けは負けだ。負けた以上、原因はあるはずだし、それを究明し次に備えて改善していくことが王道だ。
ところが、日本ではこの手の真面目な反省は苦手というか表に出さない傾向が強い。その代わりに、そもそも論を振りかざして賢しげに意見を振りかざす輩が多い。
なんのことかと云えば、シナの杭州で行われていた男子サッカーの決勝戦である。宿敵南コリアに1-2での逆転負けである。
悔しいのは分かるし、批難する必要もあると思うが問題はその中身だ。この大会はアンダー24限定であるが、オーバーエイジ3名も認めている。南コリアはこのルールを最大限活用しており、別にルール違反をしたわけではない。
一方、大岩監督はオリンピックを見据えてわざわざアンダー22でチームを構成した。しかもオーバーエイジは使っていない。これは大会前から決まっていたことであり、将来を考えたチーム造りであった。そして準決勝まではこのチームで勝ち進んでいる。しかも大学生10名までも参加させた若手育成チームでもある。その手腕はむしろ褒められても良い。
しかし南コリアに敗戦したことで、このチーム造りまでもが批判を浴びているが如何なものか。確かに勝負の世界は結果が全てだ。しかし当初から若手の育成を考えてのチーム造りであり、アジア大会をその場に選んだだけだ。批難するなら、事前にしておくべきで後出しで批難するのは相応ではない。
ちなみに南コリアはオーバーエイジを3名フル活用したうえ、イ・ガインなど欧州の選手を呼び戻してまで勝ちに拘っている。まぁ優勝するしないで、軍への徴集を回避できるので、必死なことも大きな勝因であったと思う。別にルールの範囲内であり、批難すべきこともない。
ただ、私が気になったのはU22の日本チームである。後半、やけに反則プレーが多かった。体力に勝る南コリアに圧倒されて焦ったのか、ラフプレーが散見されたのはいただけないね。ちなみに主力のU22チームはアメリカに遠征してメキシコ相手に4-1での勝利。これは立派だ。
しかしホームであるアメリカとの試合では1-4での敗戦。どうも守備より攻撃に偏った結果であるようだ。相手チームのホームでの試合の怖さを思い知ったと思う。こんな時、守りの哲学が徹底していない日本サッカーの伝統的な弱みが出る。まぁ無様な反則プレーは少なかったようなのが救いですけどね。
まだまだ日本サッカーは発展途上であることを確認できて、妙に安心している私です。