ヌマンタの書斎

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何も起きず

2023-12-04 13:07:43 | 社会・政治・一般

ある意味、戦後最大の宗教家であった池田大作の死去が報じられた。

最初に書いておくと、私は創価学会の信者ではない。だが、池田大作が創価学会を日本一の宗教団体に育て上げた功労者であることは高く評価したい。ただし、政治への関心が強すぎたと思う。公明党という政党が創価学会の政治向けの存在であることは、もはや隠しようがない事実である。

これは政教分離を掲げる日本では必然の動きである。私が所属する税理士会は政治活動が出来ない。それゆえに税理士政治連盟を立ち上げて政治家への働きかけを行っている。別に違法なことはしていないと思うし、様々な政治思想を持つ会員がいる以上、仕方のないことだと割り切っている。

ただ政党を作ったりはしない。あくまで政治家への働きかけをする母体としての政治連盟である。ちなみに政治献金では毎年上位に入るのだが、どこまで意見が反映されているのかは、少々疑わしいと元経理部長は思う。

お金は有効な手段ではあるが、やはり万能ではない。議会政治における最大の武器は、やはり議員の数である。だからこそ池田大作は公明党を作ったのだろう。ある意味、正々堂々たる方策である。

もっとも戦後の日本は自由民主党が長年にわたり政権与党の座にあり、なかなか公明党は政治に関与できなかった。しかし長期政権ゆえの弛みからか、細川連立内閣が出来た頃から自由民主党単独での政権が難しくなった。小選挙区制度では、連立を組まねば一位はとれない現実が連立政権を必要とした。

ようやく公明党は政権与党となれ、創価学会の意向を政治に反映することが、ある程度出来るようになった。しかし残念なことに、この頃から池田大作は病気がちになり、表の場に出ることが厳しくなっていった。しかし、公明党はぶれずに一途に政権与党としての立場を固めていった。

特に閣僚のポストにはかなり力を入れていた。お飾りのような大臣ポストは欲しがらず、法務や財務といった実用的な大臣ポストに固執した。このあたりの事情は、大手のマスコミ様は詳細に語りたがらないが、地道に調べてみれば一目瞭然だ。

ただ霞が関の官僚たちは頭が固く、宗教とは距離を置きたがる傾向が強い。だから創価学会のための利益誘導がなされたとは思わない。しかし、何らかの形での影響はあったと推測できる。それが宗教に関するものなのかは不明だが、子供手当など福祉的な政策に影響を及ぼしていたのは確かだと思う。

政権与党の一角に名を連ねることの意義を十分味わったと思われる。だからこそ連立とはいえ与党であることに固執するはずだ。

実のところ池田大作が表舞台に現れなくなってから密かに囁かれていたのが、その死後のことだ。あまりに大きすぎる存在故に、巨大な組織をまとめ上げるのは誰が後継者でも難しい。そう予測すると、死語に混乱が生じ、場合によっては分裂の可能性もあるのではないか。私もそう考えていた時期もあった。

しかし現在はそうならないと考える。むしろ現状維持に固執するがゆえに混乱を忌避し、まとまることにこそ意義を見出すと予想している。つまり何も起こらないのではないか。現時点では、私はそう予測しています。

コメント (2)
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