日頃あまりタクシーを使わない性分なので気が付くのが遅れたが、タクシーが最近捕まらない。
心臓疾患のせいで自家用車を手放したので、時折タクシーを使っていたが、基本歩くのが好きなので気が付かなかった。
先月のことだが夕刻から発熱し、時期的にもコロナかインフルエンザを心配したので、近所の総合病院に電話した。ところが発熱外来は予約が必要なので、今夜は応じられないとのこと。
仕方なく毎月通っている大学病院の緊急外来に電話したら、すぐに来て欲しいとのこと。そこで近所の総合病院前ならタクシーを捕まえられると踏んでいってみると、タクシー乗り場は空っぽだった。大手のタクシー会社に送迎を頼むが、自動音声によるご返事は「近くに伺えるタクシーはございません」と切れてしまった。
この時は発熱でフラフラしながら駅まで行って、なんとかタクシーを拾ったが、駅までの距離が疎ましかった。いつもなら十数分の道を4割増しのフラフラ歩きだから辛いのも当然だ。
そして昨日の朝、大学病院で検査を受けるため、近所の総合病院前まで行ってタクシーを捕まえるつもりだった。朝ならタクシーが常駐しているはず、少なくとも以前はそうだった。しかし、朝にも拘わらずタクシーは居なかった。もっとも10分ほど待っていたら来たので、無事大学病院まで行けた。だが朝の気温の低い最中、タクシーを待つのは辛かった。
午後、事務所に出て空いた時間に検索して軽く調べると、やはりタクシー不足は問題になっているようだ。原因としては、タクシードライバーの高齢化、外国人観光客の飛躍的増加、低賃金、悪条件の労働環境のイメージなどが挙げられている。
タクシー業界のみならず運輸省や警察庁までもが問題視しているが、未だに抜本的な解決策は打ち出せていない。既に10年前に比べて2割近くタクシードライバーは減っている。そのことはコロナ明けの忘年会シーズンを迎えているが、以前のように深夜まで飲み騒ぐ人は減っている。
だから繁華街の飲食店でも21時前後で店を閉めることも珍しくないそうだ。原因の一つは帰りの足、すなわちタクシーが捕まるかが不安なために電車で帰宅する客が多いからだという。実際、私の事務所でも今年の忘年会は赤坂の某寿司屋でやったのだが、21時で散会である。店を出ると、以前ならばタクシーが行列をなしていた場所はガラガラであった。
女性タクシードライバーの増加や、外国人タクシードライバーの採用など対策は既に行っているが、十分な結果が出ているとは言い難い。私の予想だが、たぶん白タク、つまり非正規のタクシーが増えるとみている。実際、外国人が既にやっているし、警察も目を光らせているが、如何せん監視の目が届かないほどだ。
特に日本に永住している外国人が、郷里の国から来た親族を自家用車で運ぶケースなどは、警察も取り締まりが難しいらしい。ただ、日本よりも親族の範囲が広い東南アジアの国だと、どこまで本当の親族なのか疑わしく思っている。
また交通事故が起きた場合、ドライバーが本国に逃げ帰るケースも多い。タクシー不足は、21世紀に日本に起こる少子化による人口減少の始まりの一歩ではないかと思いますね。