世界は広いな。
私は基本、甘党である。辛い料理であるカレーでさえ辛すぎるとダメだ。激辛カレーなんて食べる気はない。せいぜい中辛が限界である。
そのせいか、母はカレーに摩り下ろしたリンゴを入れたり、蜂蜜を加味したり、あるいはウースターソースを食べる直前にかけたりして工夫してくれた。ちなみに妹はどうも不満だったらしい。後々、辛口カレーを好むと知った時は驚いた。でもタバスコなんて入れるなよと言いたい。
私は辛いのが苦手なだけでなくスパイスもいささか苦手。バブル前後に雨後の筍のように増えた本格的なインドカレーは、辛ささえ控えめならば食べられる。でもスパイスに胃腸が違和感を覚えるらしく、食後数時間でなんとも言えない気分に陥る。ただし不味いとは思っていない。ただ体が慣れていないだけだと思う。
コロナの最中の頃だが、地元にスリランカ料理のお店がオープンした。ところがこの店、営業日が少ない上に、営業時間も長くはない。だからなかなか店に入ってスリランカ料理なるものを味わうことが出来ずにいた。
だから私が実際に店に入ることが出来たのは昨年末のことだ。多分、インド系のスパイス多様のカレー料理だと思っていたら、思いの外食べやすかった。長粒米を使い、野菜を数種類入れて、なおかつ油をあまり使わないヘルシーな味わいのスパイスカレーであった。
ちなみに日本人向けにスパイスなどは加減しているようで、胃腸に違和感のない日本風スリランカ料理である。辛すぎるカレーやスパイスが濃すぎるカレーは苦手だが、この店のカレーならば私でも好きだと言える。
何度か通っているうちに面白いことを知った。店主は子育ての合間にスリランカ料理の店を出したくなったが、フルタイムで働くのは無理。そこで定休日が月曜日のお店を間借りして、月曜日限定でお店を始めたそうだ。だから店名は「げつようび」。
次第に子供が成長したので、私の地元で手ごろな店舗を見つけて開業。ただしあくまで子育て第一であり、出来る範囲でしか営業しない。現時点では、火曜日と金曜日、土日限定で営業しているが、ときおりスリランカに仕入れに行くので休みが多い。
私は新参者だが、昔からの古参の客も多く、中央線沿線で週一で間借り営業していた頃のお客さんもよく訪れている。それだけ美味しいのだろうと思う。
飲食店にはいろいろあるが、あくまで子育て第一で、その合間に営業している店は初めてかもしれません。もちろん店主は女性です。頭の固い男性だと、このような発想には至らないかもしれないと思っています。時代は変わったねェ。
スリランカ料理を認識して食べたのは大阪花博の時が初めてですね。インド料理より尖ってないお味でした。
今はホームマウンテンの生駒山の奈良県側へ少し下りるとスリランカ料理店があるので、たまに食べに行きます。ガーデン式のお店で、ヤギを見ながら芝生でいただきます。