インターネットという情報媒介手段を得たことで、人々は驚くほどに情報入手が容易になった。
だが同時に情報の良し悪しを判断することが難しくなった。その典型がフェイクニュースと呼ばれるものだ。そして、このフェイクニュースには、私はけっこう怒っています。
駅や美術館などの公共施設に設置してある、あの赤い箱の中にはAEDという医療機器が入っています。Automated(自動化された) External(体外式の) Defibrillator(除細動器)の略であり、日本語では「自動体外式除細動器」と言われています。
けいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。平成16年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになりました。
日本においては、交通事故で亡くなる人よりも、心室細動と呼ばれる心臓疾患で亡くなる人のほうが多いのが実情です。この心室細動は、治療が早ければ早いほど治癒率も高く、遅くなればなるほど致死率も高い。いわゆる突然死の多くが、この心室細動によるものだとされています。
だからこそ、これまで医師にしか使用できないとされていたAEDが、誰にでも使えるように法改正されて、駅などの公共施設に設置されるようになりました。音声ガイダンスに従えば、誰でも救命治療が出来る優れた医療機器です。
ところが、このAEDを使って男性が女性を助けようとしたところ、痴漢行為とみなされて賠償金を支払ったという話が、ツイッターなどで拡散しました。女性が意識不明になって倒れても、男性は痴漢扱いされる可能性があるから見捨てようという声があがり、それに同意する男性が増える有り様で、けっこう話題になりました。
結論から言うと、この話はデマです。投稿主は問題提起のつもりでツイッターに発言を流したと後になって発言しています。また弁護士等の司法関係者も、救命医療行為に係る場合、痴漢認定される可能性はほぼないと公言しています。
にもかかわらず、今でもこのデマは拡散し続けており、フェイクニュースであると分かっていても、それを認めず、デマだけが拡散しているようなのです。
これは私の私見ですけど、このデマを最初に流した人も、またフェイクだと知りつつ未だに拡散している人も、おそらくは痴漢の冤罪に憤慨している男性であろうと思います。緊急時の救命行為と、性犯罪を結びつける非常識さはともかく、無実の立証が難しい痴漢冤罪への怖れと怒りが根底にあるからこそ、未だに拡散しているのでしょう。
どこかずれていないか。
私は今年の三月に、手術により除細動器を体内に埋め込んでいる。既に二回、私はこの除細動器により心臓の異常から助け出されている。だから、この医療機器が役立つものだと痛感している。
だからこそ、このフェイクニュースに腹が立つ。突然死の可能性のある心臓発作は、AEDを活用することでかなり防ぐことが出来るのです。くれぐれも、デマに騙されないようにしましょう。
こんなふざけたフェイクニュースがあるのですね。
救急救命措置は早いほどいいし、AEDの使い方は音声案内があるはのはわかってます。それを知ってても躊躇いが残るのは胸部圧迫を始めたら救急隊に引き継ぐまで止められないからですかね。あれは凄く体力がいるので、近くに交代要員がいないと一人では続けられないです。町中でAEDが近くにあって、AEDで脈が戻ったらいいですけどね。
反面、AEDは簡単なので、突然死を防ぐためにも数多く設置されるべきですね。
しかし、まァふざけたニュースです。実に腹立たしい。