ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

BUNGO 二宮裕次

2020-08-20 14:11:00 | 
未知の世界に足を踏み込むのは浮「。

その意味で私は冒険者ではない。若い頃、長く登山をやっていたが、原則として決められたルートを守る登山しかやらなかった。もちろん下準備は十二分にする。管轄の警察署、消防署の確認は当然の事、ガイドブック、国土地理院の地形図なども熟読する。

不安に感じれば、地元の山岳会への照会だって厭わなかった。これはあまり一般的でないルートを使う場合、地元の営林署などに確認を取る過程で教わったことだ。やはり地元の情報が一番である。

だから安易な遭難などはしたことがない。常に危険を回避する登山を心がけていた。そのせいかもしれないが、人気のあるアルプスの一般ルートのほうが、むしろ油断しがちで、ちょっと冷や汗かいたことがある。

大学卒業を控えて社会人としての登山を考えた時も、日常の会社員との両立を第一にし、従来の縦走中心から日帰りでも楽しめるフリークライミングへの移行を計画した。

新しい分野への挑戦であったが、以前から多少の経験はあり、人口登攀の経験もあったので不安はなかった。私にとって登山は娯楽であって冒険ではなかったと思う。

だからこそ、表題の作品の主人公に惹かれるのだろう。石浜文吾は未知の世界へ踏み出すことを浮黷ネい。いや、むしろ無意識に期待に頬を染めてしまうほどに、未知の世界へと喜び勇んで飛び込んでいく。

その文吾をチームメイトとして、またライバルとして傍で見つめる野田は、全日本ジュニアの常連であり、いわゆる天才を謳われる才能の持ち主だ。その野田が浮龕ノくほどに文吾は、未知の世界へと突き進む。

二人が目指すのは目前の中学野球の全国大会ではない。高校野球でさえ通過点である。目指すはプロであり、既に脳裏の片隅にはメジャーさえ描いている。

だが周囲から浮くほどの努力型の天才でもある野田でさえ、ブレーキのかからない文吾の才能には驚かざるを得ない。現時点での完成度は、野田が遥かに勝るが、将来は分からない。

もちろん挫折はいくらでもある。そこから立ち上がり、再び戦列復帰をめざし、エースの座を欲する貪欲さだが決して見苦しくはない。むしろ清々しいほどの汗と涙と泥で汚れたユニフォームに憧れさえ感じてしまう。

今、私が最も注目している野球漫画です。夏休み、久々に漫画喫茶で一気読みしました。多分、私、この作品全巻買い揃えてしまう気がします。

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