
小さい音を美しく演奏するのは難しい。
私がピアノの演奏を好きになったのは20代も半ばの頃だ。当時、税理士の国家試験を目指して勉強に専念していた。いや、正確に云えば、難病の療養のための安静生活に嫌気がさして、何かするべきことをしたかったが故の勉強であった。
未だ病は癒えず、衰弱著しい身体ではあったが、数時間ならば人並みのことは出来た。ただしデスクワーク限定なので、致し方なく治った後の生活を考えての資格取得に向けての勉強であった。
もともと「ながら族」であり、中学から高校、大学に至るまでラジオやカセットテープで音楽を聴きながら勉強する癖があった。しかし、国家試験を確実に通過するには、少々このやり方では問題があった。
なにせ暗記項目が多い。暗記の最中にラジオやテープから人の声が聴こえてくると、意識がそちらに向かってしまい、暗記に支障が出ることが分かった。さりとて音のない空間で勉強するのも退屈だ。
当初はレイモン・ルフェーブルやポール・モーリアなどのイージーリスニングを聴いていたが、これは映画などを思い出してしまい、やはり勉強の妨げになる。そこで大学時代に良く聴いていたジャズ・ピアノを試してみた。
これはこれで楽しいのだが、気分よくリズムを身体が楽しんでしまい、やっぱり勉強の妨げになりやすい。そこで試したのがクラシックのピアノ・ソロであった。これが勉強にぴったりであった。特にショパンの楽曲がお気に入りとなった。
私はピアノに関しては、ほぼ素人なのだが、この受験期間の6年あまりでかなりの楽曲を聴いてみて分かったことがある。上手い弾き手は、小さな弱い音を綺麗に弾く。たしかピアニシモとか言うらしいが、弱い音を美しく奏でることが出来るピアニストの演奏を好んで聴いていた。
そんな優れたピアニストの一人に、ユーチューバーである角野集斗氏がいる。かてぃん(CATEEN)の名で知られているのだが、ピアノ系ユーチューバーでは際立って巧いと思う。
ちなみに開成高校から東大、同大学院に進みAIの研究をしていた理系エリートでもある。音大出身が上位を占めるピアノ・コンクールでの入賞歴もある本物だ。
そんな彼が演奏したのが「人生はメリーゴーランド」。ジブリ映画の「ハウルの動く城」で使われた曲なのだが、私はこの角野版が一番のお気に入り。オリジナルよりも美しく感じる。機会がありましたら是非ご拝聴下さい。
アップされてる動画、聴かせていただきました。
ピアノとピアニカを同時に演奏してるのが凄すぎる!
Youtubeって凄い方、たくさんいらっしゃいますよね。
「ハウル」の曲もすごく良かったです。オリジナルよりも若干テンポが早くて、リズミカルな感じで、美しい演奏ですね。(*´∀`*)♪
素敵なチャンネルのご紹介有難うございます!