販売促進だと分っちゃいるけど・・・このCM、大嫌い。
なにが「春割バ~ン」だ。
孔明をこんなことに使うな。張飛なんて、完全にオ馬鹿キャラ扱いではないかい。これほど不愉快なCMは久々だ。
何度か書いているが、私が生涯で一番熱中したのが「三国志」吉川英治・全8巻だ。これを漫画化したのが、表題の作品なので、どうしても私は不愉快になってしまう。
もっとも横山版の漫画は、全巻読んでいる訳ではない。掲載誌が変ったせいか、どうかは知らないが、途中から横山光輝は、一部の登場人物を端折ったり、多少変化を付けている。
元々、吉川英治版の三国志の漫画化だと謳っているわけでもないので、これは漫画家の裁量のうちだと思っている。でも、吉川・三国志にどっぷりとはまっていた私には、どうしても違和感を禁じ得ず、途中から読むのを止めてしまった。
違和感の理由の一つに、蜀の文官たちの描写が不十分であることがある。魏、呉と比べて国として小さい蜀が、二国に対抗できたのは、卓越した行政官としての力量を有する孔明によるところが大きい。
しかし、孔明とて一個人に過ぎず、法正、張松、劉巴などの文官がいたからこそ、大国である魏、呉と戦うことが出来た。彼らは戦場に立つのではなく、後方で、内政を担い食料や武器などの調達、搬送を担う裏方であった。
蜀にあっては、国内の安定した統治に力量を発揮した。戦争は戦う前線だけでなく、後方支援が重要であり、それを担った文官たちのことも、吉川版では描かれている。しかし、漫画という表現手段では、これらの後方業務は地味すぎて描くに値しないと横山は判断したのだろう。
それは分からないでもない。でも、やはり不満だ。古来より日本は、狭い国土のなかで戦いを繰り広げてきたので、兵站など後方支援に対する理解が浅い。それは日露戦争から今日に至るまで変わっていない。
余談だが、日本の自衛隊によるPKO活動が上手くいったのは、米軍による支援の他、PMC(民間軍事会社)による後方支援を受けていたからだ。現時点では、自衛隊に日本を遠く離れた地における兵站活動を十分行う技量はない。
ところで、冒頭のCMだが、日経新聞は日本の新聞のなかでは、比較的公正な軍事情報を掲載していると私は考えている。ただし、あくまで日本国内向けであり、欧米の軍事専門誌には到底及ばない。
これは日経が、どうしても経済面に力点を置くからではあるが、そのせいで企業の広報紙化している面は否定できないと思う。まァ、政府(というか官庁)の広報紙化している方が問題なのですがね。
それはともかく、横山光輝が長い間連載し、完結させた漫画版三国志だが、一点、吉川英治版三国志を上回る美点がある。それは吉川・三国志が孔明の死をもって事実上終えているのに対し、その後の蜀を横山版では描いていることだ。
いささか姜維に重きを置き過ぎな観はあるが、滅びゆく蜀を見事に描いたと思っています。三国志ファンなら欠かせない一冊(全60巻)ですね。
わ~、きたきた、「三国志」!
最近、あんまり話題にしてないので、語れるだけでも嬉しいです。
横山三国志ファンの間では、日経のこのCMけっこう人気みたいですよ。
私はどっちでもないけど、確かに「三国志」を馬鹿にされてる感はうっすらありますよね。
横山マンガは全巻購入したものの、気持ちが乗り切れず、引っ越しの時に売っちゃいました。(;^ω^)
昔の中国ドラマの「三国志」が、三国の滅亡までをキチっと描いてて良かったです。どうしてもあの後は姜維をメインにせざるを得ないところもありますが、孔明没後の物語も面白いんですよね~。
また読もうかな~、「三国志」
戦国を描いた物語で、「三国志」より面白い話ってなかなかないですよね。
宮城谷先生がけっこう出してますけど、この方饒舌に過ぎて私の評価はイマイチ。田中芳樹の「海簫」とか「隋唐演戯」あたりがお薦めですね。漫画なら今は「キングダム」がダントツですよ。李牧が敵方ながらかっこいいです。