入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

  よい季節が来ようとしているのに

2014年04月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

           高遠へ行く少し手前の笠原の桜

まだ30歳ごろのことだった。オフィスを出るとすぐに桜の並木道が続いていて、圧倒されるような花のトンネルをKさんと歩いていた。Kさんは、会社の顧問のような立場の人で、歳のころは70歳にはなっていたかもしれない。
 「きれいですね」ぐらいのことを、こっちから言ったのだろう。花を見上げながら、「わたくしはこの季節、この桜並木の下を通るたびに思うんですよね」、Kさんはそこでちょっと間を置いて「あと何回こんな美しい花を見ることができるだろうかって」と、言った。
 牧場の、咲き始めるにはまだ1っか月ばかり先の山桜の木のそばで、根気の要る電気牧柵の立ち上げの仕事をしていて、ふとそんな昔のことを思い出した。
 この牧場とて、先行きはまったくはっきりしない。来春はもう誰もいないこんな山の中で、こんな仕事なぞはしていないかもしれない。Kさんの心境が、今なら分かる。
 
 雲の間から雪を被った中アの空木岳が、今日はまた息をのむような美しさを見せている。もうすぐよい季節が始まるというのに。


  山室川の桜


  花に埋もれた山寺


 白い色のリボンワイヤーの1メートル内側に通常の牧柵がある

 雪の圧力でグラスファイバーの支柱が幾本も折れていて、掘り出すのにひと苦労する。このリボンワイヤーに9000ボルトの電気を流すのだ。とりあえず、1日かけて半分終わり、すでに通電している。鹿奴!

 天気予報ははずれたようだ。日は射さず、気温は7度Cを上がることはなかった。グリルが壊れてしまったのでサバをムニエルにしたら、美味しい昼飯になった。カレー粉を使うのが、ワザ。アレ、みんな知ってる?
コメント
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