入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「春」 (26)

2019年03月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

      「沢の雪溶ける」        Photo by Ume氏

 この写真(タイトルもUme氏)を見て、撮影場所を特定するのに少し手間取った。最初は、貴婦人の丘を右手に見ながら林道を100メートルばかり行くと、左手から1本の沢が流れ込んでくる。道はそこでほぼ直角に右折するが、その辺りを中心にして上空から撮った写真かと思った。しかしさらによく見るとそうではなくて、どうやらこれは「八株沢(やっかぶさわ)」の源流を俯瞰した写真ではないかと思えてきた。ただし、枯れた牧草を遮る樹林帯の左隣に人の踏み跡が見えないのが気になる点だ。この位置、高さからだと、それが写らない可能性も考えられるが、それとも全くの思い違いをしているのだろうか。
 完全に分からないということは、管理人としてはもどかしさや、ある程度の欲求不満を感じるが、その一方でそれはそれでいいという気持ちにもなる。これは、われわれの目で眺めている風景というよりか、ドローンの目を通して撮影者が創造した世界だとも言えるからだ。絵画の場合にも、実景と描かれた風景が違うということは、いくらでもある。しかし、描かれた対象が明確であろうと曖昧であろうと、作品の価値とは関係ないし、問題ではない。
 この空撮された作品にも同じことが言えまいか。これを目にする人は、恐らくこれだけ場所の説明をしても分からないだろうし(一言ある名前を添えれば分かる人は多かろうが)、そのことに関心があるとも思えない。要は、春まだ浅き牧場の一画に、芽吹きを待つ沢や森があって、その普段では目にすることのできない情景、そこから伝わってくる雰囲気を味わい、あれこれと個人の思いを重ねることができればそれで充分だと・・・、そう思う。そこから先のことは、管理人が悩み、考え、判断すればいい。己の耄碌の度合いもきっと分かるだろう。合掌

 高遠城址の桜の開花が4月になれば始まる。城内までは久しく行ったことがないが、「天下一」とか言うタカトウコヒガンの花も、あそこから見える雪を被った中央アルプスの眺めにかなり助けられ、また負っているように思う。城跡から眺める白銀の西駒ケ岳や空木岳は息を飲むばかりに美しく、その迫力、雄々しさは絶品にして無双。
コメント
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