入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (38)

2020年04月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 開田を通り抜けて県道へ出ると、右手に出番を待っていたかのように中アの西駒、空木が浮かび上がように現れ、左手には南アの守護神然とした仙丈がさらに間近に見えてくる。それぞれの山には雪はまだしっかりと残っていて、特に中アの二峰はこの季節の朝の明るい光を受けて輝いて見えた。



 午前中はあれだけ天気が良かったというのに、昼を過ぎたら雪まで舞い出し、気温は5度までも上がらない。
 
 昨日の予報でも、里の今朝の最低気温が2度と予想されていたから、そうなると上はマイナス4度くらいにはなる。当然ながら水回りのことが気になって来てみたら、水道の蛇口から流し台まで氷柱(つらら)が垂れ下がっていた。かなり寒かったのだろう。管理棟と小屋は無事だったが、キャンプ場の下の炊事場の配管は、水を流していたにもかかわらずやられた。しばらくは放っておくことにする。
 
 きょうはずっと第1牧区の電気柵の立ち上げをやっていた。これが毎年やる最優先の作業で、鹿対策のために一時も早く通電しなければならない。もっともこの頃は、この電気柵もどれほどの効果があるか疑わしく、昨日などは御所平へ行ってみれば20頭ばかりの鹿の群れが、例の優美な曲線を描いて有刺鉄線とアルミ線の並行する二つの牧柵を越えて逃げていくのを目撃したばかりだ。
 それでもそんな作業を続けていると、山を歩いている時のように実に他愛のないことが勝手に頭に浮かんできて、一人で笑ったり、怒ったりをよく繰り返す。たまには忘れていたい気恥ずかしいことも思い出したりするが、そんなことでも、この単純な肉体作業が与えてくれるささやかな労いだと思っている。自分でも不思議だが、こういう山の中で一人になって、単調な時間の中に自分を預け、任せてしまっているのが結構性に合っているらしく、この仕事は明日も続くが嫌ではない。Nよ、これはもう止めてしまった山の代替と言うか、むしろ延長だと思った方が正しいだろうか。

 番長様並びに裏番長様、恐れ入ります。気にはしていましたが、承知しました。さすがかんとさん、痛み入ります。まだまだ、諦めは早いでござる。小屋良くなったでせう。

 本日はこの辺りで。


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