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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「冬ごもり」 (13)

2017年01月15日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 またまたきょうも入野谷で、写真は前日の物とほとんどど変わらない場所から撮った。この右手から三峰川に流れ込む粟沢(あわざわ)の上流に、知る人ぞ知る「分杭(ぶんぐい)峠のゼロ磁場」がある。ゼロ磁場とくれば本当に磁場がどうなっているのか、科学的なことはよくと分からないが、磁石がおかしな動きをすることだけは確かだ。近年ジオパークとして注目されている「南アルプスユネスコエコパーク」内にある。
 今は冬季で、峠の下から152号線は通行止めになっているため、現地へは曲がりくねった山道に耐え、かなりの距離を徒歩で行くしかない。だが、それ以外の季節となれば全国からやって来る精神や肉体を患う人々のために、途中から峠までシャトルバスが運行されている。来訪者が増えて、かつての駐車場ではまかないきれなくなってしまったようだ。
 さてその効能についてだが、それについてまでもちろん何か語れるわけではない。何の効果もなければここまで人に注目されることもないのでは、と、そう言うのが精一杯である。霊の存在など信じていないし、できれば現在の科学で説明してもらえる範囲で何事も済ませてしまいたい方だ。それが正直なところだ。しかし、万策尽きて、人が神や仏、超常的なものに頼り、すがらんとする気持ちが分からないことはない。
 冬が終わり春が来れば、またあの峠には様々な思いを抱いた人たちがやって来る。そうしたら、峠を少し下ったあの新緑の谷の中で、どうかたくさんの”奇跡”が起きて欲しいと思う。
 
 分杭というのは、江戸時代に高遠藩が幕府領(=天領)との境界をはっきりとさせるため、自領との境界に建てた杭のこと。手許の上伊那史研究会編の「上伊那史」によれば105本が建てられたとあるが、現在は6本しか残っていないという。最初は木製だったが朽ちてしまったため、石の杭を作り、それに替えたい旨幕府に願い出たが許可されず、やむなく古い杭の下に埋めたとある。石柱には「従是北 高遠領(これよりきた たかとうりょう)」などと刻されている。

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    ’17年「冬ごもり」 (12)

2017年01月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうの写真も昨日行った入野谷(いりのや)を流れる三峰川を撮ったもの。この上流に「杉島」という山村があり、こんな山の中にあるにもかかわらず、なぜか有名なドーナツ屋があった。その少し手前で三峰川を渡り、さらに右手の山側を登っていくと「浦」という集落がある。ここは平家の落人だと言われてるが、人里離れた山奥にあり、口碑の言うほど古い時代であれば今より余程辺境・奥地だったろう。古い立派な家が残っていることなど、訪ねてみれば少なくとも、平家に縁(ゆかり)のあった人たちの隠れ里だったと信じたい気持ちにはなる。
それにしてもその平家にまつわる人たちは、熊野灘を渡り、今年の大河ドラマの舞台である井伊谷辺りを北上して、山を越え、谷を越えしてこの山奥に至ったらしい。しかしその途中にいくらでも、隠棲するにふさわしい辺境の地はあったはずだと思うのだが、それがなぜこの地、浦でなければならなかったのかを考えると不思議だ。確か、後醍醐天皇の皇子・宗良親王も同じような経路を経て、赤石山脈の麓の大鹿村に落ち着いたはずだ。
 浦はそういう言われのある古い里だが、かつての住民の多くはすでに住んでいない。この地もやがて廃村になり、人々から忘れられていくだろうと思っていた。ところが一昨年だったか、塩尻にある農業試験場に古い蕎麦の種が残っていることが分かり、それをを育ててみる土地として浦の地が選ばれた。昨年蕎麦の実は植えられて、収穫もされたと聞く。味も悪くはなかったらしい。
 伊那市は地域活性化の一環として伊那を、「信州そば誕生の地」として売り出さんと様々な試みを行っている。他の地域の人、例えば木曽とか先日行った戸隠の人たちなどはどう思うかは知らないが、もしこんなふうにして隠れ里が甦ると聞けば喜びたい。

 今後もこうした山間の土地の過疎化は進み、地域を特色付けていた風物や時代の名残は消えていくだろう。正月の松飾さえも怠った者が、古い歴史や習俗に対していっぱしの感慨などを抱くなど、おこがましい限りではあるのだが。

昨日のブログで、「鹿嶺高原」の文字が誤っていました。赤面して訂正いたします。

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    ’17年「冬ごもり」 (11)

2017年01月13日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 山付きまで来ていた昨夜の雪も、里では舞う程度だったようだ。気温は上がらず、相変わらずの寒々とした曇り空だったが、きょうもまた入野谷まで風呂に行ってきた(きょうの写真はその途中で美和湖を撮ったもの)。
 高遠の街に入る手前、鉾寺付近で崖が崩落しているため、仕方ないので美篶地区から三峰川を渡り高遠の街を迂回するようにして向かったが、途中から眺めると、鹿嶺高原の上部や入笠へと北に伸びる稜線も、あるいは右手のひときわ大きな山容の仙丈岳も、前夜の降雪がかなり激しかった様子を見せていた。振り返って西山(中ア)の経ヶ岳もほぼ裾野まで雪が降ったようで、わずかの標高の差でかろうじて伊那や高遠の街は大雪を免れたと知った。
 あの様子では恐らく入笠も、オオダオ(芝平峠)辺りを境にして、雪の量が極端なまでに変わっているだろうと思われた。それに予報によれば、今夜あたりもまだ安心してはいられないようだ。
 
 新しい年になってもうすぐ半月になる。こうやってストーブを燃やし、炬燵に抱き付いて暮らしていると、なんとも呆気なく日々が過ぎていく。海の向こうの次期大統領に関する大騒ぎも、「文明は人間を幸福にしたのか」と問う本も、寒空の下で続いている近くの下水工事の騒音と同じように耳を、目を通り過ぎ、何一つとして残らない。薄く記憶に残る昨夜の夢よりも、さらに曖昧なほどに(ボケる、かも)。

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    ’17年「冬ごもり」 (10)

2017年01月12日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 週の終わりごろから日本列島は寒波に襲われ、かなりの降雪も予報されている。この雪で、入笠は春まで車の通行ができなくなるかも知れない。

 一昨日のタヌキ鍋に関して、MTD氏からコメント欄に投稿があった。若いころに見知らぬ猟師から貰ったタヌキの肉を、塩などで下拵えして、甘辛く煮てみたが、臭いがひどくて食べられなかったという思い出話。それと、その後知人から臭いを取るためには、獣の肉はいったん地中に埋めるのだと教えられたがそれについてどうかという問いであった。
 タヌキの肉が臭いということは、確かに聞いたことがある。しかしそれが、タヌキの肉が食されない理由であるかどうかまでは分からない。普通鹿の場合は、放血と言って、止(と)め刺し後に血をできるだけ抜き、それだけの処置で、解体する。イノシシも同じで、クマに関しても変わらないと思う。
 野生の動物はどうしても特有の臭いがあるが、個人によって感じ方も違うし、捕獲した季節や調理方法にも影響される。鹿は、そういう点で最も食べやすく、鉄分を多量に含んでいるということで人気がある。イノシシもこの時期は、特に脂肪の付いた赤身が美味いと好評で、値段もそれなりにする。クマは肉が硬いが、ステーキで食べたことがある。味としてはイノシシの方が上だと思うが、クマの胃は現在も大変高価で取引されてる。
 というわけで、臭気を取るために地中に埋めるということは、知る限りではやっていない。
 
 牧場のキャンプ場や小屋に来る人たちの中には鹿肉がお目当ての人たちがいて、冷凍庫には今も予約されて肉が1頭分くらい用意してある。料金は頂かないが、ただし、運が良ければ。

 確かに冬の天体観測は大変だけれど、TOKU氏も頑張って作品を送ってください。名古屋のNさん、1歳若くなって良かったですね。今年もよろしくお願いします。MTDさん、ありがとうございました。糠(ぬか)に釘を打つような気にもなります。投稿歓迎です。

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    ’17年「冬ごもり」 (9)

2017年01月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


時に人から「よくそこまで毎日書けるもんだ」と言われることがある。確かに、自分でも時々そう思う。しかも、何とも虚しさまで感じながら、かろうじて続けている日も少なくない。加えて写真にも、実は苦労をしている。里で撮る写真ではこのブログの趣旨と合わないし、さりとて入笠や牧場の写真となると、現在のように冬ごもりしていては撮りだめしたものはすぐに尽きてしまう。車で上がれるうちはまだいいが、歩きともなればそうそう出掛けていくわけにもいかなくなる。
 
 などと書いていたら、予約が入った。昨年も一昨年も来てくれた団体で、2月の4,5日だという。このころになれば、雪の法華道をHALを連れて行くことになる。もし希望者がいれば、ついでだから人数にかかわらず案内してもいい。管理棟にも10畳間が2部屋あるから宿泊に支障はない。そう言えば、京都の蝶々が好きなKさんはどうしただろう。そろそろ何か言ってきそうなものだが。
 やはり、法華道を行くことを考えると、気持ちが高揚してくる。雪に埋もれた道中の風景が目に浮かんでくる。ところが、海におかずを釣りにいったはずの山奥氏、きょうも入笠の雪道のことを心配して電話をくれた。そして、富士見のゴンドラを利用した方が安全だと、親切な忠告までしてくれた。まあ、冬の法華道が負担・不安になったら、その時は冬季の営業をおしまいにする。

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