入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’24年「春」(53)

2024年04月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうも雨空、気温も低く外気温は5度しかない。予報では8分後に雨が降り出し、しかしそれほど長くは続かないらしい。(AM6:30)
 
 上に来る前日19日、友人と一緒に高遠、さらに岡谷まで足を伸ばした際、何度か激しく咳き込んだ。洟も出た。夕方ごろから熱っぽく、翌日には上の仕事が待っているからと早々に寝た。
 そして初日は1万歩を越える距離を歩き、忙しく働いた。入牧第一日目の夜は毎年、入牧を寿ぎウナギを食することにしている。岡谷へ出掛けたのはそれを入手するためで、同夜もそうした。
 ところが、酒も、ビールも、そしてウナギも、どうも期待していたような味がせず、そればかりか、酒の盛り上がりさえ訪れない。喉にも痛みが感じられた。それで薬箱の中から、いつの物か知れない風邪薬を飲んで寝た。

 そして昨夜、その友人から連絡があり、「コロナにやられた」という。あれから5日が経つ、となれば発症元は咳をしていた自分の可能性が高い。以前にこれも別の友人から貰った検査薬を使い調べてみることにした。
 1本目、2本線でなく1本の線。しかし、これは「陰性」とも思えるが「無効」にも見える。検査結果が表示されるケース、どちらが上か下か分からないのだ。イラつく。
 おのれ、とばかりに次々に5本調べた。その結果、少なくも「陽性」は1本も出なかった。1本は何の反応もなく、他の3本は「陰性」もしくは「無効」。これを最後にしようとした5本目、よく見ると、薄く「C」の文字が読めた。説明書によれば、この横に1本の線が出れば「陰性」だとあった。
 ということは、少なくも4本は「陰性」ということになる。精度が99.4%とあるから、それが4回も「陰性」なら、信じるしかない。



 いつの間にか熱っぽさは消え、喉の痛みもとっくに治まり、洟も出ない。昨夜はビール2本、酒1合を美味しく頂いた。
 友人の言うように、covid-19に罹り、それと知らぬ間に治ってしまったということなのだろうか。であるなら、彼には大迷惑をかけたことになるが、ムー。
 雨音が一段と激しくなってきた。

 混雑させないキャンプ場ながら、まだ連休前半の予約は大丈夫です。お早めに。
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     ’24年「春」(52)

2024年04月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 霧は一向に晴れようとしない。きょうも曇天。鳥の声はせず、権兵衛山は姿を見せてくれない。静かだ。何もないようでいて、しかし全てがここにある。湯を沸かし、珈琲を喫す。いい朝だ。

 昨日はガスの使用前点検やその補充のために下から人が来たり、森林管理署からも伐採した木材の搬出路の打ち合わせがあったりと、そちらの対応にも時間を要した。きょうも富士見の役場の担当者が来たり、森林管理署のこの地域を管轄する担当官が来ることになっているが、肝心の伊那側からは農協も、行政も何の沙汰もない。
 農協の担当者からキャンプの問い合わせがあった際に、開山日を前にカンカラ拾いに駆り出されるくらいなら、そんなことはしないでいいから小屋を開ける日ぐらいは手伝いに来いと言ってやった。カンカラなどは常に拾うようにしているから落ちてなどいないはずなのに毎年まいねん、一体誰に気遣っているのだろうか。

 昨日の話に戻るが、下から来て貴婦人の丘の前を過ぎると、道路は大きく曲がる。その手前に1本のミズナラのかなり太い枝が行く手を遮るように斜めに延びている。通行には支障ないが、それでも視界を窮屈にするようで前から気になっていた。
 夕方、霧雨は降っていたがそこへ行ってしばらく思案し、思い切ってチェーンソーの歯を入れてみた。そうなれば後は一気呵成に伐り進み、伐り落とされて道路に寝ながまったような大木を、たちまちのうちに切り分け、片付けた。通行車両のことを考えてそんな時間を選んだのだが、そんな気遣いも無用に済んだ。

 山を歩く人たちは誰が登山道を整備しているかなど気にしない。かく言う自分もそうだった。同様に、牧場内の道路へ徒長した枝を処理していることなど誰も気付かない。
 こうした仕事は誰かに強いられてやっていることではなく、完全な自己満足である。登山道の草刈りや整備もそうである。しかし、それでもその満足は捨てがたく、苦労、努力の後に自分でスッキリとした空間を眺め、労うことで何の不足もない。
 大型バスなど来なくて結構だし、都会の公園と同じような観光地なら、なくてもいいと思っている。
 ただし、こうした気持ちを持つようになるにも時間、経験が必要で、山の暮らしの中で考えたことだと思う。今だその修行中。

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     ’24年「春」(51)

2024年04月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 二日目、この日は存分に仕事をした。歩数10,658歩。キャンプ場の枝拾いの後第1牧区を見回り、露天風呂に水を張り、元猟友会長Aさんが来たので大型の囲い罠のゲートを開けて誘引を開始できるようにした。
 その間にも高枝切り用のノコギリを修理し、その勢いでかなりの枝打ちを行なった。仕上げに気になっていた松の木の枝に立ち向かえば、それでは蟷螂の斧に等しく、おのれとばかりに小屋から梯子を持ち出し、大型のチェーンソーでようやく思いを遂げることができた。
 
 初の沢の谷にも下り、一冬の間の脚力の衰えを意識しながら渓の流れの中を歩き、牧場の北端に至るまで周囲の様子を見たり、懐かしい風景に接することができた。
 牧守になって以来数年、さんざん手を焼かされた牧柵だが、まだ不憫な姿ながらも当時の面影を留めていて泣けた。今は入牧頭数が減って牧区を縮小したので用がなくなり、滅多にしか立ち入らない領域である。
 
 何日か前から風邪気味でひどい声をしている。早寝早起きを実行し、予定以上のことができて実に満足の行く一日だった。(4月21日記)

 今朝は霧が深い。それでも時折それが薄れると、昨日から誘引を始めた囲い罠内の草地は、枯草の色に鮮やかな緑の色が混ざるようになってきたのが分かる。例年よりか季節の進み方が明らかに早い証拠だ。
 この分で行けば、本格的な春の到来もそれほど待たずに済むだろう。
 
 冠省
 まったく、oldboy先生からご指摘いただいた通りでありました。令和4年などと何を見てそう呟いたのか自分でも分かりません。正直申しまして、西暦、和暦(元号)どころか日付、曜日もカレンダーのお世話にならなければ分からず、さらによく間違えています。
 ルーターの件でも、こちらが持っているべき知識が足りないのだと言われれば、全くその通りであります。まさに農耕馬しか扱ったことのない百姓が、いきなりトラクターを動かせと言われて当惑しているようなものであります。
 
 身の程知らずのことをしているのだと日々感じつつも、この独り言を始めてもうすぐ4000日になります。昨年で終えるはずだったこの仕事と言い、この独り言と言い、本人の予想をはるかに超えてなぜかまだ終わりません。畏れ多いことです。
                                合掌
 
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     ’24年「春」(50)

2024年04月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 令和6年度、最初の仕事日が慌ただしく過ぎた。上では予定通り、まず小屋の窓を全開して早春の息吹を部屋の中一杯にに入れ、手のかかる水回りにかなりの時間を費やし、そして露天風呂の冬の養生を取り外し煙突を立て、キャンプ場の点検や準備を始めた。
 いつでも感ずることながら、水道の蛇口をひねれば手のしびれるような冷水が出てくるその安堵感は、幾つかのバルブを開閉し、ゴミの進入を防ぐ目の細かい網を掃除した後だから時間がかかる。今か今かと待っているうちに台所の水道から水の音がして、ようやく沈鬱していた小屋に生気が戻ったという気がしてくるのだ。

 昼になって、下から持ってきたPCのWi-Fi用のルーターが故障していることを発見。そのままでは小屋の電話は使用できなくなっているし、農協の組合員課は土曜日、日曜日は営業を休んでいるから予約受付に支障をきたす。止むを得ず、急いで里へ下りることにした。
 
 ところが、NTTドコモから買った商品で、使用料は毎月支払っているはずなのに今はそんな部品の取り扱いなどやっていないから他の電気店へ行けという。他の電気店へ行けば、ドコモの商品だからもう一度ドコモへ行けという。再び行けば、今度は別の人が前回よりか丁寧に接してくれたが、やはり何ともならない。
 
 これが、この会社の頭に来るところである。ある日葉書を送ってきて、それまでのルーターを新機種にしろという。だからそうした。ところが料金は毎月取っているくせに、いつの間にか補用部品の販売中止を決めていた。上でインターネットを利用するにはそれしか方法がなかったからだが、仮にルーターが使えなくなっても契約はそのまま生きるのだろう。
 光ケーブルに関しても、使用を止めた後も1年以上も知らずに毎月料金を支払っていた。官から民へ移行した会社はどこも同じで有期契約ではないから、その打ち切りはこちらからしない限り、本人が亡くなっても継続されてしまうだろう。

 もっと大型店に行けば代替できる物があるかも知れないと言われ、そこへ向かう途中、畑で農作業をしている友人夫婦に出会った。事情を話したら、ルーターを見てその途端に問題は単に差し込みのケーブルの問題で、それさえ取り換えれば直るというではないか。それまで接した人たちと比べこの違い、知識もだが、心持の問題だろう。
 
 で、こうして深夜の独り言がかなうことになった。日進月歩している業界だからそれに追いつくのは大変だろう。しかし、電話交換手の対応を気にするくらいなら責任のある立場のエライ人たちこそが、この通信事業という社会性の高い仕事にもっと利用者目線で考え、取り組んで欲しいと思う。
 初日から実につまらないことを呟いた。(4月20日記)
 
 横浜の佐藤さん、電話番号が違っていて返事ができませんでした。予約はお受けいたしましたのでお出掛けください。

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     ’24年「春」(49)

2024年04月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 明日からは巣呑気に朝風呂に浸かるなどということはできなくなる。牧場には露天風呂以外に、管理棟にも従業員用の風呂があるが、さすがにそれをわが家の風呂のように使うことはできない。富士見には観光客用の浴場施設があるから、買い出しにでも行ったついでにそこも利用することになる。

 今年は入牧頭数が増えるという話だ。県内では上伊那の畜産農家がかなりの割合を占め、3分の1とか言ってたか、その牛たちの一部が上がってくるのだという。
 こういう事前の見込みは天気予報並みに外れることが多いが、もしそれが現実化したら、かなり手のかかる厄介なこともやらなければならない。
 現在使える牧区は第1、新たに整備した第2、それと第4で、一番広い第3牧区は今すぐには使えないし、電気牧柵などあの数の鹿ではたちどころに切られて役に立たないだろう。
 牧場の外周を固めて、牛たちにさあどこへでも行けという方法もないではないが、あの広さでは管理が相当難しい。牛の入牧頭数が減れば悩んで、増えればまた悩む。新しい牧場の活用方法を見付け、割合に上手くいっている最中である。牧場で牛を優先しないわけにはいかないが、それにしてもどうするか。

 今年の入笠山の開山祭は5月18日と決まったそうだ。例年のことながらずいぶん遅い開山で、他所は連休前が一般的である。黒部アルペンルートも、上高地もそうだ。連休は剣にも、穂高にも、谷川にも行ったなあ。北岳もそうだ。
 開山日当日は牧場の小屋で、伊那市、富士見の関係者30人ほどが昼食会を開くという連絡が入っている。こういうこともやればいいと思うが、両行政が作っている「入笠山連絡協議会」が一体何をしているのか、現場で汗をかく者にはあまり伝わってこない。

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