土蜂がせっせせっせと行き交いしている。それを観察している。(それほど暇を持て余している、ことになりそう)
竹籬がある。竹を縦横に組んで糸瓜の棚を作っている。その横向き(水平)の竹に切り口がある。そこに穴が開いている。
土蜂はその穴の中を出たり入ったりしている。何かを運んで来ているようだ。巣作りをしているのかもしれない。
もう夏が終わろうとしているというのに。いまから巣作りは遅くないだろうか。
オスとメスだろうか。何度も何度も何かを運んで来ている。竹の丸い穴から出たり入ったりしている。その熱心さが、いかにも楽しそうである。
楽しそうに見える。彼らがそう言っているわけではないが、勝手な想像をたくましくして。
小さな蜂が手に入れている楽しみというもの。それを人間のお爺さんが盗み見て、拍手を送っている。これはこれで小さな夏の終わりの風景になっている。