■2018年7月27日に群馬県が「県道に使用された建設資材の基準値超過について(建設企画課)」と題して記者発表しましたが、その内容たるやビックリ仰天!鉛やヒ素が基準値を爆発的に超えて含まれているというものでした。しかし、群馬県の記者発表では、そのような危険有害物質がどこからどのように県道に投棄されたのか、さっぱり分かりません。そこで当会は8月1日次の内容の公文書開示請求を群馬県知事あてに提出していました。すると、8月15日に全面非開示通知が出ました。ところが、その5日後の8月20日に、今度は「県道工事に使用された建設資材の下の土壌調査結果について -『土壌への影響はありませんでした』-(建設企画課)」と題する記者発表がありました。そこで、当会はさっそく8月30日の午後4時半ごろ、群馬県土木整備部建設企画課を訪れて、事情説明を求めました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/cd/3ae08af208894f66223fed7091cd6c5c.jpg)
↑本日、県庁21階の建設企画課での事情説明の後、2階の県民センターで提出した公文書開示請求書。↑
当会による高渋バイパス有害資材問題に関する公文書開示請求に対して群馬県が非開示を通知してきた際の様子は次のブログを参照ください。
○2018年8月17日:鉛・ヒ素入りスラグ問題!…鉛・ヒ素入りサンパイを盛り土扱いする群馬県が情報開示拒否を当会に通知↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2729.html
■今回も同課の須田次長と土屋担当が応対してくれました。主な質疑応答は概ね次のとおりです。当会(Q)と行政(A)で表してあります。
Q:8月20日付の報道発表ですが、撤去工事を原因者に施工させているのは、道路管理者として、勝手にさせているわけではないですよね?
A:はい、まあ、そうです。
Qそれに伴う、どのような手続きであのようなことができるのでしょうか?
A:現地の方で(工事用の)看板が建てられていますが、確認してもらっていますか?
Q:看板が立っているのは見かけましたが、詳しくは見ていません。
A:そこに記載してありますが、道路法の承認工事の形になっているかと思います。
Q:道路法の何条でしょうか?
A:24条だったように思います。
※当会注:道路管理者以外の者が行う工事の承認[道路法第24条]
道路管理者以外の者は、道路管理者の承認を得て道路の工事を行うことができる。具体的な例としては、自動車出入口の設置などがある。このような場合、歩道部分は車両が乗入れることを想定していないので、車道に比べて薄い舗装になっており、自動車が載るとその重さで損傷してしまう。このため、歩道を横切って車道へ出るための「自動車出入口」を設置しようとする場合には、道路管理者の承認を得て、申請者負担(道路法57条)で歩道舗装の補強工事をする必要がある。
⇒参考:群馬県HP「道路法に関する申請」http://www.pref.gunma.jp/06/h28g_00006.html
道路法第24条に基づく承認工事許可申請(様式)
・道路工事施工承認申請書(様式1):PDF ⇒ gunmaken_dourokouji_sekou_shounin_sinseisho.pdf
・承認工事変更承認申請書(様式2):PDF ⇒ gunmaken_dourokouji_henkou_shounin_sinseisho.pdf
・承認工事着手届(様式8):PDF ⇒ gunmaken_shouninkouji_chakushu_todoke.pdf
・承認工事完了届(様式9):PDF ⇒ gunmaken_shouninkouji_kanryou_todoke.pdf
Q:道路管理者以外の者が、皆さんの許可を得て行うということですね?
A:はいそうです。
Q:その辺の手続き等は、理由や経緯を含めて、情報開示をしたら公表してくれますか?
A:直接うちで書類のやり取りをしているわけではないので。
※当会注:この管轄部署は「県土整備部道路管理課」らしい。電話027-226-3595、FAX027-243-7285、E-mail doukanri@pref.gunma.lg.jp)
Q:前回不開示のときにも、群馬県知事あてに開示請求をしましたが、非開示通知を出したのは、皆さんのところしかありませんでした。ああいう有害物質が入った問題では、他のセクションにも何等かの関係が生ずると思いますが、皆さんだけがやっているんでしょうか?
A:そこになると、ちょっとうちでも・・・
Q:承認工事は道路法に基づくのですから、道路管理者の皆さん、もしくは出先の高崎土木事務所が担当すると思います。ちなみに、榛東村にかかっている部分も、高崎土木事務所でしょうか?
A:榛東村は、渋川土木事務所(の管轄)です。
Q:今回の承認工事の施工者をみると現場の看板には、岡田工務店と、佐藤工務店の2社がありますが、あれは建設資材を持ち込んだのは彼らだったという認識でよろしいのでしょうか?
A:うーん・・・さあ、まあ、どうでしょうね。
Q:今後、いろいろな対策を当方としても検討中なので、予め聞いておきたいわけです。たとえば住民監査請求の場合、財務会計上の行為として、「どういうふうに判断したのか」というのが住民側として問われますので、あらかじめ皆さんからヒヤリングをしておけば、そうした余計な説明の手間を省けると思っていますのでよろしくお願いします。そのためにも、情報が必要になるわけですが、いずれにしても、彼らが原因者ですよね? 群馬県HPのニュースリリース記事でも、「原因者に鉛・ヒ素入り資材を撤去させる方針だ」と明記してありますものね?
A:ああ、まあそうですね。
Q:それで、前にお聞きしたとき、前任者の鈴木次長は、「群馬建設工業によって、いわゆる路肩の擦付け材として施工された」と言われたんですが、まさか、岡田工務店とか佐藤工務店だとは思いませんでした。疑問なのですが、それは、どういうふうにして、皆さんは彼らが原因者だというふに特定されたのでしょうか?
A:あのう、特定した経緯については、ちょっと内部の話なので・・・。どうやって、業者として彼らを特定したのかについて、という意味ですよね?
Q:はい、そうです。
A:ちょっとそれはこの場では、お答えできない・・・。
Q:この場ではなくてもいずれ、公の場で明らかにしていかなければならないわけです。だけどそれには手間がかるわけで、多分、皆さんの思惑通りウヤムヤになってしまうかもしれません。だから、当方の勝手な推測からすると、岡田工務店ならまだ分かります。東邦亜鉛に訊いたら、毎年1万トンを数年間に亘って、そこに大量に非鉄スラグを出していたと証言しているからです。それ以上の詳しいことは言わないけど。しかし、岡田工務店以外の、佐藤工務店などにも非鉄スラグを出したということになると、岡田工務店経由で資材が調達されたという可能性があると思います。それで、おそらく、原因者の岡田工務店や佐藤工務店が費用を負担しているのではなくて、実際には東邦亜鉛が相当部分を負担している可能性もあると考えます。それに関連して、今一番疑問なのは、建設資材として、本来JISで規定されている安全で健全な品質なものを使用すべきところ、一県民からの通報で、鉛などが含まれていることが分かり、その後皆さんが血税を注いで慎重に調査し対応した挙句、あのような形でこれは撤去すべしという形になりました。大同スラグとはまったく異なる対応をされたわけです。大同スラグの場合には、東吾妻町の萩生川西地区における、皆さんとは違う部署である農政部の農村整備課や出先の吾妻農業事務所が、財務会計上の行為として、圃場整備事業の予算を使い事業者に有害物質を持ち込ませてしまったわけで、それを撤去するように当方から吾妻農業事務所長に電話で直訴しましたが、結局聞き入れてもらえずに、さらに公費で舗装工事を強行されてしまいました。今回は幸い、原因者により撤去されることが決まり、実際に手去作業も原因者により行われていますが、よく考えてみると、規格や基準に合わない資材が公共事業で購入され使用されたわけですから、その責任については、きちんと確認し、支出された公費が妥当だったのかどうか、また、今回撤去し、代わりに現場に持ち込まれた資材が価格的にも品質的にも妥当なものかどうか、きちんと精査する必要があると思います。また、有害物質の持ち込みという行為に対して、どこまで撤去を誰にやらせるべきか、ということについて、原因者の責任でJISの基準に適さないものを除去するよう指示を出すに当たり、別の観点から、たとえば、環境保全上の問題として、環境森林部の方からあれは撤去すべきだということ、土染法(土壌汚染対策法)にもとづきやれということで、何らかの指導があったとおもいます。そうして経緯も特定しておかねばなりません。
A:・・・・・・。
Q:こうして考えを巡らせると、最初にあそこの工事を請け負わせたときの、いくらであの工事をどのようにどんな業者に請け負わさせたのか、というところが見えてこない。当方が昨年、そこのところを情報開示請求したところ、高崎にある群馬建設工業が、道路メンテナンス対策の一環として擦り付け材として使った、ということで説明を受けました。そうなると、群馬建設工業が原因者ではないかと思っていたところ、岡田工務店などの名前が今回判明しました。その上、立て続けでこんなに早く皆さん方がアクションをとって、原因者に対して撤去を指導したことにも驚きました。
A:・・・。
Q:それを踏まえたうえで、なぜ今回は、路肩の擦付け材の筈が、路盤材というか建設資材とか盛り土とか皆さんは言っているけど、また、農政部のほうは(大同スラグ裁判では)ステージコンストラクションなどと言っていましたが、今度の場合は、交通開放はしていないので、単なる予算確保の都合か、あるいは、工事のフェーズ分けなのか、住民としては分からないものの、皆さんはそのような経緯は内部情報として全部ご存知のはずなので、あらかじめお聞きしておきたいと思います。なにか教えてくれませんでしょうか?
A:ふふふ(苦笑するだけで回答無し)。
Q:前回も、相談のかたちで、どんな情報をお持ちか、相談した経緯があります。けれど結果的に全部非開示になってしまいました。今度も、類似的な手続になると思いますが、情報開示請求を考えている次第です。ところで、今回の速報でお知らせいただいた調査結果ですが、これはどこに調査させたのでしょか?大同スラグの時と同様にプロファ設計あたりなのでしょうか?
A:それはちょっと・・・お答えしかねます。
Q:当方は、農政部扱いの(東吾妻町での大同スラグの農道への不法投棄)の事案と連想して、本件を受け止めております。あの時は、当方がごちゃごちゃいうので、皆さんはとりあえず主要なところをプロファ設計に分析させました。今回は、当方がごちゃごちゃ言うまえに、自ら自主的におやりになったことから、分析は皆さんが好んで使うプロファ設計かなと思いました。そうですか?
A:いやあ、公表はちょっと・・・。
Q:でも公表しないとね。いずれ分かることですから。この出典として、ちゃんとした第三者の分析機関なのか、或いは皆さんが付き合っている都合の良い分析機関なのでしょうか?
A:・・・・。
Q:では、仕方がないのでこれも情報開示請求項目に入れておきます。これが分かる情報、ということで。それから、原状復旧というかたちの今回の承認工事なわけですが、原因となる元の工事が、岡田工務店などが、どのような立場でやったのか。群馬建設工業が施工したとしても、皆さんがその事業者を呼びつけて、その当時の資料は皆さんの方でも廃棄してしまったようですが、「納入した業者はどこか?」について調べて、それで、岡田工務店などを突き止めたのか。それとも、岡田工務店が道路工事そのものを施工していたのか。例えば道路建設の一環として、あの(鉛・ヒ素入りの)建設資材を皆さんは「盛り土」と言っていますが、とりあえず工事の都合或いは予算音関係で、次の工事に備えて、つまり第一期という感じでやらせたのか、(岡田工務店も佐藤工務店も)いちおう土木建設工事会社ですよね。一応、両者とも、群馬県建設業協会に加盟していますしね。だからそのところも知りたいんです。今言ったように、資材を納めた業者なのか、それとも施工した業者なのか、その辺のことを知りたいんですけど。
A:うちのほうも、公表しているのだけなので、それを視ていただければ。
Q:視ました。視ましたが、これでは通報者に対して全然インフォーメーションもまったく無いし、こういうことをされると通報してもどうせ無駄だと思われてしまいます。後で結果を教えてもらえないから、要するに警察への協力と同じですね。市民に捜査協力のための情報提供を求めている警察の場合、大阪でも今逃げ回っているのがいますが、ああやって犯人の動静について役立つ情報を市民が教えたとしても、その見返りはなにもありません。今回は警察の事案とは異なりますが、やはり見返りがないと張り合いがありません。たとえば警察官も一緒に在席している「サンパイ110番」、あそこに「不法投棄係」があるが、あそこに当方も複数回通報したことがありますが、迷惑な顔をされてしまいます。「この忙しいのに、通報されると余計忙しくなるから」と言う。ひょっとして、今回も当方が有害な非鉄スラグの存在について通報しなければ、余計な仕事を抱え込まずに済んだのに、というお気持ちがございますか?
A:・・・・ふふふ(苦笑するのみ)。
Q:ぜひ聞きたいんですが。ぜひインタビューしたい。最近、「行政の劣化」ということが警鐘として注目されていることもあり、一体お役人の皆さんは、どちらに向いてお仕事をされているのかと。それはもちろん土建業業界に対して群馬県の予算、(分野別で)もっとも規模が大きいでしょうから、それをきちんとフィードバックをして群馬県の土建業界に貢献すると。市民の生活環境は環境森林部の仕事ですが、皆さんにとっては、環境より県内のインフラ整備が最大の重要課題でしょうから。だから今回のも岡田工務店の承認工事でも、あの有害物質を回収した先をどうするのか、ということについても、そんなものを見る必要もない、として視ていませんよね? 高崎土木事務所の人もね? 撤去後もどのような処置をするのか誰も視ていませんよね?
A:どのような処置というのはどういうこと?
Q:(承認工事で掘り取った非鉄スラグは、)つまり有害物質ですから、東邦亜鉛が引き取るのかどうか知りませんが、岡田工務店は一時期、毎年1万トンを東邦亜鉛から引き取っていました。おそらく有価物ということなのでしょうけど。でも、本当は逆有償かもしれないし、要するにお互いに都合がよかったわけです。東邦亜鉛は大同よりももっと大量にスラグを排出しており、その処分に都合がよいわけで、一方岡田工務店としては、同業の佐藤建設工業が自前の採石場を保有していて、大同から独占的にスラグを提供されており、市や県や国の公共事業で大儲けしていてことから、こうした仕組みを思いついたと思われます。ところで岡田工務店も(佐藤建設工業と同じく)砕石場を持っているんでしょう?
A:・・・・・・。
Q:皆さんは、業界の元締めの行政側ですから、そういう情報は全て知っていると思います。なぜだか言いにくそうですけど。大同スラグを独り占めにしている佐藤建設工業のことは岡田工務店もよく知っていて「自分も砕石場を持っているし、他にスラグを出してくれるところはどこかな?ということで、どうやら岡田工務店は東邦亜鉛に積極的に(非鉄スラグの供給を念頭に)アプローチをしたことが伺えます。佐藤建設工業の「再生混合砕石」を真似て、東邦亜鉛の非鉄スラグを、岡田工務店は「再生粒度調整材」などと称して、不法投棄していました。今回、佐藤工務店の名前も挙がっており、こちらもそうとう広範囲にばらまかれている可能性があります。それにしても、なぜ大同スラグの場合は蓋をしたのに、なぜ今回は撤去したのでしょうか? それは皆さんの方針でしょうか?それとも環境森林部の方から、「今回はちょっとやばいよ。フッ素と異なり鉛とヒ素だから、ほかにも水銀とカドミか測れば出て来るかもしれないよ」などと忠告されたのでしょうか?
A:・・・基準を来れた建設資材ということで、環境部局の助言を得ながら配慮しています。
Q:当然そうでしょうね。(岡田工務店の再生粒度調整材の場合)生スラグをそのまま使っており、あとタイルの粉とかを混ぜたのかどうか、岡田工務店でないと分かりませんが、材料試験表とかを前回も開示をお願いしたのに、「もう3年間の文書保管期限を徒過しているから、もうありません」と言われてしまいました。それで唯一開示していただいたのが、工事対象の施工会社と、公共事業工事の名称と工期だけでした。だから分からないことだらけなんです。これは相当闇が深いな、というふうに見ていますが、情報提供者である当方には全く情報のフィードバックもなく、公文書開示請求をしても、挙句の果てには、非開示とされてしまいます。今回もう一度、公文書開示請求をしたいと思いますが、もし、初めから非開示ありき、でしたら、14日間と言わず、なるべく早く非開示決定通知を出してください。そうすれば前回の非開示決定と併せて、2件まとめて審査請求をしたいと思うので、迅速に手続きができます。これから、2階の県民センターで開示請求手続きをしてきますが、以上が当方の考え方と方針です。お分かりいただけましたでしょうか?
A:・・・・・。
■ということで、アポイント無しで30分ほど付き合っていただいたお礼を述べて、建設企画課を退出し、2階の県民センターで、担当者と相談しながら、さっそく冒頭写真に示す通り、公文書開示請求の手続きをとりました。
*****公文書開示請求書*****
<開示を請求する公文書の内容又は件名>
8月20日付高渋バイパスに関する建設企画課扱いの報道提供資料記事について、関連する一切の情報で次のものを含む(建設資材直下の土壌調査に係るレポート全部、8月21日から開始された当該箇所の道路法に基づく、承認工事の手続きと工事着までの内部稟議、工事要領、業務指示書、工期、検査、検収、管理、撤去資材の処理・処分方法などがわかる情報)
**********
群馬県がどのような対応をどの程度のスピード感で対応するのか注目されます。追って、進捗状況はご報告いたします。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】