■渋川市北橘町にある岩「硯石」を渋川市議らが、渋川市の正式な許可を得ず移動させた問題で、渋川市議会が揺れ動いています。この経緯は都度、地元紙上毛新聞と全国紙毎日新聞地方版が報じており、当会のブログでも報告してまいりましたが、この度、3月の定例議会で市長の発言をめぐり、市議会が百条委員会を3月25日に急遽設置したことが毎日新聞で新たに報じられました。さっそく見てみましょう。
その前に、YouTubeでこの事件のおさらいをどうぞ
**********群馬テレビ・群テレ2019年10月07日
「硯石」無許可で移動 特別委員会が現地確認 群馬・渋川(19/10/07)
https://www.youtube.com/watch?v=wqlqjlQP1CU
渋川市北橘町にある岩「硯石」を市議などが市の正式な許可を得ず移動させた問題で、特別委員会による現地確認が行われた。問題は、硯石を地域おこしの目玉にしようと市議らが目の付きやすい場所に移動させたことで発生。移動により9カ所の傷が確認されている。
**********群馬テレビ・群テレ2020年01月21日
硯石問題巡り 再発防止策定める 群馬・渋川(20/01/21)
https://www.youtube.com/watch?v=znAuSAN9klI
群馬県渋川市北橘町にある岩「硯石」を市の許可無く移動させた問題で、市では調査委員会から提出された意見書を踏まえて、再発防止策を定めた。高木市長は職務にかかる様々な事案について、市民に対してしっかりと説明できるような体制作りに努めていきたいとしている。
**********
それではさっそく毎日新聞群馬版の報じた記事の内容を見てみましょう。
*****毎日新聞地方版 2020年3月26日
渋川市議会が百条委 「市長答弁、虚偽の可能性」 /群馬
渋川市議会は25日、高木勉市長が同日閉会した3月定例会中に虚偽答弁を行った可能性があるとして、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置する議案を賛成多数で可決した。
議案は、中沢広行市議が提出。定例会での同市北橘町の市有地の岩「硯石(すずりいし)」の不適切整備問題に絡む質問と、渋川市社会福祉協議会の人事に関する質問に対する高木市長の答弁が虚偽の可能性があるとしている。だが、具体的に答弁のどの部分が虚偽の可能性に該当するのかは明らかにしていない。
高木市長は百条委設置について「公正な調査をお願いしたい」と話した。【庄司哲也】
*****
動議の提案者である中沢広行市議は、ブログを設置していました。2016年10月以降長らく更新していないようですが、本人のプロフィールは見られます。↓↓
http://www8.plala.or.jp/nakazawahiroyuki/index.html/
正式な手続きを経ないで行われた「硯石」整備問題については、こちらをご覧ください。↓↓
○2020年3月15日:【渋川硯石問題】令和元年末に新聞紙面を賑やかした「硯石」報道・・・なんと森林法違反だった!↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3135.html
■まずは百条委員会とは何なのでしょう?ネットで勉強していきましょう。
ネットで検索したコトバンクから引用します。ご理解ありがとうございます。↓↓
https://kotobank.jp/word/百条委員会-191655
*****【百条委員会】*****
地方自治体が議決により設置する特別委員会の一つ。名称は「地方自治法第100条」に基づく。百条委員会は、地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求、拒否した者には罰則が科せられる。通常の質疑応答や調査などでは事実関係が判明しない場合や、疑惑を引き起こした当該自治体内の人物に圧力をかけることなどを目的として設置されることが多い。2013年、猪瀬直樹都知事が徳洲会グループより5000万円を受け取った件につき、同年12月18日、東京都議会が百条委員会の設置を決定。猪瀬都知事は19日、辞任表明した。
**********
このとおり、強い調査権限が委員会に与えられるようです。また強い調査権故に「当該自治体内の人物に圧力をかけることなどを目的として設置されることが多い」という解説が目につきます。
↑傷だらけにしながら行われた硯石の整備の様子=市議提供↑
■いつものように報道のポイントを挙げてみましょう。
ポイント①「硯石」不適切整備問題で渋川市議会が百条委員会を設置したこと。
ポイント②渋川市長に対し具体的に答弁のどの部分が虚偽の可能性に該当するのかは明らかにせずに委員会を設置したこと。
それではそれぞれんポイントについて検証してまいりましょう。
ポイント①
「硯石」不適切整備問題で渋川市議会が百条委員会を設置したこと。
渋川市北橘町の市有地にある歴史的価値があるとされる岩「硯石(すずりいし)」が、市の正式な手続きなしに市議の男性によって整備された問題として大々的に報道された「硯石」問題ですが、渋川市に次の二つの委員会が設置されていました。
A 渋川市が設置した弁護士ら3人の外部委員による調査委員会
B 渋川市議会が設置した特別委員会(田辺寛治委員長)
大変興味深いことに、上記の「A」委員会と「B」委員会は、それぞれ異なる結論を出しました。この現象の理由を端的に表すと次のとおりです。
市長VS議会の対立構造
このような状況になっていることで、具体的には市役所のお役人様が処分されただけで、肝心の「硯石」が原状回復すらされず、放置されたままになっているのです。
A・Bの二つの委員会に加え、今回、議会側が新たに「百条委員会」を議会の賛成多数で設置しました。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、渋川市議会は市長に対する圧力に燃えているようです。
正式な手続きなしに整備された「硯石」問題として大々的に報道されたこの問題では、プレーヤーとして次の市議会関係者が登場してきております。
・正式な手続きなしに整備をしてしまった市議の男性
・今回、百条委員会を設置する議案を提出した中沢広行市議
そして、
・中沢広行市議の提出した議案に賛成した多数の議員
という渋川市議会の持つ特異な構図が、報道から見えてきます。
ポイント②
渋川市長に対し具体的に答弁のどの部分が虚偽の可能性に該当するのかは明らかにせずに委員会を設置したこと。
群馬県渋川市は、国道や県道市道・公園に産業廃棄物に認定された大同特殊鋼の毒入りスラグが大量に投棄され、ほとんど埋められたママとなっている問題を放置している地方公共団体として有名です。その特徴は、住民の健康被害などお構いなし。新型コロナウイルスがいくら猛威を振るっても、住民無視の考えは、渋川市議会においても変わらないようです。
毎日新聞報道によると、議案を提出した中沢広行市議が、渋川市長の議会答弁に対し、「具体的に(市長の)答弁のどの部分が虚偽の可能性に該当するのかは明らかにしていない。」まま、虚偽答弁の疑いで百条委員会設置を提案したと報道されています。
日本の国難ともいえる新型コロナウイルス騒ぎのなか、具体的に答弁のどの部分が虚偽に当たるか示さないまま議案が提出され、多くの議員が賛同し百条委員会が設置される状況をみるにつけ、「渋川市議会は猛毒の大同スラグに頭がやられて狂っているとしか考えられない」という感想を多くの方が持つことでしょう。
■地方公共団体は、行政である首長当局はもとより、市民代表機関である議会こそ、そこに住まう住民の健康を第一に、そして歴史的価値があるとして市の財産を大事に考えてきた住民の意思を大事に運営していただきたいものです。
きっと渋川市では「私の硯石をかえせ!」「新型肺炎はどうするんだ!」の声が住民から上がっていることでしょう。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
その前に、YouTubeでこの事件のおさらいをどうぞ
**********群馬テレビ・群テレ2019年10月07日
「硯石」無許可で移動 特別委員会が現地確認 群馬・渋川(19/10/07)
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https://www.youtube.com/watch?v=wqlqjlQP1CU
渋川市北橘町にある岩「硯石」を市議などが市の正式な許可を得ず移動させた問題で、特別委員会による現地確認が行われた。問題は、硯石を地域おこしの目玉にしようと市議らが目の付きやすい場所に移動させたことで発生。移動により9カ所の傷が確認されている。
**********群馬テレビ・群テレ2020年01月21日
硯石問題巡り 再発防止策定める 群馬・渋川(20/01/21)
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https://www.youtube.com/watch?v=znAuSAN9klI
群馬県渋川市北橘町にある岩「硯石」を市の許可無く移動させた問題で、市では調査委員会から提出された意見書を踏まえて、再発防止策を定めた。高木市長は職務にかかる様々な事案について、市民に対してしっかりと説明できるような体制作りに努めていきたいとしている。
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それではさっそく毎日新聞群馬版の報じた記事の内容を見てみましょう。
*****毎日新聞地方版 2020年3月26日
渋川市議会が百条委 「市長答弁、虚偽の可能性」 /群馬
渋川市議会は25日、高木勉市長が同日閉会した3月定例会中に虚偽答弁を行った可能性があるとして、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置する議案を賛成多数で可決した。
議案は、中沢広行市議が提出。定例会での同市北橘町の市有地の岩「硯石(すずりいし)」の不適切整備問題に絡む質問と、渋川市社会福祉協議会の人事に関する質問に対する高木市長の答弁が虚偽の可能性があるとしている。だが、具体的に答弁のどの部分が虚偽の可能性に該当するのかは明らかにしていない。
高木市長は百条委設置について「公正な調査をお願いしたい」と話した。【庄司哲也】
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動議の提案者である中沢広行市議は、ブログを設置していました。2016年10月以降長らく更新していないようですが、本人のプロフィールは見られます。↓↓
http://www8.plala.or.jp/nakazawahiroyuki/index.html/
正式な手続きを経ないで行われた「硯石」整備問題については、こちらをご覧ください。↓↓
○2020年3月15日:【渋川硯石問題】令和元年末に新聞紙面を賑やかした「硯石」報道・・・なんと森林法違反だった!↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3135.html
■まずは百条委員会とは何なのでしょう?ネットで勉強していきましょう。
ネットで検索したコトバンクから引用します。ご理解ありがとうございます。↓↓
https://kotobank.jp/word/百条委員会-191655
*****【百条委員会】*****
地方自治体が議決により設置する特別委員会の一つ。名称は「地方自治法第100条」に基づく。百条委員会は、地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求、拒否した者には罰則が科せられる。通常の質疑応答や調査などでは事実関係が判明しない場合や、疑惑を引き起こした当該自治体内の人物に圧力をかけることなどを目的として設置されることが多い。2013年、猪瀬直樹都知事が徳洲会グループより5000万円を受け取った件につき、同年12月18日、東京都議会が百条委員会の設置を決定。猪瀬都知事は19日、辞任表明した。
**********
このとおり、強い調査権限が委員会に与えられるようです。また強い調査権故に「当該自治体内の人物に圧力をかけることなどを目的として設置されることが多い」という解説が目につきます。
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↑傷だらけにしながら行われた硯石の整備の様子=市議提供↑
■いつものように報道のポイントを挙げてみましょう。
ポイント①「硯石」不適切整備問題で渋川市議会が百条委員会を設置したこと。
ポイント②渋川市長に対し具体的に答弁のどの部分が虚偽の可能性に該当するのかは明らかにせずに委員会を設置したこと。
それではそれぞれんポイントについて検証してまいりましょう。
ポイント①
「硯石」不適切整備問題で渋川市議会が百条委員会を設置したこと。
渋川市北橘町の市有地にある歴史的価値があるとされる岩「硯石(すずりいし)」が、市の正式な手続きなしに市議の男性によって整備された問題として大々的に報道された「硯石」問題ですが、渋川市に次の二つの委員会が設置されていました。
A 渋川市が設置した弁護士ら3人の外部委員による調査委員会
B 渋川市議会が設置した特別委員会(田辺寛治委員長)
大変興味深いことに、上記の「A」委員会と「B」委員会は、それぞれ異なる結論を出しました。この現象の理由を端的に表すと次のとおりです。
市長VS議会の対立構造
このような状況になっていることで、具体的には市役所のお役人様が処分されただけで、肝心の「硯石」が原状回復すらされず、放置されたままになっているのです。
A・Bの二つの委員会に加え、今回、議会側が新たに「百条委員会」を議会の賛成多数で設置しました。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、渋川市議会は市長に対する圧力に燃えているようです。
正式な手続きなしに整備された「硯石」問題として大々的に報道されたこの問題では、プレーヤーとして次の市議会関係者が登場してきております。
・正式な手続きなしに整備をしてしまった市議の男性
・今回、百条委員会を設置する議案を提出した中沢広行市議
そして、
・中沢広行市議の提出した議案に賛成した多数の議員
という渋川市議会の持つ特異な構図が、報道から見えてきます。
ポイント②
渋川市長に対し具体的に答弁のどの部分が虚偽の可能性に該当するのかは明らかにせずに委員会を設置したこと。
群馬県渋川市は、国道や県道市道・公園に産業廃棄物に認定された大同特殊鋼の毒入りスラグが大量に投棄され、ほとんど埋められたママとなっている問題を放置している地方公共団体として有名です。その特徴は、住民の健康被害などお構いなし。新型コロナウイルスがいくら猛威を振るっても、住民無視の考えは、渋川市議会においても変わらないようです。
毎日新聞報道によると、議案を提出した中沢広行市議が、渋川市長の議会答弁に対し、「具体的に(市長の)答弁のどの部分が虚偽の可能性に該当するのかは明らかにしていない。」まま、虚偽答弁の疑いで百条委員会設置を提案したと報道されています。
日本の国難ともいえる新型コロナウイルス騒ぎのなか、具体的に答弁のどの部分が虚偽に当たるか示さないまま議案が提出され、多くの議員が賛同し百条委員会が設置される状況をみるにつけ、「渋川市議会は猛毒の大同スラグに頭がやられて狂っているとしか考えられない」という感想を多くの方が持つことでしょう。
■地方公共団体は、行政である首長当局はもとより、市民代表機関である議会こそ、そこに住まう住民の健康を第一に、そして歴史的価値があるとして市の財産を大事に考えてきた住民の意思を大事に運営していただきたいものです。
きっと渋川市では「私の硯石をかえせ!」「新型肺炎はどうするんだ!」の声が住民から上がっていることでしょう。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】