市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【東邦亜鉛非鉄スラグ問題】群馬県が行政処分をした非鉄スラグの質問に対し東邦亜鉛がよこした不誠実回答

2020-10-10 23:30:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■群馬県が令和2年9月10日付で東邦亜鉛㈱安中製錬所から排出された非鉄スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果及び行政処分を発表したので、地元の公害対策委員会の委員長を仰せつかっている筆者は、いくつか疑問点や不明点があったため、9月14日(月)午後3時半に同社東京本社を訪問しました。
 当初は同社安中製錬所の森田所長に面談するつもりでしたが、所長も事務部長も環境室長も業務多忙で都合がつかないとのことで、東京本社に電話を入れたところ、同社の部長クラスも環境・安全室長もこれまた都合がつかないと言うことで、総務部の担当者と面談することになったものです。
 20分ほど説明したところ、別の会議が入っているということで中途半端に切り上げざるを得なかったため、東邦亜鉛側は「あらためて書面で質問事項をまとめて出してほしい」というので9月15日に次のメールを発信しました。

右奥のビルが東邦亜鉛本社のある鉄鋼ビル。東京駅八重洲側北口の大丸デパート脇から徒歩2分。



東邦亜鉛本社は鉄鋼ビル南館6階にある。

6階エレベーターホールに面した東邦亜鉛本社入口。


受付は無人のため、ここから総務部内線901を呼び出す。



受付せずに勝手に本社オフィス内に立ち入らないようにと、同社お得意の立入禁止の表示板。

*****9/15発信メール*****
From: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
Date: 2020年9月15日(火) 21:38
Subject: 貴社安中製錬所の非鉄スラグに関するご質問
To: <Honsha_Soumubu@toho-zinc.co.jp>
Cc: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>

東邦亜鉛本社総務部御中下記(=添付書状)のとおり、表記に関する質問をいたします。よろしくお取り計らいください。なお、添付書状は別途オリジナルを郵送します。

安中市野殿980
小川賢

以下、質問状(省略)
**********

 なお、群馬県の発表内容等については次のブログ記事をご覧ください。
○2020年9月11日:【報道】食べると腹痛・悪寒・貧血等?!…東邦亜鉛の鉛・ヒ素入り非鉄スラグを県が廃棄物に認定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3202.html

 また、東邦亜鉛の非鉄スラグを食べると腹痛・悪寒・貧血等の症状が現れるおそれがある、という東邦亜鉛の説明については、次のブログ記事を参照ください。
○2020年8月27日:コロナ禍で開催が4カ月半遅れた第29回工場視察会で、東邦亜鉛がK砕の有毒性について仰天説明!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3196.html

■9月15日に東邦亜鉛本社に送った質問状の内容は次の通りです。

*****9/15質問状*****ZIP ⇒ 20200915mbsxo.zip
                      令和2年9月15日
〒100-8207東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 鉃鋼ビルディング
東邦亜鉛株式会社
代表取締役社長 丸崎公康 様
                   〒379-0114群馬県安中市野殿980
                   北野殿公害対策委員会
                   委員長 小川 賢
                   電話 090-5302-8312
                   FAX 027-381-0364

      貴社安中製錬所の非鉄スラグに関するご質問

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、このたび群馬県は令和2年9月10日付で貴社安中製錬所から排出された非鉄スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果及び行政処分を発表しました。また、弊社では、同日、ホームページで「「当社に対する行政処分について」と題して、プレスリリースを掲載しました。
 そのため、9月14日(月)午後3時半に貴社東京本社にお伺いをして、総務部乾様とご面談の機会をいただいた折りに、地元住民としていくつか表件にかかる質問をさせていただきました。乾様からは近日中にしかるべき面談の機会を設けていただける旨のコメントを賜りました。つきましては、あらためて、昨日の質問事項を下記のとおり纏めましたので、近日中に正式にご面談いただける機会に、ご回答賜りますよう、まずは、取り急ぎ書面をもちましてお願い申し上げる次第です。
                              敬具

                記

1.貴社の組織図を見ますと、現在「環境・安全室」を独立組織として、社長直属とされています。この部署は、いつ、どのような具体的業務の遂行目的のために設置され、誰がトップで、何名の職員が配置され、場所はどこ(東京本社ないし各事業所?)においてありますか?

2.貴社の組織図を見ますと、現在「品質保証室」を独立組織として、社長直属とされています。この部署は、いつ、どのような具体的業務の遂行目的のために設置され、誰がトップで、何名の職員が配置され、場所はどこ(東京本社ないし各事業所?)においてありますか?

3.貴社は、ISO9000シリーズ(品質)、とISO14000シリーズ(環境)の認定を受けているようですが、それぞれ、何というマネジメントシステム認証機関に委託されていますか?また、今回の行政処分による非鉄スラグの廃棄物認定に関連して、これまで非鉄スラグの取扱いについて、認証機関から何か指摘を受けましたか?受けたことがある場合、どのような指摘でしたか?

4.貴社は、日本鉱業協会に加盟していますが、なぜかこれまで同協会の傘下のスラグ委員会には会員として登録されていませんでした。今回の行政処分を契機に、スラグ委員会への会員登録について検討されていますか?検討されている場合、登録手続きの進捗状況と今後の見通しについて教えてください。

5.貴社は、非鉄スラグの含有物質の分析試験を適宜実施していると思います。実施している場合、どのような物質(カドミウム、ヒ素等重金属を含む)を対象に、工程のどの時点で分析を行い、その分析データと解析をどのように取り扱われていますか?分析データの保管方法、保管期限、および解析方法(社内基準値を含む)と対策状況(基準値超の非鉄スラグが発生した場合の対応方法を含む)を教えてください。

6.貴社は、非鉄スラグの出荷先の詳細、及び使用現場の調査結果はすべて行政に報告したと、8月22日に安中製錬所で開催された安中緑の大地を守る会向けの工場視察会で説明されました。現在当委員会では行政に対して、貴社の報告内容について情報開示請求中ですが、1点だけ教えてください。「安中市内で公共工事ないし民間工事で貴社の非鉄スラグが使用された場所はありますか?」“はい”、“いいえ”でお願いします。

7.貴社は非鉄スラグの出荷先としてこれまで、埼玉県八潮市鶴ヶ曽根943番地の石井商事㈱と2006年に➀運搬に係る契約を締結したと報じられています。一方で、石井商事に対して➁鉄源・建材用原料(遮音材)向けに非鉄スラグを出荷していると報じられています。これらはそれぞれ別々、すなわち➀運搬業務についての契約と、②原料供給に係る契約とに分かれているのでしょうか?また、2006年以降現在までの、➀の運搬契約に基づく出荷量と②の原料供給契約にかかる出荷量のそれぞれの年間出荷量を教えてください。

8.貴社は2016年4月以降は、非鉄スラグを出荷していないと説明していますが、それ以降にも、貴社のスラグ置場から大量のスラグが運び出されています。そのなかで、「UCHIKI UNYU」(打木運輸)と荷台に描かれた大型の深底のあおりを付けたトラックが伊勢崎工業団地へ入るのが目撃されています。貴社はこの打木運輸に、いつ?何回?どの出荷先が?何の目的で?使用するために非鉄スラグを運ばせていたのか、記録を調べて結果を教えてください。

9.昨年4月の工場視察会のあと、いくつか書面で質問させていただきました。その中で、鉛が非鉄スラグに高濃度に混入する理由として製錬プロセスにおける課題を指摘させていただきました。昨年6月に日本鉱業協会の技術担当者にヒヤリングしたところ、ロータリーキルンを使って残渣から亜鉛等を回収しているのは大手では貴社のみであることをうかがいました。ロータリーキルンでは鉛が揮発するための温度条件が不足するため、非鉄スラグに鉛が大量に混入したまま、排出されるのではないか、と思われます。このため、大手同業他社と同様なプロセスの導入を検討すべきと考えますが、貴社の見解を教えてください。

10.また、今回の群馬県の行政処分では、なぜか岡田興業との取引が2014年9月から2016年3月の期間、大野工業との取引が2014年6月から2015年12月の期間、石井商事との取引が2014年6月から2016年3月の期間のみ認定期間とされ、その期間中の取引量しか発表されていません。以前、弊職が貴社にお聞きし、貴社が回答を拒否されたことがありますが、2010年1月から現在に至るまでの毎月の非鉄スラグの出荷先と出荷量について、この機会にぜひ教えてください。上記7.の質問と一部重複しますがよろしくお願いします。

11.表件とは直接関係ありませんが、貴社のホームページに掲載されている会社概要を見ると「設立1937年3月5日」とあり、「創業1937年2月27日」との間に若干タイムラグがあります。この理由を教えてください。
                           以上
**********

■その後、東邦亜鉛からは無しのつぶてでしたが、半月余りが経過した10月2日付で郵送で次の回答状が送られてきました。

*****10/2回答状*****ZIP ⇒ 20201002m.zip
                       2020年10月2日
北野殿公害対策委員会
委員長 小川賢様
                       東邦亜鉛株式会社
                       環境・安全室 室長 石井 光
                       TEL  03-6212-1713
                       FAX  03-3284-1521
                       E-mail: ishii-hikari@toho-zinc.co.jp

    令和2年9月15日付け弊社非鉄スラグについてのご質問についての回答

拝啓 貴兄ますますご健勝のことお慶び申し上げます。令和2年9月15日付け弊社非鉄スラグについてのご質問について回答致します。諸般の事情により、回答できかねるご質問もありますが、ご理解を賜りたく存じます。
                                     敬具

                  記

1.環境・安全室について
  2020年3月21日、本社に設置されました。人員は兼務を含めて4名。室長は石井光。
  業務内容は以下の通りです。
  ・環境保全に関する全社的な企画立案および調整
  ・環境対策関連法令の調査研究
  ・安全衛生に関する全社的な企画立案および調整等

2.品質保証室について
  2020年3月21日、本社に設置されました。人員は兼務を含めて4名。室長は吉井敬一。
  業務内容は以下の通りです
  ・品質管理・品質保証に関する全社的な企画立案および調整
  ・製品および原材料品質、品質システムに係る認証制度(JISやISO9001等)の調査研究ならびに連絡
  ・製品および原材料におけるクレーム発生時の原因分析、緊急措置ならびに再発防止対策案の検討等

3.ISO認証について
  認証機関:JCQA 日本化学キューエイ株式会社
  認証機関に報告しましたが、特に指摘はありませんでした。

4.日本鉱業協会のスラグ委員会について
  現在、非鉄スラグは全量を産業廃棄物として処分しております。
  日本鉱業協会のスラグ委員会は、産業廃棄物は対象外ですので、加入の意思はありません。

5.非鉄スラグの分析の規定について
  申し訳ございませんが、社内の機密に関する事項ですので回答は控えさせていただきます。

6.非鉄スラグの安中市内における使用の有無について
  申し訳ございませんが、回答は控えさせていただきます。

7.石井商事との契約、出荷量について
  申し訳ございませんが、営業秘密に関する内容なので、回答は控えさせていただきます。

8.大型トラックが伊勢崎工業団地に向かっている。目的、量は
  質問の内容の車両は、調査しましたが該当する車両は不明です。

9.新プロセスの導入について
  現在、各種の方法を検討中です。詳細については、回答は控えさせていただきます。

10.岡田興業、大野工業向けのK砕出荷量について
  申し訳ございませんが、営業秘密に関する内容なので、回答は控えさせていただきます。

11.設立日と創業日の食い違いの理由についてご質問の件、以下の通りです。
  昭和12年2月27日 創立総会開催
  昭和12年3月5日  登記完了日

                                  以 上
**********

■これでは、質疑応答のやり取りの内容が良く分からないため、いつものように質疑応答を対比させて示します。なお、「←当方のコメント」緑字で追記してあります。

*****Q&A対比*****
【Q1】貴社の組織図を見ますと、現在「環境・安全室」を独立組織として、社長直属とされています。この部署は、いつ、どのような具体的業務の遂行目的のために設置され、誰がトップで、何名の職員が配置され、場所はどこ(東京本社ないし各事業所?)においてありますか?
【A1】環境・安全室について
 2020年3月21日、本社に設置されました。人員は兼務を含めて4名。室長は石井光。業務内容は以下の通りです。
  ・環境保全に関する全社的な企画立案および調整
  ・環境対策関連法令の調査研究
  ・安全衛生に関する全社的な企画立案および調整等

←当方コメント:兼務でちゃんと仕事ができるのか心配。

【Q2】貴社の組織図を見ますと、現在「品質保証室」を独立組織として、社長直属とされています。この部署は、いつ、どのような具体的業務の遂行目的のために設置され、誰がトップで、何名の職員が配置され、場所はどこ(東京本社ないし各事業所?)においてありますか?
【A2】品質保証室について
 2020年3月21日、本社に設置されました。人員は兼務を含めて4名。室長は吉井敬一。
  業務内容は以下の通りです
  ・品質管理・品質保証に関する全社的な企画立案および調整
  ・製品および原材料品質、品質システムに係る認証制度(JISやISO9001等)の調査研究ならびに連絡
  ・製品および原材料におけるクレーム発生時の原因分析、緊急措置ならびに再発防止対策案の検討等

←当方コメント:兼務でちゃんと仕事ができるのか心配。

【Q3】貴社は、ISO9000シリーズ(品質)、とISO14000シリーズ(環境)の認定を受けているようですが、それぞれ、何というマネジメントシステム認証機関に委託されていますか?また、今回の行政処分による非鉄スラグの廃棄物認定に関連して、これまで非鉄スラグの取扱いについて、認証機関から何か指摘を受けましたか?受けたことがある場合、どのような指摘でしたか?
【A3】ISO認証について
 認証機関:JCQA 日本化学キューエイ株式会社
 認証機関に報告しましたが、特に指摘はありませんでした。

←当方コメント:これだけのデタラメな品質管理がまかり通っても指摘しないISO認証機関では役に立たない。もっとも、そういう認証会社だから東邦亜鉛が発注先として選定したのが実態か。

【Q4】貴社は、日本鉱業協会に加盟していますが、なぜかこれまで同協会の傘下のスラグ委員会には会員として登録されていませんでした。今回の行政処分を契機に、スラグ委員会への会員登録について検討されていますか?検討されている場合、登録手続きの進捗状況と今後の見通しについて教えてください。
【A4】日本鉱業協会のスラグ委員会について
 現在、非鉄スラグは全量を産業廃棄物として処分しております。
 日本鉱業協会のスラグ委員会は、産業廃棄物は対象外ですので、加入の意思はありません。

←当方コメント:これは噴飯ものの回答。いままで非鉄スラグを「K砕」と称して有価物として扱ってきたのに、今回逆有償がバレて産廃と認定されたわけだ。全量産廃として処理しているから、今後もスラグ委員会に加入するつもりはない、という回答は、不誠実な公害企業のレッテルに相応しい。

【Q5】貴社は、非鉄スラグの含有物質の分析試験を適宜実施していると思います。実施している場合、どのような物質(カドミウム、ヒ素等重金属を含む)を対象に、工程のどの時点で分析を行い、その分析データと解析をどのように取り扱われていますか?分析データの保管方法、保管期限、および解析方法(社内基準値を含む)と対策状況(基準値超の非鉄スラグが発生した場合の対応方法を含む)を教えてください。
【A5】非鉄スラグの分析の規定について
 申し訳ございませんが、社内の機密に関する事項ですので回答は控えさせていただきます。

←当方コメント:これまた公害企業のレッテルに相応しい回答。

【Q6】貴社は、非鉄スラグの出荷先の詳細、及び使用現場の調査結果はすべて行政に報告したと、8月22日に安中製錬所で開催された安中緑の大地を守る会向けの工場視察会で説明されました。現在当委員会では行政に対して、貴社の報告内容について情報開示請求中ですが、1点だけ教えてください。「安中市内で公共工事ないし民間工事で貴社の非鉄スラグが使用された場所はありますか?」“はい”、“いいえ”でお願いします。
【A6】非鉄スラグの安中市内における使用の有無について
 申し訳ございませんが、回答は控えさせていただきます。

←当方コメント:8月22日の同社安中製錬所の工場視察会での答弁と同様。完全否定せず回答拒否をするところをみると、以前、安中市内における不法投棄の懸念が残る。

【Q7】貴社は非鉄スラグの出荷先としてこれまで、埼玉県八潮市鶴ヶ曽根943番地の石井商事㈱と2006年に➀運搬に係る契約を締結したと報じられています。一方で、石井商事に対して➁鉄源・建材用原料(遮音材)向けに非鉄スラグを出荷していると報じられています。これらはそれぞれ別々、すなわち➀運搬業務についての契約と、②原料供給に係る契約とに分かれているのでしょうか?また、2006年以降現在までの、➀の運搬契約に基づく出荷量と②の原料供給契約にかかる出荷量のそれぞれの年間出荷量を教えてください。
【A7】石井商事との契約、出荷量について
 申し訳ございませんが、営業秘密に関する内容なので、回答は控えさせていただきます。

←当方コメント:これまた公害企業のレッテルに相応しい回答。

【Q8】貴社は2016年4月以降は、非鉄スラグを出荷していないと説明していますが、それ以降にも、貴社のスラグ置場から大量のスラグが運び出されています。そのなかで、「UCHIKI UNYU」(打木運輸)と荷台に描かれた大型の深底のあおりを付けたトラックが伊勢崎工業団地へ入るのが目撃されています。貴社はこの打木運輸に、いつ?何回?どの出荷先が?何の目的で?使用するために非鉄スラグを運ばせていたのか、記録を調べて結果を教えてください。
【A8】大型トラックが伊勢崎工業団地に向かっている。目的、量は
 質問の内容の車両は、調査しましたが該当する車両は不明です。

←当会コメント:伊勢崎工業団地方面に非鉄スラグを運搬したのが打木運輸のトラックだったのか、別の会社のトラックだったのか、あらためて調べた上で再質問する予定です。

【Q9】昨年4月の工場視察会のあと、いくつか書面で質問させていただきました。その中で、鉛が非鉄スラグに高濃度に混入する理由として製錬プロセスにおける課題を指摘させていただきました。昨年6月に日本鉱業協会の技術担当者にヒヤリングしたところ、ロータリーキルンを使って残渣から亜鉛等を回収しているのは大手では貴社のみであることをうかがいました。ロータリーキルンでは鉛が揮発するための温度条件が不足するため、非鉄スラグに鉛が大量に混入したまま、排出されるのではないか、と思われます。このため、大手同業他社と同様なプロセスの導入を検討すべきと考えますが、貴社の見解を教えてください。
【A9】新プロセスの導入について
 現在、各種の方法を検討中です。詳細については、回答は控えさせていただきます。

←当方コメント:これまた公害企業のレッテルに相応しい回答。

【Q10】また、今回の群馬県の行政処分では、なぜか岡田興業との取引が2014年9月から2016年3月の期間、大野工業との取引が2014年6月から2015年12月の期間、石井商事との取引が2014年6月から2016年3月の期間のみ認定期間とされ、その期間中の取引量しか発表されていません。以前、弊職が貴社にお聞きし、貴社が回答を拒否されたことがありますが、2010年1月から現在に至るまでの毎月の非鉄スラグの出荷先と出荷量について、この機会にぜひ教えてください。上記7.の質問と一部重複しますがよろしくお願いします。
【A10】岡田興業、大野工業向けのK砕出荷量について
 申し訳ございませんが、営業秘密に関する内容なので、回答は控えさせていただきます。

←当方コメント:これまた公害企業のレッテルに相応しい回答。なお、大野工業には9月12日に直接問い合わせていますが、未だに回答がありません。
=====受信メール=====
From: 株式会社 大野工業 <no-reply@oonokogyo.co.jp>
Date: 2020年9月12日(土) 12:17
Subject: お問合せありがとうございました
To: <ogawakenpg@gmail.com>
このたびはお問合せいただき、誠にありがとうございました。
内容を拝見致しまして、折り返しご連絡を致します。
その他、何かご不明な点等ございましたら、お気軽にお問合せください。
株式会社 大野工業
住所:群馬県前橋市横沢町906-7
TEL:027-283-6741
────────────────────────────────
このメールは送信専用のメールアドレスから自動送信しています。
このメールの差出人メールアドレス宛にメールをお送りいただいても受信できません。
お手数ですが、お問合せ等はホームページのお問合せフォームよりお願いいたします。
────────────────────────────────
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【Q11】表件とは直接関係ありませんが、貴社のホームページに掲載されている会社概要を見ると「設立1937年3月5日」とあり、「創業1937年2月27日」との間に若干タイムラグがあります。この理由を教えてください。
【Q11】設立日と創業日の食い違いの理由についてご質問の件、以下の通りです。
 昭和12年2月27日 創立総会開催
 昭和12年3月5日  登記完了日

←当方コメント:創業日が操業開始日のことではないか、と疑問に思い、この質問をしたが、操業は昭和12年(1937年)6月ということで、操業当日(翌日説あり)から安中公害が発生し始めたとされており、登記から僅か3か月で操業し始めたということは、戦時下のどさくさで何でもありだったのかも。
**********

■東邦亜鉛本社訪問後、9月16日に神田にある日本鉱業協会を久しぶりに訪れ、今回の東邦亜鉛安中製錬所が排出する非鉄スラグについての群馬県の行政処分等に関する報告を行い、なぜ東邦亜鉛が日本鉱業協会のスラグ委員会に加入していないのか、また同協会としてメンバー会社である東邦亜鉛に対して何らかの勧告措置など必要な対応を申し入れました。


日本鉱業協会のある神田錦町の交差点。

東西線竹橋駅から、日本鉱業協会の事務局のある榮葉ビルまで徒歩10分ほど。


ビル内の表示板。日本鉱業協会の事務局は8階、会議室は6階。

6階は会議室専用フロア。面談はいつもここで行われる。

6階には鉱石サンプルの展示棚がある。これは佐渡鉱山の金鉱石。

おなじく、群馬県嬬恋村の硫黄鉱。

神岡鉱山の鉛・亜鉛鉱。

足尾銅山の銅鉱石。

8階事務局フロアの受付。環境保安部の呼出番号は59、技術部は69。

 同協会の技術部兼環境保安部の佐藤部長代理に面談し、相談したところ、三井金属鉱業㈱から出向している同氏によれば、同業他社の方針についてコメントする立場になく、したがって、協会として監督指導することもできないというニュアンスでした。

 ただし一般論として、上記質問状の質問9でも触れている通り、我が国の非鉄精錬大手各社のうち、電解残渣等の再回収プロセスでロータリーキルン方式を採用しているのは東邦亜鉛のみであること、また、原理的にも沸点が1650度を超える鉛を揮発させて回収することは、1350度でスラグを蒸し焼きするだけの東邦亜鉛のロータリーキルン方式では困難であるため、スラグに鉛が残ってしまうことは確認できました。同協会には、今後とも、東邦亜鉛以外の亜鉛精錬を手掛ける各社が、どのようなプロセスでスラグ中の重金属を除去しているのか、引き続き情報提供をお願いしています。

■なお、東邦亜鉛が8月22日の工場視察会後の意見交換会で、非鉄スラグの投棄についての調査結果は全て行政に報告してある、との見解を示した件で、当会は、その後群馬県と安中市に問い合わせていました。

 その結果、群馬県からは、情報公開の期間延長決定通知が到来しており、情報開示は、10月22日以降の予定です。また、群馬県廃棄物・リサイクル課畠中次長の見解では、「群馬県として今回の行政処分は廃棄物処理法に基づく措置であり、東邦亜鉛を産廃の不法投棄で告発するつもりはない」とのことです。
※非鉄スラグに関する情報開示請求に対する群馬県の対応
ZIP ⇒ 20200903jmimsxosgpj.zip

 一方、地元の安中市に開示請求した結果、東邦亜鉛から非鉄スラグの投棄に係る報告は受けていないとのことです。また、昨年2019年8月9日の非鉄スラグの不法投棄公表直後に自主的に同年8月21日から30日にかけて、安中市の公共事業で再生を扱う7社(浅川商事、エコプロセス、GUNMATRUST、新鋭産業、茂木組、ヤマサ石産販売、若宮産業)に電話で、東邦亜鉛の非鉄スラグを取り扱ったかどうか、聞き取り調査を行った結果が開示されたに留まりました。
※非鉄スラグに関する情報開示請求に対する安中市の対応
ZIP ⇒ 20200907ssjimsxoslj.zip
20200924sjmjisxosj.zip

■このように、東邦亜鉛に直接非鉄スラグについて質問しても、「顧客や自社ノウハウを理由にした守秘義務」ないし「すべて行政を通じてのみ対応」としか答えません。公害企業体質のレッテルを自ら剥がすつもりが皆無であることを痛感させられます。

 引き続き当会として、東邦亜鉛に対して、スラグ中に鉛やヒ素等有害な重金属が残らないよう環境に配慮したプロセスの導入、もしくは、非鉄スラグを瀬戸内海にある鉛精錬専門の同社契島工場への全量移送、また、これまでに県内に投棄された非鉄スラグの捨て場所とその量に関する情報開示、さらにそれらの速やかな撤去を求めていく所存です。

 また上述したように、廃棄物処理法に基づき、本来行政が大同スラグ問題の際に、県警に不法投棄を告発したように、今回有害廃棄物を長年にわたり大量に不法投棄してきた東邦亜鉛を告発できないか、についても慎重に検討してまいります。

【ひらく会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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