■例年桜シーズンである4月上旬の土曜日に開催される恒例の東邦亜鉛安中製錬所の工場視察会は、今年で29回目を数えます。ところが、今年の4月は新型コロナウイルスが急激に蔓延していたため、延期になっていました。そうした中、安中緑の大地を守る会事務局の皆さんの努力で、東邦亜鉛側と交渉していただき、4か月半遅れの8月22日(土)午前9時から、安中公害訴訟の和解にともない、原告団と東邦亜鉛との間で締結された協定書に基づき始められた工場視察会の第29回目が開かれました。
当日は、午前8時50分に東邦亜鉛安中製錬所の事務部のある総合事務所の2階会議室に集合しました。いつもは、事務所の1階の会議室が控室になるのですが、コロナ対策ということで、なるべく集まっている時間を短縮するため、このような措置をとったものです。
事務所の玄関先でピストル型の非接触式検温計で体温測定を受けたら、36.5℃でした。そのあとアルコール消毒液で手を満遍なく拭いてから中に入り、2階に上がっていつもの大会議室に着きました。
参加者は、それぞれ自分の名前が書かれた机に着席しましたが、筆者の名前が見当たらず、会社側に訊くと、一番奥のスライド投影用のスクリーンと、本社とのテレビ会議用ディスプレーのある側の机を指示されました。すぐ後ろの壁際には、業務用の扇風機が換気のために唸りを上げて回っています。
冷房効果を高めるためにブラインドが下ろしてあり、いつもよりかなり暗い雰囲気です。スクリーンと反対側にある窓が開いており、ブラインドを通して、風を外に出す工夫がされており、不足する冷風は、隣の部屋の冷房空気をオレンジ色の複数のダクトで会議室に導いて、外部に排出される冷気を補充して、部屋の温度が上がらないような対策が凝らされていました。
さて、午前9時の定刻になり、予定通り第29回工場視察会が始まりました。
以下はそのやりとりの模様です。扇風機の回転音がうるさいのと、東京本社からのウェブを通じた音声が聞き取りにくく、十分正確にメモがとれませんでしたので、一部、再現性の不十分な箇所があることを予めご了解ください。
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■朝の挨拶会
会社側中島正宏司会:みなさま、おはようございます。
参加者一同:おはようございます。
司会:時間より若干早いですが、皆さまお揃いということですので、本日の工場視察会、始めさせていただきたいというふうに思います。私は事務部環境管理室長を担当している中島と申します。宜しくお願いを申し上げます。本日は工場視察会での工場側の司会を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。例年4月にこの工場視察会を行っていますけれども、今年につきましては諸事情によりこの時期の開催となってしまいました。新型コロナウイルス感染予防、それと真夏での開催ということで、安全に十分に配慮しながら開催をしてまいります。感染予防のための人数制限をさせてただきます。また時間の短縮ですとか、マスクの着用、手の消毒、いろいろご協力いただきましてありがとうございます。たとえば廊下に出ていただきますと、オレンジ色のダクトがありまして、ちょっとものものしいような感じがあったかと思うのですが、換気をしながら、冷房を入れながら、ここのエアコンではちょっと間に合わなくて、今回違う部屋から冷気を入れるような工夫をしてみました。扇風機をこちら側において、こういうふうに流れをつくって、あちらのカメラを構えている…カメラのところから空気を出すというふうな、流れをこういうふうにつくるというような換気の方法を考えて、試してしていました。いずれにしても、ご注意をいただきながら視察のほうをしていただければ、というふうに思います。お手元の資料にもありますが、本日の工場視察会、終了を10時50分、まあ先程も申し上げました通り、コロナウイルス感染予防の考えで、時間短縮ということで、終了時間10時50分というふうに予定をさせていただいております。ご協力のほうよろしくお願いをいたします。
そうしましたら、会社の出席メンバー、ご紹介をさせていただきます。本日、本社の参加メンバーにつきましては、新型コロナウイルス感染症予防対策としまして、ウェブでの参加ということになりあす。モニターのほう、ご覧ください。まず、最初に総務本部長の大久保執行役員でございます。
大久保浩総務本部長:大久保でございます。本日は諸事情もあり、そちらのほうにお伺いすることができず、こちらからのウェブでの参加ということになりますがよろしくお願いします。
司会:同じく総務本部の高橋副本部長でございます。
高橋宏総務本部副本部長:高橋です。よろしくお願いします。
司会:次に、環境安全室の石井室長でございます。
石井光環境安全室長:石井です。今日はよろしくお願い致します。
司会:総務部の橋田課長でございます。
総務課長:橋田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
司会:弁護士でございます。眞田弁護士でございます。
(眞田淡史弁護士は欠席)
司会:おなじく弁護士の大坂弁護士でございます。
大坂周作弁護士:・・・(横から画面に現れ軽く会釈)。
司会:続きまして、安中製錬所のメンバーでございます。所を代表します森田執行役員所長です。
森田英治所長:どうぞよろしくお願い致します。
司会:次に製造部長の八杉部長でございます。
八杉貴雄製造部長:八杉でございます。よろしくお願いします。
司会:それと、さきほども申しましたが事務部環境管理室長を担当しております私、中島。このメンバーで本日の工場視察会、担当させていただきます。では、朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長でございます藤巻岩男さんです。よろしくお願いいたします
会長:おはようございます。
参加者一同:おはようございます。
会長:今年は梅雨が長くて毎日毎日降って、この辺ですが、こんなにぶっ続けで降るって言うことはまずなかったんですね。梅雨に貼れれば五月晴れなどといって喜んだんですが、今年はまったくそのようなことがなく、ぶっ続けで。さて梅雨が上がった。今度は毎日毎日暑い日でね。これはこれで全くもうどうにもならない。相当響いているのではないかと思うんです。そこにコロナの騒ぎで大変なことだと思います。今ね、冷房を点けていただいておりますが、コロナ騒ぎで部屋を開けなさいといわれまして、そうすると冷房も聞かない、というような状況が、今年が長く続いております。そのようななかでの今回の視察会の開催になるわけですけれどもね。まあ、例年4月なのでまだ陽気がいい時だったんですけど、先程来、話が出ているように暑い日が続いている中での実施と言うことになりまして、だいぶ体が疲労しながらと思いますが、ひとつ素人にも分かるように説明をいただきながら視察会をやっていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
司会:会長、ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして所長の森田よりご挨拶を申し上げます。
所長:マスクをとった形で大変失礼を申し上げていますが、どうぞご容赦をお願い致したいと思います。おはようございます。
参加者一同:おはようございます。
所長:昨年4月に行われました工場視察会以降、6月末に拝命されました新任の所長でございます、森田でございます。まず、はじめに当製錬所で生産されます非鉄スラグにつきましては、たいへんお騒がせをし、ご迷惑をおかげしておりますこと、まずもって、深くおわびを申し上げたいとおもいます。本年は、2月からコロナウイルス感染拡大もありまして、開催時期につきましては、さきほど会長さんから・・・会長様もお話していただいたように、安中緑の大地を守る会の幹部役員様とご相談を重ねさせていただき、まあ、真夏の猛暑と、まだ予断を許されないコロナ時期ではありますが、弊社、コロナ対策ルールに沿った形をとらせていただきまして、本日工場視察会を進めさせていただきます。さて会社の業績につきましては、米中貿易摩擦を端に発しまして、金属価格が大暴落しまして、鉱山の操業不調もございまして、2期連続の赤字と、非常に厳しい結果でございました。また足元も、コロナショックによる景気の後退の情勢にありますが、製錬所のほうは、操業は安定した状況にありまして、なんとか早いコロナの解消と、景気も浮揚となることを望むばかりでございます。従来よりも、不自由さを感じられる工場視察会ではございますが、これまで同様に、皆様のご指導ご鞭撻を頂戴いたしまして、簡単ではございますが、挨拶に代えさせていただきます。本日はどうもよろしくお願いいたします。
司会:続きまして本日の視察コース、また日程につきまして製造部長の八杉より説明をさせていただきます。
製造部長:製造部の八杉でございます。きょうはよろしくお願い致します。例年と同じく、製錬所内の製造工程、並びに公害防止設備、ご案内させていただきます。さきほど会長様からもご要望ありました。分かりやすく伝えるように努力いたします。先程、森田からもご報告いたましたけれども、操業自体は安定して行っております。設備も大きな変化はございませんので、このあたりもご案内させていただければと思います。例年と異なりますので、新型コロナ対策で、マスク着装しておりますので、ハンドマイクですと、かなり聞き取り辛いかもしれませんけれどもなるべく早口にならないように、注意して進めたいと思います。あと時期が例年4月に対して8月になってございます。この部屋は冷えてございますけれども、例えば乗り降り、冷房の温度差なり、現場で暑く感じられて体調を壊されるようなことがありましたら、遠慮なく申し出てください。もしもの時の準備として迎えの車だとか冷えた部屋だとか、準備してございます。見学についてですが、マイクロバスが1台、ワゴン車が2台準備してあります。健脚コースはマイクロバスでございますけれども、視察場所ごとにバスを降りてのご案内。よってヘルメットの着装をお願いします。バスのなかではコロナ関係のソーシャルディスタンスということで、窓側に離れてお座りいただくようにお願い致します。楽々コースのほうはワゴン車でございます。こちらは、現場に降りませんので、ワゴン車の中からの案内でございますので、ヘルメットは不要でございます。担当者が外に出て待っています。注意点をご説明いたします。1点目のお約束は写真撮影についてでございます。これについてはカメラ等の場内での持ち込みはご遠慮願いますようお願い申し上げます。健脚コースのほうはバスを降りて若干の距離ですけれども、歩きますので、足元だとか、注意して頂いて、また同時に、設備や製品には触れられないようにお願いをいたします。ではこれから、視察に入りますので、準備をしていただいて、事務所の入口のほうに移動のほう、よろしくお願いします。
司会:それでは視察に入るんですけれども、例年、工場視察の前に記念撮影をさせていただいておるんですけれども、今年については3密を避けるという意味で記念撮影については中止ということにさせていただきます。トイレを済ませていただいて、先ほど言った、現場視察ということでお願いしたいと思います。
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■配布された工場視察会のレジメによると、各コースの時間割は次の通り。
<第1班:健脚コース>
09:10 会場発
09:15 排煙脱硫着
09:25 ロータリーキルン着
09:40 K砕出荷場着
09:50 第二鋳造着
10:10 会場着(実際には予定より15分早く会場に帰着)
<第2班:楽々コース>
09:15 会場発
09:20 K砕出荷場着
09:30 第二鋳造着
09:40 排煙脱硫着
09:50 ロータリーキルン着
10:05 会場着(実際には予定より15分早く会場に帰着)
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筆者は現場で降りて視察できる健脚コースをいつも選択しています。3密を避けるため、マイクロバス車内各列の座席では、両方の窓側にひとりずつ着席しました。渡されたヘルメットを着装し、9時18分頃、事務所をマイクロバスで出発しました。30:15
安中製錬所の正面入口から入り、最初の視察場所に向かうマイクロバスの車内で、八杉部長から工場概要の説明がありました。
「みなさま、おはようございます。(参加者:おはようございます)先程説明させていただきましたとおり、まず工場の一番上にあがって、そっちから下りながら順に説明させていただきますのでよろしくお願いします。当社はおもに亜鉛と鉛の地金を生産しております。そのほかに、藤岡のほうで、電子部品、粉末冶金などを行っております。で、安中製錬所、当安中製錬所では、亜鉛地金、亜鉛合金、硫酸、粉末冶金など焼結部品などを生産しております。主力製品である亜鉛は、年間およそ14万トン、月に1万トンの生産能力を超えますけれども、国内の約20%のシェアを持っております。最近はコロナの関係もありまして生産は若干落ち込んでおります。生産した亜鉛の65%は自動車などに主に使われております。」
9時21分頃、いよいよ登坂に差し掛かりました。
「このあたりは、くらいなんですけれどもここから少し道が曲がりくねっています。私たちは通常では東邦スカイラインと呼んでいますが、バスが少し揺れますのでご注意ください」
■降下ばい塵の汚染元のひとつの排煙脱硫
9時25分頃、最初の視察現場の排煙脱硫装置のある場所に着きました。八杉部長の説明が続きます。
「今、排ガス工程、ここは排ガス脱硫と言われている工程なんですが、ローターリーキルンという炉から排出された排ガスを処理する工程です。炉から出たガスは、ここのTCAという吸収装置です。この工程では主に亜硫酸ガスを処理します。埃のほうは下のほうで落として、上のほうに上がってきて、亜流ガスを処理するというような工程です。この1番と言うのが亜鉛華TCAと言いまして、こちらのほうをご覧いただくと、亜鉛華TCAとかいてあります。ここでは1段目に、下からガスが入って、上に昇っていきます。吸収液というものを上から降らせて向流懸濁ですね。下からガスが入って、上から吸収液を落として気液接触させて、亜硫酸ガス、SO2ガスを吸収させます。TCAというんですが、Turbulenceは乱流ですね。中でガスを乱流させて、CはContactですので、接触すること。で、AはAbsorberという名前で、吸収するという名前でTCAという名がついています。中にこういうボール(ピンポン玉に類似)が入りまして、こういうボールが4段積みになっています。中でボールがこういうふうにコトコトコトコト動いています。おそらくこれくらいのレベル(15センチ程度)で動いていてその中をガスが通過して、そのボールに向かって吸収液を降らせますので、そこで亜硫酸ガスを吸収さして液に混じるという形になります。次に、ドーンと上に昇ったあとにガスを横引きしまして、こちらの苛性ソーダに付けます。その次の苛性ソーダのTCA、こちらも構造的には全く同じものですが、吸収材として使っているのが、亜鉛華ではなくて、ここでは苛性ソーダを使っています。苛性ソーダは亜硫酸ガスと良く反応して亜硫酸ソーダとして脱硫をしています。で、そのあと、水TCAにガスを送りまして、水で洗浄してから、あの真ん中の排気塔から大気中に放出します。一見古いですけれども、定期的に検査し、年2回のメンテナンスをして順調に稼働してます。では次の工程に行きたいと思いますので、足元に気を付けて、行きたいと思います。」
そこからマイクロバスで再び“東邦スカイライン”をくだり、途中、9時34分頃、ロータリーキルンのある現場に着きました。46:00
■K砕を生み出すローターリーキルン
「ここはロータリーキルンの工程です。先ほど見ていただいたのは、ロータリーキルンの排ガスを処理する工程です。今いるのは、そのロータリーキルンの工程です。今見えているのは、この2番の赤いものがここに見えています。約45mあります。ここの工程は、溶け残りの鉱さいというものをドライヤーである程度のところまで乾燥させます。その後、ロータリーキルンでコークスとともに供給しまして、蒸焼き状態で中にある亜鉛を揮発させます。固体から蒸気にさせます。その後に、空気のなかで参加して粗酸化亜鉛というかたちの固形物に戻します。原料は、こちらに入り、回転と共に右手の方向に流れていきます。バーナーは右手の一番末端のところに付いています。ですから、これも向流式でありまして、こちら側から、左手側から供給して、右手側がバーナー側から出すということです。出てくるものは先程申し上げた亜鉛の、商品になった固形物でなくて、これはダストというのですけれども、そこで重力沈降させながら、ガス温度を下げていく。その後、あの建物の中にバグフィルターというのがあり、そこで固形物をしっかり除去したあとに、先ほど見ていただいた排ガス工程へガスを送っていくことになります。この工程から出ていくのが、K砕が出ていきますが。残りが鉄の主成分のものです。だいたいキルンの炉内温度は1300℃くらいです。中の一番反応が進んでいるところで1300℃くらいの温度になっています。出てくるところはおよそ600℃から700℃くらいの温度で、ガスクーラーで熱交換して温度を下げた後に埃をしっかりとっていくというような形の設備であります。向こうに向かってどんどん温度が上がっています。今、蒸気があがっているのは、キルンの函体を冷やすために水をかけており、その蒸気が蒸発したのが見えています。」
参加者:水をかけているのはベアリングのところにかけているのですか?
製造部長:いいえ、水をかけているのはベアリングではなくて、函体を冷却するためにかけているんです。
参加者:中でせっかく高温を上げなければならないのに、なぜ周りを冷やさなければならないんですか?
製造部長:鉄の温度が600℃くらいなんです。外は鉄で中にレンガ積みしてあるんです。
参加者:耐火煉瓦ね?
製造部長:そうです。
参加者:それが持たなくなるからですか?
製造部長:持たなくなるのではなく、熱バランスをとっている。水をかけて熱バランスをとっています。あのあたりが一番温度が高いところです。
参加者:ではスラグはあっちから取り出すわけですね。その後、コンベアであっちに運び出すわけですね。バッチ式、それとも連続式?
製造部長:連続です。ではよろしければ、次の工程に行きます。バスのほうへお願いします。
■かつて亜硫酸ガス汚染の元凶だった古い焙焼炉群
午前9時38分頃、猛暑の中、さらに運転中の輻射熱で暑くなっているロータリーキルンの視察を終えて、マイクロバスは、再び、建物が覆いかぶさった狭くて暗い通路を通り、ふたたび東邦スカイラインに戻りました。途中、暗い通路の両側がブルーシートで覆われていました。これらは、現在は使用されなくなった古い小型の非密閉式の焙焼炉群を視察参加者の視線から遮るためのものです。かつて、筆者が子供の頃、中宿の保育園に通っていた当時、黄色い煙がこの一角からモクモクと発生し、特に冬場は北西の風になびいて通園路だった坂道(地元住民は「タテの坂」と呼んでいました。今は東邦亜鉛の敷地に組み入れられています)にも達し、保育園の行き帰りに何度もあやうく窒息しそうになった経験は今でも頭にこびり付いています。
現在は、密閉式の大型の焙焼炉が使われていますが、東邦亜鉛は公害遺産として、未だに古い焙焼炉をスクラップにせず、保存(放置?)しています。今回、東邦亜鉛安中製錬所が排出している鉛・ヒ素入りの有害な非鉄スラグの不法投棄問題が社会問題となっていることから、数年ぶりにロータリーキルンを視察ルートに組み込んだため、わざわざブルーシートで見えないように養生したとみられます。
■今でも出荷先が不透明なK砕置場
その後、東邦スカイラインをくだって、マイクロバスはK砕置場に向かいました。製造部長が優しい心遣いを見せます。
「さきほど説明したロータリーキルンから今から行くK砕置場に向かいます。さきほどの暑かったと思いますが、気分が悪くなったかたはいらっしゃいませんか?」
参加者ら:大丈夫です。(車窓から見える老朽施設に)酸性のガスに晒されるからボロボロになっている。こわいくらいだね。それにしても、なぜ取り壊さないんだろうか。スラップアンドビルトをすれば、これから行くK砕置場を新たな場所に新設する必要は無かったのに。
やがてバスは、下り坂から平坦な道に出ました。左手にたくさんのアルミ電極版が束になって置かれているのが見えました。視察者がそっちのほうに目線をやるのに気付いた製造部長が、アナウンスします。
「いま、左手に見えているのが新電解工場です。さきほど並んでいたのがアルミの、電解工場で使うカソード板が見えました。」
参加者ら:数が多いねえ。
マイクロバスはそのままK砕置場に入りました。昨年までは、新電解工場の車止めのところにバリケードを造り、50mくらい離れた場所から遠目でしかK砕置場を視察させてくれませんでした。さすがに有害な非鉄スラグの不法投棄が社会問題になっているため、K砕置場の中に、マイクロバスを入れることにしたようです。車中での製造部長の説明です。
「先程のロータリーキルンからベルトコンベヤで、こちらのK砕出荷場へK砕が送られてきます。このK砕出荷場は1万2000平米あって、ここでK砕を管理します。地面はコンクリート製でありまして、周りは高さ4mのセメント製の壁に、プラス2mのフェンスを設置してございます。粉塵や音が、場内に滞留しないように工夫してあります。まずは床面も常時湿った状態にするように、水を散水するとか、そういった管理も行っております。2016年から使用を開始いたしました。
以前は山と積まれていたスラグですが、今回は、ダンプ5台分くらいの小さな山が、仕切りの中に積まれていて、スラグが置いてある仕切りの数も10か所前後でした。マイクロバスは、K砕置場で停まることなく、そのままストック場の中央部に残置された古い変電施設の手前でぐるりと回って、次の溶解工程に向かいました。そして、午前9時42分頃、溶解工程に着きました。
■亜鉛ダストと騒音が充満する溶解・鋳造工程
製造部長が「ここで降りますが製品は熱いので触らないようにしてください。」と事前注意を喚起した後、視察者らはバスを降り、騒音が常に響いている現場に集まりました。
「ここが鋳造工場です。鋳造というのは鋳込むということです。電解工場でできたカソード亜鉛をここで製品化していきます。今目の前に見えるのがジャンボインゴットと言って、1トンあります。これは何に使うかと言いますと、自動車工場向けに使います。鋳造は、前の所で溶かした後に、お客さんの要望に応じた成分をブレンドして、お客さんの指定の型に鋳込んで、お客さんに供給します。小さいものも大きいもの、形状にはいろいろありますが、形状、サイズの異なるものが200種類ほどございます。では、次の工程に行きます。そのまま歩きます。」
といって、隣の鋳造工程に歩いて移動しました。ここは更に騒音レベルが高く、拡声器を使った説明もよく聞き取れないほどでした。
「ここでは電気亜鉛スラブというものを作っています。電気亜鉛スラブは、電気亜鉛でつくっており、スラブと言うのは板状の形のものをスラブと言います。そちらにあるのが完成品になります。1枚が20キロあり、50枚積みで、一山で1トンの量です。左手の奥に見えますのが炉になります。この製造の方法としては、調合亜鉛と同様ですね。溶解をした後、金型に流し込む。で、冷却をして金型から取り外す。離型をして、積み込む、というような工程になってございます。積み込みについてはご覧のとおりロボットにより積み込んでいます。電気亜鉛の工程については以上です。よろしければ次の工程にまいります。」
参加者:あのう、あそこに亜鉛の粉末がありますが、あれ、いつもああやってこうむき出しになっていますが、今は外側で壁を覆っているんですが、なんか、風で飛ばないんですかね。いま、亜鉛粉末の黄色の容器の蓋の上部を触ったら、亜鉛粉末がうっすらと降り積もっていました。亜鉛は直ちに毒ではないかもしれませんが、やはり、周囲に大量に排出されると具合が悪いと思われます。
製造部長:・・・。
ジャンボインゴットにしても電気亜鉛スラブについてもこれまでの視察会に比べると圧倒的に現場に置いてある物量が少なく見えました。
■新集水池以外変わり映えのしない排水処理施設
時刻は午後9時51分頃になりました。マイクロバスは視察ルートの最後の浄水工程に着きました。
「最後はここ、浄水工程です。製錬所の雑排水をここに集めて処理しています。工程内で使っている溶液などは工程内で使っているんですけれども。たとえば床の洗浄だとか、道路洗浄機だとか、こういう製錬所のなかから水がここに集まってきて処理します。処理系統図ですけれども、給水地に集められて、苛性ソーダで中和槽でアルカリに持って行きます。一般的には凝集沈殿法と言いまして、液中に溶けている重金属をペーハー調整することにより、固形物として沈殿させるという方法法であります。中和槽のあとに、シックナーでシックニングして、そのあと沈殿池でさらに浮遊物を最終的に沈殿させ、砂ろ過機を通して、機械的に除去した後に、ペーハー調整槽でいっぺん中性に戻すんですね。そして放流していくんです。2019年にできたのが、その向こうに見えますけれども第6集水池ということで新たにできて運用を開始すると。おそらくそこ以外は例年とかわらず同じ風景ではないかと思います。よろしければ、事務所に戻りたいと思います。」
浄水工程の見学用の高台から北側を見下ろすと、硫酸工場の手前に新しく作った第6集水池が見えました。池と言っても地表に、高さ3mほどの塀でグルリと囲われており、スラブ置場の感じでしたので、最初はよくわからず、その向こう隣りに見える掘った池のことと勘違いしました。その他の光景は、代わり映えしていませんでした。
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出発地の総合事務所に戻ったのは午前9時56分頃でした。ヘルメットを脱ぐと内側の紙製カバーが汗でびしょ濡れでした。
■情報交換会
事務所の2階の会議室に戻ると、既に楽々コースの視察者の皆さんが待機していました。すると会社側司会者から午前10時3分頃、説明がありました。1:08:00 1:15:00
「ご視察ご苦労様でした。予定より10分ほど早い状況でございます。予定ですと10分間休憩ということで時間をとってございますので、予定より10分早めるんですけれども、このあと10分まで休憩をしていただいて、10分から再開することにしたいと思います。宜しくお願いします」
午前10時10分になりました。現場視察の後の情報交換会の開始です。
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司会:本社のほうは、再開してよろしいでしょうか。
本社:はい、大丈夫です、よろしくお願いします。
司会:そしたら、再開をさせていただきたい、というふうに思います。大変暑い中、どうもご視察大変ご苦労さまです。暑い中で大変ではありますが、引き続きお願いしたいと思います。そうしたら意見情報交換会に移させていただきます。意見交換会で会社側の司会を務めさせていただきます中島です。引き続きよろしくお願いをいたします。それでは平成元年度の経過、ならびに、ああ、すいません、令和元年度ですね。令和元年度の経過、それと令和2年度の設備改善計画につきまして、所長の森田よりご報告をさせていただきます。
暑い中、視察のほう、大変ご苦労様でございました。それでは元年、2年にわたります当所の経過と計画についてご報告をさせていただきます。令和元年度につきましては、先ほどこの視察会でもご報告させていただきましたが、ひとつは硫黄を処理します焙焼炉の側壁更新工事の最終、元年度ですべて更新が終わったということで最終工事を行いました。あと、キルンの排ガスを吸収した中和処理槽の更新、ならびに3番目としては第2変電所の受電側の遮断機の更新工事を行いました。2年度につきましては、キルンのドライヤーにありますガラス?ギア並びにピニオンギアというところの部分の交換工事を行います。その2番目としまして、我々で呼びます造液工程の溶解槽SHL1号槽の更新と、3番目としましては西系の排水路の地上化更新工事、主だったところではこの3点の計画を進めております。工事案件については、今報告したようなところでございますが、昨年、今年度と、とりわけ老朽化した設備を含めました製錬所の整備を正確に更新して進めてゆく所存でございます。地元の皆さんのご理解のほどよろしくお願いしたいというふうに思っております。以上が平成元年度、2年度の工事計画の結果と経過でございます。それでは引き続きまして、懸案事項の報告につきましては、担当の中島のほうから報告していただきます。以上でございます。
司会:続きまして、懸案事項の報告につきまして、環境管理室中島より報告をさせていただきます。まず、公特事業推進について、でございます。2019年につきまして、昨年ですね、4月、7月、8月、10月、11月、そこで6回にわたって、安中市産業部農林課、および群馬県農政部技術支援課、こちらと情報交換を行っております。情報交換の中でご報告いただいた内容ですけれども、まず、平成31年3月に、群馬県農政部長様より、弊社社長あてに、碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画の変更について、こういった公特事業の計画変更が通知をされております。内容につきましては、岩井畑地区の事業計画面積の変更があります。3.72haから2.18haに変更がされております。2つ目として、土取場、客土の取得地ですね。こちらの変更ということで、安中市鷺宮、上間仁田、中野谷、こういったところが今迄の土取場だったのですが、これが西毛広域幹線道路の施工地、それと、利根川河川改修施工地、こういうふうに変更がされています。3つ目が、排土厚区分の追加でございます。変更前が15、30cm。この2区分でございましたが、ここに45cmというものが追加されたということです。おもにこの3点が計画の変更点ということです。それ以降、打合せを何度か重ねましたけれども、5月30日に開催されました公特事業推進委員会本部役員会、これ正式名称かどうか、私はわからないんですけれども、こちらで事業の進みそうな場所から進めるということを確認したというふうに伺っております。岩井畑地区については、原状回復方式で工事に着手する、ということが確認されたという報告をうかがっております。岩井畑作地区公特事業の工事の内容につきましては、3点ほどお話いただいたのですが、排土置場について、それと客土の搬入手段について、事業費、この3点について概略ですけれども報告を受けたということです。令和2年、今年になってから、2月に野殿地区におきます土壌整備事業計画のなかで、急峻地形部の計画について検討するための地元説明会、こちらが開催されたというふうに聞いています。こちらの流れにつきましては、会社のほうにも、説明会を開くようになっておるのですが、残念ながらまだ、この説明についてはうかがっていないということで、これから説明を受けると言うことになっております。3月に弊社と群馬県知事との間で承諾書の取り交わしが行われました。内容については2点ございまして、碓氷川流域農用地土壌汚染対策事業、岩井畑地区に限るのですが、ここにかかる費用負担について、それと排土の受入れについての承諾書。こちらについて弊社と県知事の間で承諾書の取り交わしが行われました。これに合わせて、群馬県、安中市の費用負担割合について、協定を締結したということでお聞きしております。簡単ではございますが、以上が、情報交換の概要でございます。公特事業につきましては、皆さまのほうがご承知の部分が多いのだと思います。それ以外の報告について、ご存知であれば、この場でお聞きできればというふうに思います。続きまして、令和元度産米のカドミウムについて述べます。例年、カドミウムの濃度については安中市さんが調査を行っているということですが、今年については調査が行われなかったというふうに聞いております。まあ、ずっと例年問題ないということで、調査をやらなかったということでございます。ただ、令和2年度につきましては調査を再開するというふうにうかがっております。高崎市、こちらの検査結果ですけれども、こちらについては異状なしということで報告をいただいています。以上、会社が把握している令和元年度の結果で、少し端折った部分もありますが、詳細部分についてはご質問いただければ、それにお答えする形で、ご理解いただければというふうにお願いいたします。
■非鉄スラグ問題に関する説明
司会:で、続きまして非鉄スラグの問題につきまして、環境安全室の石井室長より、説明をさせていただきます。正面にプロジェクターを用意してございますので、こちらをご覧いただければと思います。それでは石井室長、よろしくお願いをいたします。
環境安全室長:はい、それでは東京からちょっと遠隔ではございますが説明をさせていただきます。宜しく終え外いたします。たぶん、いろいろお聞き苦しい点があろうかと思いますが、ご容赦お願いいたします。それでは正面のスライドをご覧ください。
まず題名でございます。「非鉄スラグ(K砕)について」ということで簡単にご説明させていただきます。では次のスライドお願いいたします。
この1枚目は製造工程でございます。これにつきましては、前からコンセプト等、報告しておりますので、ご承知のかたも多いかと思いますが、あらためてご説明させていただきます。まず、いろいろ皆様にご心配ご懸念をおかけしておりますK砕について、どんなものか、どういう工程でできたかということをご説明いたします。まず、亜鉛の原料であります鉱石。簡単に申しますと硫酸に溶かしまして、それを電解工程にかけまして純度の高い亜鉛を作ります。それを指定の型にして、各ユーザー様の用途に合わせてから供給することが安中製錬所の大きな仕事になります。ではK砕とは何かと申しますと、先ほど申しました原料を硫酸に溶かすわけですが、溶け残りのものがやはり出るわけです。それが濾過分離回収物というものであります。で、ロータリーキルン、ご覧いただいたと思いますが、あの丸い大きな円筒形のものに高熱で熱を掛けます。それで亜鉛分はガス状で発生します。残った者につきまして、それを粉砕いたしまして、それから磁石に、それが磁選機というところでございます。その後、粉砕したものを、それをK砕というふうに呼んで、私共は外部に出荷しているということでございます。それでは次のスライドをお願いいたします。
K砕の成分というものが、カラーでご覧いただけるかと思いますが、まず主成分がそこにございます鉄分でございます。だいたい30%から40%くらいになろうかと。というのは、用いているものによって、若干違っているからです。炭素、それからケイ素、カルシウム等がそこにございますとおり合計いたしますと、まあ、現在の手元の数字で申しますと、ケイ素、カルシウム、それから炭素を合計いたしますと、50%から60%くらいということでございます。それから先程申しました鉄分が30%から40%ですので、ほぼ90%以上がそういうことになります。では残りは何かと申しますと、そこにあるとおり、亜鉛、それから鉛、まあ一部ヒ素等というふうにご理解いただければと思います。で、現在の、これはほぼ現在の数字ですが、過去にも若干数字のほうは異なってくるものがあります。では、次のスライドをお願いします。
K砕の用途でございます。過去にいろいろご説明しましたが、従来からそもそも、昔の段階では、K砕というのは鉄原料として、セメントに混入していたわけですが、セメントさんがいろいろ販路の問題で受け入れを絞ったために、いろいろ心配をしておりました。それで、この用途としては、そこにございますとおり、鉄原料、セメント原料とあって、あと防音建材、路盤材等ということになってございました。で、路盤材につきましては、そこにございますとおり、2016年、いまから4年前の4月に出荷を停止して、現在では、鉄原料、セメント、防音建材ということで出荷してございます。K砕はさきほど申しました、鉄原料、それから遮音・・・防音建材、セメント原料でございますけれども、それぞれ各販売先に出荷しまして、で、販売先から、最終の使用先にそれぞれ送られているということになります。それでは次の洲ランドですね。
では、いろいろ皆様ご心配しておられるかと思いますが、なぜこういったことが起きたかと申しますと、問題発生の原因と言うことで、販売先に対しまして、当社の管理監督が非常に不十分でございました。それから一部で敷砂利等、不適切な使用がなされているというような場合がございました。これらについては、ひとえに当社の反省点ということでこの場を借りてあらためてお詫び申し上げます。では、次のスライドをお願い申し上げます。
で、再発防止でございますが、さきほど申しました当社のいろいろな問題が原因だということで、組織として、東邦亜鉛の組織として、取り組まなければならないと。まず1点目は従来は品質管理に問題があったということで、当社の技術部の下にあった品質保証の業務を、品質保証室というものを新たに設けて、で、その部門において、その安中製錬所を含めまして、各部門を統括管理するということで、品質保証体制を、品管体制を強化してございます。あわせまして、従来総務本部のなかにありました、環境安全部門を、環境・安全室という形にして、社長の直属のかたちにいたしまして、安中製錬所を含めまして、各工場、各事業部門を統括して、環境部門に関する課題をあらためて整理してやるようにしたいと思います。で、次のスライドをお願いします。
これまでの対応と今後の対応でございます。K砕につきましては、使用先の特定ということで、まあ、これまでにわかっているところは調査して、ちょっと今もなお調査を進めているところでございます。それから、行政機関および関係者と協議をしてまいるとともに、K砕だとあらためて発見された場合は、撤去回収作業をしてまいります。それから昨年来、新聞等に公告をだしていますし、当社のホームぺージにも広く情報のご提供をおねがいしております。併せましてお願いでございますが、もしなにか気になる点がございましたら、ご連絡いただければ、当社としてもなんからの調査の上、対応させていただきたいと考えております。宜しくお願い致します。
最後に、K砕による健康への影響ということでご説明します。ではどんな問題があるかということですが、K砕を含んだ土壌を食べた場合に、そうしますと、腹痛とか、悪寒、貧血等、そのような症状が出る可能性があるというふうに言われております。あのう、現在調査の段階で、土壌関係におきまして、有害な成分が周りの土壌を汚染しているということは、いまのところ報告されていませんので、基本的には大きな心配はない。ただし、ここにあるようにK砕を含んだ土壌を口に入れるような場合は少し問題があるということで、実際には口に含む可能性は個人的にはあまりないと思っております。えー、それでは簡単な説明ではございましたけれども、以上で説明を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
司会:我々のほうとしては以上でございます。以降の進行につきましては高坂先生にお願いしたいと思います。高坂先生よろしくお願い致します。
高坂隆信議長:皆様きょうはどうもご苦労様でした。それでは、さきほどの会社からの説明、あるいは普段から疑問に思っていること、その他なんでも結構ですので、ご質問なりお願いしたいと思います。
参加者A:まずよろしいでしょうか。
議長:はいどうぞ。
参加者A:北野殿の小川でございます。
司会:マイクの準備をしますので、お待ちください。
参加者A:北野殿の小川でございます。大変お世話になっております。本社の皆様もいつもお世話になります。いろいろ話したいことがあるので、もうあと25分しかないということで、20分か、15分か、手短に絞って質問します。非鉄スラグの件は、また別途東邦亜鉛さんのほうにいろいろ質問なり、お願いしたいと思います。なぜ、非鉄スラグを排出しなければならないかというプロセス上の問題についてもいろいろ申入れしたいことがございます。今日は、とくに降下ばいじんについては定期的に群馬県のほうから、情報公開してもらっているんですけれども、今回、ふと思い立ちまして公開請求したところ、たまたま先週出てきた。
※情報開示請求と開示資料一式 ZIP ⇒ 202008071mojmj.zip
202008072mojmj.zip
202008073mojmj.zip
なので、今朝エクセルでまとめたんですが、これみて、まだ寝起き直後だったのでちょっと数字が間違っているかもしれません。
↑降下煤塵調査結果(平成30年4月から令和元年4月)↑
↑降下煤塵調査結果(令和元年5月から令和2年6月)↑
※降下煤塵調査結果(平成30年4月から令和2年6月)ZIP ⇒
oi30n4a2n6nccgj.zip
ですが、これを見ると、6月のカドミウムと鉛の排出量、県は毎月1回測定しているのですが、5月16日から6月16日の間に、これを見ますと、いつもは、カドミウムは0.1kg/km2/月。1ヶ月当たり、1平方キロあたり、0.1kgか0.2kgなんですが、なぜか、工場の安中駅に近いところにある地点で、0.4kg。つまり3倍くらい多いんですね。それから北野殿の工場に近いところでも、0.71kgと出ているんですよ。これと符号するように、鉛についても、普段は1平方キロあたり0.8kgか1kgくらいなんですが、6月、先々月のコロナの最中、中宿の安中駅近くのところで、2.47kg、北野殿のところが5.84kgで、例年の数値の数倍、4、5倍に増えています。これ、どういうことなのか。会社のほうでも、毎月同じ近くの地点で測定しているはずで、まあ、こちらのほうは、企業秘密ということで一切公開していませんが、群馬県のこれ見ると、なぜ6月に突出しているのか、5月も少し多くなっており、コロナの時期に手を抜いて操業したのではないかと。人が休んでいた時にね。というような懸念が感じられますが、一応この原因について、お疑いでしたら、県に情報公開してください。あとで差し上げてもよいです。よく原因を究明して、とくにカドミウムと鉛は特定有害物質ですから、本来ゼロでなくてはならない。この対象区の太田市にある、たしか社会福祉事務所だったか、これと比べると桁が1桁ないし2桁違うんです。多いんです。だから再汚染がどんどんしているんでね。少しでも減らすような、限りなくゼロにするような配慮。そのためには、なぜ5月から6月にかけて、急に増えているのか、7月はもっと増えているかもしれませんけどね。これ、徹底的に調査してもらいたいんですよ。以上。どうぞ。
議長:今、数字がありましたけれども、県の公表した資料と言うことですね。
参加者A:そうです。県はカネを払って業者に1年契約で、測定させているんです。毎月1回4箇所、それと太田市に対照区として、汚染されていないところということでね。これは毎月やっています。
議長:そこで、6月は去年の月に比べて多いと言うことですね。
参加者A:そうです。
議長:会社では、県の数値は把握されているんですか。
司会:群馬県の測定値というのはデータの把握は出来ていません。さきほど、小川さんがいったように弊社が独自に降下ばいじんについては毎月測定はしてございます。ただそれは、社内の自主測定ということになります。今、小川さんがおっしゃったような数値は、実際に県に情報を請求して、その数字が本当なのかと、いうことで、原因を追究していきたいと思います。
議長:今の段階で、会社のほうから、こういう事情だと言うことはご説明いただけない?
司会:すいません。5月、6月の値が、特別なのかどうか、弊社でのデータでも、毎月ばらつきがございます。時期によってもばらつきが出てきます。毎月測っているんですけども、5月、6月はどうだったかというと、高ければたぶん私、数字を覚えているんですけれども、しかしそういう記憶がないので、特別なことがあったのかと言われると、認識はないので、そこまで高かくはなかったのではないのかなと。自主調査で言えば、ですね。ただ、小川さんのまずその数値を確認したい。その数字をいただいて、弊社の本社とも検討したい。
議長:それは、またあとでまとめて協議の場でご回答いただくということで、いいですか。
司会:そうですね。比較して原因調査をしたいというふうに思います。そして、それについても報告していきたいと思います。
議長:よろしいですか。
参加者A:ええ。ここに1部余りがありますけれどもね。もしあれでしたら差し上げてもよいですよ。そうすれば、わざわざ県に行かなくても調査ができると思います。いずれにしても、調査をするのはいいんですけれども、その結果は、タイムリーに迅速に公表してもらわないといけないんです。これ重要なポイントですから、今ここで申し入れておきますから。
では調査の結果は、協議の場でご回答いただくということでよろしいですか?
司会:はい。
参加者B:すいません。市会議員の金井久男です。私は2件ほど会社に見解をお願いしようと思います。1件目は昨年の3月20日に櫻井ひろ江議員と二人で、当時騒がれていた非鉄スラグの問題で、実情を聞きたいと言うことで、御社にうかがって、本社総務課のナガオカ・マサノリさんと面談をしました。そこで、当時、既にスラグが御社のものではないかということがかなり報道されていたので、その辺についてどういう事情なのか、説明してほしい求めたんです。そのときは、全く詳しい説明をされなかったので非常に残念なんですが。それから、間もなく、記者会見等あって、排出したことを認めて、そこから70億円をかけて回収するというようなことを見て、私共としては、少し憤慨というか、気分がよくなかったんですね。そのときに、状況はよく説明してほしかったなあということを思います。なによりもやっぱり、今日こうしてお見えになっている緑の大地を守る会の皆さんが、長年にわたって苦しんできたということから見れば、地元の皆さんには率直に謝罪なり反省なりしてほしかったなあと、こういうことで、会社の見解をちょっとうかがいたいと思います。
もうひとつは、市内でのスラグが使用されたというか、路盤材として使われたということが明らかになっていないんですけれども、先ほどのスライドでは、スラグを食べなければ、ということが言われましたが、誰も食べる人などいませんから、そういう曖昧なことでなく、鉛やヒ素が混じっていたということで、水質汚染なり間接的な汚染は絶対にあり得るということはハッキリしているわけなので、市内でもし、どこそこに業者が持って行ったらしいということを、やっぱり後追いでしっかり検証して、市民に知らせてほしいと思うんですけれども、その辺について、今の時点でどうなのでしょうか。お答えいただければありがたいのですが。
これはどなたがお答えするのでしょうか。
司会:はい、では私のほうで。すいません。金井議員と櫻井議員のおふたりにお越しいただいたときに情報をお伝えしなかったということですが、その時点ではまだ、調査が始まったというかとっかかったところでして、最終需要家の把握がまだできていなかったということです。その後、販売先、弊社の顧客になりますが、こちらを通じて、いろいろと関係先について調査しているという状況でございます。その辺は大変申し訳なかったのですけれども、実際今は説明をさせていただいた段階では、まだそこまで申し上げるほどではなかったということでございます。
それともう1点、(非鉄スラグの)使用状況ということでございますが、今も、ご報告というかご相談があれば調査をしているんですけれども、その使用された場所について判明した場合ですけれども、その都度、所有者さんとか、それと管理者、行政になるんですけれども、そちらにはご報告をさせていただいております。ただ、具体的な場所等については、個人情報でございますので、回答は差し控えたいというふうに思います。いろいろがございますので。ただ、先ほど申し上げましたように、所有者様、それと関係者、行政を含むですね、そちらのほうには逐次報告するようにしております。
参加者B:ということはその時点で、じつは箕郷町のゴルフ場の付近で設置された路盤材みたいなサンプルをお見せしたときに、これはうちのスラグではない、という話があったんですが、それは間違いだと思うんです。それと、もうひとつは市内での状況なんですけれども、まあ、個人情報も有ったりして公表は難しいというもあるんですけれども、ということは、実際には使われている箇所があったということで理解してもよろしいんでしょうか。
司会:すいません。繰り返しになって申し訳ありませんが、その辺につきましては、会社で調べているとおり、当然所有者様にはご報告して説明させていただいております。同時に行政にも報告してございます。すいません。そういう対応でございます。
参加者A:市内にあるかどうかだけですよね。応答拒否?個人情報、関係ないんじゃないの?
議長:安中市内にあったということは、申し上げられないと言うことでしょうか。
司会:もうしわけございません。
議長:本社のほうはいかがですか?
環境安全室長:本社のほうからご回答申し上げますと、皆様のご心配されているのは承知していますが、ただし、説明の繰り返しとなります。実際、所有者、その他のかたのご意向もございますので、申し訳ありませんが、ちょっとお答えは控えさせていただきたいと思います。それから、スラグの監督不十分については、あらためてお詫び申し上げます。当社が把握していなくて、いろいろご説明では、お客さんのほうが判明していなかったということで、ご理解いただきたいと思います。それから、水やその他土壌のほうは心配ないのかというようなご質問でございますけれども、それにつきましては、群馬県さんがホームページで、6月26日にデータを公表してございます。
※当会注:【6月26日】東邦亜鉛(株)安中製錬所から搬出された非鉄スラグに関する使用箇所の状況について(環境保全課、廃棄物・リサイクル課)↓
https://www.pref.gunma.jp/houdou/e17g_00030.html
そのデータでは、環境への影響調査の結果では、建設資材から土壌環境基準等を超過する有害物質が検出された箇所はあるが、土壌汚染ないと確認されていないという群馬県さんの報告もございますので、あわせて、ご理解いただければと思います。
他にご質問はありますか。
参加者ら:・・・。
議長:ちょっと私のほうからご質問をさせていただきたいのですが、東邦亜鉛のほうでは、今後、非鉄スラグの問題については、これまでの段階でちゃんとどういうふうなところに問題があったというのを検証して公表する予定はあるのですか?どういう原因でどこに問題があったのかということを、きちっと社内で検証して、確定していただくということなのでしょうが。
環境安全室長:当社で、東邦亜鉛とすれば、それにつきましては、実は群馬県さんによっていろいろ調査中でございます。なので、結果がどういうふうなものになるのかということについては、ちょっと私共、ちょっとまだ分かりません。あのう、調査が済みましたらその内容を見まして、検討するようにしますので、もうしわけございませんが、今しばらく時間を頂ければと存じます。
議長:今、石井室長のほうから、いろいろ説明がありましたけれども、これで、なぜこのようなことが起きたのかということが、十分理解できたとも、思えませんし、納得したとも言えないのでやはりきちんと社内で調査を掛けて、なぜこういう事態がおきたのか、それから、対策は本当に大丈夫なのかどうか、ということをあらためてきちんと説明していただきたいと思います。それは現在具体的にどう対応するのか、そういうのは私たちも分かりませんので、そういうことも含めてきちんとした説明をこれから準備していただいて、それを説明していただきたいと思います。他になにかご質問ありますか。
参加者A:はい、議長。1点だけ。あまり時間もないので。小川でございます。いまのやりとりを拝聴して、安中市内に非鉄スラグ、鉛とヒ素のたっぷり入ったスラグが捨てられているかどうかということについて、どうも会社から煮え切らない返事なので、しかし、行政のほうには報告したということですから、私としては群馬県にそういう報告があったのかどうか、情報開示請求すると。おそらく存否応答拒否とか、忖度されるかもしれませんが、それはそれで、これはありそうだなということは間接的に分かると思うので、それをやってみたいと思います。やった結果は、皆様の情報共有させていただきたいと思います。宜しくお願いします。以上。
議長:私があまりしゃべるのは申し訳ないんですけれども、これまでにも協定等を結ぶ時にも、大きな問題がありまして、住民の意向を踏まえないということで、まあ、東邦亜鉛で働いている従業員についても、やはり会社の姿勢としてそういうところには十分思いを注意して頂かねいといけないなと思っています。今日のお答えも先程申し上げましたように、十分なものだというふうには受け取れませんので、やはり社内でより深くほりさげたご検討をしただいて、また別の機会にそれをおうかがいしたいというふうに思います。
↑締めの挨拶をする本社の大久保総務本部長。↑
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■午前11時15分頃、コロナ禍の中で、4か月半遅れで開催された恒例の第29回東邦亜鉛安中製錬所工場視察会が終了しました。
その後、安中緑の大地を守る会の役員の皆さんは、西岩井にある記念公園にあるプレハブの事務所に集い、本年度の定期総会を約1時間にわたって開きました。その結果、非鉄スラグを安中市内に投棄したのかどうか、東邦亜鉛が行政に報告したということから、情報開示等を通じて確認する必要があることを全員一致で了承しました。
本来、行政に対してこのような報告が為されているのであれば、地元議員が率先して議員特権を活用して情報開示を行政に求めて、その結果を住民に報告すべきですが、これまでのところ地元議員が誰もそうしたことを行ってきた気配がないため、守る会の事務局でも行政に開示を要請することになりました。
【9月6日追記】
8月24日付で東邦亜鉛安中製錬所の非鉄スラグの使用現場に関してこれまで群馬県に対して、同社から連絡ないし報告された情報の開示、およびその中で安中市内で非鉄スラグが使われたかどうかが分かる情報の開示を求めていた所、9月3日付で群馬県廃棄物・リサイクル課より、目一杯の2ヶ月間の開示決定延長の通知が届きました。開示するかしないかの判断は10月22日までお預けとされたのです。
開示請求の際の同課畠中次長らの対応から、直ぐに開示しそうもない雰囲気が伝わってきましたが、案の定、「対象公文書の特定及び開示決定等の審査業務に多大な時間を要する」という延長理由が示されました。
※2020年9月3日「決定期間延長通知書」 ZIP ⇒ 20200903jmimsxosgpj.zip
【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】
当日は、午前8時50分に東邦亜鉛安中製錬所の事務部のある総合事務所の2階会議室に集合しました。いつもは、事務所の1階の会議室が控室になるのですが、コロナ対策ということで、なるべく集まっている時間を短縮するため、このような措置をとったものです。
事務所の玄関先でピストル型の非接触式検温計で体温測定を受けたら、36.5℃でした。そのあとアルコール消毒液で手を満遍なく拭いてから中に入り、2階に上がっていつもの大会議室に着きました。
参加者は、それぞれ自分の名前が書かれた机に着席しましたが、筆者の名前が見当たらず、会社側に訊くと、一番奥のスライド投影用のスクリーンと、本社とのテレビ会議用ディスプレーのある側の机を指示されました。すぐ後ろの壁際には、業務用の扇風機が換気のために唸りを上げて回っています。
冷房効果を高めるためにブラインドが下ろしてあり、いつもよりかなり暗い雰囲気です。スクリーンと反対側にある窓が開いており、ブラインドを通して、風を外に出す工夫がされており、不足する冷風は、隣の部屋の冷房空気をオレンジ色の複数のダクトで会議室に導いて、外部に排出される冷気を補充して、部屋の温度が上がらないような対策が凝らされていました。
さて、午前9時の定刻になり、予定通り第29回工場視察会が始まりました。
以下はそのやりとりの模様です。扇風機の回転音がうるさいのと、東京本社からのウェブを通じた音声が聞き取りにくく、十分正確にメモがとれませんでしたので、一部、再現性の不十分な箇所があることを予めご了解ください。
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■朝の挨拶会
会社側中島正宏司会:みなさま、おはようございます。
参加者一同:おはようございます。
司会:時間より若干早いですが、皆さまお揃いということですので、本日の工場視察会、始めさせていただきたいというふうに思います。私は事務部環境管理室長を担当している中島と申します。宜しくお願いを申し上げます。本日は工場視察会での工場側の司会を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。例年4月にこの工場視察会を行っていますけれども、今年につきましては諸事情によりこの時期の開催となってしまいました。新型コロナウイルス感染予防、それと真夏での開催ということで、安全に十分に配慮しながら開催をしてまいります。感染予防のための人数制限をさせてただきます。また時間の短縮ですとか、マスクの着用、手の消毒、いろいろご協力いただきましてありがとうございます。たとえば廊下に出ていただきますと、オレンジ色のダクトがありまして、ちょっとものものしいような感じがあったかと思うのですが、換気をしながら、冷房を入れながら、ここのエアコンではちょっと間に合わなくて、今回違う部屋から冷気を入れるような工夫をしてみました。扇風機をこちら側において、こういうふうに流れをつくって、あちらのカメラを構えている…カメラのところから空気を出すというふうな、流れをこういうふうにつくるというような換気の方法を考えて、試してしていました。いずれにしても、ご注意をいただきながら視察のほうをしていただければ、というふうに思います。お手元の資料にもありますが、本日の工場視察会、終了を10時50分、まあ先程も申し上げました通り、コロナウイルス感染予防の考えで、時間短縮ということで、終了時間10時50分というふうに予定をさせていただいております。ご協力のほうよろしくお願いをいたします。
そうしましたら、会社の出席メンバー、ご紹介をさせていただきます。本日、本社の参加メンバーにつきましては、新型コロナウイルス感染症予防対策としまして、ウェブでの参加ということになりあす。モニターのほう、ご覧ください。まず、最初に総務本部長の大久保執行役員でございます。
大久保浩総務本部長:大久保でございます。本日は諸事情もあり、そちらのほうにお伺いすることができず、こちらからのウェブでの参加ということになりますがよろしくお願いします。
司会:同じく総務本部の高橋副本部長でございます。
高橋宏総務本部副本部長:高橋です。よろしくお願いします。
司会:次に、環境安全室の石井室長でございます。
石井光環境安全室長:石井です。今日はよろしくお願い致します。
司会:総務部の橋田課長でございます。
総務課長:橋田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
司会:弁護士でございます。眞田弁護士でございます。
(眞田淡史弁護士は欠席)
司会:おなじく弁護士の大坂弁護士でございます。
大坂周作弁護士:・・・(横から画面に現れ軽く会釈)。
司会:続きまして、安中製錬所のメンバーでございます。所を代表します森田執行役員所長です。
森田英治所長:どうぞよろしくお願い致します。
司会:次に製造部長の八杉部長でございます。
八杉貴雄製造部長:八杉でございます。よろしくお願いします。
司会:それと、さきほども申しましたが事務部環境管理室長を担当しております私、中島。このメンバーで本日の工場視察会、担当させていただきます。では、朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長でございます藤巻岩男さんです。よろしくお願いいたします
会長:おはようございます。
参加者一同:おはようございます。
会長:今年は梅雨が長くて毎日毎日降って、この辺ですが、こんなにぶっ続けで降るって言うことはまずなかったんですね。梅雨に貼れれば五月晴れなどといって喜んだんですが、今年はまったくそのようなことがなく、ぶっ続けで。さて梅雨が上がった。今度は毎日毎日暑い日でね。これはこれで全くもうどうにもならない。相当響いているのではないかと思うんです。そこにコロナの騒ぎで大変なことだと思います。今ね、冷房を点けていただいておりますが、コロナ騒ぎで部屋を開けなさいといわれまして、そうすると冷房も聞かない、というような状況が、今年が長く続いております。そのようななかでの今回の視察会の開催になるわけですけれどもね。まあ、例年4月なのでまだ陽気がいい時だったんですけど、先程来、話が出ているように暑い日が続いている中での実施と言うことになりまして、だいぶ体が疲労しながらと思いますが、ひとつ素人にも分かるように説明をいただきながら視察会をやっていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
司会:会長、ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして所長の森田よりご挨拶を申し上げます。
所長:マスクをとった形で大変失礼を申し上げていますが、どうぞご容赦をお願い致したいと思います。おはようございます。
参加者一同:おはようございます。
所長:昨年4月に行われました工場視察会以降、6月末に拝命されました新任の所長でございます、森田でございます。まず、はじめに当製錬所で生産されます非鉄スラグにつきましては、たいへんお騒がせをし、ご迷惑をおかげしておりますこと、まずもって、深くおわびを申し上げたいとおもいます。本年は、2月からコロナウイルス感染拡大もありまして、開催時期につきましては、さきほど会長さんから・・・会長様もお話していただいたように、安中緑の大地を守る会の幹部役員様とご相談を重ねさせていただき、まあ、真夏の猛暑と、まだ予断を許されないコロナ時期ではありますが、弊社、コロナ対策ルールに沿った形をとらせていただきまして、本日工場視察会を進めさせていただきます。さて会社の業績につきましては、米中貿易摩擦を端に発しまして、金属価格が大暴落しまして、鉱山の操業不調もございまして、2期連続の赤字と、非常に厳しい結果でございました。また足元も、コロナショックによる景気の後退の情勢にありますが、製錬所のほうは、操業は安定した状況にありまして、なんとか早いコロナの解消と、景気も浮揚となることを望むばかりでございます。従来よりも、不自由さを感じられる工場視察会ではございますが、これまで同様に、皆様のご指導ご鞭撻を頂戴いたしまして、簡単ではございますが、挨拶に代えさせていただきます。本日はどうもよろしくお願いいたします。
司会:続きまして本日の視察コース、また日程につきまして製造部長の八杉より説明をさせていただきます。
製造部長:製造部の八杉でございます。きょうはよろしくお願い致します。例年と同じく、製錬所内の製造工程、並びに公害防止設備、ご案内させていただきます。さきほど会長様からもご要望ありました。分かりやすく伝えるように努力いたします。先程、森田からもご報告いたましたけれども、操業自体は安定して行っております。設備も大きな変化はございませんので、このあたりもご案内させていただければと思います。例年と異なりますので、新型コロナ対策で、マスク着装しておりますので、ハンドマイクですと、かなり聞き取り辛いかもしれませんけれどもなるべく早口にならないように、注意して進めたいと思います。あと時期が例年4月に対して8月になってございます。この部屋は冷えてございますけれども、例えば乗り降り、冷房の温度差なり、現場で暑く感じられて体調を壊されるようなことがありましたら、遠慮なく申し出てください。もしもの時の準備として迎えの車だとか冷えた部屋だとか、準備してございます。見学についてですが、マイクロバスが1台、ワゴン車が2台準備してあります。健脚コースはマイクロバスでございますけれども、視察場所ごとにバスを降りてのご案内。よってヘルメットの着装をお願いします。バスのなかではコロナ関係のソーシャルディスタンスということで、窓側に離れてお座りいただくようにお願い致します。楽々コースのほうはワゴン車でございます。こちらは、現場に降りませんので、ワゴン車の中からの案内でございますので、ヘルメットは不要でございます。担当者が外に出て待っています。注意点をご説明いたします。1点目のお約束は写真撮影についてでございます。これについてはカメラ等の場内での持ち込みはご遠慮願いますようお願い申し上げます。健脚コースのほうはバスを降りて若干の距離ですけれども、歩きますので、足元だとか、注意して頂いて、また同時に、設備や製品には触れられないようにお願いをいたします。ではこれから、視察に入りますので、準備をしていただいて、事務所の入口のほうに移動のほう、よろしくお願いします。
司会:それでは視察に入るんですけれども、例年、工場視察の前に記念撮影をさせていただいておるんですけれども、今年については3密を避けるという意味で記念撮影については中止ということにさせていただきます。トイレを済ませていただいて、先ほど言った、現場視察ということでお願いしたいと思います。
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■配布された工場視察会のレジメによると、各コースの時間割は次の通り。
<第1班:健脚コース>
09:10 会場発
09:15 排煙脱硫着
09:25 ロータリーキルン着
09:40 K砕出荷場着
09:50 第二鋳造着
10:10 会場着(実際には予定より15分早く会場に帰着)
<第2班:楽々コース>
09:15 会場発
09:20 K砕出荷場着
09:30 第二鋳造着
09:40 排煙脱硫着
09:50 ロータリーキルン着
10:05 会場着(実際には予定より15分早く会場に帰着)
~~~~~~~~~~
筆者は現場で降りて視察できる健脚コースをいつも選択しています。3密を避けるため、マイクロバス車内各列の座席では、両方の窓側にひとりずつ着席しました。渡されたヘルメットを着装し、9時18分頃、事務所をマイクロバスで出発しました。30:15
安中製錬所の正面入口から入り、最初の視察場所に向かうマイクロバスの車内で、八杉部長から工場概要の説明がありました。
「みなさま、おはようございます。(参加者:おはようございます)先程説明させていただきましたとおり、まず工場の一番上にあがって、そっちから下りながら順に説明させていただきますのでよろしくお願いします。当社はおもに亜鉛と鉛の地金を生産しております。そのほかに、藤岡のほうで、電子部品、粉末冶金などを行っております。で、安中製錬所、当安中製錬所では、亜鉛地金、亜鉛合金、硫酸、粉末冶金など焼結部品などを生産しております。主力製品である亜鉛は、年間およそ14万トン、月に1万トンの生産能力を超えますけれども、国内の約20%のシェアを持っております。最近はコロナの関係もありまして生産は若干落ち込んでおります。生産した亜鉛の65%は自動車などに主に使われております。」
9時21分頃、いよいよ登坂に差し掛かりました。
「このあたりは、くらいなんですけれどもここから少し道が曲がりくねっています。私たちは通常では東邦スカイラインと呼んでいますが、バスが少し揺れますのでご注意ください」
■降下ばい塵の汚染元のひとつの排煙脱硫
9時25分頃、最初の視察現場の排煙脱硫装置のある場所に着きました。八杉部長の説明が続きます。
「今、排ガス工程、ここは排ガス脱硫と言われている工程なんですが、ローターリーキルンという炉から排出された排ガスを処理する工程です。炉から出たガスは、ここのTCAという吸収装置です。この工程では主に亜硫酸ガスを処理します。埃のほうは下のほうで落として、上のほうに上がってきて、亜流ガスを処理するというような工程です。この1番と言うのが亜鉛華TCAと言いまして、こちらのほうをご覧いただくと、亜鉛華TCAとかいてあります。ここでは1段目に、下からガスが入って、上に昇っていきます。吸収液というものを上から降らせて向流懸濁ですね。下からガスが入って、上から吸収液を落として気液接触させて、亜硫酸ガス、SO2ガスを吸収させます。TCAというんですが、Turbulenceは乱流ですね。中でガスを乱流させて、CはContactですので、接触すること。で、AはAbsorberという名前で、吸収するという名前でTCAという名がついています。中にこういうボール(ピンポン玉に類似)が入りまして、こういうボールが4段積みになっています。中でボールがこういうふうにコトコトコトコト動いています。おそらくこれくらいのレベル(15センチ程度)で動いていてその中をガスが通過して、そのボールに向かって吸収液を降らせますので、そこで亜硫酸ガスを吸収さして液に混じるという形になります。次に、ドーンと上に昇ったあとにガスを横引きしまして、こちらの苛性ソーダに付けます。その次の苛性ソーダのTCA、こちらも構造的には全く同じものですが、吸収材として使っているのが、亜鉛華ではなくて、ここでは苛性ソーダを使っています。苛性ソーダは亜硫酸ガスと良く反応して亜硫酸ソーダとして脱硫をしています。で、そのあと、水TCAにガスを送りまして、水で洗浄してから、あの真ん中の排気塔から大気中に放出します。一見古いですけれども、定期的に検査し、年2回のメンテナンスをして順調に稼働してます。では次の工程に行きたいと思いますので、足元に気を付けて、行きたいと思います。」
そこからマイクロバスで再び“東邦スカイライン”をくだり、途中、9時34分頃、ロータリーキルンのある現場に着きました。46:00
■K砕を生み出すローターリーキルン
「ここはロータリーキルンの工程です。先ほど見ていただいたのは、ロータリーキルンの排ガスを処理する工程です。今いるのは、そのロータリーキルンの工程です。今見えているのは、この2番の赤いものがここに見えています。約45mあります。ここの工程は、溶け残りの鉱さいというものをドライヤーである程度のところまで乾燥させます。その後、ロータリーキルンでコークスとともに供給しまして、蒸焼き状態で中にある亜鉛を揮発させます。固体から蒸気にさせます。その後に、空気のなかで参加して粗酸化亜鉛というかたちの固形物に戻します。原料は、こちらに入り、回転と共に右手の方向に流れていきます。バーナーは右手の一番末端のところに付いています。ですから、これも向流式でありまして、こちら側から、左手側から供給して、右手側がバーナー側から出すということです。出てくるものは先程申し上げた亜鉛の、商品になった固形物でなくて、これはダストというのですけれども、そこで重力沈降させながら、ガス温度を下げていく。その後、あの建物の中にバグフィルターというのがあり、そこで固形物をしっかり除去したあとに、先ほど見ていただいた排ガス工程へガスを送っていくことになります。この工程から出ていくのが、K砕が出ていきますが。残りが鉄の主成分のものです。だいたいキルンの炉内温度は1300℃くらいです。中の一番反応が進んでいるところで1300℃くらいの温度になっています。出てくるところはおよそ600℃から700℃くらいの温度で、ガスクーラーで熱交換して温度を下げた後に埃をしっかりとっていくというような形の設備であります。向こうに向かってどんどん温度が上がっています。今、蒸気があがっているのは、キルンの函体を冷やすために水をかけており、その蒸気が蒸発したのが見えています。」
参加者:水をかけているのはベアリングのところにかけているのですか?
製造部長:いいえ、水をかけているのはベアリングではなくて、函体を冷却するためにかけているんです。
参加者:中でせっかく高温を上げなければならないのに、なぜ周りを冷やさなければならないんですか?
製造部長:鉄の温度が600℃くらいなんです。外は鉄で中にレンガ積みしてあるんです。
参加者:耐火煉瓦ね?
製造部長:そうです。
参加者:それが持たなくなるからですか?
製造部長:持たなくなるのではなく、熱バランスをとっている。水をかけて熱バランスをとっています。あのあたりが一番温度が高いところです。
参加者:ではスラグはあっちから取り出すわけですね。その後、コンベアであっちに運び出すわけですね。バッチ式、それとも連続式?
製造部長:連続です。ではよろしければ、次の工程に行きます。バスのほうへお願いします。
■かつて亜硫酸ガス汚染の元凶だった古い焙焼炉群
午前9時38分頃、猛暑の中、さらに運転中の輻射熱で暑くなっているロータリーキルンの視察を終えて、マイクロバスは、再び、建物が覆いかぶさった狭くて暗い通路を通り、ふたたび東邦スカイラインに戻りました。途中、暗い通路の両側がブルーシートで覆われていました。これらは、現在は使用されなくなった古い小型の非密閉式の焙焼炉群を視察参加者の視線から遮るためのものです。かつて、筆者が子供の頃、中宿の保育園に通っていた当時、黄色い煙がこの一角からモクモクと発生し、特に冬場は北西の風になびいて通園路だった坂道(地元住民は「タテの坂」と呼んでいました。今は東邦亜鉛の敷地に組み入れられています)にも達し、保育園の行き帰りに何度もあやうく窒息しそうになった経験は今でも頭にこびり付いています。
現在は、密閉式の大型の焙焼炉が使われていますが、東邦亜鉛は公害遺産として、未だに古い焙焼炉をスクラップにせず、保存(放置?)しています。今回、東邦亜鉛安中製錬所が排出している鉛・ヒ素入りの有害な非鉄スラグの不法投棄問題が社会問題となっていることから、数年ぶりにロータリーキルンを視察ルートに組み込んだため、わざわざブルーシートで見えないように養生したとみられます。
■今でも出荷先が不透明なK砕置場
その後、東邦スカイラインをくだって、マイクロバスはK砕置場に向かいました。製造部長が優しい心遣いを見せます。
「さきほど説明したロータリーキルンから今から行くK砕置場に向かいます。さきほどの暑かったと思いますが、気分が悪くなったかたはいらっしゃいませんか?」
参加者ら:大丈夫です。(車窓から見える老朽施設に)酸性のガスに晒されるからボロボロになっている。こわいくらいだね。それにしても、なぜ取り壊さないんだろうか。スラップアンドビルトをすれば、これから行くK砕置場を新たな場所に新設する必要は無かったのに。
やがてバスは、下り坂から平坦な道に出ました。左手にたくさんのアルミ電極版が束になって置かれているのが見えました。視察者がそっちのほうに目線をやるのに気付いた製造部長が、アナウンスします。
「いま、左手に見えているのが新電解工場です。さきほど並んでいたのがアルミの、電解工場で使うカソード板が見えました。」
参加者ら:数が多いねえ。
マイクロバスはそのままK砕置場に入りました。昨年までは、新電解工場の車止めのところにバリケードを造り、50mくらい離れた場所から遠目でしかK砕置場を視察させてくれませんでした。さすがに有害な非鉄スラグの不法投棄が社会問題になっているため、K砕置場の中に、マイクロバスを入れることにしたようです。車中での製造部長の説明です。
「先程のロータリーキルンからベルトコンベヤで、こちらのK砕出荷場へK砕が送られてきます。このK砕出荷場は1万2000平米あって、ここでK砕を管理します。地面はコンクリート製でありまして、周りは高さ4mのセメント製の壁に、プラス2mのフェンスを設置してございます。粉塵や音が、場内に滞留しないように工夫してあります。まずは床面も常時湿った状態にするように、水を散水するとか、そういった管理も行っております。2016年から使用を開始いたしました。
以前は山と積まれていたスラグですが、今回は、ダンプ5台分くらいの小さな山が、仕切りの中に積まれていて、スラグが置いてある仕切りの数も10か所前後でした。マイクロバスは、K砕置場で停まることなく、そのままストック場の中央部に残置された古い変電施設の手前でぐるりと回って、次の溶解工程に向かいました。そして、午前9時42分頃、溶解工程に着きました。
■亜鉛ダストと騒音が充満する溶解・鋳造工程
製造部長が「ここで降りますが製品は熱いので触らないようにしてください。」と事前注意を喚起した後、視察者らはバスを降り、騒音が常に響いている現場に集まりました。
「ここが鋳造工場です。鋳造というのは鋳込むということです。電解工場でできたカソード亜鉛をここで製品化していきます。今目の前に見えるのがジャンボインゴットと言って、1トンあります。これは何に使うかと言いますと、自動車工場向けに使います。鋳造は、前の所で溶かした後に、お客さんの要望に応じた成分をブレンドして、お客さんの指定の型に鋳込んで、お客さんに供給します。小さいものも大きいもの、形状にはいろいろありますが、形状、サイズの異なるものが200種類ほどございます。では、次の工程に行きます。そのまま歩きます。」
といって、隣の鋳造工程に歩いて移動しました。ここは更に騒音レベルが高く、拡声器を使った説明もよく聞き取れないほどでした。
「ここでは電気亜鉛スラブというものを作っています。電気亜鉛スラブは、電気亜鉛でつくっており、スラブと言うのは板状の形のものをスラブと言います。そちらにあるのが完成品になります。1枚が20キロあり、50枚積みで、一山で1トンの量です。左手の奥に見えますのが炉になります。この製造の方法としては、調合亜鉛と同様ですね。溶解をした後、金型に流し込む。で、冷却をして金型から取り外す。離型をして、積み込む、というような工程になってございます。積み込みについてはご覧のとおりロボットにより積み込んでいます。電気亜鉛の工程については以上です。よろしければ次の工程にまいります。」
参加者:あのう、あそこに亜鉛の粉末がありますが、あれ、いつもああやってこうむき出しになっていますが、今は外側で壁を覆っているんですが、なんか、風で飛ばないんですかね。いま、亜鉛粉末の黄色の容器の蓋の上部を触ったら、亜鉛粉末がうっすらと降り積もっていました。亜鉛は直ちに毒ではないかもしれませんが、やはり、周囲に大量に排出されると具合が悪いと思われます。
製造部長:・・・。
ジャンボインゴットにしても電気亜鉛スラブについてもこれまでの視察会に比べると圧倒的に現場に置いてある物量が少なく見えました。
■新集水池以外変わり映えのしない排水処理施設
時刻は午後9時51分頃になりました。マイクロバスは視察ルートの最後の浄水工程に着きました。
「最後はここ、浄水工程です。製錬所の雑排水をここに集めて処理しています。工程内で使っている溶液などは工程内で使っているんですけれども。たとえば床の洗浄だとか、道路洗浄機だとか、こういう製錬所のなかから水がここに集まってきて処理します。処理系統図ですけれども、給水地に集められて、苛性ソーダで中和槽でアルカリに持って行きます。一般的には凝集沈殿法と言いまして、液中に溶けている重金属をペーハー調整することにより、固形物として沈殿させるという方法法であります。中和槽のあとに、シックナーでシックニングして、そのあと沈殿池でさらに浮遊物を最終的に沈殿させ、砂ろ過機を通して、機械的に除去した後に、ペーハー調整槽でいっぺん中性に戻すんですね。そして放流していくんです。2019年にできたのが、その向こうに見えますけれども第6集水池ということで新たにできて運用を開始すると。おそらくそこ以外は例年とかわらず同じ風景ではないかと思います。よろしければ、事務所に戻りたいと思います。」
浄水工程の見学用の高台から北側を見下ろすと、硫酸工場の手前に新しく作った第6集水池が見えました。池と言っても地表に、高さ3mほどの塀でグルリと囲われており、スラブ置場の感じでしたので、最初はよくわからず、その向こう隣りに見える掘った池のことと勘違いしました。その他の光景は、代わり映えしていませんでした。
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出発地の総合事務所に戻ったのは午前9時56分頃でした。ヘルメットを脱ぐと内側の紙製カバーが汗でびしょ濡れでした。
■情報交換会
事務所の2階の会議室に戻ると、既に楽々コースの視察者の皆さんが待機していました。すると会社側司会者から午前10時3分頃、説明がありました。1:08:00 1:15:00
「ご視察ご苦労様でした。予定より10分ほど早い状況でございます。予定ですと10分間休憩ということで時間をとってございますので、予定より10分早めるんですけれども、このあと10分まで休憩をしていただいて、10分から再開することにしたいと思います。宜しくお願いします」
午前10時10分になりました。現場視察の後の情報交換会の開始です。
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司会:本社のほうは、再開してよろしいでしょうか。
本社:はい、大丈夫です、よろしくお願いします。
司会:そしたら、再開をさせていただきたい、というふうに思います。大変暑い中、どうもご視察大変ご苦労さまです。暑い中で大変ではありますが、引き続きお願いしたいと思います。そうしたら意見情報交換会に移させていただきます。意見交換会で会社側の司会を務めさせていただきます中島です。引き続きよろしくお願いをいたします。それでは平成元年度の経過、ならびに、ああ、すいません、令和元年度ですね。令和元年度の経過、それと令和2年度の設備改善計画につきまして、所長の森田よりご報告をさせていただきます。
暑い中、視察のほう、大変ご苦労様でございました。それでは元年、2年にわたります当所の経過と計画についてご報告をさせていただきます。令和元年度につきましては、先ほどこの視察会でもご報告させていただきましたが、ひとつは硫黄を処理します焙焼炉の側壁更新工事の最終、元年度ですべて更新が終わったということで最終工事を行いました。あと、キルンの排ガスを吸収した中和処理槽の更新、ならびに3番目としては第2変電所の受電側の遮断機の更新工事を行いました。2年度につきましては、キルンのドライヤーにありますガラス?ギア並びにピニオンギアというところの部分の交換工事を行います。その2番目としまして、我々で呼びます造液工程の溶解槽SHL1号槽の更新と、3番目としましては西系の排水路の地上化更新工事、主だったところではこの3点の計画を進めております。工事案件については、今報告したようなところでございますが、昨年、今年度と、とりわけ老朽化した設備を含めました製錬所の整備を正確に更新して進めてゆく所存でございます。地元の皆さんのご理解のほどよろしくお願いしたいというふうに思っております。以上が平成元年度、2年度の工事計画の結果と経過でございます。それでは引き続きまして、懸案事項の報告につきましては、担当の中島のほうから報告していただきます。以上でございます。
司会:続きまして、懸案事項の報告につきまして、環境管理室中島より報告をさせていただきます。まず、公特事業推進について、でございます。2019年につきまして、昨年ですね、4月、7月、8月、10月、11月、そこで6回にわたって、安中市産業部農林課、および群馬県農政部技術支援課、こちらと情報交換を行っております。情報交換の中でご報告いただいた内容ですけれども、まず、平成31年3月に、群馬県農政部長様より、弊社社長あてに、碓氷川流域農用地土壌汚染対策計画の変更について、こういった公特事業の計画変更が通知をされております。内容につきましては、岩井畑地区の事業計画面積の変更があります。3.72haから2.18haに変更がされております。2つ目として、土取場、客土の取得地ですね。こちらの変更ということで、安中市鷺宮、上間仁田、中野谷、こういったところが今迄の土取場だったのですが、これが西毛広域幹線道路の施工地、それと、利根川河川改修施工地、こういうふうに変更がされています。3つ目が、排土厚区分の追加でございます。変更前が15、30cm。この2区分でございましたが、ここに45cmというものが追加されたということです。おもにこの3点が計画の変更点ということです。それ以降、打合せを何度か重ねましたけれども、5月30日に開催されました公特事業推進委員会本部役員会、これ正式名称かどうか、私はわからないんですけれども、こちらで事業の進みそうな場所から進めるということを確認したというふうに伺っております。岩井畑地区については、原状回復方式で工事に着手する、ということが確認されたという報告をうかがっております。岩井畑作地区公特事業の工事の内容につきましては、3点ほどお話いただいたのですが、排土置場について、それと客土の搬入手段について、事業費、この3点について概略ですけれども報告を受けたということです。令和2年、今年になってから、2月に野殿地区におきます土壌整備事業計画のなかで、急峻地形部の計画について検討するための地元説明会、こちらが開催されたというふうに聞いています。こちらの流れにつきましては、会社のほうにも、説明会を開くようになっておるのですが、残念ながらまだ、この説明についてはうかがっていないということで、これから説明を受けると言うことになっております。3月に弊社と群馬県知事との間で承諾書の取り交わしが行われました。内容については2点ございまして、碓氷川流域農用地土壌汚染対策事業、岩井畑地区に限るのですが、ここにかかる費用負担について、それと排土の受入れについての承諾書。こちらについて弊社と県知事の間で承諾書の取り交わしが行われました。これに合わせて、群馬県、安中市の費用負担割合について、協定を締結したということでお聞きしております。簡単ではございますが、以上が、情報交換の概要でございます。公特事業につきましては、皆さまのほうがご承知の部分が多いのだと思います。それ以外の報告について、ご存知であれば、この場でお聞きできればというふうに思います。続きまして、令和元度産米のカドミウムについて述べます。例年、カドミウムの濃度については安中市さんが調査を行っているということですが、今年については調査が行われなかったというふうに聞いております。まあ、ずっと例年問題ないということで、調査をやらなかったということでございます。ただ、令和2年度につきましては調査を再開するというふうにうかがっております。高崎市、こちらの検査結果ですけれども、こちらについては異状なしということで報告をいただいています。以上、会社が把握している令和元年度の結果で、少し端折った部分もありますが、詳細部分についてはご質問いただければ、それにお答えする形で、ご理解いただければというふうにお願いいたします。
■非鉄スラグ問題に関する説明
司会:で、続きまして非鉄スラグの問題につきまして、環境安全室の石井室長より、説明をさせていただきます。正面にプロジェクターを用意してございますので、こちらをご覧いただければと思います。それでは石井室長、よろしくお願いをいたします。
環境安全室長:はい、それでは東京からちょっと遠隔ではございますが説明をさせていただきます。宜しく終え外いたします。たぶん、いろいろお聞き苦しい点があろうかと思いますが、ご容赦お願いいたします。それでは正面のスライドをご覧ください。
まず題名でございます。「非鉄スラグ(K砕)について」ということで簡単にご説明させていただきます。では次のスライドお願いいたします。
この1枚目は製造工程でございます。これにつきましては、前からコンセプト等、報告しておりますので、ご承知のかたも多いかと思いますが、あらためてご説明させていただきます。まず、いろいろ皆様にご心配ご懸念をおかけしておりますK砕について、どんなものか、どういう工程でできたかということをご説明いたします。まず、亜鉛の原料であります鉱石。簡単に申しますと硫酸に溶かしまして、それを電解工程にかけまして純度の高い亜鉛を作ります。それを指定の型にして、各ユーザー様の用途に合わせてから供給することが安中製錬所の大きな仕事になります。ではK砕とは何かと申しますと、先ほど申しました原料を硫酸に溶かすわけですが、溶け残りのものがやはり出るわけです。それが濾過分離回収物というものであります。で、ロータリーキルン、ご覧いただいたと思いますが、あの丸い大きな円筒形のものに高熱で熱を掛けます。それで亜鉛分はガス状で発生します。残った者につきまして、それを粉砕いたしまして、それから磁石に、それが磁選機というところでございます。その後、粉砕したものを、それをK砕というふうに呼んで、私共は外部に出荷しているということでございます。それでは次のスライドをお願いいたします。
K砕の成分というものが、カラーでご覧いただけるかと思いますが、まず主成分がそこにございます鉄分でございます。だいたい30%から40%くらいになろうかと。というのは、用いているものによって、若干違っているからです。炭素、それからケイ素、カルシウム等がそこにございますとおり合計いたしますと、まあ、現在の手元の数字で申しますと、ケイ素、カルシウム、それから炭素を合計いたしますと、50%から60%くらいということでございます。それから先程申しました鉄分が30%から40%ですので、ほぼ90%以上がそういうことになります。では残りは何かと申しますと、そこにあるとおり、亜鉛、それから鉛、まあ一部ヒ素等というふうにご理解いただければと思います。で、現在の、これはほぼ現在の数字ですが、過去にも若干数字のほうは異なってくるものがあります。では、次のスライドをお願いします。
K砕の用途でございます。過去にいろいろご説明しましたが、従来からそもそも、昔の段階では、K砕というのは鉄原料として、セメントに混入していたわけですが、セメントさんがいろいろ販路の問題で受け入れを絞ったために、いろいろ心配をしておりました。それで、この用途としては、そこにございますとおり、鉄原料、セメント原料とあって、あと防音建材、路盤材等ということになってございました。で、路盤材につきましては、そこにございますとおり、2016年、いまから4年前の4月に出荷を停止して、現在では、鉄原料、セメント、防音建材ということで出荷してございます。K砕はさきほど申しました、鉄原料、それから遮音・・・防音建材、セメント原料でございますけれども、それぞれ各販売先に出荷しまして、で、販売先から、最終の使用先にそれぞれ送られているということになります。それでは次の洲ランドですね。
では、いろいろ皆様ご心配しておられるかと思いますが、なぜこういったことが起きたかと申しますと、問題発生の原因と言うことで、販売先に対しまして、当社の管理監督が非常に不十分でございました。それから一部で敷砂利等、不適切な使用がなされているというような場合がございました。これらについては、ひとえに当社の反省点ということでこの場を借りてあらためてお詫び申し上げます。では、次のスライドをお願い申し上げます。
で、再発防止でございますが、さきほど申しました当社のいろいろな問題が原因だということで、組織として、東邦亜鉛の組織として、取り組まなければならないと。まず1点目は従来は品質管理に問題があったということで、当社の技術部の下にあった品質保証の業務を、品質保証室というものを新たに設けて、で、その部門において、その安中製錬所を含めまして、各部門を統括管理するということで、品質保証体制を、品管体制を強化してございます。あわせまして、従来総務本部のなかにありました、環境安全部門を、環境・安全室という形にして、社長の直属のかたちにいたしまして、安中製錬所を含めまして、各工場、各事業部門を統括して、環境部門に関する課題をあらためて整理してやるようにしたいと思います。で、次のスライドをお願いします。
これまでの対応と今後の対応でございます。K砕につきましては、使用先の特定ということで、まあ、これまでにわかっているところは調査して、ちょっと今もなお調査を進めているところでございます。それから、行政機関および関係者と協議をしてまいるとともに、K砕だとあらためて発見された場合は、撤去回収作業をしてまいります。それから昨年来、新聞等に公告をだしていますし、当社のホームぺージにも広く情報のご提供をおねがいしております。併せましてお願いでございますが、もしなにか気になる点がございましたら、ご連絡いただければ、当社としてもなんからの調査の上、対応させていただきたいと考えております。宜しくお願い致します。
最後に、K砕による健康への影響ということでご説明します。ではどんな問題があるかということですが、K砕を含んだ土壌を食べた場合に、そうしますと、腹痛とか、悪寒、貧血等、そのような症状が出る可能性があるというふうに言われております。あのう、現在調査の段階で、土壌関係におきまして、有害な成分が周りの土壌を汚染しているということは、いまのところ報告されていませんので、基本的には大きな心配はない。ただし、ここにあるようにK砕を含んだ土壌を口に入れるような場合は少し問題があるということで、実際には口に含む可能性は個人的にはあまりないと思っております。えー、それでは簡単な説明ではございましたけれども、以上で説明を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
司会:我々のほうとしては以上でございます。以降の進行につきましては高坂先生にお願いしたいと思います。高坂先生よろしくお願い致します。
高坂隆信議長:皆様きょうはどうもご苦労様でした。それでは、さきほどの会社からの説明、あるいは普段から疑問に思っていること、その他なんでも結構ですので、ご質問なりお願いしたいと思います。
参加者A:まずよろしいでしょうか。
議長:はいどうぞ。
参加者A:北野殿の小川でございます。
司会:マイクの準備をしますので、お待ちください。
参加者A:北野殿の小川でございます。大変お世話になっております。本社の皆様もいつもお世話になります。いろいろ話したいことがあるので、もうあと25分しかないということで、20分か、15分か、手短に絞って質問します。非鉄スラグの件は、また別途東邦亜鉛さんのほうにいろいろ質問なり、お願いしたいと思います。なぜ、非鉄スラグを排出しなければならないかというプロセス上の問題についてもいろいろ申入れしたいことがございます。今日は、とくに降下ばいじんについては定期的に群馬県のほうから、情報公開してもらっているんですけれども、今回、ふと思い立ちまして公開請求したところ、たまたま先週出てきた。
※情報開示請求と開示資料一式 ZIP ⇒ 202008071mojmj.zip
202008072mojmj.zip
202008073mojmj.zip
なので、今朝エクセルでまとめたんですが、これみて、まだ寝起き直後だったのでちょっと数字が間違っているかもしれません。
↑降下煤塵調査結果(平成30年4月から令和元年4月)↑
↑降下煤塵調査結果(令和元年5月から令和2年6月)↑
※降下煤塵調査結果(平成30年4月から令和2年6月)ZIP ⇒
oi30n4a2n6nccgj.zip
ですが、これを見ると、6月のカドミウムと鉛の排出量、県は毎月1回測定しているのですが、5月16日から6月16日の間に、これを見ますと、いつもは、カドミウムは0.1kg/km2/月。1ヶ月当たり、1平方キロあたり、0.1kgか0.2kgなんですが、なぜか、工場の安中駅に近いところにある地点で、0.4kg。つまり3倍くらい多いんですね。それから北野殿の工場に近いところでも、0.71kgと出ているんですよ。これと符号するように、鉛についても、普段は1平方キロあたり0.8kgか1kgくらいなんですが、6月、先々月のコロナの最中、中宿の安中駅近くのところで、2.47kg、北野殿のところが5.84kgで、例年の数値の数倍、4、5倍に増えています。これ、どういうことなのか。会社のほうでも、毎月同じ近くの地点で測定しているはずで、まあ、こちらのほうは、企業秘密ということで一切公開していませんが、群馬県のこれ見ると、なぜ6月に突出しているのか、5月も少し多くなっており、コロナの時期に手を抜いて操業したのではないかと。人が休んでいた時にね。というような懸念が感じられますが、一応この原因について、お疑いでしたら、県に情報公開してください。あとで差し上げてもよいです。よく原因を究明して、とくにカドミウムと鉛は特定有害物質ですから、本来ゼロでなくてはならない。この対象区の太田市にある、たしか社会福祉事務所だったか、これと比べると桁が1桁ないし2桁違うんです。多いんです。だから再汚染がどんどんしているんでね。少しでも減らすような、限りなくゼロにするような配慮。そのためには、なぜ5月から6月にかけて、急に増えているのか、7月はもっと増えているかもしれませんけどね。これ、徹底的に調査してもらいたいんですよ。以上。どうぞ。
議長:今、数字がありましたけれども、県の公表した資料と言うことですね。
参加者A:そうです。県はカネを払って業者に1年契約で、測定させているんです。毎月1回4箇所、それと太田市に対照区として、汚染されていないところということでね。これは毎月やっています。
議長:そこで、6月は去年の月に比べて多いと言うことですね。
参加者A:そうです。
議長:会社では、県の数値は把握されているんですか。
司会:群馬県の測定値というのはデータの把握は出来ていません。さきほど、小川さんがいったように弊社が独自に降下ばいじんについては毎月測定はしてございます。ただそれは、社内の自主測定ということになります。今、小川さんがおっしゃったような数値は、実際に県に情報を請求して、その数字が本当なのかと、いうことで、原因を追究していきたいと思います。
議長:今の段階で、会社のほうから、こういう事情だと言うことはご説明いただけない?
司会:すいません。5月、6月の値が、特別なのかどうか、弊社でのデータでも、毎月ばらつきがございます。時期によってもばらつきが出てきます。毎月測っているんですけども、5月、6月はどうだったかというと、高ければたぶん私、数字を覚えているんですけれども、しかしそういう記憶がないので、特別なことがあったのかと言われると、認識はないので、そこまで高かくはなかったのではないのかなと。自主調査で言えば、ですね。ただ、小川さんのまずその数値を確認したい。その数字をいただいて、弊社の本社とも検討したい。
議長:それは、またあとでまとめて協議の場でご回答いただくということで、いいですか。
司会:そうですね。比較して原因調査をしたいというふうに思います。そして、それについても報告していきたいと思います。
議長:よろしいですか。
参加者A:ええ。ここに1部余りがありますけれどもね。もしあれでしたら差し上げてもよいですよ。そうすれば、わざわざ県に行かなくても調査ができると思います。いずれにしても、調査をするのはいいんですけれども、その結果は、タイムリーに迅速に公表してもらわないといけないんです。これ重要なポイントですから、今ここで申し入れておきますから。
では調査の結果は、協議の場でご回答いただくということでよろしいですか?
司会:はい。
参加者B:すいません。市会議員の金井久男です。私は2件ほど会社に見解をお願いしようと思います。1件目は昨年の3月20日に櫻井ひろ江議員と二人で、当時騒がれていた非鉄スラグの問題で、実情を聞きたいと言うことで、御社にうかがって、本社総務課のナガオカ・マサノリさんと面談をしました。そこで、当時、既にスラグが御社のものではないかということがかなり報道されていたので、その辺についてどういう事情なのか、説明してほしい求めたんです。そのときは、全く詳しい説明をされなかったので非常に残念なんですが。それから、間もなく、記者会見等あって、排出したことを認めて、そこから70億円をかけて回収するというようなことを見て、私共としては、少し憤慨というか、気分がよくなかったんですね。そのときに、状況はよく説明してほしかったなあということを思います。なによりもやっぱり、今日こうしてお見えになっている緑の大地を守る会の皆さんが、長年にわたって苦しんできたということから見れば、地元の皆さんには率直に謝罪なり反省なりしてほしかったなあと、こういうことで、会社の見解をちょっとうかがいたいと思います。
もうひとつは、市内でのスラグが使用されたというか、路盤材として使われたということが明らかになっていないんですけれども、先ほどのスライドでは、スラグを食べなければ、ということが言われましたが、誰も食べる人などいませんから、そういう曖昧なことでなく、鉛やヒ素が混じっていたということで、水質汚染なり間接的な汚染は絶対にあり得るということはハッキリしているわけなので、市内でもし、どこそこに業者が持って行ったらしいということを、やっぱり後追いでしっかり検証して、市民に知らせてほしいと思うんですけれども、その辺について、今の時点でどうなのでしょうか。お答えいただければありがたいのですが。
これはどなたがお答えするのでしょうか。
司会:はい、では私のほうで。すいません。金井議員と櫻井議員のおふたりにお越しいただいたときに情報をお伝えしなかったということですが、その時点ではまだ、調査が始まったというかとっかかったところでして、最終需要家の把握がまだできていなかったということです。その後、販売先、弊社の顧客になりますが、こちらを通じて、いろいろと関係先について調査しているという状況でございます。その辺は大変申し訳なかったのですけれども、実際今は説明をさせていただいた段階では、まだそこまで申し上げるほどではなかったということでございます。
それともう1点、(非鉄スラグの)使用状況ということでございますが、今も、ご報告というかご相談があれば調査をしているんですけれども、その使用された場所について判明した場合ですけれども、その都度、所有者さんとか、それと管理者、行政になるんですけれども、そちらにはご報告をさせていただいております。ただ、具体的な場所等については、個人情報でございますので、回答は差し控えたいというふうに思います。いろいろがございますので。ただ、先ほど申し上げましたように、所有者様、それと関係者、行政を含むですね、そちらのほうには逐次報告するようにしております。
参加者B:ということはその時点で、じつは箕郷町のゴルフ場の付近で設置された路盤材みたいなサンプルをお見せしたときに、これはうちのスラグではない、という話があったんですが、それは間違いだと思うんです。それと、もうひとつは市内での状況なんですけれども、まあ、個人情報も有ったりして公表は難しいというもあるんですけれども、ということは、実際には使われている箇所があったということで理解してもよろしいんでしょうか。
司会:すいません。繰り返しになって申し訳ありませんが、その辺につきましては、会社で調べているとおり、当然所有者様にはご報告して説明させていただいております。同時に行政にも報告してございます。すいません。そういう対応でございます。
参加者A:市内にあるかどうかだけですよね。応答拒否?個人情報、関係ないんじゃないの?
議長:安中市内にあったということは、申し上げられないと言うことでしょうか。
司会:もうしわけございません。
議長:本社のほうはいかがですか?
環境安全室長:本社のほうからご回答申し上げますと、皆様のご心配されているのは承知していますが、ただし、説明の繰り返しとなります。実際、所有者、その他のかたのご意向もございますので、申し訳ありませんが、ちょっとお答えは控えさせていただきたいと思います。それから、スラグの監督不十分については、あらためてお詫び申し上げます。当社が把握していなくて、いろいろご説明では、お客さんのほうが判明していなかったということで、ご理解いただきたいと思います。それから、水やその他土壌のほうは心配ないのかというようなご質問でございますけれども、それにつきましては、群馬県さんがホームページで、6月26日にデータを公表してございます。
※当会注:【6月26日】東邦亜鉛(株)安中製錬所から搬出された非鉄スラグに関する使用箇所の状況について(環境保全課、廃棄物・リサイクル課)↓
https://www.pref.gunma.jp/houdou/e17g_00030.html
そのデータでは、環境への影響調査の結果では、建設資材から土壌環境基準等を超過する有害物質が検出された箇所はあるが、土壌汚染ないと確認されていないという群馬県さんの報告もございますので、あわせて、ご理解いただければと思います。
他にご質問はありますか。
参加者ら:・・・。
議長:ちょっと私のほうからご質問をさせていただきたいのですが、東邦亜鉛のほうでは、今後、非鉄スラグの問題については、これまでの段階でちゃんとどういうふうなところに問題があったというのを検証して公表する予定はあるのですか?どういう原因でどこに問題があったのかということを、きちっと社内で検証して、確定していただくということなのでしょうが。
環境安全室長:当社で、東邦亜鉛とすれば、それにつきましては、実は群馬県さんによっていろいろ調査中でございます。なので、結果がどういうふうなものになるのかということについては、ちょっと私共、ちょっとまだ分かりません。あのう、調査が済みましたらその内容を見まして、検討するようにしますので、もうしわけございませんが、今しばらく時間を頂ければと存じます。
議長:今、石井室長のほうから、いろいろ説明がありましたけれども、これで、なぜこのようなことが起きたのかということが、十分理解できたとも、思えませんし、納得したとも言えないのでやはりきちんと社内で調査を掛けて、なぜこういう事態がおきたのか、それから、対策は本当に大丈夫なのかどうか、ということをあらためてきちんと説明していただきたいと思います。それは現在具体的にどう対応するのか、そういうのは私たちも分かりませんので、そういうことも含めてきちんとした説明をこれから準備していただいて、それを説明していただきたいと思います。他になにかご質問ありますか。
参加者A:はい、議長。1点だけ。あまり時間もないので。小川でございます。いまのやりとりを拝聴して、安中市内に非鉄スラグ、鉛とヒ素のたっぷり入ったスラグが捨てられているかどうかということについて、どうも会社から煮え切らない返事なので、しかし、行政のほうには報告したということですから、私としては群馬県にそういう報告があったのかどうか、情報開示請求すると。おそらく存否応答拒否とか、忖度されるかもしれませんが、それはそれで、これはありそうだなということは間接的に分かると思うので、それをやってみたいと思います。やった結果は、皆様の情報共有させていただきたいと思います。宜しくお願いします。以上。
議長:私があまりしゃべるのは申し訳ないんですけれども、これまでにも協定等を結ぶ時にも、大きな問題がありまして、住民の意向を踏まえないということで、まあ、東邦亜鉛で働いている従業員についても、やはり会社の姿勢としてそういうところには十分思いを注意して頂かねいといけないなと思っています。今日のお答えも先程申し上げましたように、十分なものだというふうには受け取れませんので、やはり社内でより深くほりさげたご検討をしただいて、また別の機会にそれをおうかがいしたいというふうに思います。
↑締めの挨拶をする本社の大久保総務本部長。↑
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■午前11時15分頃、コロナ禍の中で、4か月半遅れで開催された恒例の第29回東邦亜鉛安中製錬所工場視察会が終了しました。
その後、安中緑の大地を守る会の役員の皆さんは、西岩井にある記念公園にあるプレハブの事務所に集い、本年度の定期総会を約1時間にわたって開きました。その結果、非鉄スラグを安中市内に投棄したのかどうか、東邦亜鉛が行政に報告したということから、情報開示等を通じて確認する必要があることを全員一致で了承しました。
本来、行政に対してこのような報告が為されているのであれば、地元議員が率先して議員特権を活用して情報開示を行政に求めて、その結果を住民に報告すべきですが、これまでのところ地元議員が誰もそうしたことを行ってきた気配がないため、守る会の事務局でも行政に開示を要請することになりました。
【9月6日追記】
8月24日付で東邦亜鉛安中製錬所の非鉄スラグの使用現場に関してこれまで群馬県に対して、同社から連絡ないし報告された情報の開示、およびその中で安中市内で非鉄スラグが使われたかどうかが分かる情報の開示を求めていた所、9月3日付で群馬県廃棄物・リサイクル課より、目一杯の2ヶ月間の開示決定延長の通知が届きました。開示するかしないかの判断は10月22日までお預けとされたのです。
開示請求の際の同課畠中次長らの対応から、直ぐに開示しそうもない雰囲気が伝わってきましたが、案の定、「対象公文書の特定及び開示決定等の審査業務に多大な時間を要する」という延長理由が示されました。
※2020年9月3日「決定期間延長通知書」 ZIP ⇒ 20200903jmimsxosgpj.zip
【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】
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