市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

セクハラで有罪判決を受けた前橋市元職員の退職手当返還を求め住民監査請求!

2019-12-23 21:44:00 | 前橋市の行政問題
■公務員のズサンな勤怠管理で多額の血税が失われていることは各地の事例で明らかですが、不祥事件が多発する前橋市の場合、やはりきちんとした職員管理ができていないことが大きな要因の一つと思われます。そこで、当会では不倫相手の職員の時間外手当を不正に認めていた前橋市役所の実態を正すべく、現在住民訴訟中ですが、今年6月28日に前橋地裁で強制わいせつの罪による懲役6か月、執行猶予3年の有罪判決がこの職員に対して言い渡されました。常識的には、禁固以上の刑事罰を受けた場合には、いったん退職手当が支給された後であっても、自治体は元職員に対して退職手当の返納を命じうるはずです。そこで、きちんと退職手当を取り戻したのかどうか、あるいは取り戻すつもりがあるのかどうか、を前橋市に確かめるため、本日、住民監査請求を前橋市長あてに提出しました。

監査委員事務局のある前橋市役所6階のレイアウト。
【12/24緊急追記!】が記事末尾にありますので、ぜひご覧ください。
 今回の情報公開に先立ち、当会では、2019年10月25日付で、次の行政情報公開請求書を前橋市長に提出していました。
※行政情報公開請求書 ZIP ⇒ 20191025osjicej.zip

 その結果、前橋市長から次の情報部分公開決定通知書が届き、それに基づき、関連情報が開示されましたが、肝心なところは黒塗りされていました。
※前橋市部分公開決定通知書及び部分開示情報(黒塗りだらけ) ZIP ⇒ 20191112osjmyjihj.zip

 いずれにしても、この結果、有罪判決により退職金支払いへの影響は何もない事だけは確認できました。そのため、本日、元職員に対して、公金から不当に支払われた退職金の返還を求めるための住民監査請求を、前橋市役所の住民監査委員事務局の窓口で提出したわけです。

 さっそくその中身を見てみましょう。

*****住民監査請求書*****
              前橋市職員措置請求書

 前橋市長に関する措置請求の要旨

1 請求の要旨
(1) 誰が(請求の対象となる執行機関又は職員)、いつ、どのような財務会計上の行為をしたか(又はしなかったか)
 平成28年当時、南橘公民館長をしていた石田健一(以下「石田」という。)は、同年12月28日の午後6時ごろから午後8時ごろまでの間に、市内荒牧町4-10-38の荒牧大衆酒場おやじサーカスの2階で、床に座っていた女性嘱託職員(以下「被害者」という。)に対して、その背後に座り、両膝を被害者の臀部付近に密着させつつ、被害者の両脇に腕を突っ込んで、着衣の上から被害者の両乳房を両手でつかんで持ち上げることで、強いてわいせつな行為をしたとして、罪名・罰条は強制わいせつ(平成29年法律第72号による改正前の刑法176条)で、平成31年3月29日付で強制わいせつの罪名で起訴がなされました。
 この事件はその後、前橋地裁において、同年5月12日の第1回公判、同6月12日の第2回公判を経て、6月28日に開かれた判決公判で、水上周裁判官が石田に対して懲役6カ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡されました。
 一方、前橋市は、石田が強制わいせつ容疑で警察の事情聴取中であるにもかかわらず、平成30年8月22日に石田と思しき職員に対して、総務部職員課による「退職手当の支給について」と題する伺いに基づき、翌8月23日に総務部長が決裁して、年月日不明ながら、退職金を支給した。
 また、同じく平成30年12月20日に、石田と思しき職員を含め5名を対象に「平成30年度給与改定による退職手当の差額支給について」と題する伺い書に基づき、同日12月20日に総務部長が決裁し、年月日不明ながら差額支給が行われました。

(2) それはどのような理由で違法又は不当であるのか
 上記の通り、石田は強制わいせつ罪で被害者から被害届が警察に提出され、被疑者として警察から事情聴取をなされていたのもかかわらず、起訴されると退職金の支給に影響されることを職員課から耳打ちされたとみえて、急遽退職願を職員課に提出した可能性があります。
 起訴の可能性を残しているにもかかわらず、石田に退職を促し、起訴された場合の退職金不支給をさとった石田が退職届を提出すると、それを躊躇なく受理し、退職金および退職手当の差額を支給したことは、職員課の犯罪的行為であるというしかありません。
 実際に石田は、前述の通り、令和元年3月末に起訴され、同年6月28日に懲役6か月が言い渡され、14日以内に控訴しなかったことから、懲役刑が確定しました。
 よって、いったん退職手当が支給された後であっても、石田は禁錮以上の刑に処せられたのですから、石田に対して、前橋市は退職手当の返納を命じうるはずです。

(3) その結果、前橋市にどのような損害が生じたのか
 石田支払われたままの退職金と退職手当差額は、請求人が前橋市長に開示支給をしたにも関わらず、当事者の不利益になるとして不開示とされたため、遺憾ながら不明です。
 請求人は、退職金と退職手当差額、および支給されてから現在に至るまでの法定利息の総額が前橋市が被っている損害であると認識しております。

(4) 監査委員にどのような措置を講じることを求めるのか
 よって、監査委員におかれては、市長(職員課)に対して、石田に支払った退職手当の総額の返還を命じるよう、必要な措置を求めます。さらに、それらの法廷利息に相当する金額については、職員課の責任者である当時の決裁者に対して、損害として前橋市に賠償するよう、必要な措置を求めます。

2 請求者
  ・ 住 所 前橋市文京町一丁目15-10
  ・ 氏 名 鈴木庸    印  (自署・押印)
  ・ 連絡先 027-224-8567


 地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添えて、必要な措置を請求します。

令和元年12月23日

 前橋市監査委員 殿

=====別紙=====

                事実証明書


1 平成30年8月22日起案「退職手当の支給について(伺)」
ZIP ⇒ 20191223p.zip

2 平成30年12月20日起案「平成30年度給与改定による退職手当の差額支給について(伺)」
ZIP ⇒ 20191223q.zip
**********

■現在、2020年2月2日告示、2月9日投開票予定の前橋市長選を巡り、保守系の候補者が早くも4名乱立している前橋市ですが、さらに革新系からも候補者擁立の動きがあるようです。どなたが次期市長に選ばれるのか予断を許しませんが、次期市長にはくれぐれも職員倫理の徹底化に力を入れてほしいものです。

 なぜなら、前橋市役所の職員の不祥事件は後を絶たず、今年1月23日には、とうとう殺人事件を起こした職員も現れてしまったからです。

 前橋市は昨年5月、拾った財布から現金を抜き取って盗んだとして、環境部の主任清掃技師の50代男性を停職3カ月の懲戒処分としました。同年6月には、部下の女性にセクハラ行為をしたり、飲酒運転をしたりするなどしたとして、40代の管理職の男性を停職9カ月の懲戒処分とし、降任させていました。ところが、この管理職男性の場合、停職中に退職願が出され、それを職員課が認めた為、退職手当が満額支給されてしまった可能性があります。

 これでは前橋市民の血税がいくらあっても足りません。泥棒に追い銭状態の市役所ですから、職場倫理が一向に改善されず、また徹底されないのも無理はありません。

■検察からセクハラで起訴され、有罪判決を受ける可能性がある職員に、「起訴される前に、退職願を出して退職手当をもらっておいたほうがいいよ」などと職員課が当該セクハラ職員にささやいたとすれば、これほど市民を愚弄する行為は他にありません。

 監査委員には徹底的にこの件について監査をしてもらいたいと思います。

【12/24緊急追記】
 昨日、当会は、セクハラ・飲酒運転・文書偽造等をしでかした元職員にかかる退職金(役所用語では、退職手当)支払いの不当性について住民監査請求書を前橋市監査委員事務局に提出し、併せて記者クラブにも情報を投げ込んでおきました。
 すると、驚いたことに、その後、監査委員事務局の上柿職員から「職員課が条例に則り退職手当の返納を検討しているところなのでその結果がはっきりするまで前橋市職員措置請求を待ってほしい」として、当会に住民監査請求書を取り下げるように、連絡がありました。
 「元職員の退職金が返還されたときには報道機関に報告する」とも言っていました。
 当会の住民監査請求書は、監査委員に対して提出したものです。なのに、なぜ監査委員事務局の職員が、上記のように「職員課で検討中だから取り下げてくれ」などと、言えるのでしょうか。
 どう考えても、当会が住民監査請求書を提出した為、前橋市職員課が慌てだして、「元職員の退職手当返納を検討中だから」などと理由を急遽取り繕い、監査委員事務局に圧力を掛け、同じ職員同士のため、事務局の職員がふたつ返事で「よっしゃ、オンブズマンに取り下げるようにいってやる」と請負い、自らの立場をわきまえずに当会に通知してきたものとみられます。
 そもそも、以前、当会が前橋市に出した情報公開請求書のなかで、開示対象情報について、次のように記載していました。
ーーーーー
東京新聞群馬版2019年6月29日付で「前橋市のそれぞれ退職した女性嘱託職員が男性管理職にセクハラ被害を受け、男性が強制わいせつ罪で起訴された事件の判決公判が二十八日、前橋地裁で開かれた。水上周(あまね)裁判官は『多数の部下がいる中での犯行は大胆で悪質。他方、前科前歴がないなどの事情もある』と述べ、懲役六カ月、執行猶予三年の有罪判決を言い渡した。」と報じられました。このことについて、男性管理職に対して支払われた退職金に関する次の情報。
①支払い金額。
②支払い日
③支払い経緯と根拠(起訴された刑事事件の容疑がどのように支払根拠に影響を与えたのか否かが分かる情報を含む)
ーーーーー
(4)ところが11月8日以降に公開された情報は、平成30年8月の退職手当支払いと、平成30年12月の退職手当の差額支払いの起案と決裁に関するまでの情報だけで、上記の③支払い経緯と根拠(起訴された刑事事件の容疑がどのように支払根拠に影響を与えたのか否かが分かる情報を含む)については、なにも公開されませんでした。
 なので、前橋市は、先月11月8日までは、元職員から退職手当を取り戻すための行動をなにも取っていないことは明らかですので、今回、住民監査請求で、元職員の退職手当をきちんと取り戻せという勧告を監査委員に求めているわけです。
 それなのに、「元職員の退職手当返還請求は職員課が条例に則り返還手続きを検討しているところなのでひとまず取り下げてくれ」と監査委員事務局の職員が当会に通知してくること自体、ルールを歪めてしまっています。
 ぜひ、監査委員には、前橋市職員の妨害にめげず、きちんと元職員に対する退職手当返還に向けた手続きが正当に為されてきたのかどうか、前橋市職員課や関連部署を徹底的に監査し、結果を公表してほしいと強くお願いしたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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