■昨年12月25日のタゴ51億円事件にかかる群銀との和解20年目の和解に関する市民向け報告会に集った住民の方から報告のあった市内二カ所に投棄された得体のしれない土砂物質について、新年早々、現地調査を行った当会は、1月9日付けで安中市長に報告をしていました。その後、無しのつぶてのため、1月30日に環境政策課に電話をしたところ、「秘書課のほうでまとめており、もう少し時間がかかると思います。2月中旬ごろ回答があると見込まれます」というので、待っていたところ、2月16日に回答がありました。この経緯をご報告します。

↑安中市内の運転開始ソーラー施設出力累積。この5年間で5倍に増加!これには今年1月3日に運転を開始した安中ソーラー合同会社のメガソーラーの出力63.2MWは含まれていない模様。↑

↑安中市内の運転開始ソーラー施設件数累積。この5年間で倍増!↑
当会が安中市長あてに提出した報告内容は次の通りでした。
*****市長への報告*****
2020年1月9日
〒379-0192 安中市安中1-23-13
安中市長 茂木英子 様
(建設部都市整備課、市民部環境政策課)
〒379-0114安中市野殿980
小川 賢
携帯090-5302-8312
Eメール ogawakenpg@gmail.com
件名:市内ソーラー発電施設造成地の土砂条例違反の疑義のある現場について(報告)
平素より、秩序ある街のインフラ整備と市民の安全・安心な環境維持のため、ご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
さて、先日、市民の方から、次の2か所において、不自然な形質の土砂が埋土や盛土として使用されている現場があるとの報告があり、実際に現地を訪問して調査した結果を次に報告します。
【現場その1】国道18号沿いの郷原の妙義道常夜燈の隣のソーラー施設
国道18号線と旧中山道の交わる交差点脇に、セブンイレブン安中郷原店(〒379-0135 群馬県安中市郷原1475-1)があり、国道18号線の交差点を隔てた向かい側に、郷原の妙義道常夜燈があります。そのすぐ隣に、最近できたと思われるソーラー発電施設があります。

↑郷原の妙義道常夜燈。↑

↑施設表示板を見ると、「松一安中郷原発電所(設備ID:AH87898C10)」という名称の49.5kwのソーラー発電施設で、2018年10月20に運転開始され、事業者と保守管理責任者は神奈川県横浜市南区大岡1-58-9の「松尾不動産株式会社」とあります。↑

↑右は国道18号、フェンス入口外まで真黒な粒状の物質が地表に敷き拡げられています。黒色のサラサラした物質は、フェンスの内側に大量に広がっています。↑

↑フェンスの内側にばら撒かれた黒色の物質。↑

↑フェンス用の白色のワイヤー網のストック棚の周囲にも大量の黒色物質が散乱しており、奥には、山積みになっているところもある。↑

↑おそるおそる手に取ってみると、なにやら鉱物的な感触がします。スラグの一種かもしれません。↑
触った後は、直ちに向かいのコンビニに飛び込み、手洗いを励行しました。
ぜひ、市民の安全・安心の観点から、誰がどこから持ち込んだもので、どのような成分から構成され、どのような由来で、何のために持ち込んだのか、調査くださるようお願いします。
有害物質を含む特定有害産業廃棄物であれば、さらに近隣住民の安全・安心な生活環境の保全への脅威となります。しっかりと調査くださるようお願い申し上げます。
【現場その2】県道48号沿いの下後閑の北野寺入口付近の造成地
県道48号線「下仁田安中倉淵線」沿いに下後閑のあさひ第二保育園からさらに数百メートル北上すると、北野寺の入口の看板を過ぎて間もなく右手のくぼ地が埋め立てられて造成中です。おそらくソーラー発電施設の設置が計画されている可能性が高いと思われます。

↑北野寺の入口看板。↑

↑赤色のレンガの破片のような物質が大量に盛土として使われている。↑

↑奥には赤色や灰色の物質がうずたかく積まれており、これらを敷きならして造成工事が進められています。↑

↑相当広い面積を造成中です。Google Mapで見ると3,000㎡を超えそうな面積です。↑

↑青色のカラータイルの破片のような物質も大量に含まれています。しかもそれが県道にはみ出しています。↑

↑もともと農地らしい土地だったところをかなり高く盛土をしています。↑

↑斜面の部分は灰色の物質ですが、内側には赤色のレンガ屑のような物質を敷きこんでいるようです。↑

↑ズラリと並んだ重機で、急いで造成工事を済ませようとしている様子がうかがえます。↑

↑重機には所有者の記載が見当たりませんが、唯一小型のブルドーザーの操縦席の窓ガラスに「+o1」のロゴを見つけました。↑

↑どうやら「+o1」と読めるのは㈱トーイコーポレーション(〒379-0102 群馬県安中市東上秋間373)のことのようです。↑


↑見た目には明らかに残土としては不適切な物質と思われます。また、造成面積が3,000㎡を超えている可能性もあり、3,000㎡以下の場合の「安中市土砂等による埋立て等の規制に関する条例(土砂条例)」ではなく、群馬県の残土条例の適用を受けることになるのかもしれません。↑
いずれにしましても、産業廃棄物の可能性がありますので、なぜ業者がこのような造成をするに至った手続きを含め、残土・土砂の由来や成分分析など、必要な調査及び結果の公表について協力に推進いただけますよう、ぜひお願い申し上げます。
以上
**********
■その後、1月30日15:43に、安中市環境政策課に電話を入れたところ、冒頭のとおり「調査を終えたが、都市整備課の回答文と合わせて、秘書課のほうでまとめ中なので、遅くなって申し訳ないが、2月中旬頃お答えできる見通し」という返事でした。
そのため、2月1日に再度現地を訪れてみました。
【現場その1】国道18号沿いの郷原の妙義道常夜灯の隣のソーラー施設
https://www.google.com/maps/@36.3068595,138.8224491,195m/data=!3m1!1e3

まず目に入ったのは、国道18号沿いに建てられた看板です。前回元旦に訪れたときは見当たりませんでした。当会が安中市に報告し、安中市が業者に連絡したため、急遽立てられたようです。
看板にある前橋市亀里町のダイアモンドライト株式会社のHPで確認してみると、次のことが分かります。
http://diamondlight.jp/
この看板で紹介されている「草が生えない砂」についても、同社のHPに次のように説明がなされています。
**********
<人工砂>
廃棄物から生まれる新しい資源
近年、コンクリート骨材やアスファルト合材に使用される良質な砂の調達が困難となっています。
その一方で、産業廃棄物は処分コスト問題や埋立処分場の確保が困難なことから年々増加し、その排出量は年間約4億トンにものぼります。
こうした背景から、環境保護、資源再利用のために産業廃棄物溶融固化物から製造した人工砂を天然砂の代替として使用されることが注目されています。
また、当社の溶融固化物は独自の技術によって適切な温度と溶融時間が確保されており、酸化カルシウム(CaO)や参加(ママ。酸化か)アルミニウム(Al2O3)、酸化鉄(Fe2O3) 、酸化マグネシウム(MgO)などが安定した状態になっているため、コンクリートやアスファルトの骨材としても安心にご利用頂けます。
<人工砂とは?>
廃棄物等を概ね1,200度以上の高温条件下で加熱し、被溶融物中の有機物を熱分解、ガス化及び燃焼し、無機物を溶融した後、冷却固化し、得られたガラス質又は結晶質の固化物をいいます。
この被溶固化物から磁性物を除去し、破砕機や整粒機等で粒を揃えることにより、砂状の人工砂となります。
<人工砂「ダイヤモンドサンド」の特徴>
①低コスト
原材料が廃棄物のため、天然の山砂や川砂に比べ1/10程度の価格となり安価な金額でご提供が可能です。
②安定供給
原材料である廃棄物は毎日安定して運び込まれ、溶融処理された後に人工砂となります。年間の人工砂生産量は約12,000tです。
③ECO
廃棄物を溶融することにより、最終的に埋立処分する量が減少します。更に、人工砂を利用することで廃棄物の再資源化に寄与します。
自然の砂の消費を抑える事で、自然破壊を制御します。
**********
どうやら溶融スラグを粉砕したもののようです。いくら高温で溶融してガラス固化状態だと言っても、そもそもどんな廃棄物を溶融したのか分からないため、その成分が気になるところです。


次にもう1カ所の現場に行ってみました。
【現場その2】県道48号沿いの下後閑の北野寺入口付近の造成地
こちらは、ほぼ造成工事を終えていました。太陽光パネルらしき資材も隅に搬入され始めていました。






ところが、相変わらずカラータイルやレンガを破砕したとみられる物体はそのままの状態で現場に敷きこまれていました。安中市はほんとうに業者に指導したのでしょうか。
■と思っているうちに、あっというまに2週間が過ぎ、2月14日に市役所から1通の手紙が届きました。開封してみると、安中市秘書課からの回答書でした。

*****市秘書課からの回答*****ZIP ⇒ 20200216s.zip
安秘発第2294号
令和2年2月13日
安中市野殿980
小川 賢 殿
安中市長 茂 木 英 子
(総 務 部 秘 書 課)
市内ソーラー発電施設造成地の土砂条例違反の疑義のある現場について
日頃より市行政に対しご理解とご協力をいただきましてありがとうございます。
令和2年1月9日付で小川様からご意見をいただいた件につきまして、下記のとおり 返答いたします。
【現場その1】国道18号沿いの郷原の妙義道常夜灯の隣のソーラー施設
「現場その1」に敷設されている「黒色の物質」につきましては、市の所管である 一般廃棄物に該当するとは断定できませんでした。(市民部環境政策課)
安中市土砂等による埋立て等の規制に関する条例(以下「土砂条例」という。)第2条により、「土砂等」につきましては「土砂及び土砂に混入し、又は付着した物」と規定さ れており、建設工事に伴い排出された土砂等を想定しております。したがいまして、ご指摘のありました「現場その1」の「黒色の物質」につきましては「産業廃棄物溶融固化物から製造した人工砂」(現場に立っていた看板記載のダイヤモンドライト株式会社のホームページより)であり、再生材でございますので、土砂条例の適用とはなりません。(建設部都市整備課)
【現場その2】県道48号沿いの下後閑の北野寺入口付近の造成地
「現場その2」に敷設されている「赤色のレンガの破片のような物質」や「青色のカラータイルの破片のような物質」等につきましては、市の所管である一般廃棄物に該当するとは断定できませんでした。(市民部環境政策課)
こちらの現場につきましては、 土砂条例の規定による手続きが必要な範囲において、 同条例の手続きがされております。ただし、「現場その1」と同様、「赤色のレンガの破片のような物質」や「青色のカラータイルの破片のような物質」などにつきましては土砂条例の適用とはなりません。(建設部都市整備課)
以上ですが、よろしくお願いいたします。
**********
※安中市土砂条例 ZIP ⇒ dosyajyourei.zip
■これをみて、なぜ安中市が、ビックカメラの子会社が安中市小俣地区で稼働中のメガソーラー地内に有害なフッ素などを土壌汚染防止法および廃棄物処理法で定める基準値以上含む大同スラグを大量に持ち込んでも何一つ行政指導をしようとしないワケがわかります。
これでは、東邦亜鉛の1万ppmを超える高濃度の鉛や、ヒ素など重金属を含む有毒スラグと、カラータイルなどの廃材を粉砕して混合し、粒度を揃えて「雑草の生えない便利な資材」として、高崎市や榛名町の資材店経由で民家の庭にばらまいた東邦亜鉛非鉄スラグの加工品であっても、安中市の環境政策課では「市の所管である一般廃棄物に該当するとは断定できません」と言い、都市整備課では「土やその付属物として認定されないので、土砂条例の適用とはなりません」と言っているので、安中市内では堂々とソーラー発電施設の造成工事の盛土や埋土に使えることになります。
これでは、市役所の任務である住民の生活環境の保全は望めません。行政として、あきらかに普通ではない資材をつかっていることは確実なので、どのような問い合わせや調査を業者に対してしたのかしないのか、また、残土条例に基づく手続きがどのような形でおこなわれたのか、検証する必要性がありそうです。
【ひらく会情報部からの報告】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます