市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東京ガスの利益を最優先し、県民をタリバンと同一視する群馬県行政

2009-03-12 23:11:00 | 東京ガス高圧パイプライン問題
■東京ガスは、CSR報告書2008のなかで、「需要やエリア拡大に応じた導管網整備」と題して、「需要見通しに的確に対応した製造・供給インフラを整備・増強していくため。今後5ヵ年内に中央幹線(Ⅰ期・Ⅱ期)、群馬幹線(Ⅰ期)を完成させ、2030年代を見据えた将来の需要増にも対応できる安定供給体制を実現していきます」とぶち上げていますが、実際には、地域住民の生命、生活、財産の保護には目もくれず、地域社会との信頼関係そのものを自ら破棄して、企業の営利追及のみを経営の根幹に位置付けています。

 東京ガスは、そうした見方を、口先では否定しています。本当はどうなのか?を確認する意味もあり、同社が現在、安中市から高崎市にかけて建設中の群馬幹線Ⅰ期工事における中核施設の一つである安中市北野殿地区で築造中の(仮称)安中バルブステーション(VS)施設に関する情報について、当会は、建築基準法に基づき建築確認許可を出した群馬県知事(実施機関:群馬県整備県民局高崎土木事務所)に、平成21年1月21日付けで公文書開示請求をしておりました。


【写真上】北野殿地区のバルブステーション構内にある基礎工事が完了した放散塔の土台部分。この直上に10階建てのビルに匹敵する高さ30.2mの鉄構造物が組み立てられる模様。その安全性を知ろうとする地元住民に対して不法侵入による破壊活動の恐れを理由に、群馬県が情報非開示とした。

 群馬県知事は、開示・非開示の判断が難しいとして、開示期間延長を行ない、結局2月27日付け部分開示決定通知を送ってきましたが、これをみると、肝心の情報は、設計ノウハウ等の流出や、不法侵入・テロ破壊活動を誘発するという理由で全面非開示同然の処分が下されたのです。

 そこで、3月10日に、高崎土木事務所を訪れて、本件処分を下した群馬県建築主事佐藤雅彦氏に面談し、直接判断理由を聴取しました。
■佐藤主事によると、「住民としての気持ちは分かるが、本件は建築基準法に基づき、純粋に技術的な観点から審査したもので、審査基準にのっとり、工作物の安全性について強度や機能面からチェックした結果、許可を出した」ということです。そこで「では、非開示の理由とされた設計技術ノウハウ流出や、不法侵入・破壊活動誘発の根拠は何か?」と質問したところ、途端に歯切れが悪くなり、苦し紛れに「自分ひとりの判断ではなく、県庁の県土整備部建築住宅課審査指導係の係長や係員らに相談して決めた」との回答でした。

 そこで、さっそく県庁22階にある建築住宅課審査指導係(電話027-226-3702)に赴き、清水係長と面談をしました。事情を説明したところ、同係長いわく「本件は、確かに高崎土木の佐藤主事から相談を受けたが、あくまでも相談に応じただけで、こちらでは決定は下していない」などと、責任逃れの釈明に終始しました。そのため、当会から、「この施設の安全担保について、運用面ではともかく、技術的な観点からチェックして許可したのだから、その証を周辺住民に対して明らかにすることはなんら問題ないはず。この施設は70気圧という超高圧ガスを取り扱う保安施設だから、余計、県民の安全確保のために情報開示が重要です」と再三、非開示箇所の撤回を求めました。

 また、非開示理由である設計技術ノウハウの流出や不法侵入・破壊活動誘発についても、具体的な説明を求めました。前者については、当会から「どの部分が業者の競争力に不利益となるのか、東京ガスに確認したのでしょうか、或いは県独自でノウハウの流出となると判断したのでしょうか。後者ならすぐ説明いただけるはずですし、前者であれば、東京ガスの回答を教えて下さい」と質問しました。

 清水係長は「東京ガスには一切コメントを求めていない。技術ノウハウ流出については、住民の意見を今聞いたので、このあと課長と相談してから返事をしたい」と答えました。

 不特定多数への当該施設の情報開示により、不法侵入や破壊活動を助長するという非開示理由については、当会は「インドのムンバイやタリバンなどが跳梁跋扈する中東と異なり、日本は法治国家で、施設にはビデオカメラなど保安設備も完備しており、治安面では格段によいはず。しかも、開示請求者は地元住民であり、東京ガスの事業に対してステークホルダー(利害関係者)だから、破壊行為など毛頭念頭になく、県知事の懸念する情報開示の懸念事項はありえません」と述べて、粘り強く情報開示をお願いしました。

 ところが、清水係長は「自分の一存ではどうにもならないので、これもあとで課長と相談してみたい」という返事にとどまりました。当会は、「行政手続法の問題もあるので、なるべく課長との再協議結果で早く結論を出してください。異議申立などしていると、時間と手間の浪費になり、書面での理由説明も県に求めることになります」と言って、非開示部分の撤回につき、善処を求めました。清水係長は、課長に説明して協議の上、結論が出次第、携帯電話に連絡することを約束してくれました。

 それにしても、なぜ、群馬県は、県民の生命・財産・生活よりも、事業者の設計技術ノウハウ流出や、施設への不法侵入や破壊行為のほうを重要だと考えるのでしょうか。完成したら誰にでも目に付く放散塔の外形や避雷針、工作物の耐震設計や地質データなどがなぜノウハウ流出になると考えるのでしょうか。しかもノウハウを保有するはずの東京ガスにも確認せず、勝手に判断しているのです。さらに、不法侵入や破壊行為については言語道断です。住民への説明もやらず、同意も得ないで、勝手に、人家の直ぐ脇に、高さ30メートルもの超高圧ガスの保安施設を作るほうがよほど、企業による住民へのテロ行為だというのに、住民をテロリストと認識したがる群馬県行政の真意は計り知れません。

 3月10日に、わずか9枚分開示された情報によると、東京ガスの安中VS新設工事にかかる建築確認申請の内容は次のとおりです。

**********
【確認申請書(工作物)】
建築基準法第88条第1項において準用する同法第6条第1項又は第6条の2第1項の規定による確認を申請します。この申請書及び添付図書に記載の事項は、事実に相違ありません。
建築主事 様        平成20年11月6日
申請者氏名 東京ガス㈱群馬県線建設事務所 所長 鹿沼正広
※手数料欄 8,000円
※受付欄 群馬県高崎土木事務所20.11.-6 110収受印
※確認番号欄 平成20年11月6日 第No.92号 係員欄 小林
※決裁欄 佐藤
・工作物概要  工作物の名称又は工事名   安中VS新設工事
        敷地物の種類(区分06320)鉄柱
・築造主 住所:群馬県高崎市東町134番地6号
     氏名:東京瓦斯株式会社 群馬幹線建設事務所 所長 鹿沼正広
・代理者 資格:一級建築士(大臣)登録第144600号
     氏名:十河正雄
     建築士事務所名:一級建築士事務所(東京都)知事登録第39711号
             東京ガス・エンジニアリング株式会社一級建築士事務所
・設計者 同上
・その他の設計者 氏名:益岡英文
         建築士事務所名:大阪装置建設幹部敷き会社 建築事業部 第一建設部 技術グループ
         作成した設計図書:全体外形図、構造計算書、避雷設備設置概要他
・その他の設計者 氏名:長谷川知秀
         建築士事務所名:東京ガスエンジニアリング株式会社
         作成した設計図書:放散塔基礎詳細図、杭伏図・柱状図・敷地断面図、基礎構造計算書
・工事施工者 氏名:取締役社長 藤岡治郎
       営業所名:建築業の許可(大臣)第(特-19)16053号
            東京ガス・エンジニアリング株式会社
・敷地の位置 地名地番 群馬県安中市野殿字野殿1023番1
・工作物の概要 種類:(区分06320)鉄柱
        高さ:30.200m
        構造:鉄骨造
        工事種別:新築
・工事着手予定年月日:平成20年11月1日
・工事完了予定年月日:平成21年2月1日
**********

■こうして、放散塔の高さは、噂どおり30.2mであることは分かりましたが、外形、耐震強度や耐風強度、避雷性能などは全く分かりません。唯一開示された平面の配置図を見る限り、標準設計的な配置だと思われますが、人家から僅か20mしか離隔距離がないこと、市道のカーブの部分が見通しが利かず、交通安全上危険だと地元民が指摘しているにもかかわらず、カーブのところだけ、東京ガスの敷地境界線が異常に張り出していることなど、安全面の課題が多々あります。

 また、放散塔の脇には、計器室棟として、鉄骨構造で、建築面積43.26㎡、最高高さ3.52mのコンテナ状の工作物が設置される予定ですが、こちらも平成20年10月31日に建築確認申請が出されて許可されているようですが、まだ土台しか完成していません。放散塔も、申請では完工予定が2月1日となっていますが、まだ基礎工事が終わっただけです。一体何がどうなっているのか地元民の不安や懸念をよそに、今年8月の完工まで、東京ガスと群馬県はひたすら情報非開示を貫くつもりなのでしょうか。

 清水係長に携帯電話番号を聞かれてから既に丸二日が経過しましたが、まだ清水係長から連絡はありません。先日、警官が、直射日光に当れない病を患って黒頭巾をかぶった高校生に職務質問した際、「おまえはタリバンか?」と呼びかけたそうですが、我々地元住民は変装したり隠れたり逃げたりしません。秘匿体質の東京ガスは仕方がないにしても、せめて行政は納税者である県民をテロリストと同一視するのは一刻も早くやめてもらいたいものです。

【ひらく会情報部・東京ガス高圧導管敷設問題研究班】

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酔っ払い運転で人身事故の内田弁護士に、懲戒委員会で厳正処分を要請

2009-03-11 04:43:00 | 不良弁護士問題
■平成20年10月5日午後3時52分頃、群馬県安中市野殿の県道前橋安中富岡線の野殿駐在所付近で、酒を飲んだ状態で乗用車を運転していた群馬弁護士会所属の内田武弁護士が、対向車線を走っていた同県高崎市の女性の乗用車と衝突し、運転していた女性の胸や頭などにけがを負わせるという事件が起きました。内田武弁護士は、群馬県の顧問弁護士であり、サイボウ環境が安中市大谷地区に設置した最終処分場設置許可をめぐる関連手続きにおける違法不当性を理由に、当会が群馬県を相手取り、廃掃法、河川法、道路法、農地法等にかかる許可処分の取り消しを求めた数件の住民訴訟で、いずれも群馬県側の代理人として立ちはだかった人物です。

 当会では、平成20年12月8日付けで、群馬弁護士会あてに、同会所属の内田武弁護士に関する懲戒請求書を提出しました。

 その後、平成20年12月25日に、群馬弁護士会の神谷保夫会長名で、当会の懲戒請求に関して懲戒請求事案通知という書類が送られてきました。これによると、群馬弁護士会の綱紀委員会(戸枝太輔委員長)の議決に基づき、当会の懲戒請求について、「群馬弁護士会 平成20年(綱)第19号事案」として、懲戒委員会に事案審査を求める決定を、平成20年12月15日付けで行なったというものです。

 今年に入り、群馬弁護士会から、1月21日付けで「審査期日通知書」と「本事案合併についての伺い」という書類が送られてきました。
**********
【群馬弁護士会からの審査期日通知書】
平成21年1月21日
平成20年(懲)第2号事案
 懲戒請求者 小川 賢 殿
     群馬弁護士会懲戒委員会
     委員長 春山 進 (懲戒委員長之印)
審査期日通知書
 平成20年(懲)第2号事案について、下記にて審査期日を開き、貴殿からご意見等をお伺いしたいので、ご出席順いたくご通知いたします。
 つきましては、ご出席の有無について、添付の期日請け書に捺印され、平成21年2月13日までにご返送ください。
 なお、懲戒委員会及び懲戒手続に関する会規第27条第2項及び第31条第2項により,対象弁護士は審査期日に出席することができ、かつ、貴殿に対して質問することができることを申し添えます。
          記
1 日 時  平成21年3月10日(火) 午後5時30分から
2 場 所  群馬弁護士会2階 中会議室
       前橋市大手町3-6-6

【群馬弁護士会からの本事案合併についての伺い】
平成21年1月21日
平成20年(懲)第2号事案
懲戒請求者 小川 賢 殿
    群馬弁護土会懲戒委員会
    委員長 春山 進 (懲戒委員長之印)
事案を合併することについて(お伺い)
 対象弁護士 内田  武会員に対する懲戒請求が次のとおり2件あります。つきましては、本事案2件を合併することについて下欄にてご意見をお願いいたします。
 なお、お手数ですが、期日請け書とともに返送用封筒を用いて、2月13日までにご返送くださいますようお願いいたします。
 平成20年(懲)第1号 請求者 群馬弁護士会
 平成20年(懲)第2号 請求者 小川  賢
~~~~~~~~~~~~~
いずれかに○印を付して返送してください
1 合併してもよい。
2 合併はしない。

【群馬弁護士会からの審査期日請け書】
審査期日 請け書 <返送してください。>
  事案番号 群馬弁護士会 平成20年(懲)第2号
         懲戒請求者 小 川  賢
         対象弁護士 内 田  武
<該当事項に○印を付してください。>
1 本事案の審査期日である下記期日に出席します。
2 本事案の審査期日である下記期日に出席できません。
  理 由(出席できない理由をお書きください。)
                記
1 審査期日  平成21年3月10日(火)午後 5時30分
2 場  所  群馬弁護士会 2階 中会議室
        前橋市大手町3-6-6
平成21年 月 日
群馬弁護士会懲戒委員会
委員長 春 山  進 殿
   懲戒請求者
   名 前       ㊞
*事務連絡
 この期日は、複数の委員が日程調整をしたものです。できる限り出席してください。
 どうしても出席できない場合は、連やかに担当書記(電話027-233-4804 岩倉)に電話で連絡してください。
 審査期日調書
**********

 そこで、2月9日に、審査期日に出席し、本件は合併しない旨の返事を書面で提出しておきました。

■そして昨日、3月10日(火)午後5時20分に、指定された場所である群馬弁護士会2階の中会議室に赴きました。群馬弁護士会館は、前橋地裁の向かい側の、毎日新聞前橋支局の隣にあります。


【写真上】内田武弁護士に対する懲戒委員会の審査期日が行われた群馬弁護士会館(前橋市大手町3-6-6)

 指定時間の10分前に、群馬弁護士会2階の中会議室に行くと、まだ1名しか来ていませんでした。20名程度座れる会議机が四角に並べられており、事務担当者から、奥のほうに座るように言われました。机の上に資料がおいてあり、「今日は新しい1号案件もありますので」と言われましたが、どうも雰囲気が違うので、「審査期日に出頭したものですが」と確認をもとめたところ、委員会のメンバーと間違えられたことがわかりました。同じく2階にある控室に案内され、呼ばれるのを待つこと10分。午後5時35分ごろ、声を掛けられたので中会議室に赴くと、春山委員長を中心に、7名の懲戒委員会のメンバーが勢揃いしていました。

 見渡すと、メンバーの中に、安中市の顧問弁護士も見かけました。メンバー全員に挨拶をして、7名の委員席の横に着席しました。向かい側を見ると、懲戒対象となった内田弁護士が、補佐の弁護士を連れて丁度席に着くところでした。群馬県の顧問弁護士として、裁判所で見たことのある内田弁護士とはことなり、ずいぶん小さく見えました。

■さっそく、審査期日が始まりました。春山委員長から、当会に対して、「既に懲戒請求書は提出してもらっていますが、これに加えて何か陳述することがあればお願いします」と聞かれましたので、「民間では、飲酒運転や酒気帯び運転をすれば、社会的立場を失い、即刻懲戒解雇になるのが常識であることと、“飲んだら乗るな”“飲むなら乗るな”は子どもでもしっている常識であり、厳正な審査をお願いしたい」という趣旨を申し述べました。

 すると、内田弁護士からは「自分は、民間会社の役員もしていたが、自主的に辞任し、退職慰労金ももらわなかったので、事実上懲戒解雇されたも同然です」などと意味不明の釈明がありました。

 いずれも、陳述として録音されましたが、当会の懲戒請求に関する審査期日そのものは10分ほどで終了しました。その後、内田弁護士に対する同じ事案で、群馬弁護士会自身による懲戒請求に関しての審査期日が開かれましたが、当会は合併に応じなかったので、そちらには参加せず、退室しました。退室にあたり、「なにとぞ厳しく審査をしてくださるよう、宜しくお願いします」と委員長はじめ、委員の皆さんに重ねて要望しました。

 この後、懲戒委員会で議決を行なうようですが、裁判所の法廷形式と違い、同じテーブルで弁護士同士がやりとりするだけなので、緊張感が全く感じられません。雰囲気的に和気藹々という感じだったのが非常に気になりますが、群馬弁護士会においては、決して「仲良しクラブ」などではなく、法の見張り番として社会的に重要な立場である弁護士会が、飲酒運転で他人にけがを負わせるという犯罪を犯したメンバーに対して、弁護士資格の剥奪や、弁護士会の登録抹消という毅然とした対応措置がとれるのかどうか、懲戒委員会の結論が注目されます。

【岩野谷の水と緑を守る会】
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住民の生命・財産より企業利益を優先するガスパッチョ東京ガスと群馬県

2009-03-10 02:25:00 | 東京ガス高圧パイプライン問題
■低炭素社会への貢献を口実に、安中市の信越半導体横野平工場から、東邦亜鉛安中精錬所、P&G、NSKなどを擁する八幡工業団地のような大口の法人需要家だけを経由して、高崎市下小塙町の既設ガスラインを結ぶ70気圧の超高圧ガス導管埋設工事に邁進するエネルギーフロンティア、東京ガスの本質については、既にこのブログでも報告済みですが、またもや、とんでもないことをやらかしてくれました。

 既にこのブログでも報告したように、現在、東京ガスは、北野殿地区に「バルブステーション」と呼ばれる施設を建設中ですが、この施設には高さ30メートルの巨大な煙突が設置されるという噂が流れています。この煙突は、70気圧の超高圧ガスを、非常時に大気中に放散することが目的のようです。そのため、可燃性の高い超高圧ガスが放散された場合、どのような事態が発生するのか、住民の間には不安の声が高まっています。しかし、東京ガスは、いつになっても、この施設について地元の住民に説明をする気配がありません。


【写真上】放散塔と呼ばれる煙突状の構造物。安中市北野殿地区で東京ガスが築造中の高さ30mといわれるものもおそらくこれと似た外形になる模様。

■そこで、当会では、役所に、この施設に関する情報公開請求を平成21年1月21日付で行いました。開示を請求した公文書の内容は次のとおりです。

「平成20年11月6日付で群馬県建築主事佐藤雅彦名にて、東京瓦斯株式会社群馬幹線建設事務所に出した『H20確認―工群馬県000092』の建築基準法の手続きに係る一切の情報」

 ところが、群馬県西部県民局高崎土木事務所総務係(電話027-322-4186)は、平成21年2月2日付け高土第76-21号で、「開示請求に係る公文書の開示・非開示の審査が難しく、決定に時間を要するため」を理由に、本来平成21年2月5日までに開示決定期間のところ、平成21年3月19日までとした、決定期間延長通知書を送ってきました。

 このため、高崎土木事務所は、事業者の東京ガスと開示・非開示について何らかのやりとりをする必要があると判断したものと思われ、当会では、東京ガスの企業体質から、情報開示の邪魔をするのではないかと懸念しておりました。

■その懸念がまさに的中したのです。平成21年2月27日付け高土第76-24号で、高崎土木事務所は、わずか9ページしか開示しないとする公文書部分開示決定通知書を送りつけてきたからです。
 非開示とされた部分は次の文書と内容です。

1.確認申請書・第一面のうち、「申請者の建設事務所代表者の印影」
2.委任状のうち、「申請者の建設事務所代表者の印影」
(適用条項:条例第14条第3号イ)
(非開示理由:申請者の印影は、取引上重要なものであり、これを公にすることによって何人にも入手できることとなった場合に、当該法人の権利、競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれがあるため)
3.建築士免許証の写しのうち「本籍地」
4.公図写しのうち、「住所・氏名、地目、面積、調査・製図者の氏名および印影」
5.付近見取り図のうち、「設計者の印影」
6.配置図のうち、「設計者の印影」
(適用条項:条例第14条第2号)
(非開示理由:特定の個人を識別することができるもの又は、個人の権利利益を害するおそれがあるため)

■驚いたのは、次の7から24まで全て非開示とされたことです。
7.放散塔全体外形図
8.杭伏図・柱状図・敷地断面図
9.放散塔基礎詳細図・構造特記仕様書
10.PHC杭用継手金具姿図
11.避雷設備設置概要
12.避雷設備設置概要図
13.避雷突針姿図
14.ダイヒカップリング姿図
15.鉄骨用接続端子姿図
16.導線取付金物姿図
17.ビニル管取付金物姿図
18.端子ボックス姿図
19.設置銅板姿図
20.基礎・地盤説明書
21.主要構造部材特記仕様書
22.仕様構造材料一覧表
23.放散塔構造計算書
24.放散塔基礎構造計算書
(適用条項:条例第14条第3号イ、第14条第4号)
(非開示理由:法人である設計者が設計に関する知識・技能を用いて作成した設計図書を公にすることによって何人にも入手できることとなった場合に、築造物の設計技術のノウハウ等が明らかになり、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。また、申請者(瓦斯事業者)が築造する施設(公共公益施設)の設計図書を公にすることによって何人にも入手できることとなった場合、当該築造物への不法な侵入・破壊活動等に利用される可能性があり、もって公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるため)

■つまり、群馬県も東京ガスも、超高圧バルブステーション施設の安全性を担保する情報は、地域住民には開示しないというのです。当会では、災害防止協定書の締結を、東京瓦斯と安中市・群馬県の間で締結し、地元住民を交えた委員会の設置を東京ガスに要望してきましたが、これも無視されてきました。

 当会では、これまで、超高圧ガス導管の敷設図や材料表については、安中市から開示してもらい、東京ガスによる地元説明会の際にも、地元住民に情報提供が出来て、非常に理解の助けになりましたが、東京ガスでは、これに懲りたのか、今回のバルブステーション施設の安全性を住民に確認させない方針のようです。群馬県も東京ガスの意向を斟酌して、住民には見せないつもりのようです。

 今回、全面非開示の対象とされた公文書は、高崎土木事務所が建築基準法に照らして、安全だというお墨付きを与えた根拠となる情報です。とくに、雷の多い地域なので、接地による避雷対策がどうなっているのか、また、地震対策として地盤強度や基礎構造などは十分に安全を確かめた上での設計基準となっているはずであり、非常時に超高圧ガスを放散するための塔は周辺住民の住居から十分な離隔距離が確保されているはずです。だから、群馬県は建築基準法による許可を出したはずです。ところが、これらは全て非開示とされました。

■しかも、その理由が、ノウハウ流出により東京ガスの利益を害し、さらにはテロ行為を誘発し、公共の安全と社会秩序を脅かすというのです。地域住民の生命や生活、財産は一体だれが守ってくるのでしょうか。こうした安全確保や災害防止はどこへやら、しかも、地域住民をテロリスト扱いしかねないのですから、群馬県行政ならではの暴論と言えましょう。さっそく、近日中に、部分開示された僅か9ページの書類を受け取る際に、異議申立を群馬県に提出したいと思います。

 日本のエネルギーフロンティアの都市ガス企業として、世界最大規模を誇る東京ガスですが、CSRやコンプライアンスの面では、その後進性が際立っています。あらためて同社の秘匿体質が浮き彫りになりました。

■当会では、異議申立を通じて、粘り強く、災害防止協定の締結を東京ガスと群馬県及び安中市に要請していく所存です。

 なお、2月17日に、地元岩野谷地区で行なわれた地区別懇談会で、東京ガスの施工した超高圧ガス導管の埋設作業後の仮舗装の処理が悪く、道路の凸凹で、あやうく交通事故を起こしかけたとする地元住民のクレームが、ようやく東京ガスの重い腰を動かしました。東岩井の若宮橋の少し先から、高崎市の鼻高町までの区間を、3月中に本舗装することになり、1年半ぶりにもとのスムースな路面がよみがえることになりました。

【ひらく会情報部・東京ガス高圧導管敷設問題研究班】

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お茶濁し報告でタゴ事件を先送る岡田市長に怒り心頭の松井田住民

2009-03-09 02:18:58 | 土地開発公社51億円横領事件
■昨年12月17日(水)と19日(金)の両日にわたって、午後7時から、安中市文化センターと松井田文化会館で、「安中市土地開発公社不祥事件の和解にかかる報告会」と題して、それぞれ説明会が開かれました。

 安中市民にとっては、決して忘れられない忌まわしい事件ですが、この事件のことについて全く知らされないまま安中市と合併させられた旧松井田町の住民にとっては、初めてタゴ事件について報告を聞ける機会でした。しかし、岡田市長ら市側幹部の説明は、中身の薄い説明に終始し、とりわけ岡田市長は「お気持ちはよーくわかります」で締めくくり、タゴ事件の真相は封印したままでした。

 当会では昨年11月に、安中市長に対して、群馬銀行との和解金交渉の経緯について情報公開を求めてきましたが、安中市長に拒否されました。その後、12月17日と19日の住民説明会開催を根拠に、今後さらに10年間、タゴの尻拭いとなる群銀への和解金を毎年クリスマスの日に2000万円ずつ支払うことを決定し、昨年12月25日に、10年目の支払いを終えて、来年から、いままでと同じように、タゴの豪遊のツケとして公金から2000万円を支払うことを群銀に誓ったのでした。

■12月17日(水)の旧安中市民への説明会については、当会のブログで既に詳細に報告済みですが、群銀に今後10年間分の「証」と称する証文を提出した後になって、改めて情報公開をするように、安中市側から連絡がありました。そのため、当会では1月22日付けで、改めて情報開示請求を行ったところ、3月3日になって、ようやく開示されました。その中に、昨年12月19日に松井田文化会館で開催された報告会の質疑応答の要旨がありましたので、ご紹介します。

**********
【質疑応答要旨(旧松井田地区)】
         日 時:平成20年12月19日(金)午後7時~8時15分
         場 所:松井田文化会館
         入場者:32名

1 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■

Q 松井田町住民は今回が初めて聞く多胡事件の内容である。以前、合併協議の中で中島市長、伊藤議員は安中は問題はない、51億円は関係ないと言っていたが。103年ローンという大変な返済のことをこれだけ少ない出席者に説明し、これで説明を終わりにするなんてことは許せないことである。松井田の人間はかなり腹が立っている。
  今まで説明してこないで隠してきたと感じる。
A 隠していたという認識はありません。裁判所の和解条項に則り公社の経営の中で債務金を返してきた。(建設部長)

Q 岡田市長のマニフェストにおいて公社改革が謳われていたが、抜本的見直しをどこまでしたのか。
A このマニフェストは今後、公社の多胡事件を解決するため、この10年間の市民世論、議会世論を謙虚に受け止め、なんとか子々孫々にこの問題を持ち越さないよう努力を重ねていくという意味である。(市長)

Q 市長選の時に100年ローン、10年ごとの更新を聞いていれば、今年初めて10年ごとのローンの更新を聞いて驚いている。20代の今の若い子に話を聞けば、そんなのは安中が払えばよいと言っている。また、多胡さんに払ってもらえばよいという若い者の意見です。証拠があるかわからないが共犯者がいる噂も聞いている。その責任を全然とっていない。多胡一人に責任を取らせている。元の市長が辞めただけ。隠していたでしょう。もう一度、安中市として多胡事件の責任の取り方があると思う。責任者がもっといると思う。それをしてから松井田に説明に来てもらいたい。多胡事件をきれいに洗い直して欲しい。それが私の考えです。
A おっしゃる気持ちはよくわかります。和解条項は議会の議決をもらっている。しかし、現伏を報告し、透明性を上げる、透明性のある行政を認識してきちんと皆様に説明させていただく。公社あるいは市の財政も含め何でも希望があれば説明に出むくつもりは持っている。理解をお願いいたしたい。おっしゃることは痛いほど伝わってきます。おっしゃるとおりです。(市長)

2 ○○○氏(○○○○)…名乗り無し

A(Qの間違い) 多胡は今どういう現状にいるのか。
Q(Aの間違い) 刑事事件で判決を受け、まだ、刑に服している。

A(Qの間違い) どの刑務所に入っているのか。個人情報保護で教えられないのか。
Q(Aの間違い) どの刑務所にいるのかは教えられない。(建設部長)

A(Qの間違い) 仮釈放になっているのか。
Q(Aの間違い) なっていない。(建設部長)

Q 今後、市としてはもう一度訴訟のやり直しの方針はあるか。
A 刑事事件の判決は出ているが公社として多胡を訴えてあり、民事は今後も続く。多胡の所在を確認してたとえ1円でも取るスタンスであり大原則である。(建設部長)

Q 多胡が支払う22億円を市長が代表で行って、多胡に返してもらったらどうか。
A 市長が取りに行くというより裁判の判決が出ているので、1円でも取る。(建設部長)

Q 市民の誰が行っても多胡に面会はできるのか。
A 本人が拒否すればできない。(建設部長)

Q いる場所は発表できないのか。
A できない。

3 ■■■■■■■■■

Q 51億円のうち6億円は返してもらったというが残りの45億円は何に使ったのか。それを明確に洗い出し、多胡の金の流れ、使途不明金の12億円を徹底的にはっきりさせる。市議会に呼んで証人喚問を行い徹底的に追求するべきである。
A (当初の51億円から一連の経過説明)議会に多胡を呼んでというが、多胡本人の意志もある。22億円は裁判で公社が勝ち得た額なので1円足りでも取る。(建設部長)
A 市議会に呼んでさらに追求をという気持ちはよく分かる。地方自治法第100条に基づく百条委員会を設置しないと本人を調べることはできない。(市長)

Q 使途不明金については非常に大きな金額なので税金・公金から払うということはやめてもらいたい。

4 ■■■■■■■■■■■

Q 51億、39億とかの数字はどこにも書いてない。
  町民として疑問があるのは、公社がどのように対処し弁済の対策をどうたてたのかがわからない。合併協議の中ではこの件についてはなかったのか。51億円からの経過、公社がどうなっているのか、また、どうやって返済をしてきたのかきちんと明らかにし協力を求めるべきである。松井田市民にとっては不明な点が多い。はっきり示して欲しい。
A 公社の事業の中で多胡が不正をしてきた。公社のプロパー事業、住宅、工業団地を造成、販売するなどして内部留保を行い10年間返還してきた。税金を使わず今後10年間は公社の余剰企て払えると判断した。公社は市が100%出資の法人であり、市の広報と協議し情報を提供していきたい。今回を受け、広報「あんなか」2/1号で群馬銀行との交渉の経緯について掲載する予定である(建設部長)

5 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

Q 今後の10年間は公社の余剰金で払えるということか。
A 平成21年からの10年間については、経営努力での余剰余で支払う資金がある。
  基本原則は市の税金は使わない市民の方に迷惑をかけないことが大原則。(建設部長)

Q 税金は使わないということか。
A そうである。(建設部長)

Q 秋間の土地を議会が買う。多胡が偽造したものを議会が買うということは市が税金で買うということ、税金で公社に金をはらうということにならないか。
A 多胡は数字を偽造しており、業務を偽造したわけではない。市が公社に先行取得を依頼して購入した土地である。(建設部長)

Q 今、塩漬けの土地を市が買うのは市から税金で公社に払うということではないのか。
A 時の市長が、当時、スポーツトレーニングセンターを検討し、そのための先行取得を公社に依頼している。ただ、これは債務負担行為が行われていなかっという事務上の不備があった。
  2,000万円以上の財産取得は議会の議決が必要であり、平成19年9月議会に諮り、議決をいただいた。(市長)

Q 公社と市は一つのものでしょう。同じ財布から出ている。税金を投入していることになるのではないか。要望として、説明会を開催してこれで終わりだというようにしてもらいたくない。

6 ■■■■■■■■■■■

Q 広報2月号払記事を載せるとあるが、松井田町民についてはどういう事件であったのか、また、それ以降の経過についてはっきり書いてもらいたい。
  当時の多胡の上司の責任処分についても書いてもらいたい。公社の健全経営で債務をこなしているが、どういう条件なら債務が免除になるのか交渉している.のか。
A 不良債権として受け入れてもらえるならばよいが、健全経営のため認めてもらえない。(建設部長)

Q いっそ、再建団体になって免除してもらったらどうだ。
A お気持ちはよくわかります。(市長)
**********

■このように、12月17日(水)の安中市文化センターでの報告会では、挨拶しただけで、まったく質疑応答に参加しなかった岡田市長ですが、19日(金)の松井田文化会館での報告会では黙っているわけには行かず、いくつかの発言をしました。しかし、自ら公社の理事、監事として、タゴの業務のウラもオモテも知り尽くしているはずの岡田市長が、「使途不明金の行方を徹底追及してほしい」という住民の要請に対して「気持ちはよく分かる。百条委員会を設置しないと調べることが出来ない」とか、「タゴが勝手に買った秋間の山林を市の税金で買取るのは辞めてほしい」という住民の依頼に対して、「事務的な不備があったので、一昨年議会の議決をもらった」とか、群銀に対して手も足も出ずなかった交渉結果に「いっそ、債権団体になって免除してもらったらどうか」という住民の切実なコメントに対しても、「お気持ちはよく分かる」とだけしか発言できませんでした。

 岡田市長は、タゴの置き土産である秋間の山林取得のためには、さっそく議会の議決を求めたのに、タゴを喚問して使途不明金の行方を徹底追及するための百条委員会の設置について、まったく議会に求めようとしません。これは、明らかに、タゴ事件の真相には触れたくないという気持ちの表れでしょう。

 結果的に、昨年12月の住民報告会は、群馬銀行への和解金支払の継続を正当化するために形式的に開催しただけのものでした。しかし、参加した市民の皆さんは、理不尽な和解金の支払いについて、誰も岡田市長にお墨付きを与えたわけではありません。やはり、群馬銀行ともういちど和解条項見直しのための裁判を行なうべきでしょう。

 しかし、岡田市長をはじめ、安中市の行政関係者や議会関係者らのなかには、未だにタゴ事件に関わった人物が相当数おります。群銀を相手に、タゴ事件で事を荒立てては、返り血を浴びかねません。こうした関係者にとって最善の方法は、ひたすら頭を低くして、タゴ事件が名実共に風化して、時効になり、真相を闇に葬ることだからです。うっかり、市民の要請を受けて、群銀にもの申したりすれば、群馬銀行が永久保存している当時のタゴ事件関係の預金情報をちらつかせられかねません。まさに「沈黙は金なり」なのです。

 当会は、引き続き、群馬銀行との和解条項見直しを、安中市および安中市土地開発公社、そして群馬銀行に求めてゆきます。

【ひらく会情報部】

参考:このほか、開示された関連情報として、旧安中市民向けの説明会の質疑応答要旨もあります。当会のこのブログでも詳細に報告しましたが、市役所作成の書類は、実際のやりとりとは若干ニュアンスが異なるようです。

**********
【質疑応答要旨(旧安中地区)】
         日 時:平成20年12月17日(水)午後7時~8時
         場 所:安中市文化センターホール
         出席者:32名

1 ■■■■■■■■

Q 資料の中で、これまでの10年で終わりにできないかと交渉を行ったとあるが、これを群馬銀行側が受け入れなかったということか。
A そうです。(建設部長)

Q 4億円+(2千万円×10年)と計6億円を返済しているが、ここで発生すべき利息についての記述がないが。現在、18億円残りであり社会ルールでは返済していくこととなると思うが、106年ローンであれば後世の者に現世代の付けを残すことになる。
 これは評価はできるが、一方で公社が返すこととなっているが、当時の市長より公社が返す、市民に迷惑をかけないと発言していたが、税金から出たのか、公社利益から出たのか、また、元職員からどのように回収してきたのか。
A 平成7、8年に6億1,200万円余りを多胡から返還してもらい、そういうものを踏まえ群馬銀行の債権を当初被害額から差し引き24億5千万円にしてもらった。その後、平成17、18年に多胡本人の土地を処分し、また、税金についても一部を公社に補填している。(建設部長)

Q 今後の返済金の捻出はどのようにするのか。
A 公社の利益、経営努力の中で捻出してきた。今後も公社の努力の中で支払っていく。(建設部長)

Q 今後の返済計画のメドはたっているのか。
A 公社のプロパー事業等の経営努方で今後10年間の返還を算出している。(建設部長)

Q この詐欺事件は金額的にも全国的にトップクラスの事件であり、その後、青森県でも小型の公社詐欺事件があったがこの際の上司等の責任者への追求はすさまじいものがあった。当時、安中市でも声があったが、なされなかった。今後、責任者の追及はどうするのか。支払いが106年も続くということなので、記念碑的なものを市役所前に建ててほしいくらいである。106年後の人がなぜ支払いをしなくてはならないのか私共も迷うところである。
A 質問者より回答不要とのこと。

2 ■■■■■■■■■■

Q 当時の組織の体制はどうであったのか。不祥事件等の危機管理マニュアルはあったのか。また、現在はあるのか。コンプライアンスとして法令遵守、職員心得を作成すべきである。
 人的不祥事は前兆がある。この前兆を管理職は見抜く必要がある。また、金銭チェックは二重、クロスチェックをするべきである。職員を同一職務に長く置かないこと。
A 法令遵守、コンプライアンス。これはいまや民間企業も含め、当然我々官庁にも一番重要なことである。
  事件が発生した背景につきましてはたぶん時代背景があると思います。さらにはその辺の危機管理につきましては行政に少しは落ち度があったと反省させていただきます。
  事件を受けまして、市としてもダブルチェック体制として公社でも証書なども今までは一箇所でやっていましたが、再発防止策につきましては非常にきついものを作り、危機管理に関しては非常に機能していると思います。機能していると思うのではなくて、そういう問題に対して、職員全員がそういう意識で取り組んでいこうとしていますので、今のご質問を受けまして、今以上に気をつけます。(建設部長)

3 ■■■■■■■■■

Q 群馬銀行と協議をし、もうこれでチャラにしてくれということで協議されたと思いますが、群馬銀行はどんな理由でダメだと言うのか。
 資料には公社も市も健全経営が行なわれているとあるが、もう少し詳しく敢えていただきたい。
A 和解の条項は非常に重いとの指摘が群馬銀行からあり、和解条項が基本にあるとのこと。それはうちのほうも分かっているが、子々孫々まで続きますので、私共といたしましてはそういう提案を群馬銀行に行いました。
 しかし、群馬銀行からは裁判の結果の和解条項の全9条があり、今後10年については今後、改めて協議するという条項が入っているので裁判の結果は非常に重いとし、今後も10年間、前どおり債務金の支払は、毎年2,000万円という結果となりました。(建設部長)

Q 群馬銀行は10年前の和解条項に固執して今後、10年間それでいくということなのですか。和解条項を見直す姿勢は群馬銀行にはないということですか。
A はい。(建設部長)

4 ■■■■■■■

Q 毎年2,000万円を公社の経営努力で支払っていくということですが、もしその2,000万円を今回の事件に対して使わないとすれば、その2,000万円はどのような使いみちになるのか。
A 公社の経営する事業のための原資として使われると考えます。(建設部長)

Q 市民のために使われる事業なのか。
A まさに、市のため市民のためである。ただ、どういう事業が市のため市民のためかというのが非常に難しいですけども。公社のプロパー事業等々が市民の要望にあっているかどうか、その辺の判断が難しいが、公社として経営する中での原資として使います。(建設部長)

5 ■■■■■■■■■■■■

Q 公社に毎年2,000万円ずつ返す能力があったのか。また、これから土地開発公社自身が利益を生み出していけるのかというところが私には理解できないが、その点を理事長から何か示していただきたい。
A 公社にはプロパー事業があり、企業誘致を行うため、企業訪問を行い工業団地を造成する等の営業活動を行い、その実績で毎年2,000万円を支払うという公社の経営努力として、現れているものがほとんどと思います。(建設部長)

Q この10年間に公社としてその利益がいくらあったか。
A 19年度のキャッシュフローでは3億円という数字であった。(建設部長)

Q この利益は返済に充てられるのか。
A そうである。(建設部長)

Q 公社が利益を生み出すこと自体に疑問がある。公共用地の先行取得を行っている中で何故利益が生まれるのか、また、今後の見通しについて聞かせてもらいたい。
A 20年度から23年度くらいまではある程度、数字を推測している。ただ、それ以降につきましては、不透明である。ただ、債務金の支払い2000万円については公社が経営する中で、その債務については十分公社の体力で返せるという判断である。
 今後、これ以上先の経営は非常に不透明ですけれども。一応その2債円という、その辺についてはある程度うちのほうで数字を把握した金額になります。(建設部長)

Q 税金から補填はされていないのか。
A この事件が発生した時から、市民の方に迷惑をかけない、税金は一切それはしないということが一番大事になっていますので、公社が非常に厳しい経営の中でも経営努力をして、その申で利益を生み出して今までもやってきていますし、今後10年間もその基本方針には一切変わりがない。(建設部長)

6 ■■■■■■■■■

Q 最近は市議会でも取上げないように、この開発公社の不祥事が結局100年を過ぎるような借金ということで、また、岡田市長も前任者の尻拭いというようなことでご努力されていると思いますが、市長がこれから先、辞めても借金だけが残るという大変な借金である。このような説明会においても、興味がある方はたぶんいっぱいいると思いますが、こう見ますと、これだけの方しか集まっていない状況ですので、今後お願いできれば公社の返済の大変さだとか、市が保証人になっているわけですから、いろいろな広報等を通じて、何らかの形で、市はこういう借金があるので大変なんだというようなメッセージを定期的に流していただけるとありがたいが。
A 広報等で、今回のこの群銀との話し合いの結果につきましては、1月1日号には間に合いませんので、今回、明後日の市民報告会を踏まえて、2月1日号で詳しくこの辺については報告をするつもりである。
 それから市民の関心がだんだん薄らいでくる中で、定期的ということなので、それについても充分に市側と調整させてもらって情報の共有が当然必要ですので、それにつきましても、市側と充分調整していきたい。(建設部長)
**********
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多胡運輸を囲むバリヤー/炎上現場隣接マンション外壁の修理費は?

2009-03-08 19:11:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■7ヶ月前の2008年8月3日(日)午前5時52分、首都高5号池袋線下りを走行中のタンクローリーが、熊野町ジャンクション内の急な右カーブを曲がり切れずに横転し左側側壁に衝突しました。タンクローリーは多胡運輸(群馬県高崎市)の所有で、東京都江東区の油槽所から埼玉県さいたま市のガソリンスタンドに向けてガソリン16キロリットル、軽油4キロリットルを輸送していました。この事故で運転手は腰を強く打ち重傷、積み荷は5時間半あまりにわたって炎上し、11時34分に鎮火しました。火災の熱により上下2階建て構造で上層を走る上り線の路面がゆがみ、鉄製の橋桁が長さ40mに渡って変形、最大60cm沈み込むという深刻な損害を首都の大動脈に与えました。

 その後、5号池袋線は北池袋~板橋JCT間の上下線、中央環状線は外回りが西新宿JCT - 板橋JCT間、内回りは板橋JCT~西池袋間で通行止めになりました。一旦一般道へ降り、通行止区間を迂回した後再度首都高速を利用する場合は、再度利用する入口料金所で通行料金を徴収しない乗継割引措置がとられました。8月9日に5号池袋線は上下線とも片側1車線通行で仮復旧。橋脚の補強と2スパン40メートルに渡る橋桁の架け替えが行われ、9月16日に中央環状新宿線外回りから5号線下りへのランプが復旧、5号線上りから中央環状新宿線内回りへのランプも9月18日に復旧し、暫定2車線で通行可能となり、10月14日正午頃に全面復旧しました。なお、被害総額は復旧工事費20億円、通行止めに伴う通行料金の逸失利益25億円の計45億円で、首都高速道路株式会社は、平成20年度中に運送会社に請求する予定だとしています。

 以上が、単独車両による事故としては国内史上最大規模の損害事故の、これまでの経緯と概要です。

■10月14日に首都高が発表した「復旧工事の内容について」によると、「これまで、上層の橋桁2スパンの架け替え、それに隣接する橋脚の補修、鉄筋コンクリート橋脚の補修を実施。今後、裏面吸音板の設置、下層の橋桁の補修等を実施予定。復旧工事費や本事故の通行料金の減収額については、今後精査の上、原因者に請求していく予定」となっています。しかし、まだ、首都高では多胡運輸に損害賠償請求をしたという発表はしていません。

 そのような状況下、当会では、3月7日に現場の状況を視察したところ、上層の裏面吸音板と、下層の裏面吸音板のうち、損傷を受けた橋脚と横桁付近の損傷を受けた部分は全て取り替え工事が完了していました。また、下層の橋桁の補修工事も完了していました。

 裏面吸音板というのは、高架道路の橋桁裏面で反射する街路の自動車交通騒音を少なくするための板で、首都高の下面に設置し、街路から発生する騒音の反射を少なくし、橋桁裏面をすっきり見せる効果もあり、首都高では、幹線街路と首都高が併設されている区間で、騒音がひどい住居地域から優先的に設置しており、熊野町の炎上現場でも、上層下層ともにこの裏面吸音板が設置されていました。


【写真上】高熱で損傷した外壁を修理中のマンション(左側)。


【写真上】下層の橋桁と橋脚の補修工事も完了。真新しい裏面吸音板も取り付け完了。

■ところが、熊野町の首都高5号線の炎上現場を視察した際に、事故現場に隣接する9階建てのマンションの、首都高側の外壁が全面的に補修工事中でした。このマンションの壁は、多胡運輸のタンクローリーの横転炎上事故により、数時間も燃え盛った強烈な炎による輻射熱で、外壁のタイルに損傷を受けていたことで知られています。このほか、現場付近に配線されていたケーブルテレビ用の電線も被害を受けたようですが、現場を見る限り、全て復旧している様子です。

 タイルに損傷を受けたマンションの外壁には、足場が組まれ、保護ネットが全面を覆っており、作業者らが慌しく足場を上り下りしていました。歩道脇に設置されていた道路占用・使用許可証によると、川崎にある塗装会社が施工しており、道路占用許可は東京都第四建設事務所長名で、平成20年10月31日付第3100号で許可が出されており、一方、道路使用許可は、板橋警察署長名で平成20年10月24日付第5245号で許可が出ています。許可範囲は、出巾0.7/1.5mで延長10.0/10.0mとあり、許可期間は平成20年11月6日~平成21年6月5日となっています。このうち、平成21年6月5日の「6」の下に「3」の文字が薄く見えるので、本来は先週木曜に完工する予定だったようです。何らかの理由で3ヶ月ほど完工が遅延しているものと見られます。


【写真上】マンション外壁工事の道路占用・使用許可証。


【写真上】先月(2月)14日に、上り線でカーブを曲がり切れず横転した海上コンテナ搭載トレーラーが、危うく下に落ちかかった場所。修理のための作業足場が、上層部分に設置してある。

■この様子を見て、不思議に思ったのは、このマンションの外壁修理工事を施工している業者は、いったい誰から発注を受けたのか、ということです。現場の道路使用許可を見る限り、発注者はどこにも記されていません。このマンションの管理組合なのでしょうか。しかし、本来、この工事は、首都高で多胡運輸所有のタンクローリーが横転炎上した事故で、とばっちりを受けて損傷した外壁タイル等構造物の修理のためのものですから、管理組合は、当然、首都高に修理を要請したと考えられます。すると首都高は、事故の原因者である多胡運輸に補償を求めるわけですが、おそらく、何らかの事情で多胡運輸からの補償弁済の確認を取らないまま、独自で、マンションの外壁補修を決断したものと思われます。首都高は、多胡運輸に対して、マンションの外壁補修費用についても通告しているはずですが、多胡運輸の了解を取り付けるには、いつまで時間がかかるのか分からないと判断したのかもしれません。

 道路使用許可期間が、平成20年10月24日から平成21年6月5日となっていることから、首都高では、一部の残工事はともかく、全面復旧した平成20年10月14日には、既にマンションの外壁修理工事のための予算や業者選定を行なっていたものと見られます。

 上記はあくまで当会の推測です。けれども気になるのは、もし首都高が本当に隣接マンションの外壁修理工事を多胡運輸に成り代わって行ったのであれば、当然なんらかの発表があってしかるべきです。それを公にせず、川崎の塗装業者に施工を指示したのかどうか。また、この修理費用は、きちんと多胡運輸に請求するのかどうか、確認する必要があります。さもないと、原因者への責任転嫁がきちんと行なわれない場合、結局、首都高利用者の通行料や公金の投入という由々しき事態を招きかねないためです。

【ひらく会情報部】
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