■築60年以上経過したとして安中市が現在の庁舎の建て替えを計画しています。安中市では、市民懇談会の提言だとして、「耐震性や利便性等の観点から、少なくとも旧庁舎・中庁舎は取り壊すことが相応しい」との提言)を受けて、「現在地」、「旧安中高校跡地」、「その他の場所」の3つの市庁舎の整備候補地を比較検討している、としていますが、初めから旧安中高校跡地に狙いを絞って、手続きを誘導していることは見え見えです。
この思惑は、市議会における一般質問への答弁や、保守系会派の市議が安高跡地移転に賛意を示していることからもうかがえますが、市の広報紙「広報あんなか」を読むとさらに安中市の思惑を強く感じることができます。そして、はやくも4月5日に安中市の思惑を色濃くにじませた“官製”アンケートが市民4000人対象に郵送されました。既に回答した市民もいることから、緊急に本日、市内の市民団体「まちづくりワンワンチーム」のチラシが旧安中市内主体に新聞朝刊折込みされて、市民に、官製アンケートに惑わされないように警鐘を鳴らしました。
↑今朝新聞折込された緊急チラシ。↑
※こちらもご覧ください↓
「安中市庁舎建設に関する特別サイト」
https://usuipc.wixsite.com/annaka
当会にも、4月7日に安中市が官製アンケートを送り付けてきたとする情報が入ったため、さっそく4月8日に事実関係を確かめるため電話をかけてみました。
前年度までは、市庁舎建替えについては、企画課が主体で業務を進めていたので、4月の組織変更後も企画財政課が市庁舎建替え業務に携わっているのかと思いきや、「市庁舎建替え担当部署につないでほしい」と市役所受付に訊いたところ「財政課資産活用係」に繋がれました。
担当者のカネタ(金田?兼田?)職員に電話聴取した結果は次のとおりです。
(1) 4月5日(月)に無作為に抽出した4000名に対して安中郵便局と松井田郵便局から発送した。
(2) 4000人の抽出方法は、住基ネットをつかい、その中に住基台帳の「アンケート」機能をクリックすると自動的に選び出した。なお、住基台帳は3月25日時点の情報を使用した。このうち「満16歳以上」という条件のみ付けて自動選出した。したがって、理論的には同世帯で複数人がアンケート対象として選ばれることもありうる。
(3) 前回の景観アンケートのときは、郵送アンケートとともにインターネットアンケートを実施したため、アンケート内容はネット上で公表したが、今回は、用紙を複製される恐れがあるため、アンケート内容はHPに掲載していない。(←※当会の感想:配布用紙の様式をそのまま掲載しなければ、問題ないはずなのに、なにやら姑息なやり方をしていることがわかる)
(4) ただし口頭ではアンケートの設問内容の概要は説明できる。(というので口述してもらったのが以下のとおり。聞き取りをメモしたものなので、あくまで目安です)
(5) 設問1:回答者の属性に係る項目。■年代、■職業、■居住地区(安中、磯部、原市など)、■市での在住年数
(6) 設問2:市役所の本庁舎ライチョウ時に印象など5項目。■過去1年間の来庁回数、■来庁時の交通手段(徒歩、バスなど)、■来庁時の用件、■来庁時に困ったこと(どこになりがあるのか、など)、よかったこと
(7) 設問3:庁舎整備の考え方。■求める機能・役割、■庁舎についている機能及び施設、■建設場所として重視すること(スペースの確保、費用の抑制など)、■庁舎整備の方法は、■場所は3カ所のどこか?(現在地、旧安中高校跡地、その他(自由記載))、■旧庁舎、中庁舎の耐震化は、■その他(自由記載)
(8) 設問4:建替え場所の選択式質問として、■現在地、■旧安中高校跡、■その他場所(自由記載)、■旧庁舎、中庁舎の耐震化、■その他活用法(自由記載)
(9) 設問5:上記設問4の回答で、本庁舎の場所がよいと答えた人、その他の場所がよい、旧庁舎・中庁舎の耐震補強でよいと答えた人について、現在の安中高校の跡地はどのような利活用をすべきか? 7項目のうち2つまで選択として■文化・芸術施設、■イベント・防災施設・多目的施設、■道の駅・ショッピングモール、■スーパー・コンビニ・生活利便施設、■事務所・会社・業務関連施設、■国・県・公共施設、■その他(自由記載)
(10) 設問6:上記設問4の回答で、旧安中高校への移転がよいと答えた人について、現在の庁舎の跡地はどのような利活用をすべきか?7項目のうち2つまで選択として■文化・芸術施設、■イベント・防災施設・多目的施設、■道の駅・ショッピングモール、■スーパー・コンビニ・生活利便施設、■事務所・会社・業務関連施設、■国・県・公共施設、■その他(自由記載)
(11) 設問7:建替えに係る資金面、建設時期などについて、意見を6行ほどの枠内に自由記載
(12) 以上のアンケートは「AI OCR」という機械読み取りソフトに書けて、自動読み取りにて集計する。AI OCRはDeep Learning機能までは備えておらず、自由記載欄の文字も自動読み取りできるが、字体によっては不正確な読み取りの場合もあるので、職員によるチェックも併用して実施する予定。
(13) 結果はHPで発表する。
■以上の市側の説明に対して、当会から、「あとでアンケート原本の閲覧について情報開示請求をする場合、応じてもらえるのか?との質問に、「個人情報として筆跡等の問題があるが、個人が特定できなければ可能かもしれない。可否の即答は控えたい」というので、「今から十分に開示請求に備えて内部で検討をしておくことをお勧めする」とコメントしておきました。
当会の感想として、HPにアンケート内容を掲載せず、インターネットアンケートもやらないというのは、あきらかに結果を操作する思惑があります。今後の状況を厳しく注視し、アンケート結果の検証を厳重にチェックする必要があると感じました。
■すると、アンケートが送られてきた4000人のなかの一人の市民から、アンケート用紙と同封資料が当会に4月9日に情報提供されてきました。さっそく実物を見てみましょう。
↑アンケート用紙の表紙↑
●アンケート用紙(表紙含み全8ページ) ZIP ⇒ ss1ssapgp14.zip
ss2ssapgp58.zip
↑同封資料1および資料3↑
↑同封資料2↑
この資料を見ると、広報と同様の「市庁舎建替え場所は旧安中高校跡地」ありきの誘導記事を引用していることがわかります。
更に大きな問題点は無記名アンケートであることと、管理する通し番号もないことです。電話で財政課資産活用係のカネタ担当の話しでは、住基ネットで無作為に抽出した市民4000人にコード番号を振って管理しているとの説明でしたが、アンケート用紙にコード番号は見当たりません。返信用封筒に振ってあるのかもしれませんが、それでは正確な管理が徹底できません。
これでは、偽造アンケートを紛れ込ませたり、すり替えたりしても、追跡し検証する手段はありません。偽アンケートを大量に作って送りつけても見破る手段はありません。怪しいアンケート結果が出ることがあっても調査する手段はありません。
■もっとよく見ると、アンケート用紙に同封された資料②は、広報の資料を加工して使っていることがわかります。並べて眺めてみると、そのことがわかります。
↑アンケート用紙に同封された資料2右半分の「安中市庁舎に関わる提言書」にある整備候補地の比較↑
↑広報あんなか4月号に掲載された「提言書にある整備候補地の比較」↑
ご覧いただくとお分かりのとおり、資料2では、「使いやすさの面」を筆頭に持って来て、「お金の面」をその下に掲載していますが、もともと広報あんなか4月号では「お金の面」が最初で、「使いやすさの面」はその下に置いていました。
安中市の財政は苦しいはずなので、広報あんなか4月号に示した提言書のとおり、「お金の面」が最優先するはずです。50億円ちかい予算を、庁舎の建て替えに投入する余裕はありません。しかし、安中市は苦しい財政でも、「節約」という意識は希薄のようです。しかも、51億円事件の原因者の親族が保有する市役所隣接の土地について、取得しようとする意志も見られません。
↑安中市役所の目の前にあるタゴの親族所有の土地建物。安中市は「これがあるから、駐車場が狭いので、旧安高跡地での市庁舎建て替えがお勧め」などと、市民に喧伝する始末。↑
■以上のとおり、4月5日に市民4000人を対象に発送されたアンケートは上記のように姑息な加工が施してあります。これでは、市民のためのアンケートではなく、安中市のための「官製アンケート」であることは明らかです。
当会では、4月30日のアンケート締切りを待って、安中市に対して連休明け早々にでも行政文書開示請求を行うことを検討中です。
それにしても、この問題に関心を寄せる市民の皆さんの提言を無視し、自らの都合の良い方向に市民の意見を誘導しようとする安中市行政の体質と実態は、史上空前の51億円巨額詐欺横領事件を起こした26年前と大差ない状況に陥っていると言っても過言ではありません。
【4月12日追記】
この問題に取り組んでいる庁舎建設の方向性を考える会が「安中市庁舎建設に関する特別サイト」を立ち上げました。市庁舎建替えについて、的確な視点から分かり易く解説していますので、ぜひご覧ください。
*****安中市庁舎建設に関する特別サイト*****
https://usuipc.wixsite.com/annaka
↑安中市役所新庁舎H13竣工↑
●わかりやすい市庁舎建設の話
●広報あんなかの比較記事
●正しい情報に基づいた比較
●市民アンケート注意事項
【市民オンブズマン群馬事務局・市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】
この思惑は、市議会における一般質問への答弁や、保守系会派の市議が安高跡地移転に賛意を示していることからもうかがえますが、市の広報紙「広報あんなか」を読むとさらに安中市の思惑を強く感じることができます。そして、はやくも4月5日に安中市の思惑を色濃くにじませた“官製”アンケートが市民4000人対象に郵送されました。既に回答した市民もいることから、緊急に本日、市内の市民団体「まちづくりワンワンチーム」のチラシが旧安中市内主体に新聞朝刊折込みされて、市民に、官製アンケートに惑わされないように警鐘を鳴らしました。
↑今朝新聞折込された緊急チラシ。↑
※こちらもご覧ください↓
「安中市庁舎建設に関する特別サイト」
https://usuipc.wixsite.com/annaka
当会にも、4月7日に安中市が官製アンケートを送り付けてきたとする情報が入ったため、さっそく4月8日に事実関係を確かめるため電話をかけてみました。
前年度までは、市庁舎建替えについては、企画課が主体で業務を進めていたので、4月の組織変更後も企画財政課が市庁舎建替え業務に携わっているのかと思いきや、「市庁舎建替え担当部署につないでほしい」と市役所受付に訊いたところ「財政課資産活用係」に繋がれました。
担当者のカネタ(金田?兼田?)職員に電話聴取した結果は次のとおりです。
(1) 4月5日(月)に無作為に抽出した4000名に対して安中郵便局と松井田郵便局から発送した。
(2) 4000人の抽出方法は、住基ネットをつかい、その中に住基台帳の「アンケート」機能をクリックすると自動的に選び出した。なお、住基台帳は3月25日時点の情報を使用した。このうち「満16歳以上」という条件のみ付けて自動選出した。したがって、理論的には同世帯で複数人がアンケート対象として選ばれることもありうる。
(3) 前回の景観アンケートのときは、郵送アンケートとともにインターネットアンケートを実施したため、アンケート内容はネット上で公表したが、今回は、用紙を複製される恐れがあるため、アンケート内容はHPに掲載していない。(←※当会の感想:配布用紙の様式をそのまま掲載しなければ、問題ないはずなのに、なにやら姑息なやり方をしていることがわかる)
(4) ただし口頭ではアンケートの設問内容の概要は説明できる。(というので口述してもらったのが以下のとおり。聞き取りをメモしたものなので、あくまで目安です)
(5) 設問1:回答者の属性に係る項目。■年代、■職業、■居住地区(安中、磯部、原市など)、■市での在住年数
(6) 設問2:市役所の本庁舎ライチョウ時に印象など5項目。■過去1年間の来庁回数、■来庁時の交通手段(徒歩、バスなど)、■来庁時の用件、■来庁時に困ったこと(どこになりがあるのか、など)、よかったこと
(7) 設問3:庁舎整備の考え方。■求める機能・役割、■庁舎についている機能及び施設、■建設場所として重視すること(スペースの確保、費用の抑制など)、■庁舎整備の方法は、■場所は3カ所のどこか?(現在地、旧安中高校跡地、その他(自由記載))、■旧庁舎、中庁舎の耐震化は、■その他(自由記載)
(8) 設問4:建替え場所の選択式質問として、■現在地、■旧安中高校跡、■その他場所(自由記載)、■旧庁舎、中庁舎の耐震化、■その他活用法(自由記載)
(9) 設問5:上記設問4の回答で、本庁舎の場所がよいと答えた人、その他の場所がよい、旧庁舎・中庁舎の耐震補強でよいと答えた人について、現在の安中高校の跡地はどのような利活用をすべきか? 7項目のうち2つまで選択として■文化・芸術施設、■イベント・防災施設・多目的施設、■道の駅・ショッピングモール、■スーパー・コンビニ・生活利便施設、■事務所・会社・業務関連施設、■国・県・公共施設、■その他(自由記載)
(10) 設問6:上記設問4の回答で、旧安中高校への移転がよいと答えた人について、現在の庁舎の跡地はどのような利活用をすべきか?7項目のうち2つまで選択として■文化・芸術施設、■イベント・防災施設・多目的施設、■道の駅・ショッピングモール、■スーパー・コンビニ・生活利便施設、■事務所・会社・業務関連施設、■国・県・公共施設、■その他(自由記載)
(11) 設問7:建替えに係る資金面、建設時期などについて、意見を6行ほどの枠内に自由記載
(12) 以上のアンケートは「AI OCR」という機械読み取りソフトに書けて、自動読み取りにて集計する。AI OCRはDeep Learning機能までは備えておらず、自由記載欄の文字も自動読み取りできるが、字体によっては不正確な読み取りの場合もあるので、職員によるチェックも併用して実施する予定。
(13) 結果はHPで発表する。
■以上の市側の説明に対して、当会から、「あとでアンケート原本の閲覧について情報開示請求をする場合、応じてもらえるのか?との質問に、「個人情報として筆跡等の問題があるが、個人が特定できなければ可能かもしれない。可否の即答は控えたい」というので、「今から十分に開示請求に備えて内部で検討をしておくことをお勧めする」とコメントしておきました。
当会の感想として、HPにアンケート内容を掲載せず、インターネットアンケートもやらないというのは、あきらかに結果を操作する思惑があります。今後の状況を厳しく注視し、アンケート結果の検証を厳重にチェックする必要があると感じました。
■すると、アンケートが送られてきた4000人のなかの一人の市民から、アンケート用紙と同封資料が当会に4月9日に情報提供されてきました。さっそく実物を見てみましょう。
↑アンケート用紙の表紙↑
●アンケート用紙(表紙含み全8ページ) ZIP ⇒ ss1ssapgp14.zip
ss2ssapgp58.zip
↑同封資料1および資料3↑
↑同封資料2↑
この資料を見ると、広報と同様の「市庁舎建替え場所は旧安中高校跡地」ありきの誘導記事を引用していることがわかります。
更に大きな問題点は無記名アンケートであることと、管理する通し番号もないことです。電話で財政課資産活用係のカネタ担当の話しでは、住基ネットで無作為に抽出した市民4000人にコード番号を振って管理しているとの説明でしたが、アンケート用紙にコード番号は見当たりません。返信用封筒に振ってあるのかもしれませんが、それでは正確な管理が徹底できません。
これでは、偽造アンケートを紛れ込ませたり、すり替えたりしても、追跡し検証する手段はありません。偽アンケートを大量に作って送りつけても見破る手段はありません。怪しいアンケート結果が出ることがあっても調査する手段はありません。
■もっとよく見ると、アンケート用紙に同封された資料②は、広報の資料を加工して使っていることがわかります。並べて眺めてみると、そのことがわかります。
↑アンケート用紙に同封された資料2右半分の「安中市庁舎に関わる提言書」にある整備候補地の比較↑
↑広報あんなか4月号に掲載された「提言書にある整備候補地の比較」↑
ご覧いただくとお分かりのとおり、資料2では、「使いやすさの面」を筆頭に持って来て、「お金の面」をその下に掲載していますが、もともと広報あんなか4月号では「お金の面」が最初で、「使いやすさの面」はその下に置いていました。
安中市の財政は苦しいはずなので、広報あんなか4月号に示した提言書のとおり、「お金の面」が最優先するはずです。50億円ちかい予算を、庁舎の建て替えに投入する余裕はありません。しかし、安中市は苦しい財政でも、「節約」という意識は希薄のようです。しかも、51億円事件の原因者の親族が保有する市役所隣接の土地について、取得しようとする意志も見られません。
↑安中市役所の目の前にあるタゴの親族所有の土地建物。安中市は「これがあるから、駐車場が狭いので、旧安高跡地での市庁舎建て替えがお勧め」などと、市民に喧伝する始末。↑
■以上のとおり、4月5日に市民4000人を対象に発送されたアンケートは上記のように姑息な加工が施してあります。これでは、市民のためのアンケートではなく、安中市のための「官製アンケート」であることは明らかです。
当会では、4月30日のアンケート締切りを待って、安中市に対して連休明け早々にでも行政文書開示請求を行うことを検討中です。
それにしても、この問題に関心を寄せる市民の皆さんの提言を無視し、自らの都合の良い方向に市民の意見を誘導しようとする安中市行政の体質と実態は、史上空前の51億円巨額詐欺横領事件を起こした26年前と大差ない状況に陥っていると言っても過言ではありません。
【4月12日追記】
この問題に取り組んでいる庁舎建設の方向性を考える会が「安中市庁舎建設に関する特別サイト」を立ち上げました。市庁舎建替えについて、的確な視点から分かり易く解説していますので、ぜひご覧ください。
*****安中市庁舎建設に関する特別サイト*****
https://usuipc.wixsite.com/annaka
↑安中市役所新庁舎H13竣工↑
●わかりやすい市庁舎建設の話
●広報あんなかの比較記事
●正しい情報に基づいた比較
●市民アンケート注意事項
【市民オンブズマン群馬事務局・市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】