市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

市有地を勝手に埋立てて太陽光発電施設を設置した古塩建設の無法ぶりに手をこまねくみどり市の体たらく

2021-09-07 23:07:00 | オンブズマン活動
■9月6日に地元紙2紙に、みどり市で、民間の太陽光発電施設の敷地内に、市有地が無断で使われているという、ふがいない行政で知られる群馬県内の自治体のなかでも極めつけの事件が報じられました。さっそく記事を確認してみました。

**********上毛新聞2021年9月6日06:00
ZIP ⇒
市有地が太陽光発電施設の敷地の一部に… 盛り土されソーラーパネル設置 市側「業者と話し合う

市有地を示す「標柱杭」2本が見える太陽光発電施設の敷地


大量の盛り土がされた太陽光発電施設
 群馬県みどり市大間々町桐原の市有地159平方メートルが市内の建設業者によって盛り土され、太陽光発電施設の敷地の一部になっていたことが分かった。市と業者は7月に土地の境界線を画定させた際、市有地の一部にソーラーパネルが設置されていることを確認した。市は「業者と話し合って解決したい」としている。
 登記簿によると、市有地は公衆用道路で、1979年に旧大間々町の所有権が登記されている。
 市建設課によると、2013年に業者側から市に「残土を入れたい」と申し入れがあった。当時、道路東端は擁壁が道をふさぐように築かれ、路面は崩れた土で埋まっていたため、市は近隣土地所有者の了解を得ることを条件に了承。この際、利用契約書などの書面は交わさなかった。
 業者は12~15年に市有地周辺の畑、山林約5300平方メートルを会社名義や役員名義で購入。敷地西側と南側に玉石積みの擁壁を築いて土砂を運び込み、盛り土された土地に16年に太陽光発電施設を設置した。
 市は昨年10月、再生可能エネルギー発電設備規制条例を施行。既存施設でも災害や生活環境に被害が及ぶ恐れがある場合、市が事業者に防止措置を求めることができると規定している。また、県太田土木事務所によると、同施設については建築基準法に基づく工作物の設置申請が出ておらず、大量の盛り土があるため定期的に現況調査を続けているという。
 業者は施設北側の農地で地権者の了解を得たとし、16年から大量の建設残土を搬入。業者側は19年7月、工事代金798万円を地権者に請求する訴訟を前橋地裁桐生支部に起こした。これに対し、地権者側は「工事契約書は存在しない。勝手に残土を運び込んで代金を請求する詐欺的行為」として、農地の原状回復を求める反訴を行い、係争中となっている。
 上毛新聞の取材に、建設会社社長は「訴訟中なのでお答えできない。太田土木の調査にはコンサルも入れて話し合いをしている。支障はない」と回答した。(和田吉浩)

**********桐生タイムス2021年9月6日

民間太陽光の敷地に市有地 みどり市大間々町で
 みどり市大間々町桐屋で市内の建設業者が設置した太陽光発電施設の敷地に、同氏の市有地が一部含まれていることが分かった。市の了承なく同市有地に太陽光発電施設を設置したとして、市は業者に対し「今後指導を検討したい」としている。
 登記簿によると、同市有地は159平方メートル。1979年に公衆用道路として旧大間々町の所有権が登記されている。
 市と業者は今年7月、太陽光発電施設の敷地と同市有地の境界確定を行い、同市有地の一部に太陽光発電パネルが設置されていることを確認した。
 太陽光発電施設は、業者が同市有地周辺の畑など4000平方メートル以上を、会社名義や役員、その親族名義で購入。同市有地を含めて盛土して造成し、2018年に整備したものだ。
 市建設課によると、市は13年に、同市有地に残土を入れたいとの業者の申し入れを了承した記録はあるが、太陽光発電施設としての利用を了承したことはないという。
 市の了解なく同市有地に太陽光発電パネルが設置されたことに対し、市建設かは「どのような形でおこなうかどうかも含めて、業者に対して指導を検討したい」と説明した。
 建設会社社長は桐生タイムス社の取材に、「きちんとしなければと考えている。うちとしては(同市有地の)払い下げも含め、以前から市と協議している認識」と答えた。
**********

■実は、この事件について当会は既に昨年初めから取り組んでいます。その端緒となった最初の情報は2020年1月4日に当会に寄せられました。

*****寄せられた投稿*****
こんにちは。 突然のダイレクトメールすみません。
みどり市のあか道にソーラーパネルが建っている様で細い道ですが通れなくなっています。そのソーラーパネルの業者に私は殴られたり、建設残土を親族の所有地に捨てられたり嫌がらせを受けています。なぜ嫌がらせを受けているかと言うと所有地がソーラーパネルを設置している業者の隣にあり、土地を売って欲しい・交換して欲しいと言う話を持ちかけられ断っているからで、土地を手に入れ南向きの日当たりも良いのでソーラーパネルを建て増ししたいのだと思います。 既に畑だった所有地は、 建設残土を捨てられ良い土は削り取られソーラーパネルの建っている土地と地続きになり耕作不能な土地へと整地されてしまいました。 市の土地や私有地を我が物顔で手を加える業者に困り果てています。 市や警察にも対応を望みましたが動いてくれませんでした。 挙げ句の果てには、業者が残土を捨て処分場のようにされた土地を「整地を依頼されたと主張」され、およそ8000000円を請求され訴訟を起こされています。 市も警察も動いてはくれず司法からも攻められ途方にくれています。 たくさんのことがあり過ぎて 大本の元凶と思われるソーラーパネルの建っている市の土地についてご意見等頂けると幸いです。

この様に道も建設残土で埋め立てられ 奥は崖になり高さも10m前後あります。 崖下に家もあり、夏の豪雨の際に水が出て崩れるのではないかと、下の建物持ち主さまも困っていました。
**********

■みどり市では、これまで大間々町13区の集会場を巡る不正会計事件や、やはり太陽光発電施設を巡り、サンパイが練り込まれた残土が大量に埼玉県から夜陰に乗じて持ち込まれて造成されていた事件が発生し、その都度、当会で対応してきた経緯があります。

 今回も残土業者と結託したソーラー発電施設設置業者の実態の典型例として捉えられますが、以前の類似事件については以下のURLを参照ください。
○2016年8月26日:太陽光発電施設を巡るサンパイ不法投棄問題・・・桐生市新里町奥沢のソーラー施設造成事件の場合
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2108.html
○2016年11月24日:桐生市新里町奥沢のソーラー施設造成事件に対する群馬県サンパイ110番の対応における不完全燃焼
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2175.html

 とりわけ、ソーラー発電施設の造成時に、産業廃棄物を練り込んだ残土が県外の首都圏、おもに埼玉県から群馬県に持ち込まれるケースが後を絶ちません。今回のみどり市の相談者からの情報も、このケースと同類の事件だと察せられました。

 群馬県では土砂条例(残土条例とも称される)で、3000㎡以上の造成・埋め土の場合に申請を義務付けています。3000㎡未満の場合は、それぞれの自治体の土砂条例が適用になりますが、一部の自治体ではまだ土砂条例が施行されていないところもあります。なお、群馬県ではこの条例を制定したものの、その運用面ではザルも同然の杜撰な実態であることは、当会も認識済みです。

 なお、みどり市では4年ほど前に制定しているようです。
※参考URL:みどり市土砂等による埋立て等の規制に関する条例について
https://www.city.midori.gunma.jp/www/contents/1498018251626/index.html
※参考URL:みどり市土砂等による埋立て等の規制に関する条例のあらまし(平成29年7月1日施行) https://www.city.midori.gunma.jp/www/contents/1498018251626/simple/doshagaiyou.pdf

 今回の相談者の直面する事件の場合、問題点をまとめてみて、追加の情報提供が必要だと考えます。

■当会は、相談者からの情報から、当時、この事件の問題点について、以下のとおり纏めました。
(1)みどり市の赤道(あかみち)(公共物)を占拠してソーラーパネルが建っている。⇒公有地不法占拠
(2)そのソーラーパネルの業者に、相談者が暴力を振るわれている。⇒傷害罪
(3)建設残土を親族の所有地に捨てられたりして、嫌がらせを受けている。⇒残土の不法投棄
(4)嫌がらせの理由が、ソーラーパネルを設置している業者の隣に相談者の土地があり、土地を売って欲しい・交換して欲しいと言う話を持ちかけられ断っているため。⇒恐喝、脅迫
(5)かつて畑だった相談者の所有地に、 建設残土を捨てられ良い土は削り取られソーラーパネルの建っている土地と地続きになり耕作不能な土地へと整地されてしまった。⇒財産権侵害
(6)ソーラー発電業者は、みどり市の土地や私有地を我が物顔で手を加えている。⇒財産権侵害
(7)相談者は、みどり市や警察にも対応を望んだが、動いてくれない。⇒告発・告訴への不作為
(8)ソーラー発電業者が残土を捨てたため、残土処分場のようにされた土地を、ソーラー発電業者が「整地を依頼された」と主張し、相談者に約800万円の費用を請求し、訴訟を起こされている。⇒民事不当請求

 そのうえで、オンブズマンの活動趣旨の観点から、上記(1)と(3)と(6)と(7)について、行政がらみのトラブルなので、趣旨に合致している事案だと思います。また、事件に派生して起こされている民事裁判に関する(8)についても無視できないかもしれません。

 このように考えて、さっそく相談者に連絡を取り、事件が起きた市有地の地番、場所の住所、事件の経緯、ソーラー発電業者名、民事裁判の訴状の写しなどを入手して、対応策を練りました。

 そして、相談者が直面する事件へのオンブズマンとしての対応を、とりあえず以下のとおり計画しました。
(ア) みどり市
 公共物(あかみち)の無断使用や、境界未確定のまま境界杭が設置されるなど、みどり市の財産管理に大きな影響を与えており、市に毅然とした対応を取らせること。
(現場写真をみると、市有地にはみ出ていたり、フェンスの設置がなされていなかったりしています。太陽光発電所におけるフェンスについては、一般に、50kw以上の発電所の場合、設置が法律で義務づけられており、50kw以下の発電所に関しては、法的にはフェンスは不要のようですが、やはり高圧電気設備なので、保安上、なんらかの対策が必要だと思われます)
(イ)警察
 業者に暴力を振るわれたのですから、傷害罪で告訴すれば警察は対応しなければならないはず。それをしないというのであれば、クレームを申し入れ、不作為を撤回させて、捜査を促すことが肝要だと思います。
(ウ)裁判所
 理不尽な民事裁判を提起されているのであれば、その実態を、上記(ア)(イ)と合わせて、司法の怠慢ぶりを広く世間に知らしめる必要があります。

■上記の過程で、ソーラー発電施設の業者は「古塩建設」で、その所有者の関係人として、古塩努という人物が相談者に対する暴行傷害事件を起こし、建設業許可/土地建物取引業許可/産業廃棄物収集運搬業許可の取り消し処分を受け、その腹いせにいろいろなトラブルを起こしていることが判明しました。

 そしてこの古塩建設が、業務許可取り消し処分を受けた後、驚くべきことに、親族である娘の大川昌美という人物の名を借りて「株式会社コシオ」と称する“別会社”を平成31年4月に設立し、古塩建設の建設業の事業をそのまま引き継いでいること、住所も電話番号も同一であること、さらに、この古塩建設は、過去毎年みどり市や群馬県の公共事業の受注もあり、行政にそれなりの顔が利くことも分かりました。

※参考資料
◆群馬県による古塩建設の建設業取消処分「県報第平成31年4月5日群馬県報第9688号
https://www.pref.gunma.jp/contents/100105909.pdf#search=%27%E5%8F%A4%E5%A1%A9%E5%8A%AA%27
ZIP ⇒ 20190405qn9688.zip
◆株式会社コシオ  法人番号指定年月日 平成31年4月24日  新規設立
https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=1070001035673

■そして、2020年3月16日にみどり市長に対してこの問題についての公開質問をなげかけました。

*****公開質問書*****
            公 開 質 問 書
                            令和2年3月16日
みどり市長 須藤 昭男 様
                   公開質問者:
                    〒376-0052桐生市天神町3丁目13-36
                    市民オンブズマン群馬桐生支部
                    長 澤 健 二    印
                    TEL: 090-7197-6449

         件名:市有地及び雨水側溝の整備

拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 質問者は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体である「市民オンブズマン群馬」のメンバーです。

1 質問の趣旨
 安倍総理が事あるごとに、国は国民の生命と財産を守ると言っているように、行政には住民の生活環境の保全の責務があります。みどり市はみどり市民から税金を徴収し、市民の生命と財産を守る義務があります。
 要するに、みどり市は市民の事を思って行政をしなければならないし、市民から相談があったら、誠実かつ迅速な対応が求められます。
 令和2年2月15日に、御市在住のAさんから市民オンブズマン群馬に訴えがあり、翌17日に当会代表以下会員2名の計3名がAさんを交えて現地視察を実施しました。その結果、みどり市所有の土地が何者かによって盛土され、太陽光発電設備に供用されている様子を確認することができました。
 実情を調査するために、御市在住のAさんから情報開示請求をしていただいたところ、貴殿より2月25日付、3月3日付の文書不存在の通知と説明を受けたと連絡がありました。質問者が確認したところ、非常に不思議に思うことがありますので下記のとおり質問いたします。ご多忙中恐縮ですが、全質問項目について、必ず回答をしてください。

【質問1】
 みどり市では、排水設備接続届(正式名称は不明)などの申請書はないのですか。
 ちなみに質問者は、元建築設備関係の会社に在籍していたことがあります。当時、業務で滞在していた東京都、千葉県はもとより、現在、質問者の住んでいる桐生市では排水設備設置申請書(正式名称は不明)を提出して、行政による検査を完了してから、開始届を提出して使用しております。
 みどり市にはこうした申請手続きや申請書類は存在しないのですね。明確にご回答願います。

【質問2】
 貴殿は、同上の公共物に無断で排水溝を設置されているのを何時知りましたか。
 又、知ってからの市としての対応をどうしてこられたのでしょうか。
 さらに今後どのように対応されるつもりなのでしょうか。明確に回答願います。

【質問3】
 みどり市大間々町桐原1570-379の公道が擁壁で遮られている件についてですが、公文書の存在しない理由は理解できました。しかし、※以降の回答が次のように記されています。
「なお、現状では、太陽光パネルが設置されており、公共物の無断使用が疑われるところですが、公共物の場所が特定できず、無断使用している箇所等も指摘できないことから、境界確定後、太陽光パネルが公共物にかかっていれば、公共物の使用申請及び使用料請求の手続きをすることになります。」
 みどり市では、法務局より発行された地図に準ずる図面と現地を確認しても場所の特定ができないというのでしょうか。
 情報公開請求の時、地図と写真を貴殿に見ていただいています。地番1570-379が擁壁で遮られている状況は、現地を調べれば容易にわかるはずです。疑いがあるのなら調査するのが地方公務員としての務めではないでしょうか。
 そもそも、埋め立てを行う場合は、埋め立てを行う方が、測量をして、隣地所有者(この場合はみどり市)立ち合いのもとに杭を打って境界を決めるはずです。違いますでしょうか。
 このような回答しかできない職員が、貴殿のコントロールする御市の建築課にいること自体、信じられません。貴殿は直ちに、無断で改変された公有地を太陽光パネル設置業者に原状回復をするように訴えなければなりません。明確にご回答願います。

【質問4】
 憲法15条は「公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」と定めています。
 地方公務員法第31条は「職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。」とあり、宣誓書には「私は、地方自治の本旨を体するとともに、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に執行することを固く誓います。」と記されており、公務員はこれに署名、捺印しているはずです。ここで言う「全体」とは貴殿を信託したみどり市民を指していることは明らかです。
 この観点から、貴殿ら公務員の皆さんがみどり市所有の土地が不法に占拠されている現況を目の当たりにしながら、何もしようとしないとなれば、貴殿ら公務員が「一部のための奉仕者である」ことになってしまうでしょう。
 そもそも、市民からの通報があっても、調査しようとしないのはとうていゆるされるものではありません。御市にこのような職員がいること自体、甚だ嘆かわしいことだとお思いになりませんか。宣誓書で誓ったように、残土条例等、さまざまな関連条例や規則を駆使して、公有財産が毀損されないように厳重に対処しなければならないはずです。
 貴殿はこのような宣誓内容の不実行の職員に対して、どのように指導していくつもりなのでしょうか。貴殿の明確なご回答を願います。

 大変勝手ながら、上記質問への回答を、3月26日(木)必着で文書にて質問者の上記連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記連絡先までお伝えいただきたく存じます。
                              以上
**********

 しかしこの公開質問に対し、みどり市は回答をよこしませんでした。

■その後も当会会員は、暴力事件を起こした古塩建設が建設業許可を取り消された直後に、株式会社コジオが設立された経緯について、群馬県に対して2件の公文書開示請求をしました。

 その結果、「株式会社コシオ(群馬県みどり市)の建設業許可願書に関係する書類一式」については、群馬県県土整備部建設企画課に情報開示請求をしたところ、令和2年6月17日付け建企第5-2号で公文書部分開示決定が通知されましたが、一部肝心な箇所が黒塗りされていたため、同6月30日に群馬県に対して審査請求を提起したりしましたが、群馬県は黒塗り箇所の開示に抵抗しており、未だに審査会で審理が続けられています。

 また、太陽光発電施設に伴う擁壁工事の危険性を検証すべく「みどり市大間々町桐原の工作物についての関係書類一式」を群馬県太田土木事務所に情報開示請求をしたところ、令和2年6月25日付け太土第0810479002-1号で公文書部分開示決定が通知されました。ところが、これまた一部部分開示ということで黒塗り箇所があり、同6月30日に太田土木事務所に対して審査請求をしましたが、結局こちらも太田土木事務局が黒塗り箇所の開示に抵抗しており、未だに審査会で審理中です。

■さらに問題なのは、悪徳業者の古塩建設の代理人を引き受けて、残土のよる埋め立てなど依頼していないのに古塩建設から賠償金の支払いを迫られている隣接土地所有者に対して、請求書を送り付け、支払を強要すべく訴訟まで起こしている弁護士らの存在です。あまりにもひどすぎる弁護士らの品位を正す必要があると考えた当会会員は、令和3年2月3日付で群馬弁護士会に懲戒請求の手続きを取りました。

*****懲戒請求書*****
          懲 戒 請 求 書
                  令和3年2月3日
群馬弁護士会会長 殿
               懲戒請求者  長澤 健二    印

 以下の通り懲戒処分を請求する。
1 懲戒請求者の氏名、年齢及び住所
  氏  名  長澤 健二
  年  齢  69 歳
  郵便番号  〒376-0052
  住  所  群馬県桐生市天神町3丁目14-36
  電話番号  0277-46-7334

2 懲戒を請求する弁護士の氏名及び事務所又は住所
  氏  名  白田 佳充
  事 務 所  白田・久保田法律事務所
        群馬県桐生市巴町2丁目1821番地 根岸ビル2F

  氏  名  久保田 寿栄
  事 務 所  白田・久保田法律事務所
        群馬県桐生市巴町2丁目1821番地 根岸ビル2F

3 懲戒を求める理由
(1)白田弁護士は平成30年3月15付でみどり市大間々町大間々2279-2番地、古塩健児氏の委任を請けたとして、突然、白田・久保田法律事務所名で、みどり市在住の石原節男氏へ書類を送付してきた。
(2)中身を確認すると「催告書」(疎明資料A)であった。その催告書には、石原氏にとっては身に覚えがない請求書(疎明資料B)が添えてあった。石原氏は弁護士からの書類であることから非常に驚き、知人に相談したりした。知人のアドバイス等を参考するなどした結果、石原氏は、次回からは催告書を受け取らずに返送していた。
(3)その後、平成30年3月30日付で白田・久保田法律事務所の、今度は、久保田弁護士より請求書が石原氏へ送られてきた。
(4)こうして、白田、久保田弁護士(以下「該弁護士ら」という)は現地も確認せずに、依頼者である古塩建設の主張をうのみにして、石原氏に確認することもなく、催告書、請求書を送りつけた。その結果、なんの瑕疵もない石原氏は、極めて強度の精神的緊張を強いられ、穏便な日常生活を妨げられている。
(5)はたして弁護士には、依頼者から理不尽なことであっても、なんでもかんでも事件を引受ける義務があるのだろうか。社会通念上、弁護士たる者は、受任にふさわしくないと考えた事件は、受任しないはずである。よって、相手を苦しめるだけの不当な目的の事件は、受任しないのが、常識のある弁護士たる資質のはずである。
(6)それなのに、該弁護士らは、弁護士の肩書をたてに、脅しともとれる催告書と請求書を不当に送りつけてきた。このことは、弁護士としての資格欠如と見なされるため、該弁護士らの懲戒を求める。
(7)そもそも、該弁護士らは、事実に基づいて石原氏の瑕疵を問うのであれば、契約書等の事実をまず確認すべきである。さらに、現地を確認すれば事実関係がより正確に認識できるはずである。
(8)仮に、該弁護士らの言うことが事実であれば、請求書にある擁壁は石原氏所有の土地と隣地であるみどり市所有の境界に立っている。この擁壁は工事に当たりみどり市の許可が必要な構築物である。なぜなら、この擁壁を建てるにはみどり市の土地を一度掘り起こし建設する必要があり、そこには設置された雨水側溝があるため、雨水側溝の廃止届等の許可が必要になるはずである。しかも、その壊された側溝は、石原氏所有の土地に放置されている。懲戒請求者は、このことをみどり市に確認したところ、みどり市建設課は「この擁壁造成にあたりみどり市は許可した覚えがない。」との回答である。そもそも、当時白田弁護士はみどり市の顧問弁護士をしていた。みどり市に確認すれば済むことであり、法を武器に一般人を脅迫まがいなことをすることは許されない。
(9)該弁護士らの以上の所為は、弁護士法第一章の弁護士の使命及び職務の第一条(弁護士の使命)の第1項「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」及び同条第2項「弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律 制度の改善に努力しなければならない。」、そして同第二条(弁護士の職責の根本基準)「弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。」に違反しており、懲戒処分相当である。

4 懲戒の請求の年月日
  令和3年2月3日

5 疎明資料等
(1)疎明資料A:催告書
   ZIP ⇒ saikokusho.zip
(2)疎明資料B:請求書
   ZIP ⇒ seikyuusho.zip
                               以上
**********

 この懲戒請求手続きは、その後も、群馬弁護士会で審理が続いていますが、同じ仲間同士のため、厳しく罰することが出来ず、処分されるとしても極めて大甘な処分になるのが一般的です。
※20210204懲戒請求開始通知 ZIP ⇒ 20210204jnm.zip
※20210303懲戒請求弁明書(1) ZIP ⇒ 202103031.zip
202103032.zip
※20210316懲戒請求反論書 ZIP ⇒ 20210316_bp.zip
bq.zip
bru.zip
※20120329懲戒請求弁明書(2) ZIP ⇒ 20210329i2j.zip

■現在全国各地で、太陽光発電施設を巡り軋轢が発生していますが、その中でももっとも酷い事件のひとつであることは紛れもない事実です。なので、当会としても微力ながら全力を挙げて支援してきたところです。

 そうした最中に、地元の新聞に記事として掲載されたことは、大きな前進と言えるでしょう。引き続き当会は、悪徳業者やそれを支える悪徳弁護士の撲滅に向けて努力を傾注してまいりたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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禁断のRDFとみなかみ町・・・怠る事実と契約継続中なのに期限徒過で却下判決を出した前橋地裁のヒラメ判事

2021-09-05 12:56:00 | みなかみ町政の暗闇
■9月2日の地元紙の社会面に、当会のみなかみ支部会員がみなかみ町を相手取り係争してきた裁判で、前日9月1日に前橋地裁民事第1部の田中芳樹裁判長が、原告棄却の敗訴判決を言い渡した記事が掲載されました。みなかみ町政を揺るがせてきた元町長の岸良昌とその取り巻き連中が起こした未曽有の組織ぐるみの犯罪的行為に、またもや前橋地裁は、行政を過剰に忖度する無責任判決を下しました。さっそく報道記事を見てみましょう。


**********上毛新聞2021年9月2日
ZIP ⇒ 20210902vlirdflj.zip
みなかみRDF 原告の請求却下 前橋地裁判決
 みなかみ町内の一般ごみを再利用した廃棄物固形燃料(RDF)実証実験事業を巡り、町が計約2億3500万円の損害を受けたとして、元町議の男性が町に対し、元町長と当時の担当課長に損害額を請求するよう求めた住民訴訟の判決言い渡しが1日、前橋地裁であり、田中芳樹裁判長は原告側の請求を却下した。
 原告側は、実験施設が町議会の議決を経ていない協定書に基づいて町有地に建設されるなど市、岸良昌元町長と契約変更に関わった当時の担当課長が待ちに損失を与えたと指摘していた。
 判決理由で田中裁判長は、原告側は協定締結を知ってから約1年後に監査請求をしたと指摘。「訴えは適法な監査請求を前提にしたものではない」とした。
 判決について、原告の男性は「検討すらせずに『却下』としたいいかげんな判決。控訴するか検討する」とした。一方、町の担当者は「判決書が届いていないのでコメントは差し控えるが、こちらの考えが認められたと考えている」とした。
**********

■みなかみ町のたくみの里近くの日帰り温泉「遊神館」の一角に、「RDF実証試験施設」なるものが建てられたのは、平成30年でした。しかし、議会の議決を経ないまま署名された協定書にもとづき、建てられたこの施設でRDF実証試験の目途は立たず、行く先を失ったRDFが保管庫から溢れ、あわてて2017年6月から別の業者とRDFの引取り契約を交わしたら、それまでの2倍の処理費用の1トン当たり3万8000円となり、みなかみ町は泣き面にハチという状況です。

 そのため、こうした事態を招いた背景を調べるため、当会みなかみ支部の会員が2020年10月30日に住民訴訟を前橋地裁に提起しました。そして、これまでに、以下のとおり7回にわたる口頭弁論が開かれてきました。
①2020年1月15日 第1回口頭弁論(被告は擬制陳述で欠席)
  訴状:URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3068.html 参照
  訴状訂正:URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3093.html 参照
  答弁書=被告準備書面(1):URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3132.html 参照
②2020年3月11日 第2回口頭弁論(コロナ蔓延のため寸前にキャンセル)  
③2020年6月17日 第2回口頭弁論(変更後)
④2020年9月30日 第3回口頭弁論
⑤2020年12月2日 第4回口頭弁論
⑥2021年2月3日 第5回口頭弁論
⑦2021年3月24日 第6回口頭弁論
⑧2021年6月2日 第7回口頭弁論(弁論終結)

 なお、この事件のこれまでの経緯については、次のブログ記事を参照ください。
○2019年10月13日:スッポン養殖に目がくらみ禁断のRDFに手を出したみなかみ町に住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3050.html
○2019年11月2日:禁断のRDFとみなかみ町・・・お粗末過ぎる住民監査結果を通知された当会会員が住民訴訟提起
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3068.html
〇2019年12月22日:禁断のRDFとみなかみ町・・・RDF問題に光を当てる住民訴訟の第1回弁論期日が1月15日10時に決定
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3093.html
○2020年2月15日:禁断のRDFとみなかみ町・・・1月15日住民訴訟第1回弁論で町側が争う姿勢、次回期日は3月11日
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3123.html
○2020年3月8日:禁断のRDFとみなかみ町・・・第1回弁論で争う姿勢を見せたみなかみ町がようやく準備書面(1)を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3132.html

■6月2日の第7回口頭弁論で、それまでの渡邊和義裁判長(今年4月に東京高裁の判事に異動)から後任として赴任し本事件を担当することになった田中芳樹裁判長が、いきなり結審を宣言し、「判決言渡しは9月1日水曜日13時30分とします」と告げたのでした。

 そして当日、裁判所には傍聴席にみなかみ町の住民の皆さんや、町職員、そして中央部には記者席が設けられ、マスコミ関係者も多数詰めかけて、コロナ対策で減数となった傍聴席は満席の状態でした。さらに、司法修習生の若い男女2名が、法的内の向かって麦側に設えられた司法修正用の席に着きました。

 原告の当会みなかみ支部会員が、法廷内に入って原告席で待機していると、まもなく定刻に少し遅れて田中裁判長が陪席裁判官2名を従えて、入ってきました。全員起立して一礼したあと、橋本書記官が「令和元年(行ウ)第20号」と事件番号を読み上げました。

 そして田中裁判長がうつむいたまま、判決文を取り出し「主文、1、本件訴えをいずれも却下する。2、訴訟費用は原告の負担とする」と読み上げました。傍聴席につめかけたみなかみ町の住民の皆さんは、えっ?と何がどうなっているのか、怪訝そうな表情を浮かべました。

 マスコミ関係者はさっそく記事をかくためか、あるいは判決文を確認するためか、それとも、住民の皆さんから感想を聞くためか、外の廊下に出て行きました。

 当会は4名の会員が傍聴していましたが、原告の会員とともに、3階にある民事第1部の窓口に行き、「判決文」の交付を求めました。まだ、担当の橋本書記官が引き続き行われている別の裁判で戻っていなかったため、他の同僚職員に交付を求めると「当事者以外は外で待っていてください」と言われ、外にあるベンチで待機していました。

 3分ほど経過すると原告の当会会員が判決文を手にして民事第1部の窓口から出てきたので、さっそく県庁2階の県民センターにあるコピー機でコピーすることにしました。

 1階に降りると、ロビーに上毛新聞と読売新聞の記者が待っていました。ロビーで取材を受けると、守衛が裁判所の総務課の職員に通報して、排除されるため、外で取材を受けるため、地裁の入口前の水路に係る橋の脇で取材を受けました。そのときの当会のコメントが冒頭の新聞記事にある「検討すらせずに却下とした、いいかげんな判決」です。

 果たしてどんな判決だったのか、棄却ではなく却下でしたので、傍聴席で「棄却する」という田中裁判長の声を聴いた途端、直感で気に「ああ、これは門前払いの判決だな」と確信し、傍聴席にいたみなかみ町の住民の皆さんにも、判決後、退室する際に、そのように感想をお伝えしました。

■では、実際にどのようなトンデモ判決だったのでしょうか。以下に田中芳樹裁判長によるヒラメぶり極めつけの呆れ果てた判決文をご覧いただきたいと思います。

*****9/1判決文*****ZIP ⇒ 20210901irdf1ij.zip
<P1>
令和3年9月1日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 橋本勇一
令和元年(行ウ)第20号 RDF違法事業費用損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 令和3年6月2日
             判       決
   群馬県利根郡みなかみ町布施339-1
       原       告   鈴  木  章  二
   群馬県利根郡みなかみ町後閑318
       被       告   みなかみ町長 鬼頭春二
       同訴訟代理人弁護士   増  田  智  之
       同           山  崎  由  恵
       同           川  住  岳  央
       同訴訟復代理人弁護士  小  林  浩  暉
             主         文
      1 本件訴えをいずれも却下する。
      2 訴訟費用は原告の負担とする。
             事 実 及 び 理 由
第1 請求
 1 被告は,岸良昌(以下「岸」という。)及び高橋孝一(以下「高橋」という。) に対し,2億3423万9025円及びこれに対する平成29年6月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を連帯して支払うよう請求せよ。
 2 被告は,岸及び高橋に対し,120万円及びこれに対する平成29年10月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を連帯して支払うよう請求せよ。
第2 事案の概要
 みなかみ町長であった岸は,同町を代表して,平成29年5月22日,株式会社ウィズウェイストジャパン(以下「WWJ社」という。)及びサンエコサーマル株式会社(以下「SES社」という。)との間で,一般廃策物(固形

<P2>
燃料RDF)運搬処理業務委託契約(以下,「本件業務委託契約」という。)を締結し,同年7月1日,同契約について,業務委託変更契約(以下「本件変更契約」という。)を締結した。また,岸は,同町を代表して,平成29年10月3日,みなかみエネルギーサービス株式会社(以下「MES社」という。)との間で,みなかみ町遊神館RDFボイラー実証試験協定(以下「本件協定」という。)を締結し,MES社は,同協定に基づいて,RDFボイラーを町有地である町営奥平温泉遊神館(以下「遊神館」という。)内に設置した。
 みなかみ町民である原告は,①岸が同町役場の生活水道課長であった高橋の手引きで,違法に上記各契約を締結して同町に損害を被らせ,②岸及び高橋が,MES社が町有地内に違法にRDFボイラーを設置している 状況を放置して同町に損害を被らせたと主張して,同町の執行機関である被告を相手に,地方自治法242条の2第1項 4号本文に基づいて,岸及び高橋に対し,不法行為による 損害賠償請求として,上記①について2億3423万9025円及びこれに対する平成29年6月30日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金,上記②について120万円及びこれに対する平成29年10月3日から支払済みまで上記同様の割合による遅延損害金を連帯して支払うよう請求することを求めた。
 1 本件に関する法令の定め
 (1) 地方自治法(以下「法」という。)の定め(抜粋)
 普通地方公共団体の議会は,次に掲げる事件を議決しなければならない。(96条1項5号,6号)
 ア その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
 イ 条例で定める場合を除くほか,財産を交換し,出資の目的とし,若しくは支払手段として使用し,又は適正な対価なくしてこれを譲渡し,若しく

<P3>
は貸し付けること。
 (2) みなかみ町議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(以下「本件条例」という。)の定め(抜粋)
 法96条1項5号の規定(前記(1)ア)により議会の議決に付さなければならない契約は,予定価格5000万円以上の工事又は製造の請負とする。(2条)
 2 前提事実
 以下の事実は,当事者間に争いがないか,本文中に掲記の証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認めることができる。
 (1) 岸は,みなかみ町長として,平成29年5月22日,WWJ社及びSES社との間で,WWJ社がみなかみ町から発生する一般廃棄物(固形燃料RDF)を同町が指定するSES社所有施設へ運搬し,SES社が同廃棄物の中間処理を行い,WWJ社が中間処理後に発生する一般廃棄物(焼却残渣)を同町の指定するWWJ社所有施設へ運搬し,最終処分を行うことを内容とする,本件業務委託契約を締結した。(甲6の1)
 また,岸は,みなかみ町長として,平成29年7月1日,WWJ社及びSES社との間で,本件業務委託契約の契約金額を1t当たり4万1040円から同4万2120円に変更することなどを内容とする,本件変更契約を締結した。(甲6の2)
 (2) 岸は,みなかみ町長として,平成29年10月3日,MES社との間で,同町の製造するRDFを燃料としたRDFボイラーを遊神館内に設置して温泉施設の加温実証試験を行うことを目的とする,本件協定を締結した。(乙5)
 (3) MES社は,本件協定に基づいて,遊神館内にRDボイラーを設置した。(甲8)
 (4) 原告は,平成30年5月1日から同年8月6日までの間,みなかみ町

<P4>
議会議員であった。
 (5) 原告は,平成30年6月8日,みなかみ町議会の厚生常任委員会に委員として出席した。
 同委員会では,町職員から,WWJ社に対して一般廃棄物としてRDFの焼却処理委託を行い,SES社が中間処理を行った後,草津町の最終処分場で埋立て処分をしていること,遊神館内に設置されたRDFボイラーについては,実証実験による実績を検証した上で有効性が確認できれば本格稼働ヘ移行することが協議されたこと及び土地の使用許可が未決であること等が説 明された。(乙2)
 (6) 原告は,平成30年7月27日,みなかみ町議会の全員協議会に出席した。
 同協議会では,RDFに関する事実経過,本件協定の内容,運搬業務委託先としてWWJ社を選定した経緯等が話し合われた。
 また,同協議会で出席者に配布された「遊神館RDF経過(説明)」と題する書面には,平成29年度より,RDFを一般廃棄物としてWWJ社に委託処理していること,みなかみ町とMES社との間で本件協定を締結したこと,遊神館内にRDFボイラーが設置されたこと等が記載されている。(甲8,乙3)
 (7) 読売新聞は,平成30年7月27日,本件協定に基づいて設置されたRDFボイラーが稼働していないこと等を報道した。
 また,同新聞は,同月31日,RDFボイラーの設置について,町有地の使用許可がされていないこと等を報道した。(甲1の2・3)
 (8) 原告は,令和元年8月1日,みなかみ町監査委員に対し,RDFに関連した事業について,住民監査請求(以下「本件監査請求」という。)をした。(甲1の1)
 (9) みなかみ町監査委員は,令和元年9月30日付けで,本件監査請求の

<P5>
一部に理由があるとしてみなかみ町長に対して勧告を行ったことを原告に対して文書で通知し,原告は,同年10月3日,これを受け取った。
 なお,上記勧告の内容は,みなかみ町長に対し,遊神館内に設置された RDFボイラーに関して町有地の行政財産使用許可を出すことによって財産の管理を怠る事実を解消すること等を求めるものであった。(甲4)
 (10)原告は,令和元年10月30日,本件監査請求の結果を不服として,本件訴訟を提起した。(当裁判所に顕著な事実)
 3 争点及びこれに対する当事者の主張
 (1) 適法な監査請求の前置の有無(争点1)
(被告の主張)
 ア 監査請求期間の経過について
 原告は,平成29年5月22日の本件業務委託契約の締結行為,同年7月1日の本件変更契約の締結行為及び平成29年10月3日の本件協定の締結行為を財務会計上の行為として主張しているところ,本件監査請求は,令和元年8月1日に行われており,財務会計上の行為があった日から1年を経過している。
 イ 法242条2項ただし書の「正当な理由」がないことについて
 原告は,平成30年5月1日から同年8月6日までの間,みなかみ町議会議員として在職しており,また,新聞報道及び同町が発行する「議会だより」に接することによって,住民監査請求をするに足りる程度の情報を知り得たというべきである。したがって,相当な期間の経過後である令和元年8月1日に住民監査請求がされているのであるから,「正当な理由」は存在しない。
(原告の主張)
 ア 監査請求期間について
 本件監査請求について,みなかみ町監査委員から,手続そのものの違法性については何ら指摘されていない。したがって,本件監査請求は適法である。

<P6>
 また,原告は,岸及び高橋が遊神館内にRDFボイラーが存在している状態を放置しているという怠る事実についても本件監査請求をしているのであり,当該怠る事実については,監査請求期間の制限はない。
 イ 「正当な理由」があることについて
 被告は,監査請求期間の経過を主張するが,本件監査請求の端緒となったのは,みなかみ町議会のゴミ処理調査特別委員会が平成31年4月15日までにまとめた中間報告書であり,原告は,これを入手し,内容を精査して必要な分析を踏まえた上で本件監査請求をしたものである。
 また,原告がみなかみ町議会議員であった当時は,町長のセクハラ問題で町政は大揺れの状態であり,RDFについては時々討議の中に出てきたが,RDFという言葉さえ初めて聞いたほどで,この問題の本質など分かるはずもなかった。
 (2) 本件各行為の違法性の有無(争点2)
(原告の主張)
 岸が,平成29年5月22日,高橋の手引きで,WWJ社及びSES社との間で,本件業務委託契約を締結し,同年7月1日,本件変更契約を締結した行為について, いずれも法96条1項5号に基づき,町議会の議決を経るべきであったにもかかわらず,これを怠った違法がある。
 また,岸が,平成29年10月3日,高橋の手引きで,MES社との間で本件協定を締結した行為について,法96条1項5号又は6号に基づき,町議会の議決を経るべきであったにもかかわらず,これを怠った違法がある。
 さらに,岸及び高橋が,遊神館内にRDFボイラーが存在している状態を放置していることについても,RDFボイラー設置の根拠となった本件協定の締結行為が町議会の議決を経ていないとの違法がある。
(被告の主張)
 本件業務委託契約及び本件変更契約は,一般廃棄物(固形燃料RDF)運搬

<P7>
処理業務の委託を内容とする契約であり,法96条1項5号及びこれに基づく本件条例2条所定の契約に該当しない。
 また,本件協定は,RDFボイラーの実証試験を行うことに関する協定であり,法96条1項5号,6号及び本件条例2条所定の契約に該当しない。
 したがって,上記のいずれについても,町議会の議決を経ることを要しないから,原告主張に係る違法はない。
第3 当裁判所の判断
 1 争点1(適法な監査請求の前置の有無)について
 (1) 怠る事実について監査請求期間の制限が及ぶか
 ア 普通地方公共団体において違法に財産の管理を怠る事実があるとして法242条1項の規定による住民監査請求があった場合に,その監査請求が,当該普通地方公共団体の長その他の財務会計職員の特定の財務会計上の行為を違法であるとし,当該行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実としているもの(いわゆる不真正怠る事実)であるときは,当該監査請求については,上記怠る事実に係る請求権の発生原因たる当該行為のあった日又は終わった日を基準として同条2項の規定を適用すべきものと解される(最高裁判所昭和62年2月20日第二小法廷判決民集41巻1号122頁参照)。
 イ 原告は,岸及び高橋が,遊神館内にRDFボイラーが存在している状態を放置していることを財産の管理を怠る事実とし,その違法事由として,RDFボイラー設置の根拠となった本件協定の締結行為が,みなかみ町議会の議決を経ていないことを主張する。すなわち,原告は,本件協定の締結行為が違法,無効であることに基づいて,SES社に対する何らかの実体法上の請求権が発生しており,岸及び高橋がこれを行使しないことをもって財産の管理を怠る事実と主張するものと解される。
 ウ したがって,上記財産の管理を怠る事実は,いわゆる不真正怠る事実に該当

<P8>
するから,その監査請求は,本件協定の締結行為がされた 平成29年10月3日(前提事実(2))を基準として法242条2項の規定を適用すべきである。
 (2) 監査請求期間の経過の有無
 前記前提事実(1),(2)及び(8)によれば,平成29年5月22日に本件業務委託契約の締結行為が,同年7月1日に本件変更契約の締結行為が,同年10月3日に本件協定の締結行為がそれぞれされているところ,本件監査請求は,令和元年8月1日にされており,上記各行為のあった日から1年の監査請求期間を経過していると認められる。
 (3) 「正当な理由」の有無
 ア 普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなかった場合には,法242条2項ただし書にいう「正当な理由」の有無は,特段の事情のない限り,当該普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかにより判断すべきである(最高裁判所平成14年9月12日第一小法廷判決・民集56巻7号1481頁)。もっとも,当該普通地方公共団体の一般住民が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて上記の程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなくても,監査請求をした者が上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される場合には,上記正当な理由の有無は,そのように解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである(最高裁判所平成14年10月15日第三小法廷判決・裁判集民事208号157頁)。
 イ 前記前提事実(4)から(6)までによれば,原告は,みなかみ町議会議員として平成30年6月8日の厚生常任委員会及び同年7月27日の議会全員協議会に出席し,これらの会議において,RDFに関する問題として,本件業務委託契約や本件協定,RDFボイラーが設置された土地等に関する議論に参加していることが認め

<P9>
られる。また,前提事実(7)によれば,原告は,平成30年7月27日及び同月31日の新聞報道により,RDFボイラーの稼働や同ボイラーが設置された土地の使用について問題が生じていることを知ることができたことが認められる。
 したがって,原告は,遅くとも平成30年7月31日までには,監査請求をするに足りる程度に本件業務委託契約の締結行為,本件変更契約の締結行為及び本件協定の締結行為の存在及びその内容を知ることができたと解される。このような原告の状況に基づいて考えると,上記同日から約1年後である令和元年8月1日にされた本件監査請求は,相当な期間内にされたものということはできず,本件監査請求について法242条2項ただし書にいう正当な理由があるとはいえない。
 ウ 本件監査請求に至る事情について原告はるる主張するけれども,原告が監査請求をするに足りる程度に上記各行為の存在及びその内容を知ることができたか否かの判断は,原告が主張するような事情の有無によって左右されるものではない。
 2 結論
 以上によれば,本件訴えは適法な監査請求を前置したものでなく,いずれも不適法であるから却下を免れない。

   前橋地方裁判所民事第1部
     裁判長裁判官  田 中 芳 樹
        裁判官  杉 浦 正 典

<P10>
        裁判官  清 水 瑛 夫

<P11>
 これは正本である。
 令和3年9月1日
   前橋地方裁判所民事第1部
    裁判所書記官 橋 本 勇 一
                      前橋 20-006850
*********

■ご覧のとおり、裁判所は、争点1として「違法な監査請求の前置の有無」しか判断していません。

 しかも、原告が、監査請求は実際に有効だとして受理され、勧告迄出されており、その勧告の内容が不十分だったことから、当事者らの責任を問うために提起した住民訴訟であり、監査請求を有効に前置した上での提訴であることは誰が見ても明らかです。

 また、協定書の締結から1年を経過しても、依然としてみなかみ町は町有地を不法に無償提供している状態なので、住民監査請求は有効であること、また、RDFの運搬・処理業務委託契約については、現在もなお引き続いて継続している契約行為であり、これも住民間請求の対象として有効であることを、原告は一貫して主張してきたにもかかわらず、田中芳樹裁判長は、そうした原告の主張を一顧だにせず、ただただ期限徒過だけを前面に押し出して、この裁判の本質に踏み込まないまま、門前払い同然の「却下」判決を言い渡したのでした。

■行政を相手取った住民訴訟の勝訴率は、ふつう数パーセントと言われますが、ここ群馬県では、前橋地裁は各支部の裁判所において、住民側が勝訴した試しは、すくなくとも当会市民オンブズマン群馬としては、沼田土木事務所管内での公共工事における談合問題で勝訴し、談合業者から損害を回収させた事例を除き、他に記憶がありません。

 当然、このような理不尽な判決は、前例として放置しておけませんので、控訴すべきだとする声もあります。しかし、別の観点からすると、裁判所が、このような明らかな利権の乱用行為が自治体内部で組織的に行われている実態について、自らメスをいれることができず、だから判断も出来ないため、こういう門前払い判決しか、出せないのが現在の我が国の司法の実態であると考えられなくもありません。

 原告の当会会員は、記者からのインタビューに対して「控訴するか検討する」と答えていますが、日本の司法がこのような体たらくであるため、9月15日の期限までに控訴しても東京高裁で再び「一審の判断を指示する」などという判決が出される可能性が高いため、別の方法を模索したいとする意向も示しています。

 控訴する場合でも、そうでない場合が選択されたとしても、引き続き当会はみなかみ町政を巡る黒い霧を晴らすために努力を続けている当会のみなかみ支部会員を全力でサポートしてまいる所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「みなかみ町RDF問題に関する町内配布チラシ」
 今年5月にみなかみ町の市民団体が、この問題を住民に周知すべく新聞折込などを通じて庁内に配布したチラシ。この事件の弁論でも、かならず町民の方々が傍聴されていました。住民の皆様の関心の高さがうかがえます。
**********ZIP ⇒ 20210511rdfv.zip
こんなこと許せますか? 削減のはずの処理費が倍加
 みなかみ町のごみ問題をご存じですか。
 1つは、遊神館の施設内に町の使用許可もなくRDF実証実験ポイラーが設置されたこと。もう1つは、RDF処理業者を変更したことで、ごみの委託費が2倍近くに膨らんだことです。(令利元年5月25日付の読売新聞が報道)
 問題点を明らかにし、今後の町のごみ処埋のあり方を検証したいと思います。

疑問点①
何故、誰も責任を取っていないのか?

 この問題は、現在も未解決で誰も責任をとっていません。契約変更で膨らんだ委託費用は、現在も続いています。いまだに知らない方も多いし、広く知らされていません。問題を知れば怒らない町民はいないはすですa

 現在も続くRDF事業は、ごみを固形燃料化(RDF化)し有効利用しようというものでした。
 旧3町村による共同事業(月夜野水上新治衛生施設組合)として、平成10年に開始しました。当初はRDFを奥利根アメニティパーク内発電の燃料としてきましたが、平成18年8月に熱交換器等不具合事故で発電施設が稼働停止となり、状況は一変しました。
 それまでは、RDFを有効利用しようというものでしたが、 この時点で逆有償(1トンあたり1000円で販売、運搬費21000円)となり、事実上RDF事業は破綻したといえます。にもかかわらず10年以上も転換をはかることなく事業を継統してきたことは行政の怠慢としかいえません。

 さらに、経費割減すべきところを平成29年5月、当時の担当課長が独断(調査委員会報告)でRDF処理業者を変更したことで、処理費用が2倍近くに膨らみました。委託変更により1トンあたり39000円+消費税となりました。かってな判断で町に損失を与えたわけですから大変な事件ではないでしょうか?さらにRDF事業には、従来の焼却方式を変革し環境に配慮、資源化率100%をめざす。(アメニティパークパンフ)という大義があったわけですが、結果これを無視して一般廃棄物として焼却処理することになりました。一般廃棄物として処理するためにわざわざ高い費用をかけてゴミをRDF化する必要はありません。

みなかみ町の「ごみ問題」
一連の関連報道

廃棄物燃料で源泉加温、みなかみ遊神館、臭い、有害物を懸念 (上毛新聞・平成30年7月 24日)
RDF稼働「検証必要」町議会特別委中間報告、町長「実施難しい」(朝日新聞・令和元年5月22日)
RDF事業「一部職員らで複雑化」みなかみ町議会特別委最終報告案(令和元年9月3日)
RDF事業に是正勧告、監査委 安全性確認を指摘(上毛新聞・令和元年10月1日)
RDF処理費節減を勧告、みなかみ町監査委員 町長「対応したい」(上毛・読売新聞・令和元年10月1日)
みなかみの固形燃料問題「元町長へ賠償請求を」提訴(朝日新聞・令和元11月1日)
ごみ処理巡り答弁拒否連発、みなかみ町長、訴訟を理由にRDF課題多く、再検討含め岐路に(令和2年1月2日発行議会だより)

<RDFの取り扱い推移>
 アメニティパークの燃料(平成10年~平成18年8月)
  1トンあたり1, 000円で販売、21,000円の運搬費
  ※逆有償ながら有価物として取り扱う(平成18年8月~平成29年4月)
  1トンあたりの委託費39,000円+消費税
  ※一般廃棄物として焼却(平成29年5月~現在)

<現在のRDF1トンあたりの処狸費>
 ごみをRDF化するのに約8,500円
 RDFを処理委託するのに39,000円+消費税

<平成29 年度の一人あたりのごみ処理経費>
 みなかみ町 24,000円
 全国平均  16,103円
 志布志市  約8,000円
 (志布志市は徹底した分別資源化をめざしています)

疑問点②
何故、RDF処理業者を変更したのか?

 議会には、取り引き先から断られたと報告されていたが、事実はみなかみ町側から契約を解除。調査委員会は当時の担当課長が独断で判断したというが、そんな権限はない。何を忖度(そんたく)しておこなわれたのか疑問が残る。
 ごみ処理経費を削減する必要(平成27年、奥利根アメニ ティバークの経費削減計画)から、町内でRDFを燃料として使おうとしたことはわかるが、なぜこのようなことになったのでしょうか。

 これらの問題を明らかにするため、町にごみ処理調査特別委員会を設置しました。
 遊神館のボイラーについて、安全性及び安全運転上の様々な対策が必要であると指摘、また、北海道富良野市のボイラーでみなかみ町のRDFを燃焼し、燃焼が可能であると報告されていたが、排ガスで基準値の7倍以上のダイオキシンが発生していたことを明らかにした。
 そのうえでポイラー設置の経過については、真相究明されることなく「不充分な実態解明のまま限界を感じた」として令和元年9月、最終報告をおこない調査委員会を解散した。
 関係者から確認すべき調査をおこなったとしながらも、RDFボイラー実証試験協定書を結んだみなかみエネルギーサービスや当時の町長からの聴取はおこなわれていません。
 なぜ聴取がおこなわれなかったのでしょうか。
 協定書が結ばれたのは当時の町長が落選する直前であり、その半年前には、ある議員が関わる業者から町長宛に施設建設の見積りが提出されています。

疑問点③
何故、調奎委員会は、不充分な実態解明のまま限界を感じたのか?

 協定書を結んだ当事者には聴取がおこなわれていない。委員会の力関係で聴取はおこなわれなかった。
 その後の議会でも、ごみ問題について取り上げたのは、1人の議員が令和元年12月議会に取り上げただけです。議会も現段階ではこの問題にふれようとしていません。
 町長も訴訟(この問題で住民から訴訟がおこされている)を理由に真相についても、今後のごみ処理についての方針も明らかにしていません。

疑問点④
今、協定書は?

 みなかみ町製造のRDFを燃料にRDFボイラーを遊神館に建設し温泉施設の加温実証実験を行うことを目的とした実証試験協定書は、平成29年10月3日にみなかみ町とみなかみエネルギーサービス(株)とで締結されている。一連の問題は協定書に沿っておこなわれたのか?協定はどうなっているのか?
 そもそもみなかみ町のRDFは、有価物5要件をみたしていないためボイラーでは燃焼させることができない,

疑問点⑤
何故、RDF事業にこだわるのか?

 すでにRDF事業の破綻は明らかなのに、RDFをつくり続けるのか,議会も町長も真相究明して問題を明らかにし、新たなごみ処理方針を提起しないのか、問題は解決していない。

一緒にごみ問題を考えましょう
 この間題に対し、住民監歪隋求や訴訟が行われています。また、私たちも「みなかみ町のごみ処理を考える会」で取り組みをすすめています。
 真相の究明と問題点を明らかにすること。RDF事業の見直しを求めて、町と懇願、要望書を提出してきました。
 いまだに知らない方も多いこの問題は放置したままでいいのでしょうか。ごみ処理問顆の解決には多くの町民の協力と理解が必要です。
 地球温暖化や異常気象による自然災害対策が叫ばれる昨今です。ごみ処理のあり方も見直す必要があります。
 一刻も早く、RDF事業を転換するため、一緒にごみ問題を考えましょう。

RDF

※RDF固形化施設の廃止とごみ行政の見直しを求める要望書(署名)にご協力下さい。

要望事項
1、RDF固形然料化施設の廃止計画を迅速にすすめること。
2、ごみ分別資源化の推進、ごみ処理費用の削減。
3、高いごみ袋を無料にしてください。

みなかみ町のごみ問題を考える会
連絡先代表 大坪 進 みなかみ町新巻1225 TEL64-1663

**********毎日新聞2012年9月2日
みなかみRDF住民訴訟 元町議の訴え却下 地裁判決 /群馬
 ごみ固形化燃料(RDF)を利用したボイラー実証試験事業を巡ってみなかみ町に損害を与えたとして、鈴木章二元町議が岸良昌元町長らに約2億3500万円を請求するよう鬼頭春二町長に求めた住民訴訟で、前橋地裁(田中芳樹裁判長)は1日、訴えを却下する判決を言い渡した。
 判決などによると、岸氏は2017年10月、RDFを熱源とする温泉施設の加温実証実験を行う協定を民間会社と締結。だが、後任の前田善成前町長らが計画を問題視して事業は停止され、18年7月に問題が報道された。
 鈴木氏は19年8月、原因究明を求めて住民監査請求をしたが、岸氏が現職だった際に議会の議決なく支出されたRDF処理費用などの損害が町監査委員の勧告で指摘されていないことを不服として、住民訴訟を起こした。
 判決は「鈴木氏は遅くとも18年7月の報道で問題を知ることができた」と指摘。そもそも地方自治法で定める住民監査請求の請求期間(1年)を過ぎており、期間を延長する正当な理由もないとした。【川地隆史】
**********

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【出張!オンブズマン】長野高専映像制作部ソフト不正コピー横行事件の調査追報…依然謎の不都合情報の数々

2021-09-04 22:36:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇

不正防止を注意喚起するアドビ社のHP。https://www.adobe.com/jp/trust/fraud-prevention.html

■昨年(2020年)、長野高専内部で発覚したという映像制作部の不正コピーソフト使用横行事件。毎年、不正コピーソフトによる制作物の物品販売で多額の収益を上げていたというのですから、事は重大です。ところが土居信数校長ひきいる学校側は、この大事件を外部へ公表するどころか、内部者にすら情報遮断し、内々で「処理」を済ませる揉み消しぶりを披露しているようです。

 不信感と不満に火が付いた同校内部関係者の方々から調査要請が寄せられたため、当会では今年に入ってから事実関係確認の調査を始めていました。すると、土居信数が高専機構理事を兼任している影響か、機構本部までもが徹底的な時間稼ぎと文書隠匿対応を見せてきました。さらに、不正コピー被害者であるAdobe社への弁済について、当の映像制作部には一銭も負担を求めないまま、無関係な国民の税金と学生の授業料から勝手に支払った疑いも浮上してきました。

○2021年5月3日:要望に応え長野高専映像制作部ソフト不正コピー横行事件を調査開始…露骨な抵抗に見え透く機構の暗部
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3311.html

 さて、前回報告記事では、以下の4点がペンディングの懸案事項となっていました。

(1)高専機構としてAdobe社に弁済・補償等をした事実に関する新開示請求。
(2)高専機構がAdobe社とやり取りした一切の記録に関する追加開示。
(3)上記(2)の文書について当初しらばっくれていた理由等を質す再質問への回答。
(4)長野高専映像制作部の予算会計状況、特に物販等の収支を示す情報に関する新開示請求。


今回記事では、その後の調査経過を報告するとともに、高専機構・長野高専が相変わらず頑なに「都合の悪い」情報の隠匿を試みている現状についてお伝えします。

(1)高専機構としてAdobe社に弁済・補償等をした事実に関する新開示請求について

■前回記事で報告したとおり、当会では、本年4月30日付けで、「長野高専の映像制作部による不正コピーソフト使用事件(または非正規ライセンスソフト使用事件)に関し、高専機構として、その被害につきAdobe社に弁済・補償等をしたことにかかる情報の一切」に対する開示請求書を高専機構本部に提出していました。

 5月18日、機構本部の小林職員より「件数1件として手数料300円を振り込み願いたい」というメールが届きました。当会では、さっそく翌19日に手数料300円を機構の口座に振り込みました。

 すると6月9日、高専機構から当会に簡易書留が送られてきました。ところが中に入っていたのは、「存否応答拒否」(該当文書の有無すら答えない)とする法人文書不開示決定通知でした。

*****6/7不開示決定通知(存否応答拒否)*****ZIP ⇒ sjm.zip
                              高機総第35号
                              令和3年6月7日

                法人文書不開示決定通知書

  市民オンブズマン群馬
   代表 小川 賢  様

                   独立行政法人国立高等専門学校機構
                               (公印省略)

 令和3年4月30日付け法人文書の開示請求について,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第2項の規定に基づき,下記のとおり開示しないことと決定しましたので通知します。

                    記

1 不開示決定した法人文書の名称
  長野高専の映像制作部による不正コピーソフト使用事件(または非正規ライセンスソフト使用事件)に関し,高専機構として,その被害につきAdobe社に弁済・補償等をしたことにかかる情報の一切

2 不開示とした理由
   本件は,特定の営利企業のライセンス管理に関わる文書の開示を求めており,その存否を答えることは,特定の営利企業のライセンス管理に関わる対応方針を明らかにする結果を生じさせるものです。
   特定の営利企業のライセンス管理に関わる対応方針は,法第5条第2号イに規定する,公にすることにより,特定の営利企業の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものに該当し,また,同号ただし書きに該当するとすべき特段の事情は認められません。
   したがって,本件文書の存否を答えることは,法第5条第2号に規定する不開示情報を開示することとなりますので,法第8条の規定により,存否を明らかにすることはできません。

**********

■なんと高専機構は、姑息にも、「特定の営利企業(Adobe社)のライセンス管理に関わる対応方針を明らかにする結果を生じさせる」などという不明朗な理由付けで、弁済に関する文書の有無自体を回答しないという手を打ってきました。

 通常の不開示処分では、仮に全面黒塗りにしたとしても、弁済に関わる文書の有無(=機構としての弁済事実の有無)自体は判明してしまいます。すなわち、もし該当文書が存在すれば、映像制作部やその部員らが勝手にしでかした事件について、血税予算で尻を拭いてAdobe社に賠償を支払ったという都合の悪い事実を認めることになってしまいます。したがって、弁済の有無を絶対に明らかにしたくない高専機構が、「存否応答拒否」という強引な措置を取ってきたことは明らかです。

 それにしても、単なる土居信数の保身劇であるにも関わらず、あたかもAdobe社の企業利益を慮っての措置であるような書きぶりは失笑モノです。書き出しから「本件は,特定の営利企業のライセンス管理に関わる文書の開示を求めており,」などとしていますが、当会としてAdobe社のライセンス管理に関わる機密情報の開示を求めているわけではありません。また、高専機構がAdobe社に公金から弁済したことに関する文書の存否のみを回答したところで、Adobe社のそうした内部機密情報までもが明らかになるとは到底思われません。

 ところが高専機構は、一切の経緯を闇の中に押し込もうと、無理やり「Adobe社の正当な利益を害するおそれがある」などと難癖を付け、もっとも強い不開示措置に出てきたのです。まさに、土居信数の保身と高専機構の忖度のために、本件について強烈な情報隠蔽の圧力がかかっていることを痛感します。


(2)高専機構がAdobe社とやり取りした一切の記録に関する追加開示について

■前回記事で報告したとおり、当会では、「長野高専の映像制作部によるソフトウェア不正コピー事件について、その経緯や実態、事件への対応などを示す情報の一切(機構本部保有分も含む)」に対する開示請求を本年1月21日に提出していました。ところが、それに対する3月1日付けの開示決定には、事件について高専機構・長野高専とAdobe社がやり取りした記録が一切含まれていませんでした。

 この疑問点について、当会が電話で機構本部に問い合わせると、都合が悪いのか、やたら時間稼ぎとタライ回し対応を繰り返されました。そこで、4月12日付けで質問状を提出したところ、高専機構側は4月26日付け「回答」で率直に開示文書の不足があったことを認め、追加開示の実施を約束していました。

 その後、Adobe社とのやり取りに関する不足文書の追加開示通知を待っていましたが、なかなか動きがありません。本来であればとっくに受け取れていたはずの文書を、高専機構の落ち度で受け取れていないわけですから、筋として一刻も早く開示すべきはずです。そうした観点から、当会では5月22日に以下の催促メールを送りました。

*****5/22催促メール*****
From: masaru ogawa
To: "[099-01]soumu@kosen-k.go.jp"
日付: 2021/05/22 17:44
件名: Re: 【国立高専機構】R3.4.30付_法人文書開示請求にかかる手数料のお知らせ

高専機構本部事務局
総務課総務係
小林様

毎々お世話になります。
先日、当方の本年1月21日付け開示請求に対する3月1日付け長野高専庶第55号法人文書開示決定の内容につき疑義を申し上げました。
すると貴法人として文書の不足をお認めになられ、追加開示決定をされるとのご見解を4月26日付け回答にて賜りました。

以後、現時点で1か月近くが経っておりますが、本件につき貴法人から一切ご連絡がないことを疑問に感じております。

該当文書は、1月21日付け開示請求に対する開示文書として、開示請求人である弊会が遅くとも3月中に受領できているはずの文書であり、現時点で開示されていないどころか開示決定もなされていない状態にあることは、法に違反する可能性が高いように感じられます(当方として開示期限の延長通知等も受けておりませんし、また開示期限延長に同意してもおりません)。
後になって文書の不足が判明したものとしても、その状態の解消を最優先にして迅速に追加開示いただきたいと感じております。
特に、後発の開示請求より開示決定が遅まるといった不合理な事態が起こることは重ねて看過しがたく存じます。

大変失礼ながら、件の「追加開示決定」をいついただけるのか、貴お見通しをお伝えいただければ幸いです。

市民オンブズマン群馬
代表 小川賢
**********

 すると2日後、高専機構本部の小林職員からは、「文書の特定に時間がかかっている」として以下の弁解メールが返信されてきました。

*****5/24小林職員の弁解メール*****
From: [099-01]soumu@kosen-k.go.jp
Date: 2021年5月24日(月) 14:57
Subject: Re: 【国立高専機構】R3.4.30付_法人文書開示請求にかかる手数料のお知らせ
To: masaru ogawa
Cc: [099-01]soumu@kosen-k.go.jp


市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様

いつもお世話になっております。
国立高等専門学校機構総務課総務係の小林でございます。

本件、対応が遅くなっており申し訳ございません。

今回追加で開示をさせていただく予定の文書については、恐れながら3月中には特定ができていなかったため、現在、特定にお時間をいただいているところでございます。

6月上旬までには追加開示決定をいたしますので、今しばらくお時間をいただけますと幸甚です。
なお、開示請求手数料についてはいただきません。

どうぞよろしくお願いいたします。

----------------------------------------
独立行政法人 国立高等専門学校機構
本部事務局 総務課総務係
小林 千宙
〒193-0834 東京都八王子市東浅川町701-2
TEL: 042-662-3120 FAX: 042-662-3131
E-mail:soumu@kosen-k.go.jp
----------------------------------------
**********

■そのまま待っていると、ようやく、6月14日付けで高専機構本部から追加開示決定通知が送られてきました。

*****6/14追加開示決定通知*****ZIP ⇒ jm.zip
                            高機総第37号
                            令和3年6月14日

                 法人文書開示決定通知書

  市民オンブズマン群馬
   代表 小川 賢 様

                   独立行政法人国立高等専門学校機構
                                (公印省略)

 令和3年3月19日付けで請求のありました法人文書の開示について,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づき,下記のとおり開示することとしましたので通知します。

                      記

1 開示する法人文書の名称
  貴学(長野高専)の映像制作部によるソフトウェア不正コピー事件について,その経緯や実態,事件への対応などを示す情報の一切。
  (※1:高専機構本部保有分情報も含む)
  (※2:電子メールも含む)

① 令和2年6月29日付けAdobe社から高専機構情報企画課宛てのメール1
② 令和2年6月29日付けAdobe社から高専機構情報企画課宛てのメール2
③ 令和2年6月29日付けAdobe社から高専機構情報企画課宛てのメール3
④ 令和2年6月30日付け高専機構情報企画課からAdobe社宛てのメール
⑤ 令和2年6月30日付けAdobe社から高専機構情報企画課宛てのメール
⑥ 令和2年7月15日から令和2年9月25日までのAdobeと高専機構情報企画課のやりとりのメール
⑦ adobe非正規ソフトウェアインストールリスト(令和2年7月分)
⑧ adobe非正規ソフトウェアインストールリスト(令和2年8月分)
⑨ adobe非正規ソフトウェアインストールリスト(令和2年9月分)
⑩ ⑨の文書に記載の14番のコンピュータに関する調査事項
⑪ 令和2年9月25日から令和2年12月23日までのAdobe社と高専機構情報企画課のやりとりのメール
⑫ 令和2年12月23日から令和3年1月12日までのAdobe社と高専機構情報企画課のやりとりのメール
⑬ 令和3年2月9日から令和3年2月10日までのAdobe社と高専機構情報企画課のやりとりのメール


2 不開示とした部分とその理由
 ① 令和2年6月29日付けAdobe社から高専機構情報企画課宛てのメール1
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ② 令和2年6月29日付けAdobe社から高専機構情報企画課宛てのメール2
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ③ 令和2年6月29日付けAdobe社から高専機構情報企画課宛てのメール3
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ④ 令和2年6月30日付け高専機構情報企画課からAdobe社宛てのメール
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ⑤ 令和2年6月30日付けAdobe社から高専機構情報企画課宛てのメール
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ⑥ 令和2年7月15日から令和2年9月25日までのAdobeと高専機構情報企画課のやりとりのメール
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ⑦ adobe非正規ソフトウェアインストールリスト(令和2年7月分)
  不開示部分:「コンピュータ名」,「外部ドメイン」,「内部ドメイン」,「インストールされている非正規ソフトウェア数」,「非正規ソフトウェア名」,「外部IP」,「TCP/IPアドレス」
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:「コンピュータの検出回数」,「管理者」,「対応」
  理   由:法第5条第四号ホに該当すると認められ,不開示とすることが相当

 ⑧ adobe非正規ソフトウェアインストールリスト(令和2年8月分)
  不開示部分:「コンピュータ名」,「外部ドメイン」,「内部ドメイン」,「インストールされている非正規ソフトウェア数」,「非正規ソフトウェア名」,「外部IP」,「TCP/IPアドレス」
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:「コンピュータの検出回数」,「管理者」,「対応」
  理   由:法第5条第四号ホに該当すると認められ,不開示とすることが相当

 ⑨ adobe非正規ソフトウェアインストールリスト(令和2年9月分)
  不開示部分:「コンピュータ名」,「外部ドメイン」,「内部ドメイン」,「インストールされている非正規ソフトウェア数」,「非正規ソフトウェア名」,「外部IP」,「TCP/IPアドレス」
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:「コンピュータの検出回数」,「管理者」,「対応」
  理   由:法第5条第四号ホに該当すると認められ,不開示とすることが相当

 ⑩ ⑨の文書に記載の14番のコンピュータに関する調査事項
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ⑪ 令和2年9月25日から令和2年12月23日までのAdobe社と高専機構情報企画課のやりとりのメール
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ⑫ 令和2年12月23日から令和3年1月12日までのAdobe社と高専機構情報企画課のやりとりのメール
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当

 ⑬ 令和3年2月9日から令和3年2月10日までのAdobe社と高専機構情報企画課のやりとりのメール
  不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第一号に該当すると認められ,また,法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
  不開示部分:Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分
  理   由:法第5条第二号イに該当すると認められ,また,法第5条第二号ただし書きに該当するとは言えず,不開示とすることが相当
**********

 このように、当初は開示決定をしらばっくれていたAdobe社とのやり取りの記録として、13項目もの文書が追加開示決定されてきました。これだけの文書について、存在すら無かったことにしようとしていた事実に心底呆れます。しかも、追加開示決定を見ると、一項目も余さず「個人に関する情報が記載されている部分」「Adobe社のライセンス管理に関する情報が記載されている部分」などの不開示予定が示されており、さっそく情報隠蔽の壁を建ててくる気がマンマンであることをうかがわせます。

■文書不足として追加開示になったことは高専機構側の落ち度であったため、さすがに開示手数料と郵送料は無料となりました。よって、そのまま開示文書が送られてくるのを待っていると、6月21付けの送り状とともに開示文書一式が郵送されてきました。

 長野高専映像制作部による不正コピーソフト使用横行事件に関して、事件発覚後に高専機構とAdobe社がしたやり取りに関する追加開示資料一式を以下に掲載します。

●R3.6.14高機総第37号 追加開示資料一式 ZIP ⇒
送り状と①から⑥:202106230006je.zip
⑦から➉:202106230710jfi.zip
➉から⑬:202106231113jjl.zip

 開示資料を確認すると、案の定ほとんどが黒塗りとされてしまっており、具体的なやり取りの内容がわかりません。辛うじて黒塗りされていないメールの文面や資料の内容から判断する限り、おおむね以下のポイントだけは推察できました。

・長野高専映像制作部の不正コピーソフト使用についてピンポイントにAdobe社からの通報があったというより、全国の国立高専での検出事案をまとめて通報があり、その中に長野高専映像制作部の事案が含まれていた、という理解が正しい?
・Adobe社から通報のあった検出事案については、正規のソフトウェアであるにも関わらずなぜか不正品として検出された事案もあったもよう。
・各高専の事案であっても、Adobe社とのやり取りについては、一貫して高専機構本部が窓口となっているようす。

 困ったことに、あまりに黒塗りが多すぎて、長野高専の事件についてやり取りしているのかどうかも判然としません。こうなると、Adobe社に対して公金から弁済したという疑惑の裏返しとして、逆に、被害者であるAdobe社に対して長野高専での事件のことを正直に報告していない可能性も指摘されます。やはり、高専機構として相当に隠したい経緯があるようです。


(3)上記(2)の文書について当初しらばっくれていた理由等を質す再質問への回答について

■当会による4月29日付け再質問は、メールによる簡単な質問ばかりだったので、すぐに回答できるものと考えていました。ところが、なかなか返事がありません。

 結局、6月22日になって、機構本部の小林職員から、上記追加開示文書の発送通知と併記するかたちでメール回答が送信されてきました。

*****6/22再質問へのメール回答*****
From: [099-01]soumu@kosen-k.go.jp
Date: 2021年6月22日(火) 13:10
Subject: Re: 【国立高専機構】Adobe社ソフト不正使用問題に関する問合せ(回答)
To: masaru ogawa
Cc: [099-01]soumu@kosen-k.go.jp

市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様

いつもお世話になっております。
国立高等専門学校機構総務課総務係の小林でございます。

令和3年6月18日付けで「法人文書の開示の実施方法等申出書」をいただきました、

令和3年6月14日付け高機総第37号により開示決定した文書について、本日、小川様宛てに簡易書留にて郵送いたしましたので、ご連絡いたします。


また、それと併せて、回答が遅くなり申し訳ございませんが、4/29付けで再質問をいただきました件について、以下のとおり回答いたします。

【再質問1】
 回答2-③について、令和3年3月1日付け長野高専庶第55号法人文書開示決定に不足があったとのことを了解致しました。しかし大変失礼ながら、その場合は、「(同決定に)含まれていない理由を詳細にお答えください」と弊会から質問させていただいております。
 弊会の1月21日付け開示請求において「情報の一切」「高専機構本部保有分情報も含む」と記載した以上、今回の不足分情報が同決定の対象となるべきだったのは明らかです。法律に基づいた妥当な開示期限内に受け取るという当然の権利が損なわれたばかりか、国民が費用と労力をかけて質問するまで不手際を修正できず、また文書の存在すら明らかにならなかったという事態は、相当に重く捉えるべきであると考えます。弊会としても、不利益を被った以上、誠意のある説明もなく安易に納得することはできず、貴法人には説明等に関する道義的責任が生ずるものと考えております。
 よって同決定に今回不足分情報が含まれていなかった理由について、あらためて詳細にご説明いただきたく思います。
(意図的なものか、または過失によるものか。いずれにしてもその詳細な理由ないし経緯について、また過失であれば再発防止についてどのように考えているか、など)

→ 高専機構本部担当者の認識不足により、開示請求者である小川様が求める文書について、十分な特定ができないまま、開示手続を進めてしまったことが原因です。

【再質問2】
 弊会からは、本年4月12日付けで本件質問状(長野高専・Adobe社ソフト不正使用問題に関する問合せ)を差し上げ、さらにこれと同趣旨の質問を3月11日時点で高専機構本部事務局情報企画課情報企画係の山崎様に対し架電にて差し上げておりました。すなわち、貴法人として令和3年3月1日付け長野高専庶第55号法人文書開示決定における文書不足を3月中旬時点から認識できる状況にあったはずにも関わらず、4月29日現在に至っても「追加開示決定」をいただけていないのは、どのような理由によるものでしょうか。
→ 再質問1と同じ回答となりますが、高専機構本部担当者の認識不足により、開示請求者である小川様が求める文書について、十分な特定ができていない状況でした。
  恐れ入りますが、「情報の一切」という抽象的な開示請求ですと、開示予定文書の特定にお時間をいただきますので、何卒ご了承いただきますようお願いいたします。


【再質問3】
 回答2-③について、「貴法人とAdobe社とのやり取りにかかる文書」のうちAdobe 社の対応に係る部分については、「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」第5条2号に基づき追加開示決定で不開示とする予定とのことですが、令和3年3月1日付け長野高専庶第55号法人文書開示決定において、少なくともAdobe社からの通報経緯などについては開示いただいている以上、「Adobe 社の対応に係る」から同条同号に該当するといえないのは確かです。同号同条の趣旨からいっても、Adobe社の企業としての権利利益を害するものでなければ、開示できるはずです。
 したがって、「Adobe 社の対応に係る部分」をすべて不開示とすることは不適切であると考えるため、再考願います。そのうえでなお不開示と判断される場合、「Adobe 社の対応に係る部分」のうち個別の各箇所について、具体的にどのような理由で、同条同号のどの箇所に該当すると考えるのかお答えください。

→ Adobe社から当機構へ連絡のあった内容については、Adobe社から第三者への提供は控えるように依頼があったことを踏まえて、今回の追加開示決定については、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第5条第2号イにより、「Adobe 社の対応に係る部分」は当機構の判断ですべて不開示とさせていただきました。

【再質問4】
 今回追加開示されるという「貴法人とAdobe社とのやり取りにかかる文書」以外で、弊会の1月21日付け開示請求に対する開示決定もしくは不開示決定の対象となるべきだったにも関わらず漏れてしまったという文書は確かにございませんか。
→ 令和3年6月上旬までお時間をいただき、網羅的に確認しましたが、漏れはございません。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

----------------------------------------
独立行政法人 国立高等専門学校機構
本部事務局 総務課総務係
小林 千宙
〒193-0834 東京都八王子市東浅川町701-2
TEL: 042-662-3120 FAX: 042-662-3131
E-mail:soumu@kosen-k.go.jp
----------------------------------------
**********

■このように、Adobe社とのやり取りに関する文書を当初一切「無いもの扱い」にしていた件については、いくら詳細な理由を質しても「高専機構本部担当者の認識不足」の一言で終わらせようとしてきます。

 そうであれば、当会は詳細な理由を聞いているのですから、どういう理由でどのような「認識不足」が生じたのかをしっかりと説明するべきです。文書がひとつふたつ抜かされただけならともかく、被害当事者であるAdobe社との13項目にわたるやり取りの記録が丸々抜かされ、あたかもAdobe社とまったく連絡を交わしていないかのような開示内容になっていたわけですから、認識不足の一言で誤魔化せるものではないはずです。まったく釈然としません。

 さらに高専機構は、「Adobe社の対応に係る部分」の一切を不開示とする理由について、「Adobe社から高専機構へ連絡のあった内容については、Adobe社から第三者への提供は控えるように依頼があった」と説明してきました。ところが、Adobe社からのそうした「依頼」の存在は、少なくとも黒塗りだらけの開示文書中には確認できません。肝心の根拠である「依頼」の存在と内容を確認できないのはなぜでしょうか。Adobe社はいったいどのような手段でそのような「依頼」をしたというのでしょうか。

 仮にそのような「依頼」があったとしても、それはAdobe社が高専機構に寄せた連絡の詳細な内容について、第三者に見せることを控えてほしいという要請のはずです。すなわち、高専機構側から行った対応に関する情報、ことに弁済の有無を隠す必要は一切ないはずです。その観点からしても、Adobe社の「依頼」が本当にあったとして、隠蔽を正当化するために都合よく拡大解釈されているものと感じざるをえません。


(4)長野高専映像制作部の予算会計状況、特に物販等の収支を示す情報に関する新開示請求について

■映像制作部の内部会計状況を明らかとするため、当会では本年4月30日付けで同校宛てにも開示請求を提出していたことは既報のとおりです。その後、なかなか連絡がなく、ようやく手数料を振り込むよう同校の白木職員からメール連絡が来たのは6月4日のことでした。

*****6/4手数料振込依頼メールfrom長野高専*****
差出人: 白木順子
宛先: 小川賢
送信日時: 2021/6/4, 金, 16:41
件名: 法人文書開示請求手数料について

市民オンブズマン群馬 代表 小川様

長野高専総務課総務係の白木と申します。
お世話になっております。

4月30日付けでご請求のありました法人文書の件数の確認がとれましたので、下記のとおりお知らせいたします。

〇法人文書の件数:5件
〇開示請求手数料:1,500円(5件×300円)

参考:法人文書内訳
平成28年度から2020年度の学生会「部長会会計決算報告」
1枚/一年の合計5枚

【後略】
**********

 どうも、「部長会会計決算報告」なる文書のみを開示対象にしようとしているようです。当会では、大量の文書の存在を高専機構本部にしらばっくれられた苦い経験から、開示請求の該当となる文書が確かに他には存在しないか、綿密に確認しておくことにしました。そこで同日、以下の確認メールを送信しました。

*****6/4開示対象確認メール*****
From: 小川賢
To: 長野高専総務課
日付: 2021/06/04 23:21
件名: Re: 法人文書開示請求手数料について

長野高専
総務課総務係
白木様

毎々お世話になります。
ご連絡ありがとうございます。
振込依頼のございました開示手数料1500円は週明けに振り込ませていただきます。

ところで、開示予定文書が2016~2020年度分の学生会「部長会会計決算報告」のみとのことですが、これについて以下3点の質問がございます。

(1)この学生会「部長会会計決算報告」というのが、貴学学生準則第28条2項に学校への提出規定がある「収支決算書」にあたるものという理解でよろしいでしょうか?

(2)映像制作部における会計帳簿や各種領収書、団体口座の入出金履歴、学生会からの部費支給に関する情報は確かに一切ございませんでしょうか(そうした記録も開示対象としていただきたく存じます)。それとも、開示予定の「部長会会計決算報告」に含まれているものでしょうか。

(3)貰ったか預かったかを問わず、また理由や目的を問わず、映像制作部と学校(教職員個人を含む)の間に金銭の受け渡し(例として、各種支払いや支給において学校を介したり、あるいは預り金があった等)があった場合、そうした動きに関する情報は確かに一切ございませんでしょうか(そうした記録も開示対象としていただきたく存じます)。それとも、開示予定の「部長会会計決算報告」に含まれているものでしょうか。

なお当然ながら、当方の開示請求範囲は、電子メール記録も対象とさせていただいております。

以上、お手数ながら開示対象文書についてお間違いがないか確認させていただきたいので、ご回答をお願いいたします。

市民オンブズマン群馬
代表 小川賢
**********

 6月7日に手数料1500円を振り込み、メール返信を待っていると、同9日になって白木職員から回答が寄せられてきました。

*****6/9回答メール*****
差出人: 白木順子
宛先: 小川賢
送信日時: 2021/6/9, 水, 12:11
件名: Re: 法人文書開示請求手数料について

市民オンブズマン群馬 代表 小川様

長野高専総務課総務係の白木と申します。
お世話になっております。

法人文書開示請求手数料の入金について確認をいたしました。
また、ご質問がありました件について、下記のとおり回答いたします。

              記

(1)この学生会「部長会会計決算報告」というのが、貴学学生準則第28条2項に学校への提出規定がある「収支決算書」にあたるものという理解でよろしいでしょうか?
→「収支決算書」の一部であり、「映像制作部」の記載がある文書となります。

(2)映像制作部における会計帳簿や各種領収書、団体口座の入出金履歴、学生会からの部費支給に関する情報は確かに一切ございませんでしょうか(そうした記録も開示対象としていただきたく存じます)。それとも、開示予定の「部長会会計決算報告」に含まれているものでしょうか。
→ 映像制作部における文書はございません。

(3)貰ったか預かったかを問わず、また理由や目的を問わず、映像制作部と学校(教職員個人を含む)の間に金銭の受け渡し(例として、各種支払いや支給において学校を介したり、あるいは預り金があった等)があった場合、そうした動きに関する情報は確かに一切ございませんでしょうか(そうした記録も開示対象としていただきたく存じます)。それとも、開示予定の「部長会会計決算報告」に含まれているものでしょうか。
→ 映像制作部と学校の間に金銭の受け渡しに関する文書はございません。
 「預り金出納簿」に学生会から映像制作部へ支出した月日の記録がございます。
  平成30年度から支出の相手方に部活動名の記載がありますので、こちらを開示対象といたします。
 

以上、よろしくお願いいたします。  

======================
独立行政法人 国立高等専門学校機構
長野工業高等専門学校
総務課 総務係   白木 順子
〒381-8550
長野県長野市大字徳間716
TEL:026-295-7126 FAX:026-295-4356
E-mail: 個人 shomu1@nagano-nct.ac.jp
       係  shomu@nagano-nct.ac.jp
======================
**********

■このように長野高専側は、「映像制作部と学校の間での金銭の受け渡しに関する文書はない」と明言してきました。受け渡しの事実自体が一切ないのか、それとも文書を残さないようにしているだけなのか、はたまた土居校長の指示で文書を隠蔽したのかはわかりませんが、とにかく「学校側は関係ない」というスタンスで臨むつもりのようです。

 気になるのは、映像制作部における会計帳簿や各種領収書、団体口座の入出金履歴などの記録の有無を確認した質問(2)に対して、「映像制作部における文書はございません」と回答してきていることです。「ございません」というのが、物理的に存在していないという意味なのか、長野高専の法人文書の扱いとしていないという意味なのか、趣旨が判然としません。よってこの点につき、以下の再確認メールを送ることにしました。

*****6/9再確認メール*****
From: 小川賢
To: 長野高専総務課
日付: 2021/06/09 20:49
件名: Re: 法人文書開示請求手数料について

長野高専総務課
白木様

毎々お世話になります。
弊質問(2)について、「映像制作部における文書はございません。」とのことですが、
既に廃棄した等で物理的に存在していないのか、
それとも物理的に存在はしているが長野高専の法人文書の扱いではないのか、
そのあたりの真意について明瞭にご確認させていただけませんでしょうか。
以上取り急ぎ。

市民オンブズマン群馬
代表 小川賢
**********

 すると、2日後の6月11日に再回答メールが届きました。

*****6/11再回答メール*****
差出人: 白木順子
宛先: 小川賢
送信日時: 2021/6/11, 金, 12:00
件名: Re: 法人文書開示請求手数料について

市民オンブズマン群馬 代表 小川様

長野高専総務課総務係の白木と申します。
お世話になっております。

ご質問がありました件について、下記のとおり回答いたします。

           記

弊質問(2)について、「映像制作部における文書はございません。」とのことですが、
既に廃棄した等で物理的に存在していないのか、
それとも物理的に存在はしているが長野高専の法人文書の扱いではないのか、
そのあたりの真意について明瞭にご確認させていただけませんでしょうか。

→ 長野高専の法人文書ではないため、存在については把握しておりません。

以上、よろしくお願いいたします。

======================
独立行政法人 国立高等専門学校機構
長野工業高等専門学校
総務課 総務係   白木 順子
〒381-8550
長野県長野市大字徳間716
TEL:026-295-7126 FAX:026-295-4356
E-mail: 個人 shomu1@nagano-nct.ac.jp
       係  shomu@nagano-nct.ac.jp
======================
**********

■なんと長野高専側は、映像制作部の内部会計文書について、「長野高専の法人文書ではない」として、存在すら把握していないと責任放棄同然の回答を繰り出してきました。

 長野高専が公認して、長野高専のイベントを堂々とコンテンツにし、長野高専の看板を借りてDVDを売りさばいているにも関わらず、その物販の収益状況すら学校側が管理把握していないというのです。さすがに呆れてしまいました。

 もしも、学校とは関係のない「外部団体」のすることを関知する義務はないと長野高専が言い張るのであれば、明日からはいかなる「外部団体」でも好き勝手に学校へ乗り込んで撮影し、長野高専のDVDを勝手に作って売りさばいていいことになります。もちろん長野高専は、文化祭であれ卒業式であれ、どんな学校のイベントについても「外部団体」の参加と撮影を許さなければなりませんし、学校の名を冠した記録DVDが勝手に販売されるのも公認しなくてはなりません。それが筋というものです。

■結局、部長会会計決算報告等の開示決定通知は、6月15日付けで送られてきました。

*****6/15付開示通知(映像制作部会計関連)*****ZIP ⇒ 20210615jm.zip
                            長野高専庶第18号
                            令和3年6月15日

                 法人文書開示決定通知書

  市民オンブズマン群馬 小川 賢 様

                      独立行政法人国立高等専門学校機構
                                (公印省略)

 令和3年4月30日付けで請求のありました法人文書の開示について,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づき,下記のとおり開示することとしましたので通知します。

                      記

1 開示する法人文書の名称
  長野高専映像制作部について、過去10年間にわたり、その予算会計の状況がわかる一切の情報。

 ① 平成28年度学生会部長会会計決算報告
 ② 平成29年度学生会部長会会計決算報告
 ③ 2018年度学生会部長会会計決算報告、預り金出納簿
 ④ 2019年度学生会部長会会計決算報告、預り金出納簿
 ⑤ 2020年度学生会部長会会計決算報告、預り金出納簿


2 不開示とした部分とその理由
  ① 平成28年度学生会部長会会計決算報告
  ② 平成29年度学生会部長会会計決算報告
  ③ 2018年度学生会部長会会計決算報告、預り金出納簿
  ④ 2019年度学生会部長会会計決算報告、預り金出納簿
  ⑤ 2020年度学生会部長会会計決算報告、預り金出納簿
 不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
 理   由:法第5条第一号に該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
**********

 そのまま開示実施方法等申出書を返送すると、7月1日付けの送り状とともに、開示文書一式が送付されてきました。

●R3.6.15長野高専庶第18号 開示文書一式 ZIP ⇒ 20210703j.zip

 見ると、「部長会会計決算報告」には、学生会からの補助費の分配額と使用額についての支出入が書いてあるばかりで、映像制作部が行う物販の収益状況に関する情報がどこにも見当たりません。どうやら長野高専は、本気で「学校側はまったく預かり知りません」という見解を貫くつもりのようです。

 しかし、長野高専の看板を使い、長野高専のイベントをコンテンツにして、長野高専公認で映像を撮らせ、長野高専公認でDVDを売っているにも関わらず、学校側がその収益状況ひとつ報告させようとしていないとは、無法地帯にも程があります。

 そうなると、学生会から例年きっちり部費を出させておきながら、これまで物販で得ていた莫大な利益は一体どこに消えているのか、実に興味がひかれます。その元手の一端が不正コピーソフトであり、まさに「濡れ手に粟」状態であったとなれば、なおさらです。


■さて、今回ご報告する調査進捗としては以上となります。

 残念ながら、高専機構・長野高専側の極めて強硬な情報隠蔽姿勢に阻まれ、「高専機構からAdobe社への弁済事実の有無」や「映像制作部のDVD等物販におけるこれまでの収益状況」などといった「都合の悪い」情報は、依然として明らかになっておりません。

 長野高専校長・兼・高専機構理事である土居信数のお膝元で起こった大事件ですから、隠蔽に躍起になるのも頷けます。それでも、国民や学生の家庭が必死で納めた血税と授業料がドブに捨てられた疑惑や、国の看板を私物化した挙句に不正コピーソフトを使って私的にボロ儲けしていた問題が目の前にある以上、オンブズマンとして見過ごすわけにはいきません。

 当会では今後、当事者であるAdobe社への直接コンタクトなども視野に入れつつ、多角的に事実確認・真相究明を図ってまいる所存です。長野高専関係者の読者各位におかれましては、今回も積み残しとなってしまったいくつかの謎についてご存知のことがございましたら、ぜひ情報提供やご意見をいただければ幸いです。

【市民オンブズマン群馬からの報告】

コメント (4)
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【出張!オンブズマン】長野高専水泳プール解体強行問題に関する内部文書調査録(2)…開示文書にみる顛末

2021-09-03 10:10:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
※前編(文書開示の手続内容)はこちらhttps://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3353.html


幾多の長野高専生たちの青春を見守ってきたであろう桜の木も、容赦なく伐採。咲き誇るべき令和3年の春を目前にして命を絶たれ、桜も無念であったことだろう

■土居信数校長による長野高専水泳プール解体強行問題に関し、2021年春から初夏にかけて同校より開示されてきた内部文書は以下のとおりです。

*****プールの処遇関連の校内会議等記録(4/28先発開示分)*****
① 平成29年度運営会議議事概要 ZIP ⇒ 01_29nxccctv.zip
② 平成30年度運営会議議事概要 ZIP ⇒ 02_30nxccctv.zip
③ 平成29年度執行会議議事概要 ZIP ⇒ 03_29nxscctv.zip
④ 平成30年度執行会議議事概要 ZIP ⇒ 04a_30nxscctvi1e2j.zip
04b_30nxscctvi3j.zip
⑤ 令和元年度執行会議議事概要 ZIP ⇒ 05_anxscctv.zip
⑥ 令和2年度執行会議議事概要 ZIP ⇒ 06_aqnxscctv.zip
⑦ 平成29年度教員会議議事概要 ZIP ⇒ 07_29nxcctv.zip
⑧ 令和2年度教員会議議事概要 ZIP ⇒ 08_aqnxcctv.zip
⑨ 学生支援委員会 平成30年度 ZIP ⇒ 09_wx30nx.zip
⑩ 学生支援委員会 令和元年度 ZIP ⇒ 10_wxanx.zip
⑪ 平成29年度施設専門部会 ZIP ⇒ 11_29nx.zip
⑫ 教育体制に関する意見交換議事概要 ZIP ⇒ 12_ctv.zip
⑬ 平成29年度プール管理状況照会 ZIP ⇒ 13_29nxv.zip
**********

*****プール解体工事関連の記録(6/14追加開示分)*****
①工事入札関係契約書類
 ①-1 長野高専プール他解体工事設計業務 成果品 ZIP ⇒ 202106141vh.zip
 ①-2 解体工事の入札実施に伴う競争参加資格等審査 ZIP ⇒ 202106142hdqir.zip
 ①-3 長野工業高専プール他解体工事の質疑回答について ZIP ⇒ 202106143h.zip
 ①-4 契約書(4枚)(契約書原本) ZIP ⇒ 202106144_4.zip
 ①-5 完成結果通知書について ZIP ⇒ 202106145m.zip
 ①-6-1 実施工程表 ZIP ⇒ j.zip
 ①-6-2 工事記録 ZIP ⇒ 2021061462hvhihlj.zip
 ①-6-3 工事写真a ZIP ⇒ 2021061463ahvhihjhovh....
     工事写真b ZIP ⇒ 2021061463b1hvhihjhipj...
2021061463b2hvhihjhiqj...
     工事写真c ZIP ⇒ 2021061463c1hvhihjhpip...
2021061463c2hvhihjhpiq...
     工事写真d ZIP ⇒ 2021061463d1hvhihjhqip...
2021061463d2hvhihjhqiq...
2021061463d3hvhihjhqir...
     工事写真e ZIP ⇒ 2021061463e1hvhihjpvhi...
2021061463e1hvhihjpvhi...
②令和2年度支払関係証拠書類
 ②-1 長野高専プール他解体工事設計業務 ZIP ⇒ 20210614a1vx.zip
 ②-2 長野工業高専プール他解体工事(完成払分) ZIP ⇒ 20210614a2h.zip
**********

 なお今回は、開示文書の分量が膨大なため、文字起こしの掲載は見送らせていただきます。したがって、読者の皆様におかれましては、上掲の開示文書ZIPファイルをダウンロード・展開のうえ、内容を各自でご確認ください。


■ではさっそく、開示文書の分析と検討を始めてみましょう。まずは、4月28日付けの先行開示文書である校内会議記録等から、水泳プールの処遇をめぐる時系列を抽出してみます。(カッコ内の数字は先行開示資料の対応箇所)

*****プールの処遇をめぐる校内での経過*****
【2017年】
7月上旬…プール濾過機本体下部から漏水が発生する(11-2)

7月20日…H29年度第4回運営会議。プール濾過機で発生した漏水に関し、岩佐総務課長(当時)から状況と対応について説明がなされる(1-1)。また、濾過機タンクからの漏水量増大が認められ、止水処置は不可能であるとメーカーから報告がなされる(11-2)

7月21日…濾過機の運転を停止し、プールを使用禁止とする(11-2)

7月24日…H29年度第4回執行会議。プール濾過機故障への対応について石原校長(当時)から確認がなされ、プールの必要性や高専機構への営繕要求見込みなどについて意見交換が行われた(3-2)

7月27日…H29年度第4回施設専門部会議。プール濾過機故障の経緯と概要について報告され、岩佐総務課長や児玉英樹・鈴木宏ら副校長の間で意見が交わされる(11-1)

9月29日…H29年度第5回施設専門部会議。プール濾過機を更新した場合、概算で848万8800円の費用が見込まれる旨の説明がなされる(11-5)。この際、岩佐総務課長が「今年度予算では厳しく、やるなら来年度予算」である旨を説明すると、出席した幹部教員(氏名不明)から「実験費が削られているので、プールの存続自体を執行部会で検討するべき」との意見が出される(11-4)

10月10日…富岡学生係長から全国の国立高専に対し、各高専のプールの使用状況について照会がなされる(13-1)

10月31日…H29年度第6回施設専門部会議。プール修繕について、少なくとも年度中の予算措置が不可能であるため、翌年の授業は無くなるとの報告(11-6)

11月16日…照会に回答があった各高専のプール管理状況が取りまとめられる(13-2~4)。開示資料ではなぜか全面黒塗りとされており、各高専の「回答」内容が不明。

11月30日…H29年度第7回施設専門部会議。高専機構本部への営繕要求候補としてプール濾過機も列挙される(11-7~8)

12月7日…施設専門部会メール審議。総務課施設係の判断により、機構本部への営繕要求事項からプール濾過機更新が外されたとの報告。理由は「学内での承認が得られていないため」(11-10)

12月21日…H29年度第8回運営会議。浄水器故障で使用不能に陥ったプールについて、運用停止とし体育の授業から外す旨の報告が石原校長からなされる(1-3)


【2018年】
1月5日…水泳部の課外活動で外部プールを使用させている高専(資料13-9によれば函館や呉、北九州など8高専)に対して、富岡学生課長から詳しく話を聞かせてほしい旨のメールが飛ばされる。その際、濾過機の更新・修理の目途が立たないため、プールを廃止することが長野高専の検討状況として示される(13-7)

1月11日…H29年度第9回運営会議。平成31年度の概算要求事業として、タイ支援に伴う宿泊施設である『国際交流宿泊施設』をプール跡地に設置すると岩佐総務課長より説明(1-4~6)。運営会議において初めて「プール解体」が明言される。

1月15日…H29年度第9回執行会議。概算要求事業について、4日前の運営会議とほぼ同内容の説明。ただし説明者は石原校長(3-3~5)

1月25日…H29年度第12回教員会議。石原校長による伝説のプレゼン、「プール閉鎖」「運動部の業務除外」「高専体育大会の廃止提案」が行われる(7-1~2)。その際、席上に配布された石原謹製の「改革案」は、開示資料では全面黒塗りとされている(7-3~6)
(※この教員会議における石原伝説のプレゼンや、黒塗りなしの資料内容については、以下記事にて言及)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3284.html

2月22日…H29年度第10回運営会議。石原肝いりの『国際交流宿泊施設』計画について、「寄宿舎の新営は原則予算を付けない」と機構本部に一蹴され、あえなく頓挫したことが報告される(1-10)

2月26日…H29年度第10回執行会議。4日前の運営会議とほぼ同内容の説明がなされ、『国際交流宿泊施設』の概算要求を取り下げることが確認される(3-9)

3月15日…「今後の教育体制に関する第1回意見交換会(検討会)」が開かれ、教員43名と事務職員4名が出席する(12-1)。開示文書に含まれているということは、プールの件についても言及されたものと思われれるが、開示文書は全面黒塗りで内容は一切不明。

4月19日…H30年度第1回運営会議。平成29年度計画の実績報告として、プール設備を閉鎖する見込みになったことが言及される(2-5)。4日後の第1回執行会議でもほぼ同内容の報告(4-4)。また、同年5月28日の第2回執行会議にて、この実績報告の機構本部提出版が承認された模様(4-8)

6月21日…H30年度第3回運営会議。高等専門学校機関別認証評価の自己評価書原案が確認用に出される。そのうち「改善を要する点」において、「老朽化した施設の中には、予算不足のため修理できないままになる施設(プール)も存在する。教育研究において必要不可欠な施設の更新は不断におこなってゆかなければならず、そこには効率的な予算の計画と運用が求められる。」との言及(2-11)。一見、設備更新に前向きになったかのようだが、「教育研究において必要不可欠な施設」などとわざわざ書いてあるのがミソか。4日後の第3回執行会議でも同様の報告(4-13)

11月28日…H30年度第8回学生支援委員会。長野高専学生会から10月17日付けで学校に提出された「学校への意見・質問募集の集計結果」について、学校側からの回答案が審議承認される(9-5)。学生会の意見・質問募集に対して、学生側からは、「プールを直したほうがいい」という意見が多数あったこと、そして「プールが一体どうなるのか説明がほしい」という意見もあったことがわかる。すなわち、プールの処遇が学生の相当な関心事であったことが明らかである。学校側からは、「予算的に困難」「体育科としては働きかけをしている」「修理できない状況が続いている」との回答。プールがどうなるのか説明してほしい、という質問については完全スルー。


【2019年】
【3月31日、石原祐志校長退任】
【4月1日、土居信数校長就任】


10月10日…R1年度第7回学生支援委員会。学生会から10月1日付けで「学校に対する意見・要望書」が提出され、それに対する学校側の回答案を執行会議に付して学生会に回答する予定である旨説明される(10-2)。「学校に対する意見・要望書」によれば、「プールを直してほしい」「プールの跡地をどうするつもりなのか」という要望と質問が、ともに複数人の学生から寄せられた事実がうかがえる(10-5)

11月27日…R1年度第8回学生支援委員会。学生会の「学校に対する意見・要望書」に対する学校としての回答案が上程され、承認される(10-8)。学校側からの回答をみると、「プールを直す予算は付けてもらえない」「プールを壊す予算もないためそのままになっている」「一千万円を超える予算が絡む工事になるので、明るい見通しを伝えられない」旨の回答(10-11)。「そのうち解体する予定である」ことを明言せず曖昧な書き方になっているが、暗に解体の方向性を匂わせる内容。
それにしても、回答中の「プールが無くなってよかったという学生も少なからずいます。」という言葉はあまりに無神経で噴飯モノである。水泳部員のみならず、水泳競技に学生生活や人生を捧げている方々にとって、学校として公式にこう言い放つことがどういう意味を持つか想像できない時点で教育機関として失格である。そもそもプールの存廃について学生にアンケートを取ったこともないのに「少なからずいます」と断言できる根拠が不明。

12月2日…R1年度第13回執行会議。上記の「回答」が上程され、承認される(5-1)


【2020年】
2月17日…R1年度第18回執行会議。上程された自己点検評価報告書案において、平成29年度計画の実績として、プール設備を閉鎖する見込みになったことが言及されている(5-12)。この約2年前に高専機構へ提出した「実績報告」と同内容。

11月4日…R2第12回執行会議。岩佐総務課長が校内施設の撤去・改修・新設について説明したようだが、その会議資料である年度末工事実施案の中に突然しれっと「プール撤去・整地」が盛り込まれている(6-1~2)

11月5日…R2第8回教員会議。会議冒頭、土居校長直々に「プール撤去を行い更地にすることを考えており、今後課外活動のスペースとして活用できるようにしたい」と触れられたようす。ただし、校長から一方的に色々説明する中で一瞬触れられたのみで、プール撤去の是非について議論した痕跡は皆無(8-1)。また、内部関係者によれば、この教員会議はオンライン出席可能な形になっており、まさに「ドサクサ紛れ」の言及だったという。

11月20日…同日付けで、「長野工業高専プール他解体工事」の発注見通しが長野高専から公表される。この発注見通しが開示文書に含まれていない理由は不明。
https://www.nagano-nct.ac.jp/guide/procure/docs/R02hattyuumitoosi1120.pdf

11月25日…長野高専のプール解体工事の入札が公示される。
https://www.njss.info/offers/view/16838011/

12月7日…R2第14回執行会議。プールの撤去・整地と附属建物の取り壊しが承認される(6-3)
**********


■さて、先行開示資料である校内会議記録等からわかることは、大きく以下の3つです。

(1)「プールを潰して国際寮を建てる」という石原の妄言計画は、2018年初頭のたった1か月程度のうちに頓挫していたこと。

(2)その後、「プールを修理して使えるようにしてほしい」「プールをどうするつもりなのか説明してほしい」という学生からの声が根強く学校側に寄せられていたこと。学校側が学生に対し、ほとんど説明や意見交換を行わないまま解体実施に及んでいたこと。

(3)土居信数校長の下、プール解体実施予定がいきなり既成事実にされ、校内会議すらロクに開かれないまま一気に解体工事入札・実施まで至っていたこと。事前にプール解体の是非や解体後の用途を議論した痕跡がまったく認められないこと。


■このように、やはり土居体制の長野高専が「プール解体ありき」で突き進んでいた経緯が見て取れます。今回の文書開示により、学生の方々からプール復活を望む声が絶えず寄せられており、そうした声が一応にも学校側に伝えられていたことが判明しました。それにも関わらず、マトモな説明もなくプール解体を強行した土居校長は、まさに冷酷非情です。

 そして今回の文書開示を経ても、プールを解体して更地化したあとにどうしたいのかのビジョンが不透明のままです。一応、土居校長が教員に唯一説明した11月5日の教員会議において、「今後課外活動のスペースとして活用できるようにしたい」との方向性が示されていることこそ判明しました。しかし、水泳部の活動の場をわざわざ潰してまで、特定の部活のスペースにしてしまうとなると、学校として特定の部活やスポーツを差別・迫害し、一方で特定の部活やスポーツを優遇しているという話になってしまいます。

 さらに意味不明なのは、今年3月末に長野高専が寄こしてきた公開質問状への「回答」との齟齬です。この長野高専からの「回答」では、解体の理由と目的を尋ねた当会の質問に対して、「今後の土地の利用を検討していくためにも解体が必要不可欠であった」という意味不明な返事がなされてきたことは既報のとおりです。しかし、土居校長自らが「今後課外活動のスペースとして活用できるようにしたい」との方向性を教員会議で説明しているのですから、これをそのまま素直に「回答」で書けばよかったはずです。

■2020年11月5日の教員会議での説明内容と、当会の公開質問状への「回答」との食い違いは、何を意味しているのでしょうか。解釈のひとつは、「課外活動のスペースとして活用」というのが教員会議で反発を生まないようにするための出まかせであり、実際には何も考えていない、あるいは別の用途を想定しているという線です。

 解釈のもうひとつは、当会の公開質問状への「回答」が公表されることが明らかであり、当然学生の方々にも容易に目を通されるため、「プール廃止」を明言しないようにわざと滅茶苦茶な回答をしたという線です。しかしそうであれば、教員会議の場で廃止と活用を明言した以上、教員から学生へと早晩伝わるのは自明なのですから、無駄な努力にも思えます。

(※なお、土居校長には、「学生からの評判」を妙に気にする癖があるとのこと。学生のイベントを潰す命令を発したあとに、「やっぱり私が潰したことが学生に伝わるのは困る」として命令を撤回し、現場を振り回すといった事態も日常茶飯事のようす。プール潰し強行についても、頼まれてもいないのにすべて自分の判断と責任で行ったのだから、結果として生じた学生からの遺恨も正々堂々と受け止めてほしいものである。悪者なのだから悪者としての責任を取れ、卑怯者!)



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重機で無残にも破壊されていく長野高専水泳プール。後発開示資料①-6-3 工事写真dより。半世紀以上の歴史を誇り、長野高専生とOBたちの青春を支えてきた由緒ある施設を、ロクに校内で議論すらしないままコンクリの破片にしてしまった土居信数の独裁ぶりは常軌を逸しているというほかない。土居信数という男によるこの悪魔の所業を、異常なトップを戴いてしまったことによるこの残忍な帰結を、長野高専関係者にはシッカリと目に焼き付けていただきたい


■次に、追加で開示された、実際の解体工事に関する情報を見てみましょう。まず気になるのは、かかった費用です。開示資料によると、以下のことがわかります。

・解体工事の設計代金として、湯浅建築設計(株)に96万8千円を支払った(追加開示資料②-1)
・解体工事の請負代金として、みすず建設(株)に1100万円を支払った(追加開示資料②-2)


 この他にも、解体工事のための事前調査として、プール防水シートとプール防水モルタルの分析調査を外部に委託していたことが判明しています(本記事前編中、「プール解体工事文書一覧030422」参照)。これらの支払決議書については開示希望を出さなかったため、正確にいくら要したのかはわかりませんが、最低でも数万~十数万はかかっているはずです。

 すると、プールを解体して更地にするだけでも、1200万円以上かかったことがわかります。

 しかし、そもそもプールを再開できない理由は、プール濾過機の更新費用である約849万円を用意できないからでした。それにも関わらず、この1200万円もの予算はいったいどこから湧いて出たのでしょうか。そんなカネがあるのなら、余裕をもってプール再開もできたのではないでしょうか。

 しかも、「更地にするだけ」で1200万円であり、この土地を新たに「活用」するのであれば、その分の莫大な追加費用が必要になることは明らかです。「カネがないからプール再開できない」と言いながら、プール修繕と再開に要する費用を遥かに上回るカネを投じてプールを破壊し、更地にしてしまった長野高専の運営陣は、小学生レベルの算数もできないのでしょうか。

■このように、長野高専プール解体をめぐる経緯は、内部文書の開示を経てもなお奇々怪々というほかありません。土居信数はなぜ、有無を言わさぬプール解体にこだわったのでしょうか。なぜ、1200万円以上もの税金と授業料を投じる解体実施にあたって、是非についての議論が無いのでしょうか。そこまでしてプールを更地にした後で、結局その土地をどうしたいのでしょうか。

 また、その過程で、「プールが無くなってよかったという学生も少なからずいます。」と学校から公式に言い放たれた水泳部関係者らがあまりにも不憫です。スイミングスポーツへの冒涜であるといっても過言ではありません。

 当会では今後とも、土居信数により1200万円以上の税金と授業料をドブに捨てながら強行されたプール解体の問題について、真相を追ってまいります。長野高専関係者の皆様方におかれましては、ぜひ旺盛な意見や情報提供をお寄せください。

【市民オンブズマン群馬からの報告】


今回の調査の副産物として、長野高専水泳プール解体の際に生じたアスベスト含有建材を、なぜか我らが群馬県の高崎市に持ち込んでいたことが発覚した。どうして、当の長野県内の業者にアスベスト含有建材の処分を委託しなかったのか、極めて疑問。この不可解な「県外持ち出し」について、解体工事を担当したみすず建設、アスベストを受け入れた高崎市の産廃業者である大和建設の双方にヒヤリングする必要があるかもしれない。この問題については、別件として調査予定なので、読者各位においては報告を待たれたい。
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【安中市庁舎建替え問題】市議会庁舎建設等特別委が「安高跡地を適地」と結論づけた報告書の市民そっちのけ

2021-09-03 01:18:00 | 安中市庁舎建替えに伴う予算過大問題
■9月2日付の地元新聞に次の記事が掲載されました。なんと、市議会に設置されていた「庁舎建設等特別委員会」なるものが、最終報告書を9月1日の安中市議会定例会の初日に上程したというのです。しかも、安中市が行った市民アンケートで、現在の市庁舎の場所が最適だとする意見が過半数を占めていたにも関わらず、それらを無視して、旧安中高校跡地が建設場所として最適だと結論付けた報告だというのです。さっそく見てみましょう。

**********上毛新聞2021年9月2日
安中高跡地 建設に最適 特別委が最終報告案 安中市庁舎整備
 安中市が検討を進めている市庁舎の整備について、建設に関する調査などを行ってきた庁舎建設等特別委員会(田中伸一委員長)は1日、市議会9月定例会で新庁舎の建設地として旧安中高校跡地が最も適しているとの最終報告案を示した。
 市庁舎は老朽化部分などの耐震性が懸念されていることから、建て替えが検討されている。建設地については、市民懇談会が昨年にまとめた提言書で「現在地」「旧安中高校跡地」「その他」の3候補地が挙げられていた。最終報告案では、旧安中高校跡地が現庁舎から近く、建設時の仮設庁舎が不要などの理由から最も理想的とした。
 事前説明として25日の全員協議会で市議ら参加者のみに配布された資料が市民団体の会員制交流サイト(SNS)上に公開されたことについて、市議が質疑を求める場面もあったが、市議会は最終報告案を可決し、要望書にまとめて茂木英子市長に提出した。
(田島孝明)
**********

 この件に関するこれまでの経緯は次のブログ記事を参照ください。
○2021年3月28日:【安中市庁舎建替え問題】広報あんなか4月号「市庁舎の整備について検討しています」記事に異議あり!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3293.html
○2021年4月11日:【安中市庁舎建替え問題】旧安中高校跡地に建替え場所を誘導したい思惑ミエミエの官製アンケートに要注意!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3300.html
○2021年4月27日:【安中市庁舎建替え問題】4/26松井田地区と安中地区の一部へアンケート兼用チラシ6000部を新聞折込配布
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3308.html
○2021年5月20日:【安中市庁舎建替え問題】官製アンケートの結果ほぼ固まる・・・安中市が中間報告
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3316.html
○2021年6月6日:【安中市庁舎建替え問題】官製アンケート中間報告のトリックに係る公開質問に対し市から不明確な回答届く
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3322.html
○2021年6月27日:【安中市庁舎建替え問題】4市民団体が現位置・適正予算での建替えに係る要望書・報告書を市長に提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3336.html
○2021年7月15日:【安中市庁舎建替え問題】安中市が7/13発表の市民アンケート結果最終報告…安高跡地に未練タップリ
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3344.html

 また、市庁舎建替え問題に取り組む市民のかたがたのブログやサイトの記事もご覧ください。
■安中市庁舎建設に関する特別サイト
https://usuipc.wixsite.com/annaka
■庁舎建設の方向性を考える会
https://www.facebook.com/groups/289833998763551/about
■安中市まちづくりワンワンチーム
https://www.facebook.com/annakawanwan/
■安中市庁舎建設を考える市民の会
https://www.facebook.com/groups/2308088432540835/
■かわ遊び・やま遊び雑記/「安中市庁舎問題」のブログ記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/koizumi-masato/c/18bdb559bbad9cec5dc59fdf5b15a1de

■安中市議会のHPによると、安中市議会9月定例会は次の日程で開催中とあります。

*****令和3年第3回定例会の会期日程(予定)*****
日次   月  日  曜日  開議時刻    摘要
第1日  9  1  水  午前9時30分  開会・議案の上程等
第2日  9  2  木           休会
第3日  9  3  金           休会
第4日  9  4  土           休会
第5日  9  5  日           休会
第6日  9  6  月  午前9時     決算審査特別委員会
第7日  9  7  火  午前9時     決算審査特別委員会
第8日  9  8  水  午前9時     決算審査特別委員会
第9日  9  9  木           休会
第10日 9  10 金  午前9時     総務文教常任委員会
第11日 9  11 土           休会
第12日 9  12 日           休会
第13日 9  13 月  午前9時     福祉民生常任委員会
第14日 9  14 火  午前9時     経済建設常任委員会
第15日 9  15 水           休会
第16日 9  16 木  午前9時     一般質問
第17日 9  17 金  午前9時     一般質問
第18日 9  18 土           休会
第19日 9  19 日           休会
第20日 9  20 月           休会
第21日 9  21 火           休会
第22日 9  22 水  午前9時     委員長報告・採決等、閉会
**********

 随分休会の多いノンビリとした日程ですが、他の自治体の市議会もこうなのでしょうか。週末に一般質問をやれば正味1週間で十分こなせる日程なのに、22日もなぜ必要なのでしょうか。

■それはさておき、安中市議会の9月定例会の初日9月1日は「開会・議案の上程等」となっていますが、冒頭の新聞記事によれば、「市議会は最終報告案を可決し、要望書にまとめて茂木英子市長に提出した」と報じています。常識的に考えれば一般質問を経て、最終日の9月22日に可決し、その後要望書にまとめて市長に提出するはずですが、それほど急ぐ必要がなぜあるのでしょうか。

 それにしても、老朽化が進んでいるという理由で安中市庁舎の建て替えが必要だとして安中市議会に設置された「庁舎建設等特別委員会」は、たしか、今から2年前の令和元年(2019年)安中市議会第4回定例会(会期:同年12 月2日~13日)の会期中に、鳥獣害対策特別委員会と一緒に新たに設置されたもので、以降、市庁舎の建て替えについて調査研究を進めることになっていましたが、2年以上かけた調査研究結果がこの有様とは、我が市民の代表者である議会のレベルの低さに恥ずかしくなります。

■この日、9月2日はちょうど首都圏に出かける都合が有り、朝、前日に前橋地裁で判決が言い渡されたみなかみ町RDF訴訟事件の棄却判決について、記事が掲載されているかなと思い、高崎駅のキオスクで地元紙を買い求めて、東京行の新幹線の車内で読み始めたら社会面に記事が載っていたのを見つけた次第です。

 びっくりして、さっそく9時15分に安中市役所に電話をかけて、議会事務局につなげてもらいました。電話に出た事務局の中島職員に、さっそく「今朝地元紙で知ったが、市庁舎建替えに関する最終報告書が議会で可決されたそうですが、その内容はHPに掲載して、市民が誰でも見られるようにしてあるのでしょうか?」と訊いてみました。

 すると同職員は、「してません」というので、「すぐに当該最終報告書のPDFファイルを行政課の情報開示担当窓口の平職員に送っていただけないでしょうか。平職員から私宛にメールで送ってもらうから、すぐに手配してください。行政課にはその旨私から話をしておきます。なお、情報開示請求手続を経ますと開示通知が2週間後になってしまうので、今すぐ手配していただけるとありがたい」と伝えました。

 そのあとすぐに行政課の小坂係長に電話をして「今朝の新聞で議会定例会の初日に、特別委員会から市庁舎建替えの最終調査報告書が提出され可決されたことが報じられていました。議会事務局に電話をしたらHPにアップしていない、というので、直ちに内容を確認したいものですから、PDF化した電子コピーを行政課の平氏に送ってください、と依頼しました。ぜひ即日開示で、私に当該データをメール添付で平氏から送ってください」と強く要請しました。

 小坂係長は「へえ、そういう記事があったんですか」とまだ記事のことはご存じなさそうでしたが、「平(職員)は今日来ているので、議会事務局から(電子データが)届いたら、平のほうから小川さんにすぐ送るようにさせます」と言いました。

 結局、行政課文書箒係の平主査からメールで連絡があったのは同日15時01分でした。「お世話になります。議会事務局にご依頼のありました件で、資料を送信いたします。よろしくお願いいたします」とのメッセージと一緒に、資料が添付されてきました。さっそく見てみましょう。

*****庁舎建設等特別委員会報告書*****ZIP ⇒ i.zip
<P1>
           庁舎建設等特別委員会報告書

 本委員会に付託されました「現庁舎の老朽化の進行により、有事においての建物倒壊の危険性と防災拠点施設としての機能喪失の可能性が指摘されていることから、市庁舎建設に係る現状と課題を把握し、市民の信頼と安心に応えることのできる市庁舎建設の確立に寄与することについて」調査研究することについて、会議規則第109条の規定により報告いたします。

  令和3年9月1日

                     庁舎建設等特別委員会
                     委員長 田 中 伸 一

 安中市議会議長 吉岡 完司 様

                 記

1,設置目的

 現庁舎の老朽化の進行により、有事においての建物倒壊の危険性と防災拠点施設としての機能喪失の可能性が指摘されていることから、市庁舎建設に係る現状と課題を把握し、市民の信頼と安心に応えることのできる市庁舎建設の確立に寄与するため。

2,設置期日等

 令和元年12月13日、第4回定例会において安中市議会委員会条例第6条の規定により設置された。

3,委員会の構成

 委 員 長  田 中 伸 一    副委員長  小 川    剛
 委  員  櫻 井 ひろ江    委  員  松 本 次 男
 委  員  武 者 葉 子    委  員  佐 藤 貴 雄
 委  員  小 林 訂 史    委  員  遠 間 大 和
 委  員  罍   次 雄    委  員  柳 沢 吉 保

<P2>
4,調査研究結果

 本委員会では議論の過程において、特に「新庁舎の必要性」「新庁舎の建設位置」「新庁舎の建設手法と財源」「既存施設の活用」「新庁舎の規模及び機能」の5項目に絞って検討すべきとの総意に至った。
 コロナ禍で他市への先進地視察などが抑制される中、感染症対策を万全にし、積極的に調査研究を重ね令和3年第1回(3月)定例会で本委員会の中間報告として「新庁舎の必要性」「新庁舎の建設位置」「新庁舎の建設手法と財源」について提言を行った。
 その後、残る2項目についての協議を行い、このたび検討すべきとしたすべての項目について取りまとめが完了し、下記のとおり報告する。

(1)新庁舎の必要性について
 昭和33年11月の安中市制施行により記念事業として建設された現在の本庁旧庁舎は昭和34年の竣工後60年が経過、中庁舎は昭和44年の竣工後50年が経過し、老朽化に加え、耐震に著しい問題があり、建て替えが急務となっている。
 また、本市は分庁舎が多く、窓口業務が分散しているため、来庁者に多大な不便を来しているだけでなく、業務執行上も極めて非効率であると言わざるを得ない。
 さらに、まちづくりの全体像の中で将来性、発展性を見据え、関連する計画等との整合を図るとともに、市民に親しまれ、誰もが気軽に利用でき、市民活動の拠点となることはもとより、今後の行政需要に即応し、利便性の向上や行政運営の簡素・効率化、高度情報化、省エネルギー化等を図り、市民の安全安心を守るための防災、減災に対応する機能などを兼ね備えた市庁舎の建設は早急に推進すべきである。

(2)新庁舎の建設位置について
 新庁舎の建設位置については、市民の利便性を考慮するとともに、今後の行政需要に即応し、庁舎を核としたまちづくりを見据えた場合など、さまざまな見地から総合的に勘案すると、新庁舎の位置は現在地及び旧安中高校跡地に加え、その他の場所として新たな場所も視野に入れるべきである。

(3)新庁舎の建設手法と財源について
 新庁舎の建設に当たっては、社会経済活動情勢を直視し、将来を見据え、市民ニーズに応じた市役所であるべきである。厳しい財政状況の中、PFI・PPP等の民間活力導入も視野に入れ、本市の財政状況、市民負担、今後必要となる維持管理経費など諸点を十分考慮して、建設手法を慎重に選択するとともに、財源確保のためのあらゆる可能性を熟考し、建設費用が過度の将来負担とならぬよう十分留意すべきである。

<P3>
(4)既存施設の活用について
 既存施設とは現本庁舎、松井田庁舎、谷津庁舎についてとし、活用方法を検証した。現本庁舎は、旧庁舎、中庁舎は取り壊し、新庁舎と保健センターは効率的に活用すべきである。また、松井田庁舎の活用は松井田住民の行政サービス低下があってはならず、利便性の観点から支所機能として残すものとし、非常用電源も完備されているので効率的に使用すべきである。谷津庁舎については、建物を点検し耐震性に問題なければ、引き続き行政庁舎として部署の入れ替えも十分検討し活用すべきである。

(5)新庁舎の規模及び機能について
 ア 新庁舎の規模について
   既存の施設を活用することを前提に、人口推計や財政状況など予測されるデータを的確に分析し、本市の庁舎としての機能を満たす適切な規模となるよう精査すべきである。具体的には、庁舎理念と役割を明らかにした上で、本市が先進事例となる「新しい生活様式」に沿った市庁舎とすることや、地元経済への波及を第一に考えるとともに、SDGsの理念と達成への取り組みを市民と共有できるような市庁舎とすること。さらには占有エリア調査を行い、実際に使用・不要のスペースを事前に把握することで、面積を減らしコスト削減を図る発想ではなく、合理化による多様化で生産性の向上をはかることが求められる。
   将来的な人口減少社会の到来や生産性向上による働き方等の行財政改革、ICT を活用した新しい生活様式などの視点から十分な検証を行い、本庁舎に集約すべき機能及び当該機能を果たす上で必要な職員数を検討し、適正な規模とすることが重要である。

 イ 新庁舎の機能について
   新庁舎の機能については、以下の点に配慮すべきである。
 (ア)市民の利便性について
   ・市民利用が多い窓口は低層階に配置し総合相談窓口や待合いスペースを設置し市民の利便性に配慮するとともに適切でスムーズな動線計画をはかること。
   ・スロープや誘導ブロックの配置やエレベーター、市民が利用する低層階にはエスカレーターを設置しすべての方に配慮したユニバーサルデザインの理念を取り入れること。
   ・プライバシーに配慮した各種相談窓口や相談スペースを設置すること。
   ・銀行やATM、食堂、売店(コンビニエンスストア)、自動販売機等、公民連携の観点を踏まえ導入を検討すること。
   ・多機能トイレやファミリートイレの設置も検討すること。
   ・授乳室やキッズスペースを設置し、授乳室にはベビーベッドを備えること。

<P4>
 (イ)職場環境について
   ・安心して利用できるようセキュリティー対策を講じ市長室を低層階に設置するなど開かれた行政を目指すこと。
   ・DX(デジタルトランスフォーメーション)を駆使したスマート自治体を目指すこと。
   ・感染症対策としパーテーションの設置や距離間の確保をはかり、市民サービスを低下させることのないよう努めること。
   ・事務スペースは開放的で柔軟にレイアウトが変更可能となるよう、将来変化に対応できる執務環境としOA(オフィスオートメーション)フロアについても検討すること。
   ・職員一人あたりの執務面積を確保し働きやすい環境を整備すること。
   ・職員の福利厚生に配慮した更衣室、休憩室等を配置すること。
 (ウ)駐車場について
   ・十分な駐車場を確保し、周囲に渋滞を起こさないよう動線に配慮すること。
 (エ)地域連携や市民交流について
   ・屋内外で市民や職員がくつろぐことができ、週末には市民団体に開放し賑わいや交流を生み出せる空間づくりを民間活力等を活用して導入すること。
   ・庁舎の随所に安中市の地域に根差した産業・文化・歴史を反映させること。
 (オ)防災機能・被災時対応機能について
   ・災害発生時には危機管理拠点や災害復興拠点となる庁舎として、災害応急対策が速やかに行える機能を備えること。
   ・市民の一時避難スペースや支援物資受け入れスペース、ボランティア待機場所、災害時にさまざまな関係機関と連携が取れる災害対策本部が設置できるスペ ースを確保すること。また、緊急車両が水没しないよう配慮すること。
   ・非常用電源を確保し非常用飲料水貯水槽、雨水槽、緊急用汚水槽の設置も検討すること。
   ・災害時における河川監視カメラや消防、警察、学校、避難所の状況が共有できる通信体制を構築すること。
 (カ)情報やセキュリティーについて
   ・庁舎内のサーバー等の機器はセキュリティー面と防災面を重視し遠隔地にバックアップを保管すること。
   ・ICカード等の認証システムの導入や防犯カメラを設置すること。
 (キ)環境面について
   ・全館LEDの明るい照明で省エネに努め、太陽光発電や蓄電池の設置を検討すること。
   ・エコロジー技術やリサイクル資材などを活用した地球環境に配慮した庁舎にす

<P5>
ること。
   ・安中市産や群馬県産材の使用による地産地消を推進すること。
 (ク)議会施設について
   ・議場等は多目的に活用可能な機能を有すること。
   ・傍聴席は十分な面積を確保し照明や換気に配慮し、障がい者や子ども連れで来場された方に配慮したユニバーサルデザインの理念を取り入れること。
   ・各種委員会や多様な会議形式に対応できる可動する間仕切り壁の設置を検討すること。
   ・議員控え室は会派単位の部屋とし、会派数や議員数に柔軟に対応できるよう配慮すること。
   ・議会図書室の蔵書数の増加や閲覧箇所、IT機器導入に備えるスペースを確保すること。
   ・議員と市民が交流できるスペース、応接室を設置すること。

(6)まとめ
 庁舎建設等特別委員会は設置後、市民の信頼と安心に応えることのできる市庁舎建設の確立に寄与することを目的に、1年9か月に渡り協議を進めてきた。市庁舎に関わる市民懇談会の協議結果として、令和2年11月24日に安中市庁舎に関わる提言書が市長に提出され、令和3年7月には庁舎整備等に関する市民アンケート結果がまとまった。それらの内容を参考にしながらも、それに制約されることなくゼロベースを基調に新庁舎の建設について活発に本委員会で意見交換を重ねてきた。
 中でも新庁舎の建設位置については、委員からさまざまな意見が出された結果「現在地及び旧安中高校跡地に加え、その他の場所として新たな場所も視野に入れるべきである」と提言したが、庁舎建設等特別委員会として建設位置について、下段に示す理由から旧安中高校跡地に建設するのが最も理想であるとの意見が多数を占めるに至り、相対的に判断した結果、新たに提起する。(※赤字の箇所は、矛盾箇所を示すものとして当会が付記)
 ①現庁舎から至近距離にあり、市民への影響が少なく、業務を続けながら、建設、引っ越しが一度で済む。
 ②仮設庁舎が不要である。
 ③早期に建設が進められる場所である。
 ④今後、購入する土地ではなく、現在安中市の財産である場所である。
 ⑤用途地域が第2種住居地域の場所である。

 これらの項目を勘案したうえで、行政にとって最も大切なのは、市民の生命と財産の安全を確保することであり、市民の皆さんに対する日々の行政サービスを担う拠点であることはもちろん、特に災害が発生した場合にも対応可能な体制基盤を確保する対策が必要であると考えれば、旧安中高校跡地が最も適していると提起するものであ

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る。一方、建設位置を旧安中高校跡地と決定した場合、現在地の利活用についても検討していくことが必要であるが、いずれにしても一日も早く庁舎建設が進むよう切望するものである。
また、財源については、財源確保のためのあらゆる可能性を研究し、建設費用が将来の過度な負担とならないよう十分な配慮をあらためて強く求める。
以上、本委員会において検討した5項目について取りまとめた結果を報告する。執行部におかれては、本報告の趣旨を十分踏まえ新庁舎の建設を着実に推進されるよう、ここに強く要請するものである。
今後、市においては、市民意見も十分に参酌し新庁舎の建設をスピード感を持って推し進めていただくとともに、議会としては新庁舎の完成、さらには市民サービス利用開始まで、引き続き市が進める基本計画、基本設計や実施計画等の点検や検証等を積極的に行っていくことを申し添え最終報告とする。

5、委員会の活動状況

(1)委員会の開催状況

開催期日等 調査や協議の項目等
第 1回 令和元年12月13日 委員長、副委員長の互選
第 2回 令和元年12月13日 委員会の運営について協議
第 3回 令和2年 1月27日 調査・研究方針について協議
第 4回 令和2年 2月14日 調査・研究方針について協議
第 5回 令和2年 2月25日 庁舎建設の必要性について協議
第 6回 令和2年 3月17日 庁舎建設の方法について協議
第 7回 令和2年 6月18日 コロナ禍での委員会運営について協議
第 8回 令和2年 7月22日 庁舎建設の方法について協議。行政視察について協議
第 9回 令和2年 9月 8日 庁舎建設の方法について協議
第10回 令和2年 9月17日 執行部への要望について協議。今後の委員会運営について協議
第11回 令和2年10月20日 執行部への要望について報告。今後の委員会運営について協議
第12回 令和2年11月18日 松井田庁舎の利活用について協議
第13回 令和2年12月 9日 中間報告ついて協議
第14回 令和3年 1月19日 中間報告(案)について協議
第15回 令和3年 2月15日 中間報告(案)について協議、決定

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第16回 令和3年 2月26日 今後の協議方針について協議
第17回 令和3年 3月15日 既存施設の活用について協議
第18回 令和3年 4月23日 既存施設の活用について協議
第19回 令和3年 6月21日 既存施設の活用について協議。新庁舎の規模及び機能(議会施設を含む) について協議
第20回 令和3年 7月15日 新庁舎の規模及び機能(議会施設を含む) について協議。最終報告について協議
第21回 令和3年 8月 4日 最終報告(案)について協議
第22回 令和3年 8月18日 最終報告(案)について協議、決定。要望書について決定

(2)先進地視察の実施状況

視 察 日:令和2年10月20日
視 察 先:群馬県富岡市役所
視察事項:庁舎建設の経緯について

(3)市内視察の実施状況

視 察 日:令和2年11月18日
視 察 先:安中市役所松井田庁舎
視察事項:松井田庁舎の現状と利活用について

(4)その他実施状況

実施事項:庁舎建設等特別委員会講演会
実 施 日:令和2年11月18日
講演内容:市庁舎建設のあり方について『安中市庁舎に関わる参考意見』
講  師:青山社中株式会社 取締役 大山 詠司 氏

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■市民アンケートの結果、「現在地」での建て替えを望む市民が最も多く、過半数を超えているにもかかわらず、安中市が依然として「旧安高跡地」での建て替えに未練がましく、いまだにこだわっていたところをみると、どうやら安中市議会の最大会派をはじめとする議員らを懐柔していて、市議会特別委の最終報告書が安中市の思惑どおりになることを見越していた、という流れが見えてきたと言えます。

 それにしても、安中市民から選ばれた選良なのに、安中市の市民のアンケート結果を無視して、最初から「旧安高跡地」に新築移転しようとする安中市幹部らの思惑をそのまま反映したかたちの報告書を出すとは、呆れた議員連中です。

 道理で、当会の議員アンケートでも、最大会派の新政会をはじめ、公明党や、共産党の議員まで、きちんと回答してこなかった経緯をみれば、今回の市役所執行部よりの調査結果を出すことは、あらかじめ決まっていたと思われます。

 しかしいくら低レベルの市議が多い市議会とはいえ、この問題をこのまま放置しておくわけにはいきません。今後もきちんと、市民の望む声を安中市民として発信し続けたいと思います。

【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】

※参考資料1「安中市役所の庁舎整備等に関する市民アンケート調査結果のご報告」
**********ZIP ⇒ 20210801apgiezzj.zip

 これは、8月初めに地区の回覧版と共に各戸配布されたチラシ。安中市は費用を掛けて市民アンケートを行い、その結果が市役所の建て替え場所の適地として「旧安高跡地」に誘導しようとしたが、「現在地」を望む市民が最も多かったため、このようなチラシを各戸配布することで、アンケート結果を市民に周知したことにし、9月1日の議会の庁舎建設等特別委員会の最終報告で「旧安高跡地」が建替え場所としての適地である、という結論を待ち焦がれていたことがうかがえる。市民の意向軽視の体質が染みつく安中市役所ならではのやり方。
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※参考資料2「安中市役所の庁舎整備等に関する市民アンケート調査結果報告書]
**********URL ⇒
https://www.city.annaka.lg.jp/gyousei/kikaku_keiei/files/annaka_questionnaire_report.pdf
 「現在地」での建て替えを望む市民が過半数を占めているのに、それを認めようとせず、あいかわらず無効アンケートを分母に加えたまま、「現在地」を求める市民の数を矮小化しようと、正しく修正すべきなのになにもしようとしない安中市役所幹部らの傲慢な姿勢が良く判る報告書。
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コメント
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