日々

穏やかな日々を

コロナ研究が縁、京大・西浦教授に招かれ日本避難のウクライナ人学者が帰国へ

2023年03月21日 22時42分30秒 | 大学

コロナ研究が縁、京大・西浦教授に招かれ日本避難のウクライナ人学者が帰国へ

 2023年3月14日 (火)配信読売新聞
 

 ロシアのウクライナ侵略前、世界は新型コロナウイルスに揺れていた。未知の感染症に立ち向かった研究者の国境をまたいだつながりが、侵略下で一人の国外避難を支えた。ウクライナ国立科学アカデミーのイゴール・ネステルクさん(68)と京都大教授の西浦博さん(45)。「研究を続けられたことは大きな喜びだった」と語るイゴールさんは今月下旬、日本での研究プロジェクト終了に合わせ、帰国する。(永瀬章人)

 イゴールさんは1954年、ウクライナの隣国モルドバで生まれた。その頃、二つの国は旧ソ連の一部だった。モスクワの大学院で博士号を取得し、旧ソ連崩壊前にウクライナの大学で職を得た。液体や気体の流れを計算する理論流体力学の専門家として、多くの論文や著書を発表。専門分野を医学や経済学にも応用し、2020年からは新型コロナの流行の動静を予測する研究にも取り組んできた。

 昨年2月24日。アカデミーのあるキーウにいたイゴールさんはニュースでロシアが侵略を開始したことを知った。「こんなことがあって良いはずがない」。その日のうちに、一般の市民で構成する領土防衛隊に志願した。

 研究一筋で軍に属した経験はなかった。若い仲間たちと一緒に訓練を重ね、小銃を手に市街地や幹線道路で警備に立った。「実際の戦闘で私は役に立たないかもしれない。でも、武器を持って立っているだけでも、市民を勇気づけられると思った」とイゴールさんは振り返る。

 そんなイゴールさんの研究に、西浦さんは侵略の前から注目していた。理論疫学が専門で、コロナ禍の初期、感染拡大を防ぐため人と人の接触の「8割減」を提唱したことで知られる。イゴールさんと面識はなかったが、論文や著書に触れ、ウクライナのコロナ対策をリードする数理モデルの研究者だと思っていた。

 「人道的な見地からも、落ち着いた環境で研究を続けてほしかった」と西浦さん。日本で、まもなく始めようとしていたプロジェクトへの参画を提案するメールをイゴールさんに送った。

 イゴールさんは昨年3月中旬、領土防衛隊を離れた。老齢の両親が暮らすモルドバを経由して4月中旬、関西空港に到着。身元保証人は西浦さんが引き受けた。

 京大では、西浦さんのプロジェクトチームで各国のコロナ対策のデータを基に、感染対策の有効性を検証した。研究に打ち込んでいる時は、ウクライナで起きている戦争のことを忘れられた。休日にはチームの同僚が見つけてくれたアパートを出て、町歩きや登山を楽しんだ。「初日の出を見たり、西浦教授やご家族と一緒にすしを食べたり、たくさんの思い出ができた。鴨川で泳いだこともある」とイゴールさんは笑う。

 今年3月のプロジェクト終了を前に、イゴールさんは帰国するかどうか迷った。

 来日後、昨年7月にモルドバの父ゲオルギーさんが90歳で亡くなり、母カテリーナさん(91)が独りとなっていた。侵略後の数週間身を置いた領土防衛隊の仲間の戦死も知った。「ここは、あなたのいる場所ではない」。40歳代の実業家という彼は、イゴールさんに研究生活に戻るよう勧め、日本行きを後押ししてくれた。

 「日本に残ることも考えたが、母には私の助けが必要だ。何よりウクライナの研究者として、国に戻って人々のために尽くすべきだとの答えに行き着いた」と、イゴールさんは帰国を決めた理由を明かす。

 キーウでは今年2月末からコロナの新規感染者数が増え、市当局によると入院を必要とする患者も増加傾向にある。「私の研究が完成すれば、コロナの拡大を従来よりも正確に予測できるようになる。公衆衛生に役立てることができ、経済に及ぼす影響も減らせるはずだ」と話すイゴールさんは、キーウに戻ってからも研究を続ける決意だ。

 西浦さんは「今後の感染対策の基盤となる研究を提供してくれた。無事に研究を続けられる未来を祈っているし、それを見守る友人であり続けたい」と思っている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

100歳超の人、ゲノムも元気…

2023年03月07日 22時46分24秒 | 大学

100歳超の人、ゲノムも元気…本来の年齢より10歳以上若く保たれている傾向

 2023年3月7日 (火)配信読売新聞
 

 100歳を超えるような長寿の人は、ゲノム(遺伝情報)の老化が、本来の年齢よりも10歳以上若く保たれている傾向があるとする研究成果を、岩手医科大などの研究チームが発表した。特に、がんや認知機能にかかわる遺伝子の周辺部分で若く保たれていたという。同チームは、たばこや肥満などとゲノムの老化との関連を調べ、長寿を目指すために効果的な生活習慣を解明したいとしている。

 個々人のゲノムは、生活習慣や加齢などによって、「メチル化」と呼ばれる変化が進んでいくことが知られている。このため、その変化具合を調べれば、実際の年齢を推定できる。

 同チームは、住民の健康データを集積している「東北メディカル・メガバンク計画」に参加する20~70歳代の421人と、慶応大などの研究に参加する100歳以上の94人のゲノムの状態を解析。それぞれの年齢を推定した。

 その結果、20~70歳代ではゲノムから推定した年齢と実際の年齢がよく合致していたのに対し、100歳以上の人は、ゲノム状態が若く保たれ、中には実際よりも20歳近く若い状態の人もいた。特に、がんや認知症にかかわる遺伝子近くで若い状態が保たれ、その一方で炎症を引き起こす免疫関連の遺伝子近くでは本来の年齢よりも老化が進んでおり、炎症が起こりにくい傾向がみられたという。

 研究に携わった岩手医科大教授の清水厚志さんは「どんな生活習慣が、ゲノムの老化をどれだけ進めるのかを解析し、長寿を達成するための手がかりを見つけたい」としている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

島根大教授ら、緑内障難症の治療装置を開発 国内初承認

2023年02月05日 21時50分28秒 | 大学

島根大教授ら、緑内障難症の治療装置を開発 国内初承認

 2023年1月24日 (火)配信中国新聞
 

 島根大医学部(島根県出雲市)の谷戸正樹教授(51)=眼科学=は23日、日本人の失明原因1位の緑内障を治療する新たな装置を民間企業と共同開発し、同学部付属病院で治療を始めたと発表した。内視鏡で目の裏側の組織を見ながらレーザーで手術する装置で、国内初承認という。従来の治療法では難しいケースに対応でき、全国への普及を目指す。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

患者情報入りUSB紛失 1894人分、岩手医大

2023年02月04日 22時13分58秒 | 大学

患者情報入りUSB紛失 1894人分、岩手医大

 2023年2月3日 (金)配信共同通信社
 

 岩手医大病院(岩手県矢巾町)は2日、患者1894人分の氏名や年齢、治療薬名などの個人情報が入ったUSBメモリー1個を昨年10月に紛失したと発表した。現時点で個人情報の不正利用の被害は確認されていないという。病院は関係者の処分を検討。該当の患者には謝罪文を発送した。

 紛失の把握が遅れ、発表時期もずれ込んだという。小笠原邦昭(おがさわら・くにあき)病院長は記者会見で「多大なるご迷惑と不安を持たせたことに関し、深くおわびします」と述べた。

 病院によると、USBに保存されていたのは2021年12月1日~22年9月30日に特定の治療薬を処方された患者に関する個人情報。

 同病院の薬剤師が22年10月1日、薬剤部内で会議資料を作るため電子カルテからUSBに患者情報を保存し、業務用パソコンで作業した後、透明なクリアファイルにUSBを入れて個人用の机の上に置き帰宅。同5日に紛失に気付き、捜したが見つからなかった。

 薬剤部は学外者の立ち入りが禁止されており、部に出入りした職員と学生全員から聞き取り調査したが、手掛かりはないという。病院は12月に県警に遺失届を提出した。

 薬剤部の業務マニュアルには、USBから個人情報を削除するとの記載がなかった。病院は紛失を受け、このマニュアルを改めた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大学入試:コロナ禍の大学共通テスト 理系女子、増加の兆し

2023年01月12日 21時39分55秒 | 大学

大学入試:コロナ禍の大学共通テスト 理系女子、増加の兆し 就職有利、医・薬が人気

 2023年1月12日 (木)配信毎日新聞社
 

 大学入学共通テスト(14、15日)に挑む受験生の志望動向は、長引く新型コロナ ウイルス禍の影響を反映し、就職に有利とされる理系の人気が高まる傾向にある。特に女子の志望に強く表れ、政府が目指す理系女子の増加が、コロナ禍による社会情勢の変化で起き始めている格好だ。「進学のプロ」たちは現状をどう見ているのか――。

 共通テストは、前年より約1万8000人少ない51万2581人が出願。国公私立大・短大など計870大学が利用する。

 「景気の落ち込みが理系人気につながることはリーマン・ショック時にもみられた傾向だ」と話すのは、ベネッセ教育情報センターの谷本祐一郎センター長だ。昨年11月、駿台予備学校と合同で実施した共通テストの直前模試で、受験生に志望先を尋ねたところ、コロナ禍による経済状況の落ち込みを反映し、資格の取得や就職に有利な理系学部に人気が集まったという。

 特に医療系の人気が高く、医学部や看護学部だけでなく、ワクチン開発への注目などから薬学部を志す受験生も増えたとしており、谷本センター長は「具体的な職業分野にまで注目が高まったのは、コロナ禍の特徴といえる」と話す。

 河合塾が昨年10月に実施した「共通テスト模試」でも、受験生約24万人のデータから私大の志望者(前年比3%減)を見ると、医学や獣医学、生物生産・応用生命など「生命」に深く関わる分野への関心が高く、いずれも前年の志望者数を上回った。一方、外国語や国際関係など入学後の海外留学が視野に入る文系学部は低調だった。

 共通テスト志願者の85%を占める高校3年生は、文理選択の時期にあたる1年生の秋をコロナ禍で迎えた。河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員は、当時はワクチン開発や医療現場が注目を浴びた一方、厳しい海外渡航制限で留学の見通しも立ちにくく、進路選択に影響を与えた可能性があると分析している。

 コロナ禍の影響を色濃く反映した「理高文低」の傾向は、女子の志向の変化が大きく影響しているようだ。私大の志望先で、医学系の分野を目指す受験生は前年比9%増だったが、女子に限ると、伸び幅が13%だった。他にも、獣医学21%増(全体16%増)▽応用化学7%増(同1%増)▽電気・電子17%増(全体変化なし)などとなった。

 一方、外国語は15%減(全体13%減)、国際関係は10%減(同9%減)となるなど、多くの学生が留学を経験し、女子からの人気の高さに支えられてきた分野については、軒並み志望者が落ち込んでいる。

 法・政治は、人気が低調だった外国語や国際関係の「受け皿」としても機能したとみられ、女子を中心に志望者が増加。医・歯・薬・保健学系は、歯学などが落ち込んで、系統全体では昨年と同水準だった。

 AI(人工知能)やグリーンといった成長産業を支える人材の需要が高まる中、女子が理系分野に進学しやすい環境づくりは、政府の「教育未来創造会議」が2022年5月に公表した提言でもうたわれた。学部段階で男子の28%が専攻する理工系は、女子だと7%にとどまり、入試で女子枠確保を図る大学への補助や、女子向けの修学支援策などを進める必要があるとした。

 大学事情に詳しい「大学通信」の井沢秀情報調査・編集部長は、女子の理系志向の高まりの背景には、国が進める学校での「探究学習」などを通じ自分の将来を考える機会が増えたことや女性のキャリアに対する保護者の価値観が変化していることがあり「性別にとらわれない進路選択につながっている」と指摘する。

 24年4月入学以降、入試で「女子枠」を設ける東京工業大や、22年度に女子大で初めて工学部を設けた奈良女子大などを例に「女性の理系人材に対する社会のニーズが高まっていて、大学も取り込みを強化している。女性の比率をさらに高めていくには、学びと将来の仕事をどう結びつけられるかを発信することが大切だ」と話した。【李英浩】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形大で個人情報流出か 千人分、不正アクセス受け

2022年12月22日 22時03分16秒 | 大学

山形大で個人情報流出か 千人分、不正アクセス受け

 2022年12月19日 (月)配信共同通信社
 

 山形大は16日、学外から不正アクセスを受け、外部受講者や学生らの氏名や電話番号など1059人分の個人情報が流出した可能性があると発表した。悪用された被害は確認されていない。

 山形大によると、10月26日、学外から「大学が運営するサーバーから迷惑メールが送信されている」との連絡があった。大学が調べたところ、システムを管理する職員のIDとパスワードが流出し、迷惑メールを勝手に送信するようプログラムが書き換えられていた。同じサーバー内に個人情報があり、アクセスできる状態だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

運動能力向上させる遺伝子特定 岡山大病院医師ら、腱成長に関与

2022年12月01日 22時43分14秒 | 大学
運動能力向上させる遺伝子特定 岡山大病院医師ら、腱成長に関与
 2022年11月29日 (火)配信山陽新聞


 岡山大病院の中道亮医師(整形外科学)らの研究グループは、ジャンプ力や走力といった運動能力を大幅に向上させる遺伝子を特定した。筋肉と骨をつないで体を動かす組織「腱(けん)」の成長に関与していることを実験で突き止めた。高齢者の運動機能を回復させる薬剤開発などにつながる成果として期待される。
 東京医科歯科大の浅原弘嗣教授(分子生物学・整形外科学)=岡山大医学部出身=や米スクリプス研究所などとの共同研究。
 中道医師らは、同研究所が2010年に発見しノーベル医学生理学賞を受賞した、圧力を感じて物の手触りを神経に伝える遺伝子「PIEZO(ピエゾ)1」に着目。この遺伝子の変異を持つ人はカリブ海のジャマイカや西アフリカ系に多く、優れた陸上選手を多く輩出していることから、運動機能に何らかの影響を及ぼしているのではないかと仮定し、マウス実験を行った。
 その結果、変異を持つマウスは通常のマウスと比べジャンプ力が1・7倍になり、走る速度も約1割向上した。腱を調べると太く成長している上、しなやかに伸びるような特性を持っていたという。
 さらに、限られた人数での解析にはなるものの、ジャマイカ人で変異を持っている割合は、陸上選手の方が一般の人と比べ高いことも分かった。
 研究グループは「PIEZO1に変異があることで、腱の成長を促す別の遺伝子の働きが強まると考えられる」と分析する。
 中道医師はスポーツ選手のドーピングに悪用される懸念もあり、対策が必要との認識を示しながらも、「先進国を中心に高齢化は一層進行する。運動機能が落ちた高齢者の腱を強化するような薬を開発したい」と話している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大分大医学部の西田昌弘さん、学部生初の筆頭著者に 国際学術誌に研究論文掲載

2022年12月01日 12時49分33秒 | 大学
大分大医学部の西田昌弘さん、学部生初の筆頭著者に 国際学術誌に研究論文掲載
 2022年11月29日 (火)配信大分合同新聞

 大分大医学部5年の西田昌弘さん(27)が、同大の学部生では初めて、論文の責任者である筆頭著者として研究内容をまとめた。抗がん作用を示す物質の研究で、国際学術誌「コミュニケーションズバイオロジー」に掲載された。西田さんは「自分一人の力ではなく、サポートしてくれた先生や、自主性を尊重し、自由に活動できる環境が結果につながった」と喜んでいる。
 がん細胞が増殖する際、DNAの複製に必要な酵素「トポイソメラーゼ1(TOP1)」の活動を妨げる「TOP1阻害薬」として、主にカンプトテシンという物質が使われている。しかし、副作用で下痢の症状が強く現れ、治療の継続を難しくしている。
 西田さんは、この課題を解決するため、複数の候補の中からTOP1阻害薬と同等の効果がありながら、副作用を軽減する可能性がある物質を特定し、メカニズムを解明した。この物質は、同阻害薬に耐性ができたがん細胞にも有効であることが示された。
 研究成果は新しい阻害薬の開発につながる可能性があるという。
 論文は9月に掲載された。同誌は国際的に高い評価を受けており、大学院生以上の研究者でも載るのは難しいとされる。
 西田さんは大分東明高を卒業後、岡山大理学部に進学し、遺伝子工学の研究をしていた。3年時に医師を志し、大分大の2年生として学士編入した。岡山大で培った基礎知識を生かし、大分大医学部付属臨床医工学センターの花田克浩助教の下で自主的に研究を始めた。
 学生が基礎研究に取り組める教育プログラムにより、4年生で正式に研究室に配属。通常の授業に励みながら研究を進めた。新型コロナウイルスの影響でリモート授業になり、研究室に滞在できる時間が増えたことで、より実験に没頭できたという。
 花田助教は「学生が伸び伸びとやりたいことをできる場所を提供することが大切。若い芽を摘まないよう環境を整えていきたい」と話している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東大が女性教員300人採用計画、異例規模で5年後に比率25%に引き上げ

2022年11月19日 20時59分33秒 | 大学
東大が女性教員300人採用計画、異例規模で5年後に比率25%に引き上げ
 2022年11月18日 (金)配信読売新聞

 東京大学が、今年度からの6年間で、女性の教授や准教授約300人を新たに採用する方針を固めたことがわかった。教員の女性比率を引き上げるのが目的だが、女性教員の大量採用計画は異例で、他大学の採用にも影響を及ぼしそうだ。
 関係者によると、女性の教授141人、准教授165人を採用するという。東大には現在、講師や助教らを含め約5000人の教員がいる。女性比率は16%と低く、講師や助教の女性採用も増やし、2027年度までに25%に引き上げる計画だ。東大本部は、人事権を持つ各学部に採用計画の策定を求めている。
 経済協力開発機構(OECD)加盟国で、20年の高等教育機関における教員の女性比率は平均45%だった。
 東大は昨年公表した行動計画で「多様性と包摂性」をキーワードに、学生の30%以上(現在は学部生で20%)、教員の25%以上を女性とする目標を掲げた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

未来の娘と息子に手紙「思っていたより短い人生を終えそうです」…風船に患者らの思い託す

2022年11月09日 21時32分15秒 | 大学
未来の娘と息子に手紙「思っていたより短い人生を終えそうです」…風船に患者らの思い託す
 2022年11月3日 (木)配信読売新聞

 「治療法が見つかりますように」「幸福な人生でした」――。香川大医学部付属病院(香川県三木町)で10月31日、入院患者らがしたためた手紙をくくりつけた風船15個が、中庭の空に浮かんだ。回復への願いのほか、余命を悟って家族に言い残したいこと、亡き父親への報告など、鉛筆で書かれた文字には様々な人の思いの丈がにじんでいる。(浦西啓介)
 「空色ポスト」と名付けた取り組みで、同大学創造工学部の大場晴夫教授と北村尊義准教授、学生らが約3年前から準備。デザインが専門の大場教授が、中庭に設置するオブジェを病院から相談されたのがきっかけだった。
 「病院という閉ざされた空間にいる入院患者らが、多くの人とコミュニケーションできる方法はないか」。アイデアを巡らせていた時、粟島(三豊市)にある現代アート作品「漂流郵便局」を訪れ、ヒントを得た。
 届けられない手紙を預かる「漂流郵便局」には、現在・過去・未来の自分や家族、モノなどに宛てた様々な便りが届く。それを見た大場教授らは、患者らに思いを書いてもらい、空に上げることで「希望」の意味に通じる風船にくくりつけ、中庭に浮かべることを思い立ったという。
 事前に入院患者、医師、看護師ら約150人が書いた手紙を青、緑、白、オレンジの風船にくくりつけ、約9メートルの高さに浮かべた。この日の来院者に学生が声をかけ、その場で書いてもらった手紙も追加した。
 「未来の娘と息子へ」と題された1枚には、母親から「思っていたより短い人生を終えそうです……悔いのない人生を歩んでください……」と別れの言葉がつづられた。36年前にこの病院で父をみとった人は、「あなたが最後にお世話になった病院で私働いているんですよ!」と報告している。
 中庭を通りかかった女性は風船の手紙を読み、「治療法が見つかりますように」とだけ書いて風船に託した。創造工学部3年の学生(21)は「胸に秘めていたことを言葉にすることで、嫌なことやつらいことを自分なりに受け入れることができると思う。患者さんが少しでも癒やされ、前を向いてもらうことができたら」と願う。
 風船を見つめていた医学部消化器・神経内科の小原英幹講師(49)は「病気になると気持ちがふさぎがちになる。『病は気から』という言葉があるように、医師は治療だけでなく患者に寄り添うことも大切。医師を目指す学生は風船を通して、そのことを学んでもらえたら」と話す。
 11月4日まで(3日を除く)。午前11時~午後3時に実施。雨天中止。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナウイルスが血管に侵入する仕組み解明 京都大など「重症化予防に期待」

2022年09月22日 20時28分28秒 | 大学
コロナウイルスが血管に侵入する仕組み解明 京都大など「重症化予防に期待」
2022年9月22日 (木)配信京都新聞


 気道の動きを再現した「臓器チップ」を用いて、新型コロナウイルスが血管内に侵入するメカニズムを解明したと、京都大などのグループが発表した。ウイルスが血管にある「バリアー」を破って侵入する際、特定のタンパク質が関わっていることを突き止めた。重症化予防などにつながる可能性がある。米科学誌サイエンス・アドバンシズに22日掲載された。
 新型コロナウイルスはまず気道など呼吸器の細胞に感染した後、血管を介して他の臓器に広がる。血管にはウイルスを防ぐバリアーが存在するが、ウイルスがどう突破しているかはよく分かっていなかった。
 京大iPS細胞研究所の高山和雄講師らは、気道と血管の細胞を再現した臓器チップ(縦3センチ、横2センチ)を作って、感染実験を行った。感染した細胞を解析したところ「CLDN5」というタンパク質の働きがウイルスによって抑制されていることが判明。CLDN5は細胞間の接着結合を担っており、これが抑制されることでバリアーに隙間が生じる仕組みを確認した。実際に新型コロナの重症患者の肺を調べると、CLDN5の働きがほぼ消失していたという。
 今後、CLDN5を活性化させるための薬剤開発などが期待される。高山講師は「臓器チップを使うことでウイルス侵入の様子を再現できた。生体の免疫機能までは再現できないが、さまざまな病態を調べるのに有効な手法だ」と話している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

江戸川区、保健所業務応援で医科歯科大に感謝状

2022年09月17日 16時40分19秒 | 大学

江戸川区、保健所業務応援で医科歯科大に感謝状

 2022年9月16日 (金)配信東京新聞
 

 江戸川区は十三日、新型コロナ禍で逼迫(ひっぱく)した保健所業務を応援した東京医科歯科大学(文京区)に感謝状を贈った。同大大学院保健衛生学研究科の佐々木吉子教授は「保健所は住民とつながり、最後のとりでのような役割を果たしていると感じた」と活動を振り返った。

 佐々木教授は第五波が流行中の昨年八月、江戸川区保健所を視察。職員が感染者との電話対応などに追われる姿を見て応援を提案した。同月から第七波の今年八月にかけ延べ百十四日間にわたり、同大の看護教員約二十人が交代で健康観察や患者への対応をボランティアで手伝った。佐々木教授は応援で自ら自宅療養中の患者に健康観察の電話をかけた際、涙交じりに「私は見捨てられていなかった」と言われたことが印象的だったという。

 贈呈式は閉校した旧平井第二小学校の校舎に、区が今年一月に開設した「保健所サテライト」で行われ、斉藤猛区長が田中雄二郎学長に感謝状を手渡した。(松尾博史)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脳梗塞患者に幹細胞投与 後遺症の緩和期待、広島大

2022年09月08日 22時15分04秒 | 大学

脳梗塞患者に幹細胞投与 後遺症の緩和期待、広島大

 2022年9月8日 (木)配信共同通信社
 

 広島大の堀江信貴(ほりえ・のぶたか)教授(脳神経外科)らのチームは7日、脳梗塞患者の頭蓋骨から骨片を採取して「間葉系幹細胞」を培養し、患者に投与する臨床研究の1例目を実施したと発表した。2023年末をめどに安全性や有効性を確かめる。

 チームによると、脳梗塞は脳の血管が詰まって脳組織が損傷する病気で、体に重いまひなどの障害が残ることが多い。間葉系幹細胞には神経の再生を促す働きがあるとされ、投与により後遺症を和らげる効果が期待できるという。

 対象は、開頭手術が必要な中等症以上の患者。手術の際に採取した頭蓋骨片から幹細胞を抽出し、約4週間かけて約1億個まで増やす。発症から2~3カ月たった患者の静脈に点滴する。計6人で実施する予定。

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)は移植後のがん化リスクが指摘され、胚性幹細胞(ES細胞)は受精卵から作るため倫理上の問題を抱えている。間葉系幹細胞は全身の組織や臓器にあり、こうした問題が少ないとされる。堀江教授は「患者の社会復帰への大きな手助けになることを期待している」と話した。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人工血管 患者体内で作製 下肢虚血治療に期待…大分大など治験へ 大学 2022年9月4日 (日)配信読売新聞

2022年09月04日 22時35分28秒 | 大学

人工血管 患者体内で作製 下肢虚血治療に期待…大分大など治験へ

 2022年9月4日 (日)配信読売新聞
 

 患者自身の体内で細く長い人工血管を作り、下肢に移植する治験を、大分大などのチームが今月にも始める。加齢などで足の血管が詰まる重症下肢虚血の治療が目的で、6年後をめどに実用化を目指す。

 重症下肢虚血は、患者自身の静脈の一部を別の場所から移植する手術が行われるが、状態のいい静脈がないなどの理由で移植できず、足が 壊死えし して切断する患者が年間約1万人いるという。

 治験では、まず患者の胸や腹などの皮膚の下にステンレスでできた渦巻き状の型を埋め込む。細胞が型の穴から空洞に入り込むと、空洞のなかにある心棒の周りにコラーゲンが分泌される。約2か月たつと、これが固まって管(長さ約55センチ、内径3~4ミリ)ができる。取り出した管を必要な長さに切り、患部へ移植する。

 コラーゲンでできたこの人工血管は、細い下肢の血管並みの細さでできるうえ、移植後は血栓の形成を抑える物質を分泌する血管内皮細胞が入り込んで定着することが期待される。本物の血管に極めて近い状態を再生できるのが特徴といい、大分大の宮本伸二教授(心臓血管外科)は「体外で細胞を培養して人工血管を作るよりも、簡単に安全性の高いものができる」と話す。

 計画では、2024年度までに、18歳以上の男女12人を対象に、大分大病院と横浜総合病院(横浜市)、大分岡病院(大分市)で治験を実施。型を埋め込む場所や、管ができるまでの期間を検証し、安全性や有効性を評価する。28年度頃を目標に実用化を目指すという。

  重症下肢虚血に詳しい浅原孝之・湘南鎌倉総合病院湘南先端医学研究所副センター長の話 「高齢化などで患者数が増えており、内径数ミリの人工血管が求められていた。この方法が成功すれば、大きな成果になる」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

免疫制御の遺伝子関与か コロナ重症化、慶応大など

2022年08月10日 22時59分40秒 | 大学

免疫制御の遺伝子関与か コロナ重症化、慶応大など

 2022年8月9日 (火)配信共同通信社
 

 国内の新型コロナウイルス感染者の血液や臨床データを分析した結果、重症化した患者は免疫の制御に関わる「DOCK2」という遺伝子から作られるタンパク質の量が少なかったと、慶応大などの研究チームが8日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 DOCK2はウイルスに対抗するリンパ球を活性化させる役割が知られており、チームは「DOCK2を活性化する薬剤が、新型コロナの治療薬になる可能性がある」としている。

 チームはこれまでに、DOCK2遺伝子の近くに特定の変異があると重症化リスクが高いことを確認。今回新たにDOCK2の発現量について解析を進めたところ、65歳未満では、変異がある人の方がない人よりも少なく、重症化した人の方がしなかった人よりも少なかったことが分かった。

 また、新型コロナに感染させたハムスターにDOCK2の働きを妨げる物質を投与すると、投与しない場合よりも体重が減ったり、重症の肺炎を起こしたりしたという。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

投票ボタン

blogram投票ボタン