統合失調症、脳活動で判別 大阪大、客観的指標に
臨床 2015年7月28日(火)配信共同通信社
脳内の各部位の活動量や相互の結び付きの強さを調べることで、統合失調症かどうかを判別する新しい手法を大阪大や情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター(大阪府吹田市)のチームが開発し、28日発表した。
センターの下川哲也(しもかわ・てつや)主任研究員(応用数学)によると、統合失調症を判別する客観的な手法は確立されておらず、医師によって判断が異なる場合がある。「医師の診断を補完する客観的な指標として活用できるようにしたい」と話した。
統合失調症は幻覚や妄想、集中力の低下などさまざまな症状を伴う精神疾患。詳しい原因は不明だが、早期の発見や治療が有効とされる。
チームは、脳の各部位の結び付きを血流量から測定できる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を使い、統合失調症患者約70人と、そうでない人約70人の脳活動を比較。
その結果、統合失調症でない人では脳の後頭葉と頭頂葉の結び付きが強い一方、患者では結び付きが弱いなどそれぞれ異なる特徴を持っていた。
下川主任研究員は「患者に多く見られる特徴があるか調べることで、統合失調症かどうか判別できるようになるはずだ」とした