コロナ感染、自宅療養中の女性が自殺 「家族にうつしたかも」悩む
毎日新聞]
新型コロナウイルスに感染し、東京都内の自宅で療養していた30代女性が今月15日、自殺しているのが見つかった。関係者への取材で明らかになった。
女性は夫と娘との3人暮らしで、夫も娘も感染していたといい、「自分が娘にうつしたのではないか」と悩んでいたという。
「心のケア、改善策を検討」小池都知事
小池百合子東京都知事は22日午前、報道陣の取材に「本当に残念な出来事であり、コロナに感染された方の心のケアも必要だと強く感じた。そういったことが起こらないよう、どのような改善策があるのか、よく検討していきたい」と語った。【竹内麻子】
孤立しがち、身近な人が声かけを
自殺対策に取り組むNPO法人「東京メンタルヘルス・スクエア」の武藤清栄理事長の話 SNSで相談を受けているが、新型コロナに感染してしまった悩みを相談してくる人は多い。感染者は外部に悩みを打ち明けられず、孤立してしまい、自責の念が強くなる。そうなると、自殺企図が起きてしまう。身近な家族などが声掛けすることが大事だし、感染した人も、家族や友人、働いている人は職場の産業医などと話をしてみることが大事。独りで思い詰めないでほしい。
「お互い様」と思って助け求めて
NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」(東京都)の清水康之代表の話 昨年は女性の自殺が増加し、なかでも「同居人がいる女性」の自殺が増えた。家族らからの家庭内暴力の被害が背景にあったり、育児や介護を担う女性が自身だけでなく家族の命や健康を背負わざるを得なかったりする中で、追い詰められた可能性もある。真面目で責任感の強い人ほど、助けを求めることに「迷惑をかけるのではないか」と遠慮がちになるが、コロナ禍では多くの人が悩みや課題を抱えているので、「お互い様」という気持ちで早めに周囲に助けを求めてもらいたい。