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孤独感「ある」40%と増加 政府22年実態調査

2023年03月31日 23時49分07秒 | 

孤独感「ある」40%と増加 政府22年実態調査

 2023年3月31日 (金)配信共同通信社
 

 政府は31日、2万人を対象にした2022年の孤独・孤立の実態調査の結果を公表した。孤独感が「しばしば・常にある」「時々ある」「たまにある」と答えた人は計約40%に上り、初めて調査を実施した21年の約36%から増えた。

 担当者は、増加の要因について「孤独や孤立の問題が社会に認知されてきた影響があるのではないか。調査を続け傾向を把握したい」としている。

 孤独感の有無を尋ねた回答の内訳は、「常にある」が4・9%、「時々」が15・8%、「たまに」が19・6%。「決してない」は18・4%だった。年代別にみると、30代と20代では「常にある」が7%超で、他の年代より多かった。

 今回調査では新たに暮らし向きの実感も質問。生活が大変苦しいと答えた人のうち、孤独感が「常にある」と答えた人は14・2%だった。「ややゆとりがある」(3・4%)、「普通」(2・3%)と回答した人に占める割合よりも高かった。

 同居以外の家族や友人と直接会って話す頻度は、週4~5回以上が前年度から1・7ポイント増の16・5%で最多だった。新型コロナウイルス禍での行動制限が緩和され、交流が微増となった。

 調査は、無作為で選んだ全国の16歳以上の2万人を対象に郵送で実施。22年12月の状況を尋ね、56・1%の1万1218人から回答を得た。

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コロナ感染疑い市民を医療機関に送り届ける救急隊

2023年03月31日 23時43分21秒 | 地域

コロナ感染疑い市民を医療機関に送り届ける救急隊 自らの感染不安もつきまとった3年間 「ありがとう」ねぎらいの言葉が染みた

 2023年3月31日 (金)配信南日本新聞
 
 「発熱があって息苦しい」。119番を受けると、鹿児島市消防局中央消防署中央本署救急隊の中尾博紀小隊長(53)はゴーグル、医療用の高性能マスク、感染防止衣(ガウン)を素早くまとい、隊員2人と現場に急ぐ。

 新型コロナウイルス感染が疑われる市民の容体を早く、正確に知り、症状に合った医療機関に送り届ける「医療の入り口」としての責務は大きい。この道23年、結核や新型インフルエンザなど感染リスクと隣り合わせの現場経験はあるが、3年にわたる長期戦は初めてだ。

 発熱の有無、感染者との接触、流行地への訪問-。会話がままならない搬送者も少なくない中、感染疑いが強い患者ほど必要な聞き取りは増える。

 「すぐに搬送先を探すので安心してくださいね」。患者の気持ちを和らげようと、穏やかに接することを心がける。接触時間を減らし、迅速に搬送するため、出動先に向かう最中は通報者や同居する親族らへの情報収集に徹する。

 コロナを特別視はしていない。全ての救急搬送で細心の注意を払う。ただ、見えないウイルスを前に「感染して同僚や家族、搬送先の病院に迷惑をかけないか」との不安は常につきまとう。

 感染死した著名人の報道を見た当時小学6年の息子に「死なないでね」と言われたことがある。家族と寝室を分け、高齢の両親と会うのを控えた時期もあった。

 暗い出来事ばかりだったわけではない。2021年7月、種子島からヘリコプターで運ばれたコロナ陽性者の40代男性をマリンポートかごしま(同市中央港新町)で引き継ぎ、医療機関に送り届けた。

 炎天下、汗だくで救急車の消毒をしていると、看護師が冷たい飲み物を差し入れてくれた。「立場は違えど、気持ちは一緒だ」と励まされた。

 感染拡大以降、医療機関や保健所と連携はより密になった。「お疲れさま、大変ですね」「ありがとう」。互いをねぎらう言葉が増えた。コロナ前もあったやりとりだが、うれしさが一層身に染みる。救命のリレーをつなぐため、自分たちも頑張ろうと踏ん張れた。

 「より患者の命に近い仕事がしたい」と2年前から同じ救急隊に従事する久松徹主任(37)にも支えられた。休憩時間に釣りの話をしたり、時には愚痴を言い合ったり。休日に息子のサッカー観戦をするのも癒やしになった。「ストレスをため込まないよう息抜きも大切」とメリハリを心がける。

 政府は大型連休後の5月8日、コロナの法的位置付けを季節性インフルエンザと同等の「5類」へ引き下げる。「一人一人が感染させない、感染しない意識を持ち続けてほしい」と訴える。「感染防止には関係機関はもちろん市民の理解と協力が必要不可欠。一人でも多くの命を救えるよう手を取り合いたい」

(連載「かごしまコロナ 揺れた3年」より)

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胃がん発症リスク、22倍に 遺伝子変異とピロリ菌感染

2023年03月31日 23時38分45秒 | 医療情報

胃がん発症リスク、22倍に 遺伝子変異とピロリ菌感染

 2023年3月30日 (木)配信共同通信社
 

 特定の遺伝子に変異のある人がピロリ菌に感染すると、胃がんの発症リスクが約22倍になるとの分析結果を、理化学研究所や愛知県がんセンターのチームが30日、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで発表した。ピロリ菌を除菌すれば、リスクを大幅に下げられる可能性があるとしている。

 ピロリ菌は胃がんのリスクを高める要因の一つとして知られ、感染が関わっている胃がん患者は特に東アジアで多い。一方、生まれつきの遺伝子の変異が発症とどう関係しているかは十分に分かっていなかった。

 チームは、血液や組織などを集めて保管するバイオバンクを活用。日本人の胃がん患者約1万2千人と、がんではない約4万4千人のDNAを調べた。その結果、9個の遺伝子と胃がんの関連が明らかになった。

 このうち、傷ついた遺伝子を修復する働きを持つ「BRCA1」や「BRCA2」など4個の遺伝子のいずれかに変異がある人がピロリ菌に感染していると、変異もピロリ菌感染もない人と比べて約22倍、胃がんになりやすいという結果になった。

 遺伝子変異があってもピロリ菌に感染していなければ約2倍、変異がなくて感染している人は約6倍のリスクだった。

 理研の桃沢幸秀(ももざわ・ゆきひで)チームリーダーは「遺伝的なリスクとピロリ菌のリスクがかけ算のように影響していると分かった。遺伝子変異の有無にかかわらず、ピロリ菌に感染している場合は除菌した方がいい」と話している。

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ベートーベンの毛髪でゲノム解読

2023年03月28日 19時21分59秒 | 医療情報

ベートーベンの毛髪でゲノム解読、飲酒で重度の肝臓病か…難聴の原因は特定できず

 2023年3月28日 (火)配信読売新聞
 

 【ワシントン=冨山優介】作曲家ベートーベン(1770~1827年)の髪の毛からゲノム(全遺伝情報)を解読したと、独マックス・プランク人類史科学研究所などの国際チームが発表した。肝臓病のリスクが高くなる遺伝子変異があり、B型肝炎に感染していた形跡があるという。これらが、死因とされる肝硬変につながったと推定した。論文が科学誌カレント・バイオロジーに掲載された。

 ベートーベンは進行性の難聴のほか、腹痛や下痢にも悩まされ、晩年は大量に飲酒していたと伝えられている。

 チームは、ベートーベン本人のものとして保管されていた毛髪のうち、本物と考えられる5本を選んで詳しく調べた。その結果、遺伝的要因や飲酒によって重度の肝臓病を患っていたと推定できることが判明したという。難聴の遺伝的原因は特定できなかった。

 太田博樹・東京大教授(ゲノム人類学)の話

 「本人の毛髪かどうかを様々な手法で確かめており、信頼度の高い研究だ。遺伝情報と、偉人の文献上の記述などとを突き合わせる研究手法が、世界的に広がるかもしれない」

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患者側の疑問・希望伝える…医師と対話「仲介者」注目

2023年03月27日 10時56分15秒 | 医療情報

患者側の疑問・希望伝える…医師と対話「仲介者」注目

 2023年3月26日 (日)配信読売新聞
 
診療報酬開始 志望者が急増

 重症患者の家族と医師との対話を橋渡しする「入院時重症患者対応メディエーター(仲介者)」に注目が集まっている。家族の相談に乗り、治療への理解と満足度を高める役割を担う。厚生労働省が今年度、メディエーターを配置した病院に診療報酬を支給する制度を始めたこともあり、志望者が急増している。(吉沢邦彦、都梅真梨子)

家族に寄り添う

 「症状は本当に快方に向かっているんでしょうか。私にはそうは見えなかった」。昨年秋、東京医科歯科大病院(東京)でメディエーターを務める阿部靖子さん(37)は、入院した60歳代の女性患者の家族から、こう問われた。

 女性患者は内臓の持病の悪化で入院。家族は当初、医師から血液や臓器の状態は改善しつつあると聞かされたが、数日後、人工呼吸器をつけた女性の姿を見てショックを受けていた。

 「回復が難しいのなら、緩和ケアへの切り替えも考えたい」との相談を受けた阿部さんは、担当医にその希望を伝達。改めて病状の説明や治療方針を話し合う場を設けることになった。

 社会福祉士の資格を持つ阿部さんは、同病院のソーシャルワーカーとして患者の転院調整や高額な治療費の公的支援の説明にあたってきたが、昨年4月にメディエーターに転身した。

 これまで約80人の重症患者を担当し、家族らへの病状説明に立ち会ってきた。家族からは、病状の疑問点や治療方針への不満を聞くこともあり、そのつど現場につないでいる。

 同大の医療者向けのアンケートでは、「当番制の医者が患者家族と深く交流するのは難しく、メディエーターの指摘は非常に参考になる」との声が多かった。

 阿部さんは「家族が突然、意識不明になった時、平常心でいられる人はいない。話を聞くことしかできない時も多いが、少しでも前向きになってもらえたらいい」と話す。

3000人が応募

 こうした医師と重症患者側の仲介はこれまで、一部の病院で看護師らが担っていた。厚労省の2018年の調査で、仲介役がいる方が患者や家族の治療に対する満足度が高いことが判明。今年度からメディエーターを配置した病院に対し、患者1人につき最大9000円の診療報酬の支給を始めた。

 受給するには、日本臨床救急医学会が主催する養成講習を受ける必要がある。19年の開講以降、受講者は年間数十人程度にとどまっていたが、今年度は希望者が殺到。定員360人に対し、3000人超の応募があったという。

 厚労省はメディエーターの要件として「治療に直接関わらない」ことを求めており、志望者は社会福祉士のほか、看護師や臨床心理士が多い。講習では受講者が医師、メディエーター役を演じてそれぞれの役割を学ぶ。

 講習を主宰している三宅康史・帝京大高度救命救急センター長は「家族は主治医に遠慮することが多く、初歩的な質問をしたり、治療への不満を打ち明けたりするのは難しい。治療に関わらない職種の人が現場に入ることが、よりよい医療を提供することにつながる」と話す。

臓器提供でも期待

 厚労省はメディエーターに対し、脳死下の臓器提供について、家族側から希望や考えを聞き取る役割も期待している。

 日本臓器移植ネットワークによると、脳死下臓器提供では健康保険証の記載などで本人の意思表示があったのは2割で、それ以外は家族の承諾で行われている。移植件数を増やすには、家族の理解がカギを握る。

 家族から承諾を得る業務は、外部から駆け付ける同ネットワークの移植コーディネーターが担うが、家族と十分な信頼関係を築く時間がないことも多い。

 岡山県でコーディネーターを務める安田和広さん(55)は「入院直後から患者家族と関わるメディエーターは、家族の本心や希望を深く知ることができるはずだ。連携することで、家族が心から納得する結論を出す手助けをしていきたい」と語る。

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iPS細胞移植、世界初の手術から7年経過も「問題ない」…執刀医が発表

2023年03月25日 23時55分23秒 | 医療情報

iPS細胞移植、世界初の手術から7年経過も「問題ない」…執刀医が発表

 2023年3月25日 (土)配信読売新聞
 

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った網膜の細胞シートを目の病気「加齢黄斑変性」の患者に移植する世界初の手術を2014年に行った神戸アイセンター病院の栗本康夫院長は24日、京都市で開かれた日本再生医療学会総会で「移植から7年過ぎてもシートは生着しており、安全性に問題は出ていない」と発表した。

 発表では、当時70歳代だった女性患者は手術前の矯正視力(0.09)を維持。移植した細胞シートの腫瘍化もみられず、近くの視細胞を保護する効果がみられたという

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新型コロナ 全国の抗体保有率が4割超える 地域差大きく

2023年03月25日 23時48分42秒 | ウイルス

新型コロナ 全国の抗体保有率が4割超える 地域差大きく

配信

 
毎日新聞
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していい訳がない

2023年03月24日 23時22分07秒 | 戦い

孫たちの事

書き初めで、金賞もらえた

ピアノの地域代表になれた

バスケット部にはいれた

ダンスのレッスンに行っている

元気に登校している

チョコのお菓子が作れる

朝ご飯の玉子焼きが上手

ババばか丸出しで嬉しい

 

土地が欲しいから人殺し🆗

爆弾で、生活を壊す、

水がない、ガスがない、電気がない

この冬の寒さ

ただ体を寄せ合う

学校もない、爆弾で壊れた

病院もない、薬がない

直接人殺しして

間接に人殺しをする

赤い血が

流れ

息が止まれり

涙もでなくなる

大量の不幸

大量の涙

でも、戦い続け

瀕死で家族を守る

老若男女、全て死

あぁ     こんな戦争

していい訳がない

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「視線入力」ソフトで訓練 島根大、重度障害者ら支援

2023年03月22日 21時32分49秒 | 大学

「視線入力」ソフトで訓練 島根大、重度障害者ら支援

 2023年3月16日 (木)配信共同通信社
 

 パソコンの「視線入力」の訓練ができる無償のソフト「EyeMoT(アイモット)」の活用が、全国の特別支援学校や医療機関に広がっている。音声入力やマウス操作ができない重度障害者や難病患者を支援しようと、島根大の伊藤史人(いとう・ふみひと)助教(47)の研究室が開発した。伊藤助教は「テクノロジーを使えば楽しむことやできることに気付ける。その手助けになりたい」と話す。

 視線入力は専用の装置で目の動きを検知し、文字入力などの操作を可能にする仕組み。筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄性筋萎縮症など声を発したり体を動かしたりするのが難しい患者らのコミュニケーションの幅を広げている。

 2015年に開発されたアイモットは一般的な家庭用のパソコンで使うことができ、風船を割ったり絵を描いたりするなど簡単なゲームを通じて視線入力のこつをつかめる。挫折せずに成功体験を得ることができると利用者に好評だ。

 既に、全国に約千校ある特別支援学校のほとんどに普及した。福祉情報工学が専門の伊藤助教はソフトの改善点を探るため利用者の自宅に行くことも多い。利用者の意見を反映したソフトの修正を担当する大学院修士2年の奥井大貴(おくい・だいき)さん(25)は「自分のプログラミングや問題解決のスキルを上げる機会にもなっている」と語る。

 伊藤助教らはクラウドファンディングを活用してアイモットのさらなる普及を支援。7月には9道府県の団体と合同でソフトを使ったオンラインゲーム大会も計画している。

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【速報】侍ジャパン、3大会ぶりの世界一達成! 

2023年03月21日 23時04分53秒 | 運動スポーツ

【速報】侍ジャパン、3大会ぶりの世界一達成! 最強軍団・アメリカを破り悲願の王座奪還【WBC】

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ベースボールチャンネル
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日本人への敬意! メキシコ・ファンがサヨナラ負け直後の客席で見せた抱擁

2023年03月21日 23時01分23秒 | 運動スポーツ

日本人への敬意! メキシコ・ファンがサヨナラ負け直後の客席で見せた抱擁に海外で脚光「やっぱ野球は最高だ」【WBC】

配信

THE DIGEST
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武漢市場タヌキと関連か コロナ起源巡り新データ

2023年03月21日 22時56分53秒 | ウイルス

武漢市場タヌキと関連か コロナ起源巡り新データ

 2023年3月20日 (月)配信共同通信社
 

 【ワシントン共同】米紙ニューヨーク・タイムズは16日、新型コロナウイルス感染拡大の起源を巡り、国際的な研究者チームが中国湖北省武漢の市場で取引されていたタヌキとの関連の可能性を示す新たな遺伝子データを確認したと報じた。タヌキから人に感染したことを直接示すものではないが、起源の議論に一石を投じるとしている。

 2月には、米エネルギー省が確度は不十分ながら武漢のウイルス研究所から流出した「可能性が高い」との分析結果をまとめたと報じられ、研究所流出説への関心が高まった。新たなデータにより、市場から感染が拡大した可能性にも再び注目が集まりそうだ。

 同紙によると、米国やオーストラリアの研究チームが今月、中国の研究者らが国際的な遺伝子データベースに登録した標本のデータを分析。この標本は20年1月に閉鎖された武漢の市場の壁や床、かご、荷台の表面を綿棒でこすって採取された。荷台から採取した標本に新型コロナウイルスとタヌキの核酸がそろって含まれていた。

 研究チームがデータを登録した中国の研究者らに連絡すると、データベースから削除されたという。チームの研究結果はまだ公表されていない。

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コロナ研究が縁、京大・西浦教授に招かれ日本避難のウクライナ人学者が帰国へ

2023年03月21日 22時42分30秒 | 大学

コロナ研究が縁、京大・西浦教授に招かれ日本避難のウクライナ人学者が帰国へ

 2023年3月14日 (火)配信読売新聞
 

 ロシアのウクライナ侵略前、世界は新型コロナウイルスに揺れていた。未知の感染症に立ち向かった研究者の国境をまたいだつながりが、侵略下で一人の国外避難を支えた。ウクライナ国立科学アカデミーのイゴール・ネステルクさん(68)と京都大教授の西浦博さん(45)。「研究を続けられたことは大きな喜びだった」と語るイゴールさんは今月下旬、日本での研究プロジェクト終了に合わせ、帰国する。(永瀬章人)

 イゴールさんは1954年、ウクライナの隣国モルドバで生まれた。その頃、二つの国は旧ソ連の一部だった。モスクワの大学院で博士号を取得し、旧ソ連崩壊前にウクライナの大学で職を得た。液体や気体の流れを計算する理論流体力学の専門家として、多くの論文や著書を発表。専門分野を医学や経済学にも応用し、2020年からは新型コロナの流行の動静を予測する研究にも取り組んできた。

 昨年2月24日。アカデミーのあるキーウにいたイゴールさんはニュースでロシアが侵略を開始したことを知った。「こんなことがあって良いはずがない」。その日のうちに、一般の市民で構成する領土防衛隊に志願した。

 研究一筋で軍に属した経験はなかった。若い仲間たちと一緒に訓練を重ね、小銃を手に市街地や幹線道路で警備に立った。「実際の戦闘で私は役に立たないかもしれない。でも、武器を持って立っているだけでも、市民を勇気づけられると思った」とイゴールさんは振り返る。

 そんなイゴールさんの研究に、西浦さんは侵略の前から注目していた。理論疫学が専門で、コロナ禍の初期、感染拡大を防ぐため人と人の接触の「8割減」を提唱したことで知られる。イゴールさんと面識はなかったが、論文や著書に触れ、ウクライナのコロナ対策をリードする数理モデルの研究者だと思っていた。

 「人道的な見地からも、落ち着いた環境で研究を続けてほしかった」と西浦さん。日本で、まもなく始めようとしていたプロジェクトへの参画を提案するメールをイゴールさんに送った。

 イゴールさんは昨年3月中旬、領土防衛隊を離れた。老齢の両親が暮らすモルドバを経由して4月中旬、関西空港に到着。身元保証人は西浦さんが引き受けた。

 京大では、西浦さんのプロジェクトチームで各国のコロナ対策のデータを基に、感染対策の有効性を検証した。研究に打ち込んでいる時は、ウクライナで起きている戦争のことを忘れられた。休日にはチームの同僚が見つけてくれたアパートを出て、町歩きや登山を楽しんだ。「初日の出を見たり、西浦教授やご家族と一緒にすしを食べたり、たくさんの思い出ができた。鴨川で泳いだこともある」とイゴールさんは笑う。

 今年3月のプロジェクト終了を前に、イゴールさんは帰国するかどうか迷った。

 来日後、昨年7月にモルドバの父ゲオルギーさんが90歳で亡くなり、母カテリーナさん(91)が独りとなっていた。侵略後の数週間身を置いた領土防衛隊の仲間の戦死も知った。「ここは、あなたのいる場所ではない」。40歳代の実業家という彼は、イゴールさんに研究生活に戻るよう勧め、日本行きを後押ししてくれた。

 「日本に残ることも考えたが、母には私の助けが必要だ。何よりウクライナの研究者として、国に戻って人々のために尽くすべきだとの答えに行き着いた」と、イゴールさんは帰国を決めた理由を明かす。

 キーウでは今年2月末からコロナの新規感染者数が増え、市当局によると入院を必要とする患者も増加傾向にある。「私の研究が完成すれば、コロナの拡大を従来よりも正確に予測できるようになる。公衆衛生に役立てることができ、経済に及ぼす影響も減らせるはずだ」と話すイゴールさんは、キーウに戻ってからも研究を続ける決意だ。

 西浦さんは「今後の感染対策の基盤となる研究を提供してくれた。無事に研究を続けられる未来を祈っているし、それを見守る友人であり続けたい」と思っている。

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新型コロナ:抗体保有率4割 前回から大幅増 コロナ・全国で

2023年03月21日 22時31分33秒 | ウイルス

新型コロナ:抗体保有率4割 前回から大幅増 コロナ・全国で

 2023年3月15日 (水)配信毎日新聞社
 

 厚生労働省は13日、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施した結果、抗体保有率が全国で42・3%(速報値)に上ったと発表した。3割弱だった昨年11月の前回調査から大幅に上昇した。福岡、沖縄両県では6割近くに達する一方で、最も低い岩手県では3割を切るなど地域差が大きい。また、年代が上がるほど保有率が低い傾向がみられた。

 調査は年末年始の感染第8波後の感染状況把握が目的。今年2月19~27日に日本赤十字社の献血ルームなどに訪れた全国の16~69歳の1万3121人分の血液について、感染によって得られるN抗体の有無を調べた。

 都道府県別では高い順に福岡59・4%▽沖縄58%▽佐賀52・5%―だった。東京は42・2%、大阪は50・2%だった。また、低かったのは岩手27・4%▽福島31・7%▽新潟33・5%――の順だった。

 前回調査は昨夏の感染第7波後に実施しており、全国の抗体保有率は速報値で26・5%、性別や年齢構成などを加味した調整後の数値では28・6%だった。【村田拓也】

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見えない予算:新型コロナ ワクチン7783万回分廃棄

2023年03月19日 23時19分54秒 | ウイルス

見えない予算:新型コロナ ワクチン7783万回分廃棄 契約数の9%、2120億円相当か 自治体アンケート

 2023年3月18日 (土)配信毎日新聞社
 

 今年2月までに少なくとも7783万回分の新型コロナウイルスワクチンが使用されずに廃棄されたとみられることが、毎日新聞の取材で判明した。厚生労働省の公表資料や全国の主要な自治体へのアンケート集計で割り出した。ワクチンの有効期限切れが主な要因で、廃棄量は購入契約数の約9%に当たる。有効期限の到来によって今後も増える見通しで、有識者からは大量廃棄に至った過程について検証を求める声が上がっている。

 ◇期限切れ・接種控え影響

 国はワクチンの1回当たりの購入単価を公表していないため、廃棄されたワクチンの費用を算出できない。ただ、財務省は購入予算額(2兆4036億円)を総契約数(8億8200万回分)で割った2725円を金額換算した場合の1回分として示している。この数字を掛け合わせ、廃棄されたワクチンを金額に換算すると約2120億円と試算することができる。厚労省幹部は「2725円を掛け合わせて廃棄されたワクチンの費用の総額を算出することには反対はできない」と述べ、実態と大きくかけ離れていないことを示唆した。

 政府はコロナワクチンとして、米ファイザー社製3億9900万回分▽米モデルナ社製2億1300万回分▽英アストラゼネカ(AZ)社製1億2000万回分(後に6230万回分契約解除)▽米ノババックス社製1億5000万回分(1億4176万回分契約解除)をそれぞれ調達した。このうち、厚労省は従来型ワクチンの有効期限が切れたとして、廃棄数量がモデルナ社製で約6390万回分(自治体見込み分含む)、AZ社製は約1358万回分(同)に上ることを明らかにしている。

 毎日新聞は2月、47都道府県と県庁所在地、政令市、東京23区の計121自治体に廃棄量や廃棄理由、接種体制の課題などをアンケートで尋ね、全自治体から回答を得た。モデルナ社製とAZ社製を除く廃棄量は35万回分だった。これらの数字を足し上げ、廃棄したワクチン量を約7783万回分と算出した。

 アンケートでは廃棄理由として、ワクチンの有効期限切れを挙げる自治体が多かった。モデルナ製ワクチンの有効期限は9カ月だが、複数の自治体からは「有効期限が残り数カ月のモデルナ製ワクチンが届き、余らせないよう市町村間で調整したが一部は使用できなかった」(富山県)という回答があり、対応に苦慮した様子がうかがえた。

 接種控えが廃棄につながったとの見方も多く、高松市は「副反応を警戒した打ち控えが影響した可能性がある」と記した。オミクロン株対応ワクチンの開発で従来型を希望する人が減ったことも影響した。

 ワクチン1回当たりの金額換算として「2725円」と記載されていたのは、財務省の財政制度等審議会の分科会の資料。予算額には配送料も含まれており、実際のワクチン価格とは異なるが、購入単価はメーカー側と政府で秘密保持契約を結んでいるため、公表されていない。

 また、アンケートでは今年11月までに47自治体で少なくとも70万回分の廃棄が見込まれていることも判明。実際の廃棄量は膨らむ見込みだ。

 赤沢学・明治薬科大教授(薬剤経済学)は「ある程度のワクチンの廃棄は仕方ない。危機管理の面からもワクチンの在庫は必要だ。一方で、人と出会う機会や移動が多い都市部の人を優先するなど、リスクに応じた運用を科学的に議論する余地はあったはずだ。全ての人々に自治体を通じて満遍なく配り、効率性の視点が欠けた結果、無駄遣いにつながったのは否めない。今後に備え、検証が必要だ」と指摘した。【柿崎誠、寺町六花】

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