雷で明けた2023年12月31日です。
今年の1年の私達人間を
怒っているのかもしれません。
さようなら、2023年
来年、よろしく2024年
世界平和を祈るしか、ないでしょうか❔
雷で明けた2023年12月31日です。
今年の1年の私達人間を
怒っているのかもしれません。
さようなら、2023年
来年、よろしく2024年
世界平和を祈るしか、ないでしょうか❔
ああ、爆弾で、死んでいった方々
いくら泣いても泣き切れない
瓦礫の下で息絶えた方々
爆弾で脳が飛んで行った方々
悲劇
この世の悲劇
どうして?
愚かで醜い人間の本能?
哀しんでも悲しんでも、容赦なく、爆弾は降る
ナチスのヒットラーは死に際で言った
100年もすれば、私のような人間が現れるだろうと、
まだ、78年しかたっていない、のに、この大量殺人者は
平気で人を殺す
「どうせ人は死ぬのだから」と兵士の母達に言った
「永遠の殺人鬼」
「自爆するテロ人間」
お疲れさん
誰が何といおうと、お疲れさまでした。
今、地球は、戦争の真っただ中
平和信念への言葉
今、もっと、叫ぼう、日本人たち。
「戦いは、この世で最も愚かで、醜い、人の所業じゃ」
新型コロナウイルス感染症の症状は、検査結果が陰性になれば終わるわけではない。通常は、感染してから陰性判定が出るまで10日ほどかかるが、症状はその後も数週間から数カ月、またはそれ以上続くことがある。
新型コロナウイルスの後遺症に関して、2022年11月1日付けで科学誌「Nature Communications」に発表された論文では、英スコットランドで3万1000人以上の新型コロナの有症状者を対象に調査したところ、42%が完全に回復するまでに6~18カ月かかり、6%はその後も症状が残ったという。
陰性判定後もだらだらと続く症状は、どの時点でいわゆる後遺症と認められるのだろうか。また、それが慢性化してしまったのか、それともいつか症状はなくなるのかといったことは、どうしたらわかるのだろうか。
コロナ後遺症を正式に何と呼ぶべきかは医学界でもまだ定まっていない。また、どんな症状が含まれるのか、どのくらいの期間続けばコロナ後遺症と診断されるのか、またどのくらいの人がその症状に苦しんでいるのかなどもはっきりしていない。
世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの感染から少なくとも3カ月以上経過しても症状が続く場合を、「post-COVID condition(罹患後症状)」と定義している。米疾病対策センター(CDC)は、4週間症状が続いていれば後遺症を疑ってもいいとしている。
コロナ後遺症には様々な症状があり、これまでにいくつか大規模な研究が実施されてきた。2022年11月10日に医学誌「PLOS Medicine」に発表されたドイツの研究では、96の潜在的症状に関して調査したところ、新型コロナウイルスに感染したことのある人の間で、こうした症状が多くみられることがわかった。
18歳未満の場合、最も多い症状が倦怠感と疲労感であり、咳、喉と胸の痛み、頭痛、熱、腹痛、不安感、抑うつが続いた。成人では嗅覚と味覚の変化が最多で、熱、呼吸困難、咳、喉と胸の痛み、脱毛、倦怠感、疲労感、頭痛などが多かった。ちなみに、先のスコットランドの研究では、頭痛、嗅覚と味覚の異常、疲労感、動悸、便秘、息切れ、関節痛、めまい、抑うつなど26の長期的症状を調べていた。
スコットランドの研究における後遺症の期間は先に述べた通りだが、似たような症状は新型コロナウイルスの検査で陽性になっていない人にも出る可能性はある。そこで、ドイツの研究ではコロナに感染していない人と比べたところ、感染から3カ月以上たって新たに症状が出た人は、陽性判定を受けたことがない人より30%多かった。なお、感染から3カ月以上経過した後に長期的な症状がある割合は、CDCが2022年10月に実施した4万1000人以上へのアンケート調査では約14%だった。
米ニューヨーク州マウントサイナイ・ヘルス・システムの神経科学者であるデビッド・プトリーノ氏は、様々な研究結果から、新型コロナウイルス感染者の5人に1人から20人に1人の割合で、コロナ後遺症の症状が見られるようだと話す。しかし、正確な割合よりも、その現実への影響の方が重要だという。「いずれにしろそれらの数字が事実なら、患者の数は膨大です。私の診療所も既に6カ月先まで予約で埋まっていて、全員が24時間年中無休で寝る暇もないほど働いています」
コロナ後遺症患者の予後もまだはっきりとしていない。マウントサイナイ・コロナ後治療センターを訪れる患者の多くは、リハビリ開始から3カ月以内にある程度改善するものの、10%の患者には全く改善が見られない。
また、ウイルス感染によって起こる慢性疾患の「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」に達するまで症状が進行してしまう可能性も否定できない。米ハーバード大学医学部およびマサチューセッツ総合病院の神経科学者であるマイケル・バンエルザッカー氏によると、EBウイルスに感染して重症化した人の10%がこの診断を受けるという。バンエルザッカー氏は、これが一部の新型コロナウイルス感染者にも起こるのではないかと懸念する。
皆様はコロナウイルス(以下、COVID-19)に感染したことがございますか?
2023年05月09日時点で日本国内の累積感染者数は3000万人を超えており、感染することは誰にでも起こりうることであると考えられます。
予防策をしっかりと講じていたつもりでも、COVID-19は健康な若者から高齢者まで、さまざまな年齢層の人々に感染します。
感染の結果、軽症から重症、あるいは命にかかわる状態に陥ることもあります。
私自身も外来で感染し、発熱・咽頭痛・倦怠感に悩まされ、軽く考えることのできない深刻な病気であることを知りました。
COVID-19禍を通し感染者だけでなく、家族や友人、社会全体にも影響を及ぼすことを痛感いたしました。
コロナウイルス感染後、一部の患者には長期間にわたって症状が続く「コロナ後遺症」(または「長期COVID-19症候群」とも呼ばれます)が見られることがあります。
頻度についての海外での系統的レビューによると、罹患12ヶ月経過時点でみられた症状として、倦怠感(28%)、関節痛(26%)、抑うつ(23%)、不安(22%)、記憶障害(1%)などが挙げられております。
(COVID-19診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント より抜粋)
別の報告では、COVID-19罹患後の運動器の痛みは、従来株流行期は47.7%、アルファ株流行期は38.3%、デルタ株流行期は41.0%に達したと言われます。
COVID-19といえば風邪症状や味覚嗅覚異常という印象が多いと思われがちですが、一定の割合で関節や筋肉の疼痛を訴える方もいらっしゃるのです。
今回はそんなコロナ後遺症の関節痛・筋肉痛になる原因や、対処法、病院へ行く目安などについて詳しく解説していきます。
いくつかの要因が考えられますが、COVID-19感染症の後遺症(長期症状)について詳細なメカニズムは完全に解明されていません。
考えられる理由としては以下があります。
感染初期の疼痛の原因としては、COVID-19が神経細胞・筋細胞表面のACE2受容体※1を介して細胞内に侵入し、細胞を傷害することで疼痛に繋がると考えられます。
また、この時にACE2受容体を介する代謝経路が減少するため痛みの拮抗作用※2(きっこうさよう)が減弱し疼痛を感じやすくなることが指摘されています。
長期にわたる疼痛の原因としては、COVID-19が侵入することで身体がウイルスと戦うために炎症反応を起こします。
この炎症反応(サイトカインという物質)により脊髄や神経・筋肉が障害を受け疼痛に繋がることがあります。
また、廃用症候群(感染症による体力の消耗や弱体化)が、筋肉の損傷を引き起こすこともあります。
特に重症の場合、長期間の入院や寝たきりの状態が筋肉の衰弱につながることが考えられます。
また、感染症に罹患した後は、心に疲労が残ることがあります。
不安・運動恐怖が慢性疼痛につながることが指摘されており、この疲労やストレスが筋肉痛の原因となることが考えられます。
以上の要因が複雑に絡み合い、関節痛・筋肉痛を引き起こすと考えられています。
※1 ACE2受容体…血圧を上昇させる作用を持つアンジオテンシンⅡというホルモンを分解し、血圧を降下させる働きをする酵素
※2 拮抗作用…体のある現象に対して二つの要因が同時に働いて、互いにその効果を打ち消し合う作用
▶︎コロナ後遺症で頭痛が起こる理由|偏頭痛との見分け方や対処法について
特定の部位に限局しない広範性の痛みが20%程度で見られ、頭頸部・上肢下肢関節・腰など限局する痛みが、それぞれ10%程度の方に見られます。
明らかな臓器障害が身体検査上認められていなくても疼痛があることはCOVID-19後遺症の特徴と考えられます。
また、不安症状や感作関連症状(感覚過敏が全身に広がっている状態)が認められることも特徴です。
罹患後疼痛の原因要素としては以下が挙げられています。
✅女性
✅加齢
✅喫煙
✅肥満
✅過去の運動器の疼痛
✅COVID-19感染時の頭痛・筋痛の存在
✅COVID-19の入院期間が長いこと
特に女性の場合は男性と比べ、疼痛強度が強く、感作関連症状が強く、不安や運動恐怖が強く、睡眠の質が低いという報告があります。
女性でCOVID-19感染後に疼痛が出現した方は要注意ですね。
▶︎高血圧の原因になりやすい食事や食べてはいけないものとは?
当然ながら事故やスポーツを契機として、関節の外傷や骨折・軟骨の損傷をきたし関節痛が発生することがあります。
それ以外の疾患としては、関節痛の多くの原因を占めるものが「関節炎」です。
関節の炎症を特徴とする疾患であり、原因としてはリウマチによるものや加齢に伴う変形が原因のもの、尿酸結晶や痛風によるもの、細菌感染によるものが考えられます。
頻度としては稀ですが、全身の慢性的な筋肉痛や関節痛を伴う「線維筋痛症 (せんいきんつうしょう)」や、自己免疫疾患、免疫不全が原因となることもあります。
関節の痛みが出現する疾患は整形外科の領域から内科の領域まで広く存在するため、原因の特定には各種検査が必要になります。
これまでの多くの研究において、COVID-19罹患後に見られる痛みの症状としては以下が報告されてます。
✅頭痛(1.7-33.9%)
✅喉の痛み(0.7-47.1%)
✅胸部痛(1.6-17.7%)
✅腹部痛(1.9-14.5%)
✅運動器の痛み(0.3-65.2%)
「痛み」以外では、慢性的な疲労感や体力の低下、息切れや呼吸困難、記憶力や集中力の低下、一過性の嗅覚や味覚の喪失、動悸や心悸亢進、不安やうつ症状、血栓形成が「長期COVID-19症候群」で観察されます。
多くの方は対症療法として鎮痛薬を内服していると、時間経過とともに改善していきます。
しかし、症状がCOVID-19罹患後も1ヶ月以上継続する場合は、当該疼痛部位の診療科を受診することが推奨されています。
具体的には、筋肉や関節痛の場合は整形外科、腹部痛の場合は消化器内科、胸部痛の場合は循環器内科や呼吸器内科、頭痛の場合は神経内科といった形になります。
血液検査をはじめとした基本的な検査を実施し、器質的に懸念される病態について確認します。
痛みが継続するとその痛みは慢性化してしまう可能性があります。
そのため、COVID-19罹患後も1ヶ月以上継続する場合は、当該疼痛部位の診療科を受診することを推奨しています。
その後、一般的な疼痛治療や生活指導を実施後も治療が奏功しない場合や、症状増悪が認められる場合は集学的な治療を行っている拠点病院への紹介を考慮します。
▶︎発熱の基準は何度から?外来に行くべき目安やよくある症状を解説
筋肉痛や関節痛の症状がある方は、ぜひ当院を受診ください。
関節炎の原因(リウマチによるもの、加齢に伴う変形が原因のもの、尿酸結晶や痛風によるもの、細菌感染によるもの)について精査させていただきます。
場合によっては超音波検査も可能です。
原因が特定された場合は疾患に応じて治療を開始させていただきます。
対症療法として消炎鎮痛薬の処方も可能ですので、気軽にご相談くださいね。
COVID-19感染後に気になる症状がある場合、軽度な症状であれば、安静にして十分な休息を取り、体の回復を見守ることが重要です。
その後も改善がない場合は、当院に相談いただけると嬉しいです。
各種検査によりCOVID-19以外の原因となる疾患の精査をいたします。
痛みの症状に対しては、痛みを和らげるために適切な痛み止めを使用したり、炎症を抑える薬を処方いたします。
今回は、コロナ後遺症の関節痛・筋肉痛になる原因や、対処法、病院へ行く目安などについて詳しく解説してきました。
COVID-19感染後、一部の患者には長期間にわたって症状が続く後遺症が見られることがあります。
罹患12ヶ月経過時点でみられた症状として、関節痛は26%程度の方に出現するとされます。
COVID-19の後遺症として、風邪症状や味覚嗅覚異常が多いと思われがちですが、関節や筋肉の疼痛を訴える方も一定数いらっしゃるのです。
特定の部位に限局しない広範性の痛みが特徴的であり、痛みが継続すると慢性化する可能性があります。
痛みは、身体を守り、回復を促すための重要な生体反応ですが、慢性的な痛みや重度の痛みは日常生活に多大な影響を与えることがあります。
そのため、適切な治療や痛みの管理が重要となります。
COVID-19罹患後も1ヶ月以上継続する場合は医療機関への受診を推奨しております。痛みを我慢せず、気軽にご相談くださいね。
参考文献
‣厚生労働省|新型コロナウイルス感染症の国内発生状況等について
‣新型コロナウイルス感染症診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント第2.0版
横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師
『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』
・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者
人間のしあわせは、いったいどこに行っただろうか
大量に子たちを殺すことにも意味を見出している人間
せっかく建てた建物を
粉々にして
水も電気も、毛布さえない日々に
誰がしたというのだろう
なんの意味があって来る日も来る日も続けているのだろう。
子たちの言葉を。
殺風景な低い草ばかりの冬に
アナベルを植えた。
正解だった
毎日、花の様子が楽しみ
春咲くツツジのなかまだから、
来年は、春に花がつくけれど、花やでは、冬に店に並ぶ
780円、お手頃
これで、今年は、つぼみが開き続く。
子どもは、希望だった
今は、❔
分からなくなってしまった
今は、、、、、
わからない
子たちを気の毒に思ってしまう
その親のロボット❔
その親の厄介もの❔
その親の、、、、、
不要物❔
いとおしくて、いとおしくて
抱き締めたい
今の子たちの悲しみを思う
イルミネーションが悲しい
戦で死した方々の悲しみを染めて
ただ灯されている
でも、それは、縮小しなければならない
死者へのいやみを感じてしまう
祈りを消し
悲しみを増やし
心を忘れ
戦を肯定する
イルミネーションは戦い
醜い光になって
心を震わす
ニュースが悲しい
皆殺しの現実
おろかでみにくい
人々は、耐える
人々は、失望
人々は、眠れない
人々は、怒りも忘れ
涙は、枯れ
寒さに震える
新型コロナウイルス感染症の患者の大半は2週間以内に急性期から回復する。だが、ウイルスのかけらは必ずしもすぐに消え去るわけではない。入院した患者を対象とした過去最大規模の研究から、一部の患者ではウイルスの残骸が数週間から数カ月間にわたって体内に残り続け、重症度や死亡率と関連があることがわかった。
5月11日付けで学術誌「GeroScience」に発表された研究によると、PCR検査で最初に陽性と判定されてから14日後以降にもウイルスの遺伝物質であるRNAが残っていた場合は、そうでない例と比べて、症状がより重くなる、せん妄を経験する、入院が長期化するといった傾向がみられ、また死亡のリスクも高まるという。
ワクチンあるいは過去の感染から得られた免疫を持たない場合、新型コロナウイルスはまず複製を繰り返して体中に広がり、鼻、口、腸を通って外へ排出される。しかし大半の感染者においては、体内のウイルスレベルは感染から3〜6日でピークを迎え、10日以内に免疫系によって取り除かれる。だが、この期間以降にもウイルスのRNAが残ることがあり、一般に感染力は持たないが、PCR検査では検出される。
患者の重症度、挿管や基礎疾患の有無などを考慮したうえでも、「今回の結果は、PCR検査で陽性が続く患者の方が、経過が良くないことを示唆しています」と、研究を主導した米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の神経学者アーユシュ・バトラ氏は言う。
ウイルスのしつこさはまた、さまざまな症状が数カ月間にわたって続くこともある新型コロナ後遺症と関連している可能性もある。政府が発表した推定では、現在米国だけでも770万人から2300万人が新型コロナ後遺症を発症していると言われる。
バトラ氏の研究は、急性期にウイルスを排出する期間が長引いた患者は、新型コロナで重い経過をたどるリスクが高いことを示していると、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のウイルス学者・免疫学者のティモシー・ヘンリッチ氏は言う。しかし同研究では、長く残ったウイルスが新型コロナ後遺症の直接の原因であるかどうかについての調査は行っていない。
「新型コロナ後遺症の原因については、ウイルスのしつこさを含め、有力な仮説が複数あります。おそらくは複数の経路が存在し、一人ひとり程度も異なるものと思われます」と、米スタンフォードヘルスケアの医師で、新型コロナ後遺症患者のために新たに開設された「新型コロナ急性期後症候群クリニック」の共同所長リンダ・ゲング氏は言う。
バトラ氏のチームが新型コロナウイルスの持続性の研究を始めたのは、再入院する患者の一部に、最初に感染と診断されてから4〜5週間たっても、まだ検査で陽性となる人たちがいたことがきっかけだった。
チームは今回の研究のために、2020年3月から8月の間にノースウェスタン大学の関連医療施設に新型コロナで入院した患者2518人の分析を行った。彼らが注目したのは、精度の高い基準として認められているPCR検査だった。なぜなら、PCRはウイルスの遺伝物質を検出するため感度が高く、偽陰性を示す可能性が比較的低いからだった。
その結果判明したのは、患者の42%で、最初の陽性判定から14日以上にわたってPCR検査で陽性が続いていたことだった。さらにそのうちの12%が90日以上たってもまだ陽性となっていた。陽性の最長記録は269日後だった。
ウイルスの持続性はかねてより、比較的小規模な研究においても指摘されていた。これらの研究からは、新型コロナの明確な症状がない患者であっても、2〜3カ月かそれ以上にわたってウイルスを保有していたことが明らかになっている。免疫系が弱体化している患者においては、ウイルスが1年間体内から排除されない例もある。
スタンフォード大学で行われた慢性的な新型コロナへの感染に関する試験では、患者の4%において、診断から7カ月後にも便の中にウイルスのRNAが排出され続けていた。バトラ氏の研究はしかし、これまで考えられていたよりも多くの患者において、ウイルスの完全な排除に長い時間がかかっていることを示している。
「RNAの排出が長引くのは、体内のどこかにまだウイルスがいる場所があるということです」と、米マサチューセッツ総合病院、米ハーバード大学医学部、米タフツ大学に所属する神経科学者マイケル・バンエルザッカー氏は言う。そうした場所があるせいで、ウイルスが長く残り、免疫系の異常な働きを引き起こして、新型コロナ後遺症の原因となっているものと思われる。
「一部の患者はさまざまな理由から、こうした場所からウイルスを排除できないか、または免疫系が異常な反応をして持続的な症状が起こるのです。それが新型コロナ後遺症という名で呼ばれるようになったのです」とバトラ氏は言う。
一方で、ウイルスのRNAを新型コロナ後遺症と結びつけるには、まだ証拠は十分ではないと考える科学者も多い。
新型コロナウイルスが長く潜伏する場所がたくさん特定されつつある。ウイルスやRNAは、初感染から4カ月後の患者の腸からも、回復後100日以上たってから亡くなったドナーの肺からも検出されている。
2022年2月に査読前の論文を投稿するサーバー「Research Square」に発表された研究によると、虫垂と胸の組織から、それぞれ感染後175日、462日の時点でウイルスの一部とRNAが検出されたという。また、同じ「Research Square」に2021年12月に発表された未査読の米国国立衛生研究所の研究では、血液から検出されない場合でも、脳をはじめ複数の組織で7カ月以上にわたって低レベルの新型コロナウイルスが検出されている。
人生のどこかの時点で遭遇したウイルスが、ヒトの体内で生き延びているのが見つかるのはそう珍しいことではないと語るのは、東京大学のウイルス学者、佐藤佳氏だ。事実、佐藤氏の研究は、エプスタインバーウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうの原因)など、ヘルペスウイルスの多くは、休眠状態で人の体内に残る例が少なくないことを示している。これらのウイルスの量は通常少ないため、広範な遺伝子配列の解読を行わない限り確認できない。
この事実は、残っているウイルスと新型コロナ後遺症の関連を証明することが、いかに複雑であるかを表している。たとえば帯状疱疹は、水ぼうそうの感染から何十年もたってから、免疫系へのストレスによって潜伏中のウイルスが再び活性化して発症する。
新型コロナウイルスも同じように長期の健康問題の原因となり得る。ヘンリッチ氏は、ウイルスが深部組織に潜伏している場合、免疫系を調節不能な炎症状態に移行させる可能性があると考えている。そうした炎症状態こそが、「新型コロナウイルスには、体内に残り続けて不安定な休戦状態を築く能力があることを証明していると言えるのではないでしょうか」とバンエルザッカー氏は言う。
とはいえ、残るウイルスを新型コロナ後遺症と結びつけるには広範な研究が必要だ。「今はまだ、現在提唱されているどのメカニズムについても、確固たる結論を出すうえで十分なことがわかっているとは言えませんが、その答えを出すための研究は活発に進められています」とゲング氏は言う。
ゲング、ヘンリッチ両氏のグループはそれぞれ、ファイザー社製の経口抗ウイルス薬「パクスロビド」を患者に投与したところ、新型コロナ後遺症の症状が改善されたとの予備的な症例研究を発表している。パクスロビドにはウイルスの複製を止める働きがあり、それが残留ウイルスの除去に効果を発揮しているのではないかと考える専門家もいる。ただし両氏とも、パクスロビドが安全かつ効果的で信頼に足る新型コロナ後遺症の治療薬であると考えるのは時期尚早であると注意を促している。
「パクスロビドが新型コロナ後遺症の治療にどのように効果を発揮するかについての興味深い仮説はいくつか存在しますが、結論を出すにはさらなる調査と臨床試験が必要となります」とゲング氏は言う。
米国食品医薬品局(FDA)は、新型コロナ後遺症の治療薬として承認されていないパクスロビドの適応外使用に対して警告を発している。パクスロビドについて同局は、重症化リスクの高い、軽症から中等症の新型コロナ患者の治療において、検査で陽性が出た直後、1日2回5日間の緊急的な使用を承認している(編注:日本では「パキロビッド」として新型コロナ感染症の治療薬として特例承認されており、後遺症への処方は認められていない)。
「長期的かつ持続的な効果を得るためには、最適な使用期間を検討することが重要です」とゲング氏は言う。
バイデン米大統領は保健福祉省長官に、新型コロナ後遺症に関する国家行動計画の作成を指示し、また国立衛生研究所は、新型コロナに関連した健康への長期的な影響を理解・予防・治療するための複数年に及ぶ研究プロジェクト「RECOVER」を立ち上げた。
一方、ワクチンは引き続き重症化を防ぐだけでなく、数多くの新型コロナ後遺症の症状を防ぐこともできるという証拠も出てきている。5月7日付けで学術誌「Open Forum Infectious Diseases」に発表された新たな研究からは、ワクチン未接種の新型コロナ患者150万人と、ブレイクスルー感染した接種済み患者2万5225人を比較したところ、感染後28日目の時点で、ワクチンが新型コロナウイルス後遺症の発症リスクを有意に減少させていたことがわかった。ワクチン接種の予防効果は、感染後90日目にはさらに大きくなっていた。
「大半の人は新型コロナ後遺症を発症しませんが、リスクがあることに変わりはなく、コロナは感染後最初の10日間が過ぎれば終わりというわけではありません」とヘンリッチ氏は言う。「新型コロナ感染症に真剣に対処しなければ、人生が変わってしまう事態になりかねないのです」
文=SANJAY MISHRA/訳=北村京子(ナショナル ジオグラフィック日本版サイトで2022年5月26日公開)
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
書籍『感染症の世界史』には、感染症と人間の戦いは4つの収め方があると書かれています。 ①宿主が微生物の攻撃で敗北して死滅する ②宿主側の攻撃が功を奏して、微生物が敗北して絶滅する ③宿主と微生物が和平関係を築く ④宿主と微生物がそれぞれに防御を固めて、果てしない戦いを繰り広げる 記事にある水ぼうそうのウイルスは④のケースで、感染すると宿主の細胞に永久に潜み、和平関係のように見えても宿主が弱ったすきを狙って帯状疱疹などを引き起こします。新型コロナウイルスが体内に残っていても無害なら③ですし、後遺症を引き起こしているのであれば④です。まだわからない結末を明らかにするにはさらなる科学が必要です。