えっ!! うっそー?!
悪い予感が、現実となって、いきなり、目の前に現れた。
市から伐採を請け負った業者のオジサンに聞いてみた。
「この辺は、道路拡幅に影響ないよね。全部、やっちゃうの?」
「もう、すっかり、枯れてるから。」・・だって。
うそだよ。 老いてなお、静かに、春の準備をしていたはずさあ。
20年ほど前に植えられた若い桜たちは、どんな気持ちで、この作業を見てるんだろ。
ついこの間生まれた人間に、無抵抗のままに切り捨てられる無念さ・・、わかるかい?
赤川の清流だけは、老いることもなく、枯れることもない。
老いに抗い、よたよた走る耳元に、チェーン・ソーの音が、いつまでも、まとわりつく。